2022年6月13日(月)、シネ・リーブル梅田にて『ストーリー・オブ・フィルム 111の映画旅行』を鑑賞。
私は年間150~200本の映画を20年近く鑑賞し続けているが、イギリスのマーク・カズンズ監督がこれまでの人生で鑑賞した総本数は、何と1万6,000作品。
そんな“365日映画を鑑賞する男”が、映画を取り巻く環境や表現手段が劇的に変わった2010~21年の11年間にスポットを当てて“厳選”した111本の映画を、167分間にわたって論評したのが本作だ。
私は111本のうち35本を鑑賞し評論しているから、興味のある人は是非本作と対比を。

【わたし達はおとな】web MAGAZINE

ELLEgirl

「恋愛をするときは、出会ってしまうもの」俳優の藤原季節に聞く、映画『わたし達はおとな』

抜群の演技力でドラマや映画・舞台で活躍する藤原季節さん。新作映画と自身の恋愛観についてインタビュー!

――最初に、脚本を読んだご感想は?
「20代の恋愛を“覗き見”しているような部分もありつつ、どこか美しさを感じました。長年交流があり信頼している加藤さんの初監督作でもあるので、直哉を演じたいと思ったんです」

――演劇サークルにいる直哉は大学生の優実に惹かれて同棲を始めます。本作は学生たちの会話が凄くリアルですね。
「女子大生たちの会話はすごく面白かったですね(笑)。男性がいないと女性はここまで友達に赤裸々に話すんだって驚きました。人間のおかしさがきちんと描かれています」

ーー優実役の木竜麻生さんとはいかがでしたか?
「木竜さんは思ったことを言葉にして相手に伝えるのがそんなに得意ではなさそうな 方で、そこが優実と似ている気がしました。撮影中、少しずつ話してくれたのですが、自分のことをすごく考えている。自分から逃げないんです。本人は苦しいと思いますけど、役者として尊敬できるなって思います」

――優実の妊娠が発覚すると、直哉の優しさの裏にある無責任さが見えてきますね。
「直哉の優しさは巧妙なんです。心に迷いがあっても、表現だけは優しくしようとする。いつも曖昧な場所にいて、自分だけは傷つかないようにするんです。それで、結局トラブルになるんですけど」

ーーソファで直哉が優しそうに、「だから?」と優実を追い詰める場面は、リアルなセリフと藤原さんの絶妙な演技で「こういう男、いそう!」と少しムカっとしました(笑)。
「直哉は女性に対して責任をとらない人間です。ただ、直哉を“ダメンズ”とか“クズ男”とカテゴライズするのは簡単ですけど、それだけでは決めつけられない色々な面もあります。なので、なんとなく憎めない人物にもなってる気がします」

――現在29歳の藤原さんにとって、2人の恋愛をどう思いますか?
「大人ぶってるけれど実際はまだ子供なのかも。映画の題名のように『わたし達はおとな』って思いたいだけというか。僕は大切な人ができたらきちんと相手に向き合って、きちんと傷つきたい」

ーー藤原さんの恋愛観を少し教えてもらえますか?
「恋愛はしてもなくても、別にいいんじゃないかなと思ってます。だけど恋愛をするときって、出会ってしまうものです。東京だけで何百万人もいる中で、一人の人とめぐり会うってなかなかないこと。そんな機会があったら逃さない方がいいと思う。僕は恋愛にかぎらず、“この人とは長いつきあいができそうだ”と思ったら、恐れずに声をかけます。尊敬する人からも『恋愛には喜怒哀楽のすべてが詰まってる。俳優として学ぶにはいいチャンスだよ』って言われたこともあります」

――撮影で心に残ったエピソードは?
「印象に残ったのは、最後の二人の会話の長回しのシーン。すごく緊迫した雰囲気で、僕がリハーサルとは違う演技の方向に進んでしまって。終わった後、監督に「大丈夫ですか?」と聞いたら、『こうなることはわかってた』と。役者人生でも数回しか出会えない貴重な体験でした」

