「メイドインアビス 烈日の黄金郷」(#来自深渊# 烈日的黄金乡)将于7月播放。
关键视觉图第2弹公开。
主创:
原作:つくしあきひと(竹書房「WEBコミックガンマ」)
監督:小島正幸
副監督:垪和 等
シリーズ構成・脚本:倉田英之
キャラクターデザイン:黄瀬和哉(Production I.G)、黒田結花
デザインリーダー:高倉武史
プロップデザイン:沙倉拓実
美術監督:増山 修、関口 輝(インスパイアード)
色彩設計:山下宮緒
撮影監督:江間常高(T2スタジオ)
編集:黒澤雅之
音響監督:山田 陽
音響効果:野口 透
音楽:Kevin Penkin
音楽プロデューサー:飯島弘光
音楽制作:IRMA LA DOUCE
音楽制作協力:KADOKAWA
アニメーション制作:キネマシトラス
声优:
リコ:富田美憂
レグ:伊瀬茉莉也
ナナチ:井澤詩織
ファプタ:久野美咲
ヴェコ:寺崎裕香
ワズキャン:平田広明
ベラフ:斎賀みつき
©つくしあきひと・竹書房/メイドインアビス「烈日の黄金郷」製作委員会
关键视觉图第2弹公开。
主创:
原作:つくしあきひと(竹書房「WEBコミックガンマ」)
監督:小島正幸
副監督:垪和 等
シリーズ構成・脚本:倉田英之
キャラクターデザイン:黄瀬和哉(Production I.G)、黒田結花
デザインリーダー:高倉武史
プロップデザイン:沙倉拓実
美術監督:増山 修、関口 輝(インスパイアード)
色彩設計:山下宮緒
撮影監督:江間常高(T2スタジオ)
編集:黒澤雅之
音響監督:山田 陽
音響効果:野口 透
音楽:Kevin Penkin
音楽プロデューサー:飯島弘光
音楽制作:IRMA LA DOUCE
音楽制作協力:KADOKAWA
アニメーション制作:キネマシトラス
声优:
リコ:富田美憂
レグ:伊瀬茉莉也
ナナチ:井澤詩織
ファプタ:久野美咲
ヴェコ:寺崎裕香
ワズキャン:平田広明
ベラフ:斎賀みつき
©つくしあきひと・竹書房/メイドインアビス「烈日の黄金郷」製作委員会
#井浦新# 新店铺介绍!https://t.cn/A66jbt50
旅がテーマのショップ&カフェ「ELNEST TOKYO// MIGHTRY」が東京・富ヶ谷に新装オープン!
2007年にスタートしたブランド「ELNEST CREATIVE ACTIVITY」(以下、エルネスト)は、旅をテーマのしたモノづくりを行なうアパレルブランド。このほど長らく代々木上原駅近くにあった店舗兼アトリエが移転し、「ELNEST TOKYO// MIGHTRY」として新装オープンした。
-----
どの駅からも、ちょっと遠い。が、それがいい。
最寄り駅は東京メトロ千代田線「代々木公園」駅や小田急小田原線「代々木八幡」駅などだが、どちらからも10分以上歩く。駅チカではない。それがまたいい。
渋谷区富ヶ谷は、渋谷駅周辺の賑やかな雰囲気とは違って静かな住宅街。代々木公園や大学もいくつかあり、緑も濃いエリアだ。
渋谷駅から鍋島松濤公園を経てのんびり散歩がてら行くのもオススメ(ちなみに徒歩約20分)。
新たにカフェを併設しパワーアップ! 店内でコーヒーや緑茶、ホットサンドやスウィーツなどの軽食も食べられるようになった。
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移転先は元パン工場跡。スタッフ総出のDIY!
