【日本民间故事】育婴女鬼
❖ 子育て幽霊 ❖
#你老了会帮儿女带小孩吗#
昔々、ある村に、一軒のアメ屋がありました。ある年の夏の事、夜も遅くなったので、アメ屋さんがそろそろ店を閉めようかと思っていると、トントントントンと、戸を叩く音がしました。
很久以前,某个村子里有一家糖果店。故事发生在某一年的夏天,天色已晚卖糖果的心想该到时候打烊了,正要关门时,他听到“咚!咚!咚!”的敲门声。
「はて、こんな遅くに誰だろう?」と、アメ屋さんが戸を開けてみますと、一人の女の人が立っていました。「あの、アメをくださいな。」「あっ、はい。少々お待ちを。」アメ屋さんは女の人が持ってきた器に、壺から水アメを掬って入れました。「へい。一文いただきます。」「ありがとう。」女の人はお金を払うと、消えるように行ってしまいました。
卖糖果的心想:“咦?这么晚了是谁啊?”他打开门一看,只见一个女人站在门外。“请给我一些糖吧。”那女人说。“好的,请稍等。”说着,卖糖果的从壶里舀了一些糖稀放进了那女人带来的容器里。“嗯,总共一文钱。”卖糖果的说“谢谢你!”女人给了钱,很快就消失了。
その次の日、今日もアメ屋さんが戸締まりをしようと思っていると、また戸を叩く音がします。「あの、アメをくださいな。」やはりあの女の人でした。女の人は昨日と同じようにアメを買うと、スーッと、どこかへ帰って行きます。
第二天,同样当卖糖果的正要打烊时,又听到了敲门声。“请给我一些糖吧。”卖糖果的一看,还是昨天那个女人。她跟昨天一样又买了一些糖,然后“嗖!”地一下子又不知去向。
それから毎晩、女の人は夜深けになるとアメを買いに来ました。次の日も、その次の日も、決まって夜深けに現れては、アメを買って行くのです。
从那以后,那女人每天都在深夜来买糖。第三天、第四天,她一定会在深夜现身来买糖。
さて、ある雨の夜。この日は隣村のアメ屋さんが訪ねて来て、色々と話し込んでいたのですが。「あの、アメをくださいな。」と、いつものように現れた女の人を見て、隣村のアメ屋さんはガタガタ震え出したのです。「あ、あ、あの女は、ひと月ほど前に死んだ松吉のかかあにちげえねえ。」「えっ!」二人は顔を見合わせました。死んだはずの女の人が、夜な夜なアメを買いに来るはずはありません。しかし隣村のアメ屋は、間違いないと言います。そこで二人は、女の後をつけてみることにしました。
这是一个下着雨的夜晚。这天,隔壁村卖糖果的老板来此拜访,当他俩聊得起劲时,那女人像往常一样又来了。“请给我一些糖吧。”看到那个经常出现的女人,隔壁村卖糖果的老板吓得浑身哆嗦说:“那、那、那个女人,不就是一个月前死去的松吉的老婆吗。”“啊?”他俩面面相觑。已经死了的女人,不可能每天夜都来买糖啊。可是隔壁村卖糖果的老板说一定没错,肯就是那个女的。于他俩决定跟在那女人后面想看个究竟。
アメを買った女の人は林を抜け、隣村へと歩いていきます、その場所は、「はっ、墓だ!」女の人は墓の中に入っていくと、スーッと煙のように消えてしまったのです。
那女人买了糖,穿过树林,往隔壁村走去。他俩紧随其后,到了那里一看,他们惊叫起来:“啊!是坟墓。”只见那女人走进了墓地,“忽”地像烟一样消失了。
「お、お化けだー!」二人はお寺に駆け込むと、和尚さんにこれまでの事を話しました。しかし、和尚さんは「そんな馬鹿な事があるものか。きっと、何かの見間違いじゃろう」と言いましたが、二人があまりにも真剣なので、仕方なく二人と一緒に墓場へ行ってみることにしました。
“啊呀!是鬼啊!”他俩慌慌张张地跑进了寺院,将刚才发生的一切都告诉老和尚。然而,老和尚说:“怎么会有如此荒唐的事儿呢?一定是你们看错了。”可是看到他俩如此认真的样子,无奈决定跟他俩一起去墓地看个究竟。
すると、オンギャー、オンギャーと、微かに赤ん坊の泣き声が聞こえてきます。声のする方へ行ってみると、「あっ、人間の赤ん坊じゃないか!どうしてこんな所に?」和尚さんが提灯の明かりを照らしてみると、傍に手紙が添えられています。それによると、赤ん坊は捨て子でした。「手紙によると、捨てられたのは数目前。それから何日も経つのに、どうして生きられたんじゃ?」
来到了墓地,他们隐隐约约地听到有“呱哇!呱哇!”婴儿的啼哭声,他们循着哭声走去一看,“啊?这不是婴儿吗?怎么会在这种地方呢?”老和尚拿着灯笼一照,只见婴儿旁边放着封信。由此判断,这孩子是一个弃婴。“从这封信来看,这婴儿已经被遗弃好几天了。可过了这么些天,他怎么还活着呢?”他们三人百思不得其解。