――読書家の藤原さんから、ぜひお勧めの恋愛本を。
「二村ヒトシさんのエッセイ『なぜあなたは「愛してくれない人」を好きになるのか』は面白かったです。自分を愛さない人を好きになるのは“心の穴”を他者に埋めてもらおうとするからで、それを自分で埋められれば人を愛せる、という内容で。僕も寂しい時にその穴を他人に埋めてもらおうとして、もっと欲しい、もっと欲しいとなった事がありました。でもやはり穴の埋め方は自分で考えるしかないんですよね。映画の2人にも勧めたい(笑)」

――最後に、エルガール読者に映画の抱負を一言お願いします。
「『わたし達はおとな』は見終わった後、めちゃくちゃ盛り上がると思います(笑)。僕自身、みなさんの感想が知りたいですし、友達でも恋人でも一人でもいいので是非見て頂いて、感想を広めて頂けたら嬉しいですね」

【藤原さん衣装】シャツ¥22,000/イズネス(アルファ PR tel. 03-5413-3546)パンツ¥39,600/リバーバレイト(イーライト) ブレスレット¥30,800 /フット・ザ・コーチャー(ギャラリー・オブ・オーセンティック tel. 03-5412-6908)カットソー/スタイリスト私物

Photo : YOKO YAMASHITA Styling:HIRONORI YAGI Hair&Makeup:MOTOKO SUGA/hoshinooffice

【わたし達はおとな】

インタビュー:藤原季節と木竜麻生「1割が嫌う」かつてない恋愛映画 「わたし達はおとな」

「新たな恋愛映画」とは使い古された言葉だが、あえてそう言う。演劇界で今、最も注目を浴びている若手劇作家・演出家、加藤拓也のオリジナル脚本による長編映画監督デビュー作。生々しさと切迫感、リアリズムに徹した描写力に息をのむ。「菊とギロチン」の木竜麻生と「空白」の藤原季節と、若手実力派俳優2人が恋愛の危うさを体現。これまでの恋愛映画の限界をやすやすと超えた。

同せい中の大学生、妊娠が発覚して……

優実(木竜麻生)はデザインを学んでいる大学生。知人の演劇サークルのチラシ作りをきっかけに知り合った直哉(藤原季節)という恋人がいて、2人は半ば一緒に暮らしている。ある日、優実は自分が妊娠していることに気づくが、父親が直哉だと確信できずにいた。その事実を打ち明けられた直哉は現実を受け入れようとするが、2人の関係はしだいにきしみ、やがて崩れていく。

木竜が脚本を読んだときに感じたのは「知っている人がいっぱい(脚本の中に)いる。こういう人たちを知っている」という感覚だ。「セリフが、最初から最後までずっと面白い。こういう会話をさせるんだ」と感心し、できあがった作品を見て「良さが一段と際立っている。(セリフに)匂いがする」と独特の言葉で表現した。

藤原は23歳で加藤に出会ってから、作・演出の舞台の常連だが「初の長編映画が恋愛なんだー」と思ったという。加藤はこれまでの作品でも「父親や母親という呼び名が付く人たちの〝一つ前〟をずっと描いている」と説明する。

リハーサルにカメラも入れてしっかり時間をかける手法も加藤流で、現場に入ったら撮影は「一瞬で終わるほど」と2人は口をそろえる。アドリブはなし。「加藤さんは描きたいものを100%自分で決めているので、俳優に選択肢を与えることはほとんどない。現場で監督と話すことはわずか」と藤原が言えば、加藤演出は初めての木竜も「相手に集中するとか、役者本来のことをすれば帳尻が合う」と次第に慣れていった。

「この作品は、いつもとちがう」

優実から妊娠を告げられた直哉は、現実を理解したように取り繕うが本音は異なる。多くの女性は直哉の言葉や向き合い方に嫌悪感を募らせるだろう。

「自分たちの臆病さからあいまいな関係性を持続する、という人は多いかもしれない。ただ、役者としては女性から『何て男なのか』と大いに言われたい」と藤原は役柄に徹している。木竜も「分かることも分からないことも、どっちも面白い。100人見て100人面白いものより、10人は嫌い、という方が豊かだと思う」