昨年11月で移転前の場所での営業を終了。その後、移転先での3月オープンに向けて、スタッフが総出で一部の改装をDIYしたのだという。
店内は、入口を入るとすぐにカフェがあり、さらに奥に進むとショップスペースになっている。木の温もりが感じられる明るい店内だ。
「長年パン工場だった跡地なので、床壁天井の清掃やペンキ塗りは中々ハードでした。でもこうして無事にオープンが迎えられてよかったです」と、広報担当の江波さん。
自分たちで手で改装作業をしただけあって、スタッフのみなさん誰もが感慨深げ。
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個性が光るエルネストのアイテム
ELNEST TOKYO// MIGHTRYでは、オリジナルデザインのアパレルを中心に、カトラリーやテントなど厳選されたキャンプギアも多く展開している。
なかでも日本の伝統工芸を活かしたアイテムは、味わい深く飽きのこないアイテムばかり。どの商品もひと目でエルネストのものだと分かるオリジナリティーがある。
近年は、CASIOのプロトレックやグレゴリーとのコラボレーション商品が話題だ。
グレゴリーとは屋久島をテーマにしたアイテムが昨年夏にパラゴン48など中型パックを含む全16型がリリースされたが、どれもすぐに品薄状態になった。
エルネストのディレクターを務めるのは俳優の井浦新さんだ。一昨年本誌ビーパルにもご登場いただいたが、登山を趣味として、民俗や縄文文化にも造詣が深い。そうしたポイントが各商品にも色濃く反映されている。
春うらら。ぜひ、散歩がてら訪れてみては?
ELNEST TOKYO // MIGHTRY
東京都渋谷区富ヶ谷2-12-19 1F
電話03(6686)8138
営業時間 11:00〜19:00
定休日 水曜
東京メトロ千代田線「代々木公園駅」/小田急小田原線「代々木八幡駅」徒歩12分
※取材/須藤ナオミ
旅がテーマのショップ&カフェ「ELNEST TOKYO// MIGHTRY」が東京・富ヶ谷に新装オープン!
2007年にスタートしたブランド「ELNEST CREATIVE ACTIVITY」(以下、エルネスト)は、旅をテーマのしたモノづくりを行なうアパレルブランド。このほど長らく代々木上原駅近くにあった店舗兼アトリエが移転し、「ELNEST TOKYO// MIGHTRY」として新装オープンした。
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どの駅からも、ちょっと遠い。が、それがいい。
最寄り駅は東京メトロ千代田線「代々木公園」駅や小田急小田原線「代々木八幡」駅などだが、どちらからも10分以上歩く。駅チカではない。それがまたいい。
渋谷区富ヶ谷は、渋谷駅周辺の賑やかな雰囲気とは違って静かな住宅街。代々木公園や大学もいくつかあり、緑も濃いエリアだ。
渋谷駅から鍋島松濤公園を経てのんびり散歩がてら行くのもオススメ(ちなみに徒歩約20分)。
新たにカフェを併設しパワーアップ! 店内でコーヒーや緑茶、ホットサンドやスウィーツなどの軽食も食べられるようになった。
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移転先は元パン工場跡。スタッフ総出のDIY!
昨年11月で移転前の場所での営業を終了。その後、移転先での3月オープンに向けて、スタッフが総出で一部の改装をDIYしたのだという。
店内は、入口を入るとすぐにカフェがあり、さらに奥に進むとショップスペースになっている。木の温もりが感じられる明るい店内だ。
「長年パン工場だった跡地なので、床壁天井の清掃やペンキ塗りは中々ハードでした。でもこうして無事にオープンが迎えられてよかったです」と、広報担当の江波さん。
自分たちで手で改装作業をしただけあって、スタッフのみなさん誰もが感慨深げ。
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個性が光るエルネストのアイテム
ELNEST TOKYO// MIGHTRYでは、オリジナルデザインのアパレルを中心に、カトラリーやテントなど厳選されたキャンプギアも多く展開している。
なかでも日本の伝統工芸を活かしたアイテムは、味わい深く飽きのこないアイテムばかり。どの商品もひと目でエルネストのものだと分かるオリジナリティーがある。
近年は、CASIOのプロトレックやグレゴリーとのコラボレーション商品が話題だ。
グレゴリーとは屋久島をテーマにしたアイテムが昨年夏にパラゴン48など中型パックを含む全16型がリリースされたが、どれもすぐに品薄状態になった。
エルネストのディレクターを務めるのは俳優の井浦新さんだ。一昨年本誌ビーパルにもご登場いただいたが、登山を趣味として、民俗や縄文文化にも造詣が深い。そうしたポイントが各商品にも色濃く反映されている。
春うらら。ぜひ、散歩がてら訪れてみては?