ふと見ると、あの女の人が毎晩アメを買って行った器が、赤ん坊の横に転がっていたのです。そして、赤ん坊が捨てられた傍の墓を見ると。「おお、これはこの前に死んだ松吉の女房の墓じゃ!」何と幽霊が、人間の子どもを育てていたのです。「なるほど、それでアメを買いに来たんだな。それも自分のでは顔を知られているので、わざわざ隣村まで。」きっと、自分の墓のそばに捨てられた赤ん坊を、見るに見かねたにちがいありません。
忽然,他们发现了那女人每天用来买糖的器皿就放在婴儿的身边,他们又看了看弃婴旁边的坟墓。“快看!这不就是不久前死去的松吉老婆的坟墓吗?”他们惊叫起来,你一言我一语的。哎呀!原来是女鬼抚养着这个婴儿啊!“哦,原来如此。她特意走到隔壁村去买糖,就是因为怕被同村的人认出来啊!”她一定是不忍心看到被遗弃在自己坟旁的婴儿挨饿,才这么做的吧。
和尚さんは心を打たれて、松吉の女房の墓に手を合わせました。「優しい仏様じゃ。この子は、わしが育てるに、安心してくだされよ。」こうしてお墓に捨てられた赤ん坊は、和尚さんに引き取られました。それからあの女の人がアメ屋さんに現れる事は、もう二度となかったそうです。
老和尚见此情况深受感动,在松吉老婆的坟前合掌道:“慈悲的神仙啊!请您放心吧。我一定会抚养这个孩子的。”就这样,老和尚把遗弃在坟墓的婴儿带了回去。据说从那以后,那个女鬼就再也没有出现在糖果店了。
❖ 子育て幽霊 ❖
#你老了会帮儿女带小孩吗#
昔々、ある村に、一軒のアメ屋がありました。ある年の夏の事、夜も遅くなったので、アメ屋さんがそろそろ店を閉めようかと思っていると、トントントントンと、戸を叩く音がしました。
很久以前,某个村子里有一家糖果店。故事发生在某一年的夏天,天色已晚卖糖果的心想该到时候打烊了,正要关门时,他听到“咚!咚!咚!”的敲门声。
「はて、こんな遅くに誰だろう?」と、アメ屋さんが戸を開けてみますと、一人の女の人が立っていました。「あの、アメをくださいな。」「あっ、はい。少々お待ちを。」アメ屋さんは女の人が持ってきた器に、壺から水アメを掬って入れました。「へい。一文いただきます。」「ありがとう。」女の人はお金を払うと、消えるように行ってしまいました。
卖糖果的心想:“咦?这么晚了是谁啊?”他打开门一看,只见一个女人站在门外。“请给我一些糖吧。”那女人说。“好的,请稍等。”说着,卖糖果的从壶里舀了一些糖稀放进了那女人带来的容器里。“嗯,总共一文钱。”卖糖果的说“谢谢你!”女人给了钱,很快就消失了。
その次の日、今日もアメ屋さんが戸締まりをしようと思っていると、また戸を叩く音がします。「あの、アメをくださいな。」やはりあの女の人でした。女の人は昨日と同じようにアメを買うと、スーッと、どこかへ帰って行きます。
第二天,同样当卖糖果的正要打烊时,又听到了敲门声。“请给我一些糖吧。”卖糖果的一看,还是昨天那个女人。她跟昨天一样又买了一些糖,然后“嗖!”地一下子又不知去向。
それから毎晩、女の人は夜深けになるとアメを買いに来ました。次の日も、その次の日も、決まって夜深けに現れては、アメを買って行くのです。
从那以后,那女人每天都在深夜来买糖。第三天、第四天,她一定会在深夜现身来买糖。
さて、ある雨の夜。この日は隣村のアメ屋さんが訪ねて来て、色々と話し込んでいたのですが。「あの、アメをくださいな。」と、いつものように現れた女の人を見て、隣村のアメ屋さんはガタガタ震え出したのです。「あ、あ、あの女は、ひと月ほど前に死んだ松吉のかかあにちげえねえ。」「えっ!」二人は顔を見合わせました。死んだはずの女の人が、夜な夜なアメを買いに来るはずはありません。しかし隣村のアメ屋は、間違いないと言います。そこで二人は、女の後をつけてみることにしました。
这是一个下着雨的夜晚。这天,隔壁村卖糖果的老板来此拜访,当他俩聊得起劲时,那女人像往常一样又来了。“请给我一些糖吧。”看到那个经常出现的女人,隔壁村卖糖果的老板吓得浑身哆嗦说:“那、那、那个女人,不就是一个月前死去的松吉的老婆吗。”“啊?”他俩面面相觑。已经死了的女人,不可能每天夜都来买糖啊。可是隔壁村卖糖果的老板说一定没错,肯就是那个女的。于他俩决定跟在那女人后面想看个究竟。
アメを買った女の人は林を抜け、隣村へと歩いていきます、その場所は、「はっ、墓だ!」女の人は墓の中に入っていくと、スーッと煙のように消えてしまったのです。
那女人买了糖,穿过树林,往隔壁村走去。他俩紧随其后,到了那里一看,他们惊叫起来:“啊!是坟墓。”只见那女人走进了墓地,“忽”地像烟一样消失了。
「お、お化けだー!」二人はお寺に駆け込むと、和尚さんにこれまでの事を話しました。しかし、和尚さんは「そんな馬鹿な事があるものか。きっと、何かの見間違いじゃろう」と言いましたが、二人があまりにも真剣なので、仕方なく二人と一緒に墓場へ行ってみることにしました。
