毎日時間の流れを感じるようになった これは本当に恐ろしいことだ 学生だったの頃は 一週間を過ごすのに 大変遅いとの感じでしたが 今はもはや毎日暑いって叫び始めってばっかりなのに 夏の半分くらいが失ってしまった あと何日くらいで また誕生日になる これで まる30歳になるわけね いまだ一人ぼっちだ 菩薩様 どうか哀れな私に良い縁談をください 一人で老いてゆくのは辛いです 毎日とっくに過ぎて行った人を思って 過ごすのも悲しいです 楽観的にはどうしてもならない 見える希望なんってないから
【わたし達はおとな】
木竜麻生×藤原季節対談
考える/考えないタイプの違う芝居論
――今作で共演してみて、お互いにどんな印象を持ちましたか?
藤原季節(以下、藤原):木竜さんと共演できるのは、映画好きの人ならみんな嬉しいと思います。僕もその一人で、今までの出演作はほとんど観ています。共演するにあたって、ある程度の到達点までは木竜さんとなら行けるだろうって気はしてたんですけど、それ以上に行けた気がします。
木竜麻生(以下、木竜):藤原さんが出ている作品を観ていて、どうしてこの人はこんな表情になって、そういう心の動き方をするんだろうってずっと思っていて。今回ご一緒していた時もそれはすごく思いましたが、相手の気持ちや行動をすごく受け取る度量がある方で、そういうことなのかなぁって。意志が強いですし、同じくらい柔らかさをすごく感じました。
――現場では演技について話し合ったりしましたか?
木竜:私は加藤さんとご一緒するのが初めてだったので、「難しい」とこぼしていました。
藤原:僕は加藤さんに任せておけば全部うまくいくことは分かっていたので、木竜さんが加藤さんを信頼できるような手助けをしていた感じですかね。二人とも人見知りだったから、二人の間のコミュニケーションを僕が取り持ったり。
木竜:(笑)。加藤さんが考えてくれているなと思ったのが、休憩している時にふらっと現れてくれることで。その時の会話を藤原さんが取り持ってくれたので、3人で話すタイミングはちゃんと現場中にとれていました。
藤原:でもあれは、加藤さんが会議が嫌いなだけだと思う。スタッフさんのところにいると会議が始まっちゃうから、僕らのところに逃げてきてる(笑)。
木竜:あ、逃げてきてたのか。じゃあそれが結果オーライになってたってことね(笑)。
――3人でのコミュニケーションが映画に何か良い影響を与えたなと思うことはありましたか?
木竜:撮影の2日目に、自分の中で変に殻に入りそうになって。その時に藤原さんから「一緒に頑張ろうね」と声をかけられて、自分は何を一人になろうとしてるんだって、すごくハッとしたんです。そこからは藤原さんに委ねて、ぶつかっていこうと思って。その延長でスタッフさん、他のキャストさん、加藤さんのことも信じてその場に立っていられたので、すごく意味がありました。
――藤原さんは加藤さんとは長くやられていると思うんですけど、この作品ではどんなやりとりをしましたか?
藤原:いつも通りなんですけど、僕も加藤さんも核心に迫る会話の内容を嫌うんです。加藤さんは人との距離感や恥じらいとか、伝えたいことを隠すのを好む人で。日常会話においてもそうで、この映画を良くしたいとか、こうすればもっと良くなるっていうことはあえて口にしないんです。だから僕らはいつもくだらない話ばかりしていますね。
――加藤さんが「木竜さんの気の遣い方が優実と重なった」と話されていたのですが、ご自身で演じていて、「ここわかる」と思ったことはありましたか?
木竜:思っていることや、モヤモヤしているものを優実ほど隠せるかは分からないですけど、何か言われたり、自分もちょっと言いたいことがあったり、腹が立っていたり、悲しかったり……そういうことを笑いながら返しちゃうのは、あるよなぁって思いました。ストレートに伝えることが難しいことってあるなって。
――藤原さんは直哉を演じていてどうでした?
藤原:全然分からなくて、楽しかったです。
――台本で読んでわからないところは聞いたりするんですか?
藤原:いや、聞かないですね。
――自分で考えて?
藤原:考えないですね。“分かんないことを分かんないまま言う”ことを楽しんでいます。直哉が考えていること全然分かんないなって思いながらセリフを言ったりしていると、たまに、なんか分かったりします。
――なるほど。木竜さんは分からないこととかを楽しんで?