ELNEST TOKYO // MIGHTRY
東京都渋谷区富ヶ谷2-12-19 1F
電話03(6686)8138
営業時間 11:00〜19:00
定休日 水曜
東京メトロ千代田線「代々木公園駅」/小田急小田原線「代々木八幡駅」徒歩12分
※取材/須藤ナオミ
【web MAGAZINE】QUI
#中村屋酒店の兄弟
藤原季節×白磯大知 – 伝えたい、届けたい
映画本編とラジオドラマという2本立てでの全国劇場公開が決定した『中村屋酒店の兄弟』。その新しい映画体験を通して、大切な人や場所との“距離感”について改めて考えさせてくれる佳作だ。主演の藤原季節、監督の白磯大知へのインタビュー。
この映画を必要としてくれる人がいることが嬉しい(藤原)
— 映画『中村屋酒店の兄弟』拝見させていただいて、いま映画館で上映することにすごく意味のある作品だと思いました。お二人としては初上映から3年たって全国で公開されることに対して、どのような思いがありますか? 白磯監督にとっては初監督作品でもありますが。
白磯大知(以下、白磯):ありがたい気持ちはもちろんあるんですけど、それ以上に驚いているというか。中村屋酒店さんのご夫婦をはじめいろんな方の協力があって撮れた作品なので、その感謝を全国公開っていうかたちで返せるのはすごく嬉しく思っています。
— 藤原さんは?
藤原季節(以下、藤原):中村屋酒屋はもう閉店してるんですけど、でもそこに確かにあったものとか、消えていってしまうものとか、大知君は目に見えない何かを撮りたかったんじゃないかと思っていて。それが撮影から3年を経ていま全国に届くっていうのは、この映画に可能性を感じて届けたいと思ってくれた人や、消えていくものに対して思うところがある人がいるってことなんですよね。この映画を必要としてくれる人がいるんだっていうことが嬉しいです。
— すごいことですよね。『中村屋酒店の兄弟』は、映画本編とその前日譚となるラジオドラマ、そしてドキュメンタリーという3本の作品に展開されています。今回はドキュメンタリーの上映はないそうですが、ドキュメンタリーは中村屋酒店が閉店することを映画の撮影中に知ってから撮ることを決めたそうですね。
白磯:そうです。中村屋酒店の閉店は季節君が教えてくれたんですけど、最初に奥さんから「映像で残せたら嬉しい」って言われたのはそういう意味だったのかと気づいて。閉店するまでの3ヵ月間で何回かお邪魔して撮らせていただきました。
— ラジオドラマの制作はどういった経緯で?
白磯:「田辺・弁慶映画祭」でTBSラジオ賞を受賞した時に、「この作品はラジオドラマにしたら面白いんじゃないか」というご提案をいただきました。せっかくだから映画をそのままラジオドラマにするのではなく、映画をより楽しめるような作品を作れたらいいなと。映画本編より過去の話にして、ラジオドラマを聴きながら想像した情景が本編を観ている時に回想として浮かんだらすごく面白いんじゃないかなと思って。
— 実際にすごくユニークな体験でした。ラジオドラマを聴いているときは画があまり浮かばなかったんですけど、映画を観ていると鮮明な思い出に感じられてくるのが不思議な感覚で。僕は自宅で視聴したのですが、映画館だと感じ方がだいぶ違いそうですね。
藤原:テアトル新宿で経験した時は感動的でした。暗闇の中でみんなが耳を澄まして声だけを聴くって初体験でしたから。
— ですよね。その体験だけでも映画館に行く価値があるなと思いました。
書かれていないことが山ほど書かれた本だと気づいた(藤原)
— 中村屋酒店は実在した酒屋なんですよね。脚本の制作段階から、中村屋酒店を舞台として想定されてたんですか?