“啊呀!是鬼啊!”他俩慌慌张张地跑进了寺院,将刚才发生的一切都告诉老和尚。然而,老和尚说:“怎么会有如此荒唐的事儿呢?一定是你们看错了。”可是看到他俩如此认真的样子,无奈决定跟他俩一起去墓地看个究竟。
すると、オンギャー、オンギャーと、微かに赤ん坊の泣き声が聞こえてきます。声のする方へ行ってみると、「あっ、人間の赤ん坊じゃないか!どうしてこんな所に?」和尚さんが提灯の明かりを照らしてみると、傍に手紙が添えられています。それによると、赤ん坊は捨て子でした。「手紙によると、捨てられたのは数目前。それから何日も経つのに、どうして生きられたんじゃ?」
来到了墓地,他们隐隐约约地听到有“呱哇!呱哇!”婴儿的啼哭声,他们循着哭声走去一看,“啊?这不是婴儿吗?怎么会在这种地方呢?”老和尚拿着灯笼一照,只见婴儿旁边放着封信。由此判断,这孩子是一个弃婴。“从这封信来看,这婴儿已经被遗弃好几天了。可过了这么些天,他怎么还活着呢?”他们三人百思不得其解。
ふと見ると、あの女の人が毎晩アメを買って行った器が、赤ん坊の横に転がっていたのです。そして、赤ん坊が捨てられた傍の墓を見ると。「おお、これはこの前に死んだ松吉の女房の墓じゃ!」何と幽霊が、人間の子どもを育てていたのです。「なるほど、それでアメを買いに来たんだな。それも自分のでは顔を知られているので、わざわざ隣村まで。」きっと、自分の墓のそばに捨てられた赤ん坊を、見るに見かねたにちがいありません。
忽然,他们发现了那女人每天用来买糖的器皿就放在婴儿的身边,他们又看了看弃婴旁边的坟墓。“快看!这不就是不久前死去的松吉老婆的坟墓吗?”他们惊叫起来,你一言我一语的。哎呀!原来是女鬼抚养着这个婴儿啊!“哦,原来如此。她特意走到隔壁村去买糖,就是因为怕被同村的人认出来啊!”她一定是不忍心看到被遗弃在自己坟旁的婴儿挨饿,才这么做的吧。
和尚さんは心を打たれて、松吉の女房の墓に手を合わせました。「優しい仏様じゃ。この子は、わしが育てるに、安心してくだされよ。」こうしてお墓に捨てられた赤ん坊は、和尚さんに引き取られました。それからあの女の人がアメ屋さんに現れる事は、もう二度となかったそうです。
老和尚见此情况深受感动,在松吉老婆的坟前合掌道:“慈悲的神仙啊!请您放心吧。我一定会抚养这个孩子的。”就这样,老和尚把遗弃在坟墓的婴儿带了回去。据说从那以后,那个女鬼就再也没有出现在糖果店了。
#魔道祖師##魔道祖师#
忘羨
R18
「あっ、藍湛まっ……! それ俺のっ……天子笑……」
あーあ、と俺は思わず溜息を溢す。藍湛に酒を飲ませてはいけない。なのに藍湛は俺の天子笑に誤って口をつけた。
「ら、藍湛……さん?」
途端に藍湛の目が据わる。他人ならぱっと見ではわかりづらいかもしれないが、俺は最近ようやく藍湛の表情を読み取れるようになってきた。今晩は荒れそうだな、と俺はそっと腹をさすった。
藍湛の抱き方は乱暴だ。
吸って、噛んで、縛って、叩く。
涼しそうな無表情を崩さないまま、粗い呼吸の合間に俺の名前を何度も呼ぶ。額から頬を伝った汗が背中にぽつぽつと落ちてくる。
「あっ、らん、ざ……んぅ、んっ!」
後ろから抱きすくめられて、片方のその大きな手だけで頭上に腕を繋ぎ止められ、逃れることができない。
頸に朱い痕を残したかと思えば、肩に噛みつかれる。繋がった箇所からは濡らした油と体から溢れた粘液の音が、そして、肌と肌のぶつかる音も静室に響く。
俺の粗い呼吸も、声も、寝台が軋む音も、しんとした室内に漏れた。
「らんっざ、も、早い……っ、ゆっく、りってぇ……っ」
これで何度目だろうか、吐精した回数はもう覚えていない。段々、溢す量が減っていって、もう出ないと俺は首を振ったけど、藍湛が俺を繋ぎ止める力を緩める気はないようだった。
「……ゆっくり?」
そう、確かめるように藍湛に尋ねられる。けれど藍湛には加減する気はないのだから、なんの問いかけでもない。
何度も出さずに達して、いつもそこからが始まりだと言ってもいい。
「らん、らんざ……んうっ、あっ、あっ、も、ゆるし……も、出ないからあっ!」
吐精せずに達した後、俺は布団に頽れた。藍湛が俺の様子を見るように少し止まってくれたから、俺は短く粗い呼吸を繰り返した。
「はっ……っ、は、はっ……っ」
立てていた膝はがくがくと震えているし、肌がぶつかっていた尻たぶはじん、っと熱をもっている。喉はからからだし、意識はぼんやりとしていた。
けれど、これだけ俺が翻弄されているのに、藍湛はまだ一度も達していない。俺の胎内で存在を主張するように、硬く大きなままだ。
少し呼吸が整うと、また藍湛が腰を進める。ごりごりと傘の部分で何度もしこりを押されて、潰されて、急に奥まで差し込まれると、結腸を抉られる。その快感に顔をそらせると、口角から唾液がこぼれ落ちた。