木竜:うーん……。人を演じることの喜びって、それがどんな人であろうと、みんなあるはずだとは思っていて。その人物を多角的に、いろんな面から見ると、直哉も直哉できっと何かあるんだよなって思うんです。藤原さんが演じていた直哉を見て、彼が生きてきた中での切なさみたいなものを、私は勝手に想像しましたし、想像するのがすごく楽しくて。だから、想像とか空想とかそういう力で補えるものがあるといいなって思いながら演じていますかね。分からないまま「分からない」を言うのができないタイプなので、そこはもう、うーーってなりながらやります(笑)。
藤原:タイプがありますよね。
木竜:うん。だからすごいなぁと思います。
「自分が相手に投げた言葉でも傷ついていた」
――会話劇が魅力なシーンが多かったですが、特に自分が発したセリフで印象に残っているものはありますか?
藤原:伝えたいことって反復したりするじゃないですか。「それ本気で言ってる? それ、本気で言ってる?」っていう、この2回目の「本気で言ってる?」の時に、“本気でそれが聞きたいんだな”って自分の中で分かるというか。そういうことが台本の中に眠っていて、見つけた時はグッときました。
木竜:今回はとにかく隠すことを言われていたので、言葉に完全に重きを置くのではなく、言っていることの奥で何を持って生活をして、誰の言葉を聞いて、どれだけちゃんと背景を持てているかを考えるのが難しくて。自分の気持ちで素直にいると直哉の言葉がすごく刺さってしまうし、相手に言ったことなのに自分が傷ついたりとか、そういうことが特に後半にかけてはあったような気がします。
――相手の言葉で刺さったことはありますか?
木竜:ラストシーンは、相手が言っていることでも傷ついているし、自分が相手に投げたものでも傷ついていた気がします。直哉の「じゃ」に「はい」で返す感じは、感覚として忘れないですね。
藤原:直哉は相手を傷つけるための言葉を吐いている男なので、自分が傷つかないようにちゃんと言葉を選択できる人なんですよ。そういうズルいところがある。元カノのシーンでも、相手に言葉をまくしたてるんですけど、全部、自分は悪くない、自分は悪くないって。でも、ラストシーンでは、やっぱり少なからず傷ついていたんじゃないですかね。それでなんとかまくしたてようとして。
――直哉はよく「言い方が悪かったね」と言っていますが、誰かと関わる時の自分の言葉選びを考えたりしますか?
木竜:難しいことだなぁっていつも思いますね。インタビューでもそうですが、口に出した瞬間、本当に思っていたことから離れていく感覚がすごくあって。言った瞬間から、誰にも言わないで思っていたこととは違うものになって外に出ている感じがするんです。なるべく思っていることと近い状態で言語化したいなとは思いますけど。
藤原:もちろん考えますし、それに割いてきた時間は多いと思うんですけど、最近はいい加減さとか寛容さとか、その「容赦」みたいなものを他人や自分に対して求めるようになっていて。思ったことをなんでも口に出すのって本来良くないと思うんです。子供みたいだし。でもあえてそれをやって、相手を嫌な気持ちにさせたり、自分が嫌な気持ちになる状況に対して、寛容になってるというか。今は思ったことをなんでも口に出してみようって思っている時期です。
――なんでそういうことをやろうと思ったんですか?
藤原:その方が相手に対して、ひょっとしたら深くアクセスできるかもしれないと思って。どこかで長い付き合いになるかもしれない人とすれ違って、たった数言交わすだけで別れていくような儚い人生かもしれないんだったら、嫌われてでも言葉を相手に放ってみて、深いところでアクセスしてみようって、ちょっと思っているんですよね。
“もがいている人”への憧れ
――キラキラした恋愛映画もある一方で、本作のようなもがいているヒロインの恋愛作品も支持されていますが、その魅力をどう思いますか?
藤原:性別に限らずですけど、もがいている人は素敵ですよね。なんでなんですかね? 自分もその人を見て頑張ろうって思うし。
木竜:自分に対してかもしれないし、誰かに対してかもしれないんですけど、もがいている最中の夢中な感じって、例えそれがものすごくボロボロだったり、泥だらけだったりしても、なんかちょっと透明に感じます。そういうところへの優しさ、憧れみたいなものを感じるのかもしれないです。
藤原:憧れ、あるな。
木竜:うん。まっさらっていう感じにどうしても憧れるなぁって思います。
――最後に劇中のお二人の好きなシーンを教えてください。
藤原:ラストですね。
木竜:ラストから、主題歌がかかるところは、本当にすごくいいです。
藤原:あの長回しはマジで必見。
――そのシーンの撮影にはどういう気持ちで臨みました?