白磯:そうではなく、タイトルももともと違うお店の名前だったんです。でも本当にいろんな酒屋さんにお願いに行ってもなかなかロケ地が決まらずで。もうどうしようって状態のある日、赤羽の酒屋さんからの帰り道…そこも断られてしまったんですが、携帯で調べたら近隣にもう1件酒屋さんがあって、そこの写真が理想的だったんです。定休日となっていたんですけど行ってみたらたまたま開いていて、ご主人とお話させていただいたんですが、やっぱり唐突なお願いだったので「いやいや…」と。そしたら奥さんも出てきて、「残せるんだったらなんでも協力します」と言ってくださって。「残せる」に込められた意味は、その時はまだ知らなかったですけど。
— 中村屋酒店に決まった時にはもう本はできあがっていたんですね。
白磯:ほぼできていました。でも中村屋酒店の雰囲気や染みついた匂いみたいなものが、役者や作品に十二分に影響したとは思います。
— 藤原さんとはもともとお知り合いだったんですか?
白磯:ほぼ知り合いじゃないといっていい。
藤原:面識はあるぐらいでした。
— なぜ藤原さんにオファーを?
白磯:キャスティングで入っていただいた方が共通の知人で提案していただきました。「いや、そもそもいける?」と思いながらも脚本を送って、まず季節くんに読んでもらえたことが僕は嬉しかったんですが、やっぱり「ちょっと何が面白いかわからない」という答えで。じゃあまた別の方を探さないと、と思っていたら「直接監督と会って話をしたい」と電話をいただいたんです。新宿だっけ?
藤原:いや、渋谷。
白磯:渋谷のカフェで会ってコーヒーを飲みながら、「もう1回読んでいい?」って目の前で本を読み始めて。
藤原:カフェの喫煙所でタバコを吸ってる時に、大知君がぽろっと「兄弟の距離感を描きたいんですよね」って言ったんですよ。それがピンって琴線を弾いて。もう1回だけ読ませてくださいって、その場で心が変わりました。
— 藤原さんの中に、兄弟の距離感に対する興味・関心がもともとあったんですか?
藤原:というよりは、脚本をしっかり読めてなかったかもしれないと思ったんですよね。3年前の自分の未熟さによるものなんですけど、書かれてあることをそのまま読むことしかできないとか、読もうとする努力をしていなかったというのがあって。新しい監督だし、年齢も僕より3つぐらい若いし、ちょっと大知君のことをなめてる気持ちもあった。だから兄弟の距離感を描きたいって言われた時に、ひょっとしたら一行のセリフに込められた裏の感情がたくさん眠ってるんじゃないかと読んでみたら、案の定書かれていないことが山ほど書かれた本だなっていうことに気づいて。それで、もうその場で「はぁ、すごいな」と。
— 白磯監督が兄弟の距離感を描きたいという思いに至ったのはなぜでしょう?
白磯:距離感が近くなればなるほど本当に伝えたいことってなかなか言えない。逆に隠したい気持ちは、本当に言ったかのように伝わっちゃう。兄弟とか両親とか、お互いの信頼関係があるから起こるちぐはぐさなんですよね。両親とかなんも言ってないのに急に「元気?」みたいな電話がかかってきたりするじゃないですか。そういうことが面白いし不思議だなと。自分は兄弟がいるし、男兄弟の話を書いてみようと思って脚本にしました。
自分自身を深掘りすることがコミュニケーションに繋がる(白磯)
— 男兄弟って距離感の難しさが顕著に表れると思うんですけど、男兄弟に限らず人と人の距離感ってこういう感じあるよなって映画を観ていてすごく共感できました。お二人が普段、人との関係性で意識していることや大事にしていることはありますか?
藤原:むしろ、それしか大事にしてないですね。
— 距離感を?