「あ゛っ、あ……っ! そこ、そこだめぇっ」
吐精した白濁だったものと解すのに使った油がじゅくじゅくと音を立てる。ぎりぎりまで引き抜かれたかと思えば大きく穿たれる。
「魏嬰……、魏嬰…………っ」
藍湛の腰の動きが早くなって、肌同士がぶつかる音も大きくなった。
耳元で切ないように囁かれる自分の名に、まるで電気が背筋を這い上がっていく感じがした。
「あっ、は……っ、んぐ……っ、んぅ……っ」
全身に多幸感が広がって、胸がきゅうと引き絞られる。
藍湛が愛おしい、かわいい、かっこいい、抱きしめたい。
「藍湛……っ、なあ、……なあってっ!」
「魏嬰?」
俺が手首を解くようにと腕を動かすと、藍湛がようやく繋ぎ止めていた大きな手を離してくれた。
俺の手首には藍湛の指の形までしっかりと残っている。
「らんざん……俺、前からが、いい……っ、藍湛のこと抱きしめて、した、っんむ、っ」
最後まで言わせてもらえなかった。
藍湛は一度雄を引き抜き、その怪力で俺の体を軽々とひっくり返すと、唇を奪った。噛み付くみたいに、貪るって言った方が正しい。
唾液が頬へと溢れるまま、舌が俺の口内を蹂躙する。歯列をなぞられ、上顎を舐められる。舌同士が絡まって、唾液を飲み込む事ができずにいると、藍湛はそれすら自分のものだと言わんばかりにそれを吸い、飲み下した。
「ん、ぢゅ……っ、ん、く……んぅ」
そのまま、また、藍湛が挿ってきた。剛直なそれは壁を押し広げ、後ろから交わっていた時とは違う場所を押し広げながら中へ中へと進んでいく。
俺は思わず藍湛の背にしがみついた。
ぎゅうと抱きつくと、唇を合わせたまま胎内を圧迫感する感覚に、小さく声が詰まった。
「ん、っ、っぐ、っ……ぅ」
痛くはないけれど、藍湛の雄は大きいから内臓がぐっと押される。最奥まで収まると、薄い腹の上からどこまで挿っているのかがわかるくらいだ。
向き合って雄を埋め込んでくる藍湛の顔を見ると相変わらず表情はそんなに変わらないのに、頬が蒸気して、眦まで朱い。汗が顎から滴って俺の頬へと落ちる。
「っ、……魏嬰っ」
限界が近いのか、はっと大きく息を吐いた藍湛が腰を振る。ぐっぐっとまるで押しつけられるように奥を穿つ。
俺はした事はないから春画の受け売りだけど、もし俺が女の子だったら最奥っていうのは胎内で。そこに穿たれて、白濁を吐き出されるっていうのは子供ができるってことだ。頭のどこかで俺には無理だけど、と聞こえた気もしたけれど、そんな事を考えているうちに内臓が迫り上がる。
「藍湛っ、まっ、て……あっ、あ゛っ、くる、っいつもの、くるから……止まっ、止まって……っ、」
唇を重ねて、耳元で吐息を感じて、藍湛の黒くて長くて艶やかな髪が頬を撫でるたびに、肌がぞわぞわと泡立つ。気持ちが良すぎて、藍湛が体を起こした頃には俺は半開きにした唇からただただ甘い声を漏らしていた。
いつもの、内側からじわっと溢れるような達し方。その前兆がある。藍湛の背中に爪を立てて堪えようとしたけれど、そんなのは無意味だった。
何度も前で達するよりも深くて長い快感を思い出すだけで、後孔がぎゅうと藍湛を締め付けた。
「まっ、まって……あ゛、っだめ、だめ、っ……くる、く、ぐ……っ……ぁ、あ゛ぁぁあ、っ」
藍湛が俺の太腿に噛み付いた事でその蓋が外れたように体の中心から蜜にも似た快感が体中に広がる。目の前がちかちかと明滅して、涙が溢れ、体が震える。つま先は突っ張って、背中が反った。胎内の藍湛の剛直の形がわかるくらいに締め付けているのがわかる。
「っ、ぅう、っ! あ、ぁ……っ」
「っ、魏嬰……っ」
藍湛の腹と俺の尻たぶが一際大きな音を立てると、藍湛の剛直も震えた。胎内でどくどくと鼓動のように跳ね、熱い白濁が中を濡らす。粘度のあるそれを擦り付けるように何度か腰をぐっと押しつけた藍湛は、大きく呼吸を繰り返してからゆっくりと体を屈めて、俺と唇を合わせる。
「魏嬰」
唇が触れる前のほんの一瞬、名を呼ばれた。ただでさえ達した余韻ではくはくと呼吸をしていたのに、また体が熱くなる。もう限界だと思っていても、彼に愛されるのが好きだ。
それから今晩もまた、疼く体で藍湛を抱きしめるのだ。
毎日のように体を合わせているけど、嫌だと思ったことなんて一度もない。ちょっと体が重いかな、とか、気怠い気がしたりはあるけれど、体には藍湛が付けてくれた跡がたくさんあって、それが愛されてる証拠だと思うと自然と顔が緩む。
俺は藍湛が大好きだ。
「けどな」
「……魏嬰」
俺は酔った藍湛とするのは好きじゃない。いや嫌いじゃない。藍湛とするのはいつだって気持ちがいい。
でも。
「どうせ覚えてないんだろう?」