藤原:もう、最強のマインドセット。100%入るスリーポイントシュートを打つみたいな感じですね。100%なんて入らないじゃないですか、絶対。だけど、100%入るって信じ込むんですよ。その感じです。
木竜:あははは(笑)。
終わっていく物語と続いていく物語
――撮影順的にも最後に撮られたんですか?
藤原:僕はもうそのワンカットに全てを懸けていたので。優実が行くところまで運ばれる最後のラストチャンス、無事に運ばれてくださったんで。僕の仕事はもうその時点で終了でした(笑)。
木竜:そのラストをやって、本当のラストに直哉が鍵を渡して出て行く。あのラストがないと私、その後のシーンってできなかったと思います。
藤原:母だから続いていくんですよね。お腹に子どもがいるから、あそこで物語は終わらない。僕とはちょっと違うよね。
――去っていくだけですよね。
藤原:そうです。あそこで僕の中での物語は終えられるんです。
木竜:(笑)。私はそれから加藤さんとちょっとだけ話をしました。「どういう気持ちなんかなー」っていうこと言われて、ポツポツポツーって言ったら、じーって見られて、「いこうかぁ」って言われて。同じラストシーンでも、藤原さんとは違う感覚だったかもしれないです。
藤原:全然違うかも。あのワンカット撮り終わって全て消化しきってたから、もう情感ゼロ。
木竜:(笑)。いや、ゼロとは言わないでほしいよね。どういう気持ちで鍵渡すかとかあるじゃん。
藤原:あ、ないないないない。無。
木竜:あってくれよ。無なんですか。
藤原:「あ、鍵を渡さなきゃ複雑だな」とかないの。その流れで行く時間に身を任せるって言うか。鍵を渡さなきゃいけない状況になっちゃったから渡すだけ、という。それが僕にとっての直哉でした。
木竜:なるほどね。
――エンドロールにかけての最後の最後のラストシーンを経て、木竜さんはどんなことを思いましたか?
木竜:最後、優実がご飯を作って食べるところに、彼女が自分の日常を取り戻そうとしているなと私は思いました。生きていくこと、暮らしていくことを、なんとか取り直そうというタフな強さというか。これからの自分の人生の中でも、このまま朝なんか来ないんじゃないかと思うような夜もあるでしょうし、何もしたくない気持ちになったり、誰とも会いたくない気持ちになったり……。反対に、無性に誰かと話したくなったり……。そういう自分が誰かに与える影響も、自分が誰かに与えられる影響も、ちゃんと余すことなく自分が飲み込んでやる、とは思っています。全部私が味わって、ちょっとずつ生きていければいいかなと思いました。
■公開情報
『わたし達はおとな』
新宿武蔵野館ほかにて全国公開中
出演:木竜麻生、藤原季節、菅野莉央、清水くるみ、森田想、桜田通、山崎紘菜、片岡礼子、石田ひかり、佐戸井けん太、鈴木勝大、山脇辰哉、上村侑、中山求一郎、諫早幸作、伊藤風喜、鳥谷 宏之、平原テツ
監督・脚本:加藤拓也
音楽:谷川正憲
製作:狩野隆也、松岡雄浩、宇田川寧
エグゼクティブプロデューサー:服部保彦
プロデューサー:松岡達矢 柴原祐一
製作幹事:メ~テレ
配給:ラビットハウス
製作プロダクション:ダブ
(c)2022「わたし達はおとな」製作委員会
公式サイト:https://t.cn/A6M7UJcX
木竜麻生×藤原季節対談
考える/考えないタイプの違う芝居論
――今作で共演してみて、お互いにどんな印象を持ちましたか?