藤原:そう。自分が思ってることをそのまま相手に伝えると、コミュニケーションが成立しないので。相手にもらおうとするばかりじゃなくて、自分はこの人に何を与えられるんだろうって考える時間が積み重なると自然と距離感も考えるようになって、自分の思っていることをどう伝えればこの人に届くだろうっていうことを考えるようになる。それはもう日々、毎日、毎秒考えています。
— 疲れることはないですか? ずっと考え続けていたら。
藤原:でもそうじゃないと。果てしない問題です、それが。
— 白磯さんも人との距離感で気を使うところはありますか?
白磯:僕は自分の気持ちをストレートに言うことが苦手なんです。「好き」って思った時にパッと感情のまま言葉にして、自分の100%を全部ぶつけても相手には2%とか3%しか伝わらないこともあるなと思って。そこでどういう伝え方をしたら相手が聞いてくれるか、理解してもらえるのか。それにはまず自分がどう見られているか…別に体面を気にするっていうわけではなく、自分自身をどれぐらい深掘りできるかということが、結局他人とのコミュニケーションに繋がっていくのかなと。毎分毎秒考えているわけじゃないですけど、自分はどういう人間なんだろうと考えるのは大事だなと思っています。
— 面白いですね。人がどう見ているかじゃなくて自分が自分をどう見るかっていうことを深く考えるっていうのが。
白磯:まさにそうですね。
— では最後に、これから映画をご覧になる方へのメッセージをお願いします。
藤原:ラジオドラマは音で聴いて想像で楽しむもので、映画は視覚でも感じるもの。いろんな面から中村屋酒店っていう場所のことを45分間考え続ける時間っていうのは、言葉にするのは難しいけど意味があるし、価値があるものなんじゃないかなと僕は信じたいですね。
白磯:僕はこの映画を見終わった後に、自分の家族に連絡してみようかなとか、久々に思い出すようなきっかけになればいいなっていうのはすごく感じていて。それは家族なのか、兄弟なのか、友人なのか。その人と酒飲みたいなって思えるのが一番いいいなと。あとはやっぱり普通の酒屋さん、町の小さい酒屋さんにふらっとそこにお酒を買いに行ってもらえたら嬉しいかな。
藤原:買うものはコンビニと同じでも。
白磯:ちょっと覗いてみようかなっていうきっかけになればいいかなとは思います。
藤原:さっき大知君が100%伝えたいと思ったことが2%しか届かないみたいな話をしてたけど、この映画を観て0%よりは2%でも伝わってくれるといいよね。
白磯:それはそうだね。
#中村屋酒店の兄弟
藤原季節×白磯大知 – 伝えたい、届けたい
映画本編とラジオドラマという2本立てでの全国劇場公開が決定した『中村屋酒店の兄弟』。その新しい映画体験を通して、大切な人や場所との“距離感”について改めて考えさせてくれる佳作だ。主演の藤原季節、監督の白磯大知へのインタビュー。
この映画を必要としてくれる人がいることが嬉しい(藤原)
— 映画『中村屋酒店の兄弟』拝見させていただいて、いま映画館で上映することにすごく意味のある作品だと思いました。お二人としては初上映から3年たって全国で公開されることに対して、どのような思いがありますか? 白磯監督にとっては初監督作品でもありますが。
白磯大知(以下、白磯):ありがたい気持ちはもちろんあるんですけど、それ以上に驚いているというか。中村屋酒店さんのご夫婦をはじめいろんな方の協力があって撮れた作品なので、その感謝を全国公開っていうかたちで返せるのはすごく嬉しく思っています。
— 藤原さんは?
藤原季節(以下、藤原):中村屋酒屋はもう閉店してるんですけど、でもそこに確かにあったものとか、消えていってしまうものとか、大知君は目に見えない何かを撮りたかったんじゃないかと思っていて。それが撮影から3年を経ていま全国に届くっていうのは、この映画に可能性を感じて届けたいと思ってくれた人や、消えていくものに対して思うところがある人がいるってことなんですよね。この映画を必要としてくれる人がいるんだっていうことが嬉しいです。
— すごいことですよね。『中村屋酒店の兄弟』は、映画本編とその前日譚となるラジオドラマ、そしてドキュメンタリーという3本の作品に展開されています。今回はドキュメンタリーの上映はないそうですが、ドキュメンタリーは中村屋酒店が閉店することを映画の撮影中に知ってから撮ることを決めたそうですね。
白磯:そうです。中村屋酒店の閉店は季節君が教えてくれたんですけど、最初に奥さんから「映像で残せたら嬉しい」って言われたのはそういう意味だったのかと気づいて。閉店するまでの3ヵ月間で何回かお邪魔して撮らせていただきました。
— ラジオドラマの制作はどういった経緯で?