「……うん」
「……はあ。いや、今後は藍湛の目の前に酒を置かないように気をつける。藍湛も飲まないように気をつけろよ?」
「うん」
藍湛の酒癖の悪さが嫌いだ。
面白いけどな。
覚えてないのはつまらん。
忘羨
R18
「あっ、藍湛まっ……! それ俺のっ……天子笑……」
あーあ、と俺は思わず溜息を溢す。藍湛に酒を飲ませてはいけない。なのに藍湛は俺の天子笑に誤って口をつけた。
「ら、藍湛……さん?」
途端に藍湛の目が据わる。他人ならぱっと見ではわかりづらいかもしれないが、俺は最近ようやく藍湛の表情を読み取れるようになってきた。今晩は荒れそうだな、と俺はそっと腹をさすった。
藍湛の抱き方は乱暴だ。
吸って、噛んで、縛って、叩く。
涼しそうな無表情を崩さないまま、粗い呼吸の合間に俺の名前を何度も呼ぶ。額から頬を伝った汗が背中にぽつぽつと落ちてくる。
「あっ、らん、ざ……んぅ、んっ!」
後ろから抱きすくめられて、片方のその大きな手だけで頭上に腕を繋ぎ止められ、逃れることができない。
頸に朱い痕を残したかと思えば、肩に噛みつかれる。繋がった箇所からは濡らした油と体から溢れた粘液の音が、そして、肌と肌のぶつかる音も静室に響く。
俺の粗い呼吸も、声も、寝台が軋む音も、しんとした室内に漏れた。
「らんっざ、も、早い……っ、ゆっく、りってぇ……っ」
これで何度目だろうか、吐精した回数はもう覚えていない。段々、溢す量が減っていって、もう出ないと俺は首を振ったけど、藍湛が俺を繋ぎ止める力を緩める気はないようだった。
「……ゆっくり?」
そう、確かめるように藍湛に尋ねられる。けれど藍湛には加減する気はないのだから、なんの問いかけでもない。
何度も出さずに達して、いつもそこからが始まりだと言ってもいい。
「らん、らんざ……んうっ、あっ、あっ、も、ゆるし……も、出ないからあっ!」
吐精せずに達した後、俺は布団に頽れた。藍湛が俺の様子を見るように少し止まってくれたから、俺は短く粗い呼吸を繰り返した。
「はっ……っ、は、はっ……っ」
立てていた膝はがくがくと震えているし、肌がぶつかっていた尻たぶはじん、っと熱をもっている。喉はからからだし、意識はぼんやりとしていた。
けれど、これだけ俺が翻弄されているのに、藍湛はまだ一度も達していない。俺の胎内で存在を主張するように、硬く大きなままだ。
少し呼吸が整うと、また藍湛が腰を進める。ごりごりと傘の部分で何度もしこりを押されて、潰されて、急に奥まで差し込まれると、結腸を抉られる。その快感に顔をそらせると、口角から唾液がこぼれ落ちた。
「あ゛っ、あ……っ! そこ、そこだめぇっ」
吐精した白濁だったものと解すのに使った油がじゅくじゅくと音を立てる。ぎりぎりまで引き抜かれたかと思えば大きく穿たれる。
「魏嬰……、魏嬰…………っ」
藍湛の腰の動きが早くなって、肌同士がぶつかる音も大きくなった。
耳元で切ないように囁かれる自分の名に、まるで電気が背筋を這い上がっていく感じがした。
「あっ、は……っ、んぐ……っ、んぅ……っ」
全身に多幸感が広がって、胸がきゅうと引き絞られる。
藍湛が愛おしい、かわいい、かっこいい、抱きしめたい。
「藍湛……っ、なあ、……なあってっ!」
「魏嬰?」
俺が手首を解くようにと腕を動かすと、藍湛がようやく繋ぎ止めていた大きな手を離してくれた。
俺の手首には藍湛の指の形までしっかりと残っている。
「らんざん……俺、前からが、いい……っ、藍湛のこと抱きしめて、した、っんむ、っ」
最後まで言わせてもらえなかった。
藍湛は一度雄を引き抜き、その怪力で俺の体を軽々とひっくり返すと、唇を奪った。噛み付くみたいに、貪るって言った方が正しい。
唾液が頬へと溢れるまま、舌が俺の口内を蹂躙する。歯列をなぞられ、上顎を舐められる。舌同士が絡まって、唾液を飲み込む事ができずにいると、藍湛はそれすら自分のものだと言わんばかりにそれを吸い、飲み下した。
「ん、ぢゅ……っ、ん、く……んぅ」
そのまま、また、藍湛が挿ってきた。剛直なそれは壁を押し広げ、後ろから交わっていた時とは違う場所を押し広げながら中へ中へと進んでいく。
俺は思わず藍湛の背にしがみついた。
ぎゅうと抱きつくと、唇を合わせたまま胎内を圧迫感する感覚に、小さく声が詰まった。
「ん、っ、っぐ、っ……ぅ」
痛くはないけれど、藍湛の雄は大きいから内臓がぐっと押される。最奥まで収まると、薄い腹の上からどこまで挿っているのかがわかるくらいだ。
向き合って雄を埋め込んでくる藍湛の顔を見ると相変わらず表情はそんなに変わらないのに、頬が蒸気して、眦まで朱い。汗が顎から滴って俺の頬へと落ちる。
「っ、……魏嬰っ」