藤原季節(以下、藤原):木竜さんと共演できるのは、映画好きの人ならみんな嬉しいと思います。僕もその一人で、今までの出演作はほとんど観ています。共演するにあたって、ある程度の到達点までは木竜さんとなら行けるだろうって気はしてたんですけど、それ以上に行けた気がします。
木竜麻生(以下、木竜):藤原さんが出ている作品を観ていて、どうしてこの人はこんな表情になって、そういう心の動き方をするんだろうってずっと思っていて。今回ご一緒していた時もそれはすごく思いましたが、相手の気持ちや行動をすごく受け取る度量がある方で、そういうことなのかなぁって。意志が強いですし、同じくらい柔らかさをすごく感じました。
――現場では演技について話し合ったりしましたか?
木竜:私は加藤さんとご一緒するのが初めてだったので、「難しい」とこぼしていました。
藤原:僕は加藤さんに任せておけば全部うまくいくことは分かっていたので、木竜さんが加藤さんを信頼できるような手助けをしていた感じですかね。二人とも人見知りだったから、二人の間のコミュニケーションを僕が取り持ったり。
木竜:(笑)。加藤さんが考えてくれているなと思ったのが、休憩している時にふらっと現れてくれることで。その時の会話を藤原さんが取り持ってくれたので、3人で話すタイミングはちゃんと現場中にとれていました。
藤原:でもあれは、加藤さんが会議が嫌いなだけだと思う。スタッフさんのところにいると会議が始まっちゃうから、僕らのところに逃げてきてる(笑)。
木竜:あ、逃げてきてたのか。じゃあそれが結果オーライになってたってことね(笑)。
――3人でのコミュニケーションが映画に何か良い影響を与えたなと思うことはありましたか?
木竜:撮影の2日目に、自分の中で変に殻に入りそうになって。その時に藤原さんから「一緒に頑張ろうね」と声をかけられて、自分は何を一人になろうとしてるんだって、すごくハッとしたんです。そこからは藤原さんに委ねて、ぶつかっていこうと思って。その延長でスタッフさん、他のキャストさん、加藤さんのことも信じてその場に立っていられたので、すごく意味がありました。
――藤原さんは加藤さんとは長くやられていると思うんですけど、この作品ではどんなやりとりをしましたか?
藤原:いつも通りなんですけど、僕も加藤さんも核心に迫る会話の内容を嫌うんです。加藤さんは人との距離感や恥じらいとか、伝えたいことを隠すのを好む人で。日常会話においてもそうで、この映画を良くしたいとか、こうすればもっと良くなるっていうことはあえて口にしないんです。だから僕らはいつもくだらない話ばかりしていますね。
――加藤さんが「木竜さんの気の遣い方が優実と重なった」と話されていたのですが、ご自身で演じていて、「ここわかる」と思ったことはありましたか?
木竜:思っていることや、モヤモヤしているものを優実ほど隠せるかは分からないですけど、何か言われたり、自分もちょっと言いたいことがあったり、腹が立っていたり、悲しかったり……そういうことを笑いながら返しちゃうのは、あるよなぁって思いました。ストレートに伝えることが難しいことってあるなって。
――藤原さんは直哉を演じていてどうでした?
藤原:全然分からなくて、楽しかったです。
――台本で読んでわからないところは聞いたりするんですか?
藤原:いや、聞かないですね。
――自分で考えて?
藤原:考えないですね。“分かんないことを分かんないまま言う”ことを楽しんでいます。直哉が考えていること全然分かんないなって思いながらセリフを言ったりしていると、たまに、なんか分かったりします。
――なるほど。木竜さんは分からないこととかを楽しんで?
木竜:うーん……。人を演じることの喜びって、それがどんな人であろうと、みんなあるはずだとは思っていて。その人物を多角的に、いろんな面から見ると、直哉も直哉できっと何かあるんだよなって思うんです。藤原さんが演じていた直哉を見て、彼が生きてきた中での切なさみたいなものを、私は勝手に想像しましたし、想像するのがすごく楽しくて。だから、想像とか空想とかそういう力で補えるものがあるといいなって思いながら演じていますかね。分からないまま「分からない」を言うのができないタイプなので、そこはもう、うーーってなりながらやります(笑)。
藤原:タイプがありますよね。
木竜:うん。だからすごいなぁと思います。
「自分が相手に投げた言葉でも傷ついていた」
――会話劇が魅力なシーンが多かったですが、特に自分が発したセリフで印象に残っているものはありますか?
