KinKi Kids、CDデビュー25周年。ニューシングル「高純度romance」で松本隆が描いた2人の姿
text by その他
https://t.cn/A66Iu3dB
3月16日にリリースされる、KinKi Kids、44枚目のシングル「高純度romance」は、25年前、彼らのデビュー曲「硝子の少年」を手掛けた、松本隆による作詩である。CDデビュー25周年を迎えるこのアニヴァーサリーの始まりに、彼を起用した意味は大きい。この楽曲の歌詩について、昨年、松本隆50年の軌跡を追った評伝「風街とデラシネ 作詞家・松本隆の50年」(KADOKAWA)を上梓した音楽評論家、田家秀樹による考察を軸に「高純度romance」を分析する。2人を傍で、つかず離れず、ずっと見続けてきた人だからこそわかることがある。これは愛に溢れた1曲だ。
(これは『音楽と人』4月号に掲載された記事です)
松本さんらしい歌詩だな、という印象を受けました。
過剰な言葉も使わないし、説明もしないんだけど、何を唄いたいのかがすごくよくわかる。
〈絆〉ですよね。そしてこんな美しい曲なのに、美化してないし、綺麗事にもしていない。すごくリアリティがある。
〈引きこもってた日もあったよね/悩んだり凹んだり〉
何かを肯定する時に、こういう否定的なことも呼び込みながら、絶妙なバランスで書く。これは、松本隆の技以外の何者でもないですよ。
はっぴいえんどの頃からずっとそうなんですけど、松本さんは1曲の中で、光と影のどちらも書くんです。どちらかではなく全体を。すごくフラットに物を見ながら、その中にあるいろんなデコボコから目を背けない。そしてそれを肯定的に描けるから、嘘っぽさが全然ない。どんな人にも影があって、美しいだけじゃないことをわかって書いている。この曲は、言ってみれば結成25周年のお祝いソングですよね。そんなおめでたい曲に普通、〈引きこもってた日もあったよね〉なんて引き合いに出さないでしょう? でもそれが、この歌のリアリティに繋がっています。
有名なエピソードですけど、松本さんがKinKi Kidsのデビュー曲を依頼された時、なかなかジャニーさんからOKが出なかったんです。ミリオンヒットを獲れる曲という至上命令が出ていて、「Kissからはじまるミステリー」と「ジェットコースター・ロマンス」を先に書き上げていたものの、デビュー曲としてはOKがもらえなかった。煮詰まった松本さんが、仕事場の居間でテレビをつけたら偶然KinKi Kidsが唄っていて、その姿を見た松本さんは「あ、硝子の少年だ」と思った、と。
硝子は脆くて崩れやすく、だからこそピュアで透明、そして美しい。今回のタイトルの〈高純度〉とは、そういうことでもありますよね。この関係がこのままで壊れないでほしい、という願いもあったと思います。そこに松本さん自身を重ねたところもあるでしょうね。
松本さんが分身だと言ってる人が3人いるんです。細野晴臣、大滝詠一、筒美京平。きっと、自分とその人たちの間にあった、他の人にはわからない独特な関係性を、光一くんと剛くんの関係に見たんだと思います。ずっと傍にいるけど交わらない。でも絶対に離れられない。そして誰よりもお互いを理解してる。
だから、この人にはこうであってほしい、という願いが歌詩にこもってるんですよね。松本さんがそんなスタンスで歌詩を描いた唄い手は、おそらくKinKi Kidsと松田聖子さんだけだと思います。松田さんには、等身大の彼女より、ちょっとだけ大人なテーマの歌詩をつねに与えてきたんですよ。彼女は飛び抜けた歌唱力でそれを唄い、それによって、歌手としても人間としても大人になっていった。
KinKi Kidsもそうだと思うんです。デビューがいきなり「硝子の少年」じゃないですか。18歳で、自分たちのあり方のようなものを提示されて以降、その後の松本さんの歌詩は、つねに彼らの生き方のようなものを提示してきている気がします。「ボクの背中には羽根がある」も「スワンソング」もそう。そんな長年のいろんな積み重ねのうえに「高純度romance」が生まれている。それを思うと、25年という時間を背景に、大人になった2人に対し、その次、みたいなものを指し示してるのかもしれません。〈家庭〉という言葉もかなり踏み込んでるように聴こえますけど、でもそれが、さっき話したようなどんな人でも思い当たるリアリティを曲に与えてくれるんです。