限界が近いのか、はっと大きく息を吐いた藍湛が腰を振る。ぐっぐっとまるで押しつけられるように奥を穿つ。
俺はした事はないから春画の受け売りだけど、もし俺が女の子だったら最奥っていうのは胎内で。そこに穿たれて、白濁を吐き出されるっていうのは子供ができるってことだ。頭のどこかで俺には無理だけど、と聞こえた気もしたけれど、そんな事を考えているうちに内臓が迫り上がる。
「藍湛っ、まっ、て……あっ、あ゛っ、くる、っいつもの、くるから……止まっ、止まって……っ、」
唇を重ねて、耳元で吐息を感じて、藍湛の黒くて長くて艶やかな髪が頬を撫でるたびに、肌がぞわぞわと泡立つ。気持ちが良すぎて、藍湛が体を起こした頃には俺は半開きにした唇からただただ甘い声を漏らしていた。
いつもの、内側からじわっと溢れるような達し方。その前兆がある。藍湛の背中に爪を立てて堪えようとしたけれど、そんなのは無意味だった。
何度も前で達するよりも深くて長い快感を思い出すだけで、後孔がぎゅうと藍湛を締め付けた。
「まっ、まって……あ゛、っだめ、だめ、っ……くる、く、ぐ……っ……ぁ、あ゛ぁぁあ、っ」
藍湛が俺の太腿に噛み付いた事でその蓋が外れたように体の中心から蜜にも似た快感が体中に広がる。目の前がちかちかと明滅して、涙が溢れ、体が震える。つま先は突っ張って、背中が反った。胎内の藍湛の剛直の形がわかるくらいに締め付けているのがわかる。
「っ、ぅう、っ! あ、ぁ……っ」
「っ、魏嬰……っ」
藍湛の腹と俺の尻たぶが一際大きな音を立てると、藍湛の剛直も震えた。胎内でどくどくと鼓動のように跳ね、熱い白濁が中を濡らす。粘度のあるそれを擦り付けるように何度か腰をぐっと押しつけた藍湛は、大きく呼吸を繰り返してからゆっくりと体を屈めて、俺と唇を合わせる。
「魏嬰」
唇が触れる前のほんの一瞬、名を呼ばれた。ただでさえ達した余韻ではくはくと呼吸をしていたのに、また体が熱くなる。もう限界だと思っていても、彼に愛されるのが好きだ。
それから今晩もまた、疼く体で藍湛を抱きしめるのだ。
毎日のように体を合わせているけど、嫌だと思ったことなんて一度もない。ちょっと体が重いかな、とか、気怠い気がしたりはあるけれど、体には藍湛が付けてくれた跡がたくさんあって、それが愛されてる証拠だと思うと自然と顔が緩む。
俺は藍湛が大好きだ。
「けどな」
「……魏嬰」
俺は酔った藍湛とするのは好きじゃない。いや嫌いじゃない。藍湛とするのはいつだって気持ちがいい。
でも。
「どうせ覚えてないんだろう?」
「……うん」
「……はあ。いや、今後は藍湛の目の前に酒を置かないように気をつける。藍湛も飲まないように気をつけろよ?」
「うん」
藍湛の酒癖の悪さが嫌いだ。
面白いけどな。
覚えてないのはつまらん。
#往復書簡#
片寄が「往復書簡」の相手に指名された理由
片寄涼太(GENERATIONS from EXILE TRIBE)×作詞家・小竹正人 往復書簡38
連載終了がいよいよ近づいてきて、「往復書簡の相手に片寄涼太を選んだ理由」について、小竹が明かす。
***
「もしもし、涼太? 往復書簡の連載がもうすぐ終わってしまうらしいよ」
と、君に電話しようかと思っていた矢先、君からの書簡が届いた。
新型コロナウイルスなどという言葉をまだ誰も知らない頃に企画があがり、あっという間にそのウイルスに当たり前の日常を奪われ、コロナ禍ゾワゾワの真っ只中にスタートしたこの往復書簡。
これが終了するということは、コロナウイルスも収束するのだろうか……と祈りのような願いのような気持ちが胸にふつふつ。
以前も書いたが、この連載の執筆中に私はやたらと自分の若かりし日々のことを思い出した。人生を変えてしまった大きな出来事からすっかり忘れていたと思っていた些末なことまで。
私がアメリカ生活を終え帰国して、ホンモノの社会人となったのはちょうど今の君くらいの年齢。
私はアメリカ生活で吸収したもので頭も心もパンパンで、今よりずっと大袈裟な喜怒哀楽を抱えながら生きていた気がする。
この連載での君の文章を読むたびに、自分にもそういうことがあったなあ、とか、自分はこうだったなあ、とか、今の君の状況を当時の自分のそれに当てはめる機会が多々あった。
君からの手紙が着火剤となって思い出の焚き火がどんどん燃えていたような、そんな数か月でした。
君は、時に素直に時に辛辣にいろんな思いを吐露してくれた。
前回のワインショップの店主とのやり取りやもっと前のタクシードライバーとのエピソードなど、君が出会った誰かのこと、君がその誰かに対して抱いた心情、そういうものを読むのが私はとても好きだった。
だってさ、私と君って、食事に行ったり飲みに行ったりしてもあまり他人のことを話さないじゃん?