藤原:伝えたいことって反復したりするじゃないですか。「それ本気で言ってる? それ、本気で言ってる?」っていう、この2回目の「本気で言ってる?」の時に、“本気でそれが聞きたいんだな”って自分の中で分かるというか。そういうことが台本の中に眠っていて、見つけた時はグッときました。
木竜:今回はとにかく隠すことを言われていたので、言葉に完全に重きを置くのではなく、言っていることの奥で何を持って生活をして、誰の言葉を聞いて、どれだけちゃんと背景を持てているかを考えるのが難しくて。自分の気持ちで素直にいると直哉の言葉がすごく刺さってしまうし、相手に言ったことなのに自分が傷ついたりとか、そういうことが特に後半にかけてはあったような気がします。
――相手の言葉で刺さったことはありますか?
木竜:ラストシーンは、相手が言っていることでも傷ついているし、自分が相手に投げたものでも傷ついていた気がします。直哉の「じゃ」に「はい」で返す感じは、感覚として忘れないですね。
藤原:直哉は相手を傷つけるための言葉を吐いている男なので、自分が傷つかないようにちゃんと言葉を選択できる人なんですよ。そういうズルいところがある。元カノのシーンでも、相手に言葉をまくしたてるんですけど、全部、自分は悪くない、自分は悪くないって。でも、ラストシーンでは、やっぱり少なからず傷ついていたんじゃないですかね。それでなんとかまくしたてようとして。
――直哉はよく「言い方が悪かったね」と言っていますが、誰かと関わる時の自分の言葉選びを考えたりしますか?
木竜:難しいことだなぁっていつも思いますね。インタビューでもそうですが、口に出した瞬間、本当に思っていたことから離れていく感覚がすごくあって。言った瞬間から、誰にも言わないで思っていたこととは違うものになって外に出ている感じがするんです。なるべく思っていることと近い状態で言語化したいなとは思いますけど。
藤原:もちろん考えますし、それに割いてきた時間は多いと思うんですけど、最近はいい加減さとか寛容さとか、その「容赦」みたいなものを他人や自分に対して求めるようになっていて。思ったことをなんでも口に出すのって本来良くないと思うんです。子供みたいだし。でもあえてそれをやって、相手を嫌な気持ちにさせたり、自分が嫌な気持ちになる状況に対して、寛容になってるというか。今は思ったことをなんでも口に出してみようって思っている時期です。
――なんでそういうことをやろうと思ったんですか?
藤原:その方が相手に対して、ひょっとしたら深くアクセスできるかもしれないと思って。どこかで長い付き合いになるかもしれない人とすれ違って、たった数言交わすだけで別れていくような儚い人生かもしれないんだったら、嫌われてでも言葉を相手に放ってみて、深いところでアクセスしてみようって、ちょっと思っているんですよね。
“もがいている人”への憧れ
――キラキラした恋愛映画もある一方で、本作のようなもがいているヒロインの恋愛作品も支持されていますが、その魅力をどう思いますか?
藤原:性別に限らずですけど、もがいている人は素敵ですよね。なんでなんですかね? 自分もその人を見て頑張ろうって思うし。
木竜:自分に対してかもしれないし、誰かに対してかもしれないんですけど、もがいている最中の夢中な感じって、例えそれがものすごくボロボロだったり、泥だらけだったりしても、なんかちょっと透明に感じます。そういうところへの優しさ、憧れみたいなものを感じるのかもしれないです。
藤原:憧れ、あるな。
木竜:うん。まっさらっていう感じにどうしても憧れるなぁって思います。
――最後に劇中のお二人の好きなシーンを教えてください。
藤原:ラストですね。
木竜:ラストから、主題歌がかかるところは、本当にすごくいいです。
藤原:あの長回しはマジで必見。
――そのシーンの撮影にはどういう気持ちで臨みました?
藤原:もう、最強のマインドセット。100%入るスリーポイントシュートを打つみたいな感じですね。100%なんて入らないじゃないですか、絶対。だけど、100%入るって信じ込むんですよ。その感じです。
木竜:あははは(笑)。
終わっていく物語と続いていく物語
――撮影順的にも最後に撮られたんですか?