白磯:「田辺・弁慶映画祭」でTBSラジオ賞を受賞した時に、「この作品はラジオドラマにしたら面白いんじゃないか」というご提案をいただきました。せっかくだから映画をそのままラジオドラマにするのではなく、映画をより楽しめるような作品を作れたらいいなと。映画本編より過去の話にして、ラジオドラマを聴きながら想像した情景が本編を観ている時に回想として浮かんだらすごく面白いんじゃないかなと思って。
— 実際にすごくユニークな体験でした。ラジオドラマを聴いているときは画があまり浮かばなかったんですけど、映画を観ていると鮮明な思い出に感じられてくるのが不思議な感覚で。僕は自宅で視聴したのですが、映画館だと感じ方がだいぶ違いそうですね。
藤原:テアトル新宿で経験した時は感動的でした。暗闇の中でみんなが耳を澄まして声だけを聴くって初体験でしたから。
— ですよね。その体験だけでも映画館に行く価値があるなと思いました。
書かれていないことが山ほど書かれた本だと気づいた(藤原)
— 中村屋酒店は実在した酒屋なんですよね。脚本の制作段階から、中村屋酒店を舞台として想定されてたんですか?
白磯:そうではなく、タイトルももともと違うお店の名前だったんです。でも本当にいろんな酒屋さんにお願いに行ってもなかなかロケ地が決まらずで。もうどうしようって状態のある日、赤羽の酒屋さんからの帰り道…そこも断られてしまったんですが、携帯で調べたら近隣にもう1件酒屋さんがあって、そこの写真が理想的だったんです。定休日となっていたんですけど行ってみたらたまたま開いていて、ご主人とお話させていただいたんですが、やっぱり唐突なお願いだったので「いやいや…」と。そしたら奥さんも出てきて、「残せるんだったらなんでも協力します」と言ってくださって。「残せる」に込められた意味は、その時はまだ知らなかったですけど。
— 中村屋酒店に決まった時にはもう本はできあがっていたんですね。
白磯:ほぼできていました。でも中村屋酒店の雰囲気や染みついた匂いみたいなものが、役者や作品に十二分に影響したとは思います。
— 藤原さんとはもともとお知り合いだったんですか?
白磯:ほぼ知り合いじゃないといっていい。
藤原:面識はあるぐらいでした。
— なぜ藤原さんにオファーを?
白磯:キャスティングで入っていただいた方が共通の知人で提案していただきました。「いや、そもそもいける?」と思いながらも脚本を送って、まず季節くんに読んでもらえたことが僕は嬉しかったんですが、やっぱり「ちょっと何が面白いかわからない」という答えで。じゃあまた別の方を探さないと、と思っていたら「直接監督と会って話をしたい」と電話をいただいたんです。新宿だっけ?
藤原:いや、渋谷。
白磯:渋谷のカフェで会ってコーヒーを飲みながら、「もう1回読んでいい?」って目の前で本を読み始めて。
藤原:カフェの喫煙所でタバコを吸ってる時に、大知君がぽろっと「兄弟の距離感を描きたいんですよね」って言ったんですよ。それがピンって琴線を弾いて。もう1回だけ読ませてくださいって、その場で心が変わりました。
— 藤原さんの中に、兄弟の距離感に対する興味・関心がもともとあったんですか?