仕事で会うときはプライベートであったささやかな出来事の話題なんて絶対に出ないじゃん?
この往復書簡をやっていなかったら絶対に知らない「君」をたくさん知れたのは、なんかよかった。
これって先輩的な気持ちではなく、どちらかというと親心の類かも。離れて暮らす君の両親もきっとこの連載をとても楽しんでいたと思う。
さて、この連載が始まった頃に、「往復書簡の相手に片寄涼太を選んだ理由は追々書き綴る」と記していた私。
その理由は実にシンプル。私が頻繁に連絡を取り合っていた大勢の後輩(10代20代)の中で、ずば抜けて魅力的かつ正しい日本語の文章を書いていたのが君だったからです。
普段から仲のいいそんな涼太と一緒に、手紙という名のエッセイの連載をやったら楽しいだろうし、「読み物」としてちゃんと成立するだろうなあと思った次第。
そしてもうひとつ、一番大事だったのが、片寄涼太には「情緒」があるということ。
君以外にも、思わず笑ってしまうような楽しいメールを送ってくれる後輩もとても礼儀正しい侍のようなメールを送ってくれる後輩もたくさんいる。
ただそこに情緒が見え隠れしないと私の心には引っ掛かり続けない。
「何を偉そうに」と思う人もいるだろうが、生業が作詞家なくらいだから、私は情緒があること、情緒に溢れるもの、情緒が滲む文章なんかをやたらと重んじる性格なのである。
ありきたりな例えだが、咲いた桜を綺麗だと思い、散った桜を儚いと思う、そういう情感を間違いなく君とはズレがなく共有できると長い付き合いの中ですでに知っていたので。
君の文章力は私の想像より遥かに高く、「えっ、こんなに書けるんだ?」と、正直たじろいでしまったほどだったが、文通相手に選んだ君がこの連載を引き受けてくれたことはもちろん、「本当の手紙」を何通も私に書いてくれたことを嬉しく思う。
冒頭でも触れたが、この往復書簡は最初から最後までコロナ禍において行われ、君と直接会ったのはたったの1回(七夕か? 彦星と織姫か?)、それもこの連載に関する打ち合わせだった。
10年前から君に会うときはいつだって美味しいものをいただきながらだったのに、何も飲み食いせずにずっとマスクをしたままで、あの日の会議室の様子は異様な光景として私の脳裏に焼き付いている。
そう思うと私たちはものすごい時期に手紙を交わしていたのだね。忘れたくても忘れられないね、きっと。
ちなみに、次回の私から君に送る手紙がこの往復書簡のホントの最終回。
私は、「返事の来ない手紙」を書くことになる。最後だからこそ、誰も興味がないような私自身のことを綴りたいと思う。
最後だからと気負わずに、焚き火の火が小さくなるみたいにゆる~い感じでね。
さて、片寄涼太、今回のこの手紙への返事が、私が君から受け取る最後の手紙になる。果たして君は何を綴るのだろう?