藤原:僕はもうそのワンカットに全てを懸けていたので。優実が行くところまで運ばれる最後のラストチャンス、無事に運ばれてくださったんで。僕の仕事はもうその時点で終了でした(笑)。
木竜:そのラストをやって、本当のラストに直哉が鍵を渡して出て行く。あのラストがないと私、その後のシーンってできなかったと思います。
藤原:母だから続いていくんですよね。お腹に子どもがいるから、あそこで物語は終わらない。僕とはちょっと違うよね。
――去っていくだけですよね。
藤原:そうです。あそこで僕の中での物語は終えられるんです。
木竜:(笑)。私はそれから加藤さんとちょっとだけ話をしました。「どういう気持ちなんかなー」っていうこと言われて、ポツポツポツーって言ったら、じーって見られて、「いこうかぁ」って言われて。同じラストシーンでも、藤原さんとは違う感覚だったかもしれないです。
藤原:全然違うかも。あのワンカット撮り終わって全て消化しきってたから、もう情感ゼロ。
木竜:(笑)。いや、ゼロとは言わないでほしいよね。どういう気持ちで鍵渡すかとかあるじゃん。
藤原:あ、ないないないない。無。
木竜:あってくれよ。無なんですか。
藤原:「あ、鍵を渡さなきゃ複雑だな」とかないの。その流れで行く時間に身を任せるって言うか。鍵を渡さなきゃいけない状況になっちゃったから渡すだけ、という。それが僕にとっての直哉でした。
木竜:なるほどね。
――エンドロールにかけての最後の最後のラストシーンを経て、木竜さんはどんなことを思いましたか?
木竜:最後、優実がご飯を作って食べるところに、彼女が自分の日常を取り戻そうとしているなと私は思いました。生きていくこと、暮らしていくことを、なんとか取り直そうというタフな強さというか。これからの自分の人生の中でも、このまま朝なんか来ないんじゃないかと思うような夜もあるでしょうし、何もしたくない気持ちになったり、誰とも会いたくない気持ちになったり……。反対に、無性に誰かと話したくなったり……。そういう自分が誰かに与える影響も、自分が誰かに与えられる影響も、ちゃんと余すことなく自分が飲み込んでやる、とは思っています。全部私が味わって、ちょっとずつ生きていければいいかなと思いました。
■公開情報
『わたし達はおとな』
新宿武蔵野館ほかにて全国公開中
出演:木竜麻生、藤原季節、菅野莉央、清水くるみ、森田想、桜田通、山崎紘菜、片岡礼子、石田ひかり、佐戸井けん太、鈴木勝大、山脇辰哉、上村侑、中山求一郎、諫早幸作、伊藤風喜、鳥谷 宏之、平原テツ
監督・脚本:加藤拓也
音楽:谷川正憲
製作:狩野隆也、松岡雄浩、宇田川寧
エグゼクティブプロデューサー:服部保彦
プロデューサー:松岡達矢 柴原祐一
製作幹事:メ~テレ
配給:ラビットハウス
製作プロダクション:ダブ
(c)2022「わたし達はおとな」製作委員会
公式サイト:https://t.cn/A6M7UJcX
#立石晴香[超话]#
以前(2021年年明けくらいかな☺️)人生の振り返りについて書きましたが今はより自由に発信できる環境なので近況兼ねてお話ししたいと思います^^
ジュウオウジャーの撮影が終わってから、レギュラーがなく生活が不安だったので、ベンチャー企業に入社し一般企業で仕事をしながら芸能活動を何年も続けていました。
ベンチャー企業の中では、営業の後、営業部の課長を担当し、アプリ開発の推進、投資企業や自社の要望と開発依頼先とのすり合わせ、人事採用業務も行いましたし、PL\BSやMBAの基本知識も勉強し多岐に渡る業務を経験をしてきました。
資金に余裕ができたら、演技レッスンに通ったり歯の矯正をしたり女優として成功するための自己投資をするということを続けてきました。
もちろんその間に演じた作品もオーディションも全て全力投球です。(そっちが疎かになると本末転倒なので!)
