量産に慣れた優しさに不器用な誠実さに心が躍る。

见惯了量产的温柔 对笨拙的真诚格外心动。

みんなに優しくしてみて、でもあなただけに優しく

试着对所有人温和，但只对你温柔

あなたは月、私は星になってあなたを伴う。

你是月亮 我做星星伴你

[秋は宇宙に噛まれた夕暮れだ]

“秋天是被宇宙咬破的黄昏”

9月になりましたね
秋になると、周囲が暗くなる時間も早まってきます。皆さん、交通事故は夕暮れ時に発生しやすいのをご存じですか？ドライバーの方は、ぜひ意識して早めにヘッドライトを点灯してくださいね。そして歩行者の方も、車に気づいてもらえるよう、明るい服装をするなど工夫したいですね。
#日向坂46[超话]#

地平線に旅人の坊主が
ふんどしをほすしろたえの
のどかな日にも
無限な女を追うさびしさに
宿をたち出てみれば
いずこも秋の日の
夕暮は茶色だつた。
丹波へ行く道は遠いが
ゴッホの幽霊が出る
麦畑を避けてふらふら歩くのだ。
肥を運ぶ朱色に塗つた車が
路ばたに捨てられていた。
遂に陶器をやくタチクイという村へ来た。
実に描きにくい筆をかりて
赤土の皿に秋の女にさゝげる
みつぎものを織るかわりに
油菜、栗柿、猪を描いた。
夜明けのような皿がやけるか
どうか心配だ。
また灰皿をこねてみたが技巧の不足
のために残念ながら
いんのうの形になつてしまつた。
ただ成功したと思われたものは
パーマネントをかけた女の首であつた。
それは農具に似て来たのだ。
或はシャモにも似てすこやかなものだ。
しかしあのかまどの老人が焼くときに
みなこわしてしまつたかも知れない。
そんなことをトツトリの宿で
イナバの女と酒をのみながら
心配をしたのだ。
この女にも平行線のように
永遠に於いて会うのだ。
女の心には紫の菫を灰色に変化させる
染物やの術がある
ポンク。ポンク。それからのち
焼かれて来たその女の首をみると
牛糞が一つの塔をなしていたので
あつた誠に残念であつた。
もう行末はぜんまいの巻髪や
黄色いフリジヤの花に走るほかない。

西脇順三郎『茶色の旅行』
收录于詩集『第三の神話』（1956）
東京創元社