小竹正人
p1 1年振りに今市隆二に会えました。同じ事務所のただの先輩後輩ではなく、かと言って親友でも家族でもない。一番しっくりくるのは『ソウルメイト』かもw。私の人間性(どうしようもない部分や恥部も含め)を相当知り尽くしている男です
p2 気軽に人と会えないご時世、今年の誕生日には花が沢山届きました。敬愛する飯島直子さんは30年近く毎年必ず私の誕生日を祝ってくれます。コロナが落ち着いたら真っ先に会いに行きたい私の恩人です
原文地址https://t.cn/A6cfrAbN
片寄が「往復書簡」の相手に指名された理由
片寄涼太(GENERATIONS from EXILE TRIBE)×作詞家・小竹正人 往復書簡38
連載終了がいよいよ近づいてきて、「往復書簡の相手に片寄涼太を選んだ理由」について、小竹が明かす。
***
「もしもし、涼太? 往復書簡の連載がもうすぐ終わってしまうらしいよ」
と、君に電話しようかと思っていた矢先、君からの書簡が届いた。
新型コロナウイルスなどという言葉をまだ誰も知らない頃に企画があがり、あっという間にそのウイルスに当たり前の日常を奪われ、コロナ禍ゾワゾワの真っ只中にスタートしたこの往復書簡。
これが終了するということは、コロナウイルスも収束するのだろうか……と祈りのような願いのような気持ちが胸にふつふつ。
以前も書いたが、この連載の執筆中に私はやたらと自分の若かりし日々のことを思い出した。人生を変えてしまった大きな出来事からすっかり忘れていたと思っていた些末なことまで。
私がアメリカ生活を終え帰国して、ホンモノの社会人となったのはちょうど今の君くらいの年齢。
私はアメリカ生活で吸収したもので頭も心もパンパンで、今よりずっと大袈裟な喜怒哀楽を抱えながら生きていた気がする。
この連載での君の文章を読むたびに、自分にもそういうことがあったなあ、とか、自分はこうだったなあ、とか、今の君の状況を当時の自分のそれに当てはめる機会が多々あった。
君からの手紙が着火剤となって思い出の焚き火がどんどん燃えていたような、そんな数か月でした。
君は、時に素直に時に辛辣にいろんな思いを吐露してくれた。
前回のワインショップの店主とのやり取りやもっと前のタクシードライバーとのエピソードなど、君が出会った誰かのこと、君がその誰かに対して抱いた心情、そういうものを読むのが私はとても好きだった。
だってさ、私と君って、食事に行ったり飲みに行ったりしてもあまり他人のことを話さないじゃん?
仕事で会うときはプライベートであったささやかな出来事の話題なんて絶対に出ないじゃん?
この往復書簡をやっていなかったら絶対に知らない「君」をたくさん知れたのは、なんかよかった。
これって先輩的な気持ちではなく、どちらかというと親心の類かも。離れて暮らす君の両親もきっとこの連載をとても楽しんでいたと思う。
さて、この連載が始まった頃に、「往復書簡の相手に片寄涼太を選んだ理由は追々書き綴る」と記していた私。
その理由は実にシンプル。私が頻繁に連絡を取り合っていた大勢の後輩(10代20代)の中で、ずば抜けて魅力的かつ正しい日本語の文章を書いていたのが君だったからです。
普段から仲のいいそんな涼太と一緒に、手紙という名のエッセイの連載をやったら楽しいだろうし、「読み物」としてちゃんと成立するだろうなあと思った次第。
そしてもうひとつ、一番大事だったのが、片寄涼太には「情緒」があるということ。
君以外にも、思わず笑ってしまうような楽しいメールを送ってくれる後輩もとても礼儀正しい侍のようなメールを送ってくれる後輩もたくさんいる。
ただそこに情緒が見え隠れしないと私の心には引っ掛かり続けない。
「何を偉そうに」と思う人もいるだろうが、生業が作詞家なくらいだから、私は情緒があること、情緒に溢れるもの、情緒が滲む文章なんかをやたらと重んじる性格なのである。
ありきたりな例えだが、咲いた桜を綺麗だと思い、散った桜を儚いと思う、そういう情感を間違いなく君とはズレがなく共有できると長い付き合いの中ですでに知っていたので。
君の文章力は私の想像より遥かに高く、「えっ、こんなに書けるんだ?」と、正直たじろいでしまったほどだったが、文通相手に選んだ君がこの連載を引き受けてくれたことはもちろん、「本当の手紙」を何通も私に書いてくれたことを嬉しく思う。
冒頭でも触れたが、この往復書簡は最初から最後までコロナ禍において行われ、君と直接会ったのはたったの1回(七夕か? 彦星と織姫か?)、それもこの連載に関する打ち合わせだった。
10年前から君に会うときはいつだって美味しいものをいただきながらだったのに、何も飲み食いせずにずっとマスクをしたままで、あの日の会議室の様子は異様な光景として私の脳裏に焼き付いている。
そう思うと私たちはものすごい時期に手紙を交わしていたのだね。忘れたくても忘れられないね、きっと。
ちなみに、次回の私から君に送る手紙がこの往復書簡のホントの最終回。
私は、「返事の来ない手紙」を書くことになる。最後だからこそ、誰も興味がないような私自身のことを綴りたいと思う。
最後だからと気負わずに、焚き火の火が小さくなるみたいにゆる~い感じでね。
さて、片寄涼太、今回のこの手紙への返事が、私が君から受け取る最後の手紙になる。果たして君は何を綴るのだろう?
小竹正人
p1 1年振りに今市隆二に会えました。同じ事務所のただの先輩後輩ではなく、かと言って親友でも家族でもない。一番しっくりくるのは『ソウルメイト』かもw。私の人間性(どうしようもない部分や恥部も含め)を相当知り尽くしている男です
p2 気軽に人と会えないご時世、今年の誕生日には花が沢山届きました。敬愛する飯島直子さんは30年近く毎年必ず私の誕生日を祝ってくれます。コロナが落ち着いたら真っ先に会いに行きたい私の恩人です
原文地址https://t.cn/A6cfrAbN
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