ジュウオウジャー後のCM作品もほとんどがオーディションで選んでもらっていますオーディションに対する取り組みはまた書きますね✨
今年の年明けにも書きましたが30歳を意識するようになり自分の時間を「誰と」「何を」するのか考える中で、芸能活動ではない仕事でもより興味のある業界に時間を割きたいと思い長く在籍していた会社を転職しました。
当時副業が盛んではなかった中で、芸能と両立というスタイルを構築し多くの業務を任せてくださった会社に心から感謝しています。
そして今現在も一般企業での仕事を続けているのですが今はより興味の持てる業界の会社の新規事業立ち上げの営業戦略設計、オペレーションの構築、採用計画、など立ち上げに伴う多岐にわたる業務を担当しています。
なぜこの話をしたかと言うと私の人生を通して達成したい大きな目標の一つに繋がるからです。
目標とは「健全な環境の中で夢を追い続けられるスキームを作ること」
私が身を置く芸能界はやはり「不安定」がつきまといます。
バックアップがいなければ諦めなければならないのか?売れない俳優はお腹ぺこぺこでも耐える。それも醍醐味みたいな根性論も私は良くないと思っています。
「不安定」があるからこそ、搾取も生まれやすく強く言えば仕事がなくなるのではないか。と色んな場面で選択肢も狭まってしまう。
そんな状況は健全ではないと思うし、近年「親ガチャ」なんて言葉を耳にしますが状況のせいで諦めなきゃいけないというのは悲しいことです。
私は幸い、一度芸能の仕事を離れ一般企業で働いたおかげでこのような選択肢がありましたがほとんどの方は違うと思います。
もちろん役者として食べていけるのがゴールというのは大前提ですがその前でも根性論でもなく安心して夢を目指せる環境は作れないか?ということをよく考えていました。
時間給でのアルバイトと両立だと撮影などで長期間出勤できない。シフト調整ができない。となると収入が減ってしまうし勤務先に迷惑が掛からないかと負担だったり体力も限界があります。
高校生の自分がそうでした。芸能の仕事をしながら学校に行き、放課後と土日も飲食店でバイトしていました。
オフィスワークで頭を使う仕事なら時間=対価ではなく、成果=対価ってことも可能になってくるんです。
でも実際成果はそれなりの時間とスキルを要するし、職種やポジションによって勤務時間の自由度も異なります。
なので私は20代前半はほとんど遊ばずパズルのように時間をやりくりして仕事を続けてきたわけですが、色んな業務を経験して沢山の壁にぶつかりました。
そんな中でどの職種のどんな仕事ならより両立しやすいのか?という最適解やそこに至るまでに必要なスキルを無駄なく学んだりキャリアパスを自分が作りたいなと思っています。
私は前例を知らないので何が良いかもわからずとにかくがむしゃらに頑張ってきたわけですが後の世代にはできるだけ最短ルートを辿って欲しいと思います。(もちろんすぐめちゃくちゃ売れるが一番だけどそんなの一握りなので)
まだ自分も構築途中でありますがいつかは俳優を目指す若い子たちのキャリアについて考えたり発信ができる存在になりたいです。
成果を必ず達成するコミットに貪欲に仕事をするという環境で芸能のための副業の手段が目的化しやすいと思うのでこれが正解かわかりませんが状況が厳しくても夢を諦めない選択肢、万が一の時の別の選択肢を作ってあげたい。
私は自分に与えられた時間で沢山の方の幸せに関わることがしたいと思っています。
このこともその中の一つだと思っています。
女優として沢山の作品に出ることが目標ですが1人の人間としても関西に一人で住む母を自分の近くに住ませてあげることも目標です。
出来れば元気なうちに色んなところに連れて行ってあげたいとも思います。
今回はこんな投稿をしましたががむしゃらに働くことが偉いというわけではなく生きてるだけですごいと思ってるのを忘れないでね☺️
たまにこんな真面目な話もしながら普段は明るいメッセージを送りたいなと思ってます役に先入観が入るのも嫌なので✨
女優で頑張ることは変わらないですよー!そのための環境作りのお話でした!
近々とっても嬉しいお知らせもできますので女優としての作品も楽しみにしていてくださいね〜
以前(2021年年明けくらいかな☺️)人生の振り返りについて書きましたが今はより自由に発信できる環境なので近況兼ねてお話ししたいと思います^^
ジュウオウジャーの撮影が終わってから、レギュラーがなく生活が不安だったので、ベンチャー企業に入社し一般企業で仕事をしながら芸能活動を何年も続けていました。
ベンチャー企業の中では、営業の後、営業部の課長を担当し、アプリ開発の推進、投資企業や自社の要望と開発依頼先とのすり合わせ、人事採用業務も行いましたし、PL\BSやMBAの基本知識も勉強し多岐に渡る業務を経験をしてきました。
資金に余裕ができたら、演技レッスンに通ったり歯の矯正をしたり女優として成功するための自己投資をするということを続けてきました。
もちろんその間に演じた作品もオーディションも全て全力投球です。(そっちが疎かになると本末転倒なので!)