藤原の役へのスタンスが個性的だ。「(役を)理解できないとテンションが上がるし、キャラクターとか十分に解釈できなくてもそのまま演じてしまう。演じながら少し理解する時もある」。不安はあるが「『分からないものは分からないままのほうがいい』というセリフが過去の加藤作品にあった。ある意味、理解しないまま現場に立つことを許容するようにしている。理解してもなお不安。フリをするのも怖いし、書かれてあることをまず言ってみる」と明快だ。

木竜の本作でのアプローチは「どうして今こういう流れになっているか、この脚本はそれがちゃんと落ちてくる」。2人は声をそろえるように語った。「この作品は、いつも(の作品)と違う」

あいまいな関係性が今っぽい

今の若者の多彩な面が矢継ぎ早に描かれているのも魅力の一つだ。藤原が解説してくれた。

「2人があいまいな関係に逃げ込んでしまうのは、あまり言いたくないが、今っぽい。他者への責任を恐れて、人と深く関わらない人は実際に多い。誰かと深く関わることは、本音で話したり傷つけ合ったりすること。でも、本音をぶちまける場所は、匿名のネットなどたくさんある。デモに行かなくても戦争反対の声はあげられるように。友人といても本音で話さなくていいし、意見のぶつかり合いも避けようとする」。恋愛もストレートに「僕とお付き合いしてください」と言わず、「あいまいに続けていくこともできる」。

優実と3人の女友達の関係性もそれに近い。「優実は話すことを1回のみこんでから言葉を発する。本音を言わずに話を合わせたほうが楽」と木竜も理解する。彼ら、彼女らの〝今っぽい〟距離感が垣間見える。「それでも連絡が来たらうれしいし、デートの約束にそわそわする」と木竜が口にすると、「だから、みんなメチャクチャさみしいんだと思う」と藤原が続ける。木竜もすかさず「その通り」と応じた。

優実と直哉は避妊についての会話もする。「コンドームをつける」とか「ピルを飲む」といった言葉も普通に出てくる。木竜が言う。「一瞬ドキッとするかもしれないが、そうした事実をちゃんと分かるように描いている」。脚本からは、大人になりきれない男女に対して、性についてきちんと向き合うべきだという主張が伝わってくる。

見る側、演じる側 双方に集中力

終盤の2人の演技は格闘技のような迫力だ。それでいて、別れる間際の駆け引きをする男女の会話が、リアリティーを持って、だらだらぐだぐだとスクリーンからあふれてくる。一連のやりとりは本作の白眉(はくび)だ。木竜は「カメラがあったことを覚えていない」と言い、藤原も「存在すら全く忘れていた。そんな状態になるのはめったにない」と語った。

「見る側も集中力がいる作品」と藤原が言えば、「演じる側の私も集中力が必要だった」と木竜。藤原は撮影を振り返って「青春ができる職業って最高です」と満足げに言い放った。ただ、今回は「役に入り込んでいいのは木竜さんで、僕は客観的にシーンを見ていることがあった。僕は入り込む役割ではない。意識的に半分は役に入り込んで、半分は冷静だった」。

木竜が反応する。「藤原さんは今まで共演したことのない(タイプの)役者さん。冷静さや距離感に、こっちが引いてしまうことがない。芝居の流れに乗っかっているのは、絶えず感じられる。初めて共演させてもらって体感した」。「ほめ言葉です」とにやり。

藤原が呼応する。「ラストの優実がご飯を食べているシーンとか、木竜さんは繊細さと強さを併せ持っている。優実が生きていこうとする姿がきっちり映っていた。これまでの作品もすごかったけど、今回さらにすごい。稀有(けう)な女優さんだ」

東京・新宿武蔵野館ほかで公開。


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