藤原:というよりは、脚本をしっかり読めてなかったかもしれないと思ったんですよね。3年前の自分の未熟さによるものなんですけど、書かれてあることをそのまま読むことしかできないとか、読もうとする努力をしていなかったというのがあって。新しい監督だし、年齢も僕より3つぐらい若いし、ちょっと大知君のことをなめてる気持ちもあった。だから兄弟の距離感を描きたいって言われた時に、ひょっとしたら一行のセリフに込められた裏の感情がたくさん眠ってるんじゃないかと読んでみたら、案の定書かれていないことが山ほど書かれた本だなっていうことに気づいて。それで、もうその場で「はぁ、すごいな」と。
— 白磯監督が兄弟の距離感を描きたいという思いに至ったのはなぜでしょう?
白磯:距離感が近くなればなるほど本当に伝えたいことってなかなか言えない。逆に隠したい気持ちは、本当に言ったかのように伝わっちゃう。兄弟とか両親とか、お互いの信頼関係があるから起こるちぐはぐさなんですよね。両親とかなんも言ってないのに急に「元気?」みたいな電話がかかってきたりするじゃないですか。そういうことが面白いし不思議だなと。自分は兄弟がいるし、男兄弟の話を書いてみようと思って脚本にしました。
自分自身を深掘りすることがコミュニケーションに繋がる(白磯)
— 男兄弟って距離感の難しさが顕著に表れると思うんですけど、男兄弟に限らず人と人の距離感ってこういう感じあるよなって映画を観ていてすごく共感できました。お二人が普段、人との関係性で意識していることや大事にしていることはありますか?
藤原:むしろ、それしか大事にしてないですね。
— 距離感を?
藤原:そう。自分が思ってることをそのまま相手に伝えると、コミュニケーションが成立しないので。相手にもらおうとするばかりじゃなくて、自分はこの人に何を与えられるんだろうって考える時間が積み重なると自然と距離感も考えるようになって、自分の思っていることをどう伝えればこの人に届くだろうっていうことを考えるようになる。それはもう日々、毎日、毎秒考えています。
— 疲れることはないですか? ずっと考え続けていたら。
藤原:でもそうじゃないと。果てしない問題です、それが。
— 白磯さんも人との距離感で気を使うところはありますか?
白磯:僕は自分の気持ちをストレートに言うことが苦手なんです。「好き」って思った時にパッと感情のまま言葉にして、自分の100%を全部ぶつけても相手には2%とか3%しか伝わらないこともあるなと思って。そこでどういう伝え方をしたら相手が聞いてくれるか、理解してもらえるのか。それにはまず自分がどう見られているか…別に体面を気にするっていうわけではなく、自分自身をどれぐらい深掘りできるかということが、結局他人とのコミュニケーションに繋がっていくのかなと。毎分毎秒考えているわけじゃないですけど、自分はどういう人間なんだろうと考えるのは大事だなと思っています。
— 面白いですね。人がどう見ているかじゃなくて自分が自分をどう見るかっていうことを深く考えるっていうのが。
白磯:まさにそうですね。
— では最後に、これから映画をご覧になる方へのメッセージをお願いします。
藤原:ラジオドラマは音で聴いて想像で楽しむもので、映画は視覚でも感じるもの。いろんな面から中村屋酒店っていう場所のことを45分間考え続ける時間っていうのは、言葉にするのは難しいけど意味があるし、価値があるものなんじゃないかなと僕は信じたいですね。
白磯:僕はこの映画を見終わった後に、自分の家族に連絡してみようかなとか、久々に思い出すようなきっかけになればいいなっていうのはすごく感じていて。それは家族なのか、兄弟なのか、友人なのか。その人と酒飲みたいなって思えるのが一番いいいなと。あとはやっぱり普通の酒屋さん、町の小さい酒屋さんにふらっとそこにお酒を買いに行ってもらえたら嬉しいかな。
藤原:買うものはコンビニと同じでも。
白磯:ちょっと覗いてみようかなっていうきっかけになればいいかなとは思います。
藤原:さっき大知君が100%伝えたいと思ったことが2%しか届かないみたいな話をしてたけど、この映画を観て0%よりは2%でも伝わってくれるといいよね。
白磯:それはそうだね。
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