ジュウオウジャー後のCM作品もほとんどがオーディションで選んでもらっていますオーディションに対する取り組みはまた書きますね✨
今年の年明けにも書きましたが30歳を意識するようになり自分の時間を「誰と」「何を」するのか考える中で、芸能活動ではない仕事でもより興味のある業界に時間を割きたいと思い長く在籍していた会社を転職しました。
当時副業が盛んではなかった中で、芸能と両立というスタイルを構築し多くの業務を任せてくださった会社に心から感謝しています。
そして今現在も一般企業での仕事を続けているのですが今はより興味の持てる業界の会社の新規事業立ち上げの営業戦略設計、オペレーションの構築、採用計画、など立ち上げに伴う多岐にわたる業務を担当しています。
なぜこの話をしたかと言うと私の人生を通して達成したい大きな目標の一つに繋がるからです。
目標とは「健全な環境の中で夢を追い続けられるスキームを作ること」
私が身を置く芸能界はやはり「不安定」がつきまといます。
バックアップがいなければ諦めなければならないのか?売れない俳優はお腹ぺこぺこでも耐える。それも醍醐味みたいな根性論も私は良くないと思っています。
「不安定」があるからこそ、搾取も生まれやすく強く言えば仕事がなくなるのではないか。と色んな場面で選択肢も狭まってしまう。
そんな状況は健全ではないと思うし、近年「親ガチャ」なんて言葉を耳にしますが状況のせいで諦めなきゃいけないというのは悲しいことです。
私は幸い、一度芸能の仕事を離れ一般企業で働いたおかげでこのような選択肢がありましたがほとんどの方は違うと思います。
もちろん役者として食べていけるのがゴールというのは大前提ですがその前でも根性論でもなく安心して夢を目指せる環境は作れないか?ということをよく考えていました。
時間給でのアルバイトと両立だと撮影などで長期間出勤できない。シフト調整ができない。となると収入が減ってしまうし勤務先に迷惑が掛からないかと負担だったり体力も限界があります。
高校生の自分がそうでした。芸能の仕事をしながら学校に行き、放課後と土日も飲食店でバイトしていました。
オフィスワークで頭を使う仕事なら時間=対価ではなく、成果=対価ってことも可能になってくるんです。
でも実際成果はそれなりの時間とスキルを要するし、職種やポジションによって勤務時間の自由度も異なります。
なので私は20代前半はほとんど遊ばずパズルのように時間をやりくりして仕事を続けてきたわけですが、色んな業務を経験して沢山の壁にぶつかりました。
そんな中でどの職種のどんな仕事ならより両立しやすいのか?という最適解やそこに至るまでに必要なスキルを無駄なく学んだりキャリアパスを自分が作りたいなと思っています。
私は前例を知らないので何が良いかもわからずとにかくがむしゃらに頑張ってきたわけですが後の世代にはできるだけ最短ルートを辿って欲しいと思います。(もちろんすぐめちゃくちゃ売れるが一番だけどそんなの一握りなので)
まだ自分も構築途中でありますがいつかは俳優を目指す若い子たちのキャリアについて考えたり発信ができる存在になりたいです。
成果を必ず達成するコミットに貪欲に仕事をするという環境で芸能のための副業の手段が目的化しやすいと思うのでこれが正解かわかりませんが状況が厳しくても夢を諦めない選択肢、万が一の時の別の選択肢を作ってあげたい。
私は自分に与えられた時間で沢山の方の幸せに関わることがしたいと思っています。
このこともその中の一つだと思っています。
女優として沢山の作品に出ることが目標ですが1人の人間としても関西に一人で住む母を自分の近くに住ませてあげることも目標です。
出来れば元気なうちに色んなところに連れて行ってあげたいとも思います。
今回はこんな投稿をしましたががむしゃらに働くことが偉いというわけではなく生きてるだけですごいと思ってるのを忘れないでね☺️
たまにこんな真面目な話もしながら普段は明るいメッセージを送りたいなと思ってます役に先入観が入るのも嫌なので✨
女優で頑張ることは変わらないですよー!そのための環境作りのお話でした!
近々とっても嬉しいお知らせもできますので女優としての作品も楽しみにしていてくださいね〜
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