〈純度高めの日々育んだ〉という一節もそうですね。つまり自分たちがやっている活動があって、お互いがその純度を高め続けている。プライドもあるし、自負もあるから折れない。そう簡単には交わらない。そんな状態で続けてきた彼らのことを、松本さんはちゃんと見てるということですよね。
そしてラストにある〈真実の蝶結び〉という言葉。〈蝶結び〉って、すぐ解けてしまう脆さがあるじゃないですか。ギュッと固く結ぶのではなく、綺麗だけど、紐を引いたらすぐに解けてしまう〈蝶結び〉。純度が高いからそれができるということでもあるし、そこに到達したということでもある。でも壊れやすいものでもある。これは「硝子の少年」にあった儚さ、脆さの象徴ですよね。そういうものが25年を経てもちゃんと結ばれている。
やはり松本さんがKinKi Kidsにずっと見ているのは、壊れそうで陰りのある、でもとても儚くて、ピュアな青春なんですよ。それを最初、近藤真彦さんに見たと思うんですけど、彼はソロだから、1人の人物の視点でしか描けない。KinKi Kidsはそこに2人の関係性が加わるから、近藤さんよりも歌で表現する視点が深くなる。そこにあの時代のいろんな青春群像が散りばめられているのが「硝子の少年」ですけど、それから25年経って、大人になった時に、いろんなことを言わなくてももういろいろ経験してるから、以前よりも言葉数が少なくなって、整理されて唄われていますね。
松本さんは作詞家として、太田裕美や寺尾聰、南佳孝や松田聖子の作品で、歌謡界で一時代を築いた後、89年から94年まで、作詞家としての活動を休憩するんですが、最前線に復帰したのがKinKi Kidsでした。おそらく松本さんは、2人と出会い、「硝子の少年」がミリオンヒットを飛ばし、代表曲として唄い継がれてきたことで、彼が70年代からずっと描いてきた〈青春の永遠性〉みたいなものを確信できたんじゃないでしょうか。つまり古い新しいは関係なく、みんなが持っているものなんだ、と。
松本さんの歌詩には、時折〈ジェームス・ディーン〉がモチーフとして出てきます。青春のシンボルとでも言うべきもので、矢沢永吉さんの「サブウェイ特急」や原田真二さんの「てぃーんずぶるーす」にも出てきます。若々しく孤独感があり、陰りもある。ジェームス・ディーンのそんなイメージが、松本さんの中にある普遍的な青春でしょう。それがKinKi Kidsにも繋がっているんですけど、さっきお話したように、ジェームス・ディーンは1人だけど、その精神を、2人の関係性として描けるのがKinKi Kidsなんだと思います。
ジェームス・ディーンは若くして亡くなっています。つまり孤独感や陰りというのは、それを抱えたまま死ぬことでしか永遠にならない。人によっては、歳を重ねるごとに、そういうものが失われていく。むしろそのほうが多い。でもKinKi Kidsは、2人の関係が続いていく中で、孤独や陰りが失われることがない。その素晴らしさがある。松本さんが描いてきた〈青春の永遠性〉。その先にあるものを彼らは見せてくれている。あんな硝子のように脆く、儚い美しさを湛えてきた2人の25年。この記念すべきアニヴァーサリーに書いた「高純度romance」は、松本さんが描きたかった世界観の集大成に近い。そして松本さんが、KinKi Kidsの2人に言いたかったであろう一言が、この曲の中にありました。
〈ほんとに愛してるよ〉
これが2人に伝えたかったことですよ。松本さんは大切なタイミングで、歌詩にそういうことを盛り込みますね。松田さんとのコンビを解消したアルバム『Citron』の最後の曲「林檎酒の日々」では〈もうさよならね〉と書いてますけど、それと同じです。この〈ほんとに愛してるよ〉は、松本さんがKinKi Kidsの2人に伝えたかったメッセージだと思います。
よく松本さんは「人の心を引きつける詞は、5%の真実と95%の想像から出来ている」とおっしゃっているんですが、その5%の真実が、25周年というタイミングもあって、そういうところににじみ出た気がします。それと、〈そんな時背中をポンと叩く/君の手に救われたのさ〉という一節は、ジャニーさんの病室で光一さんと剛さんが交わした光景を、KinKi Kidsとして歌にしていると編集長の金光さんから聞いたんですが(註:「YOU... ~ThanKs 2 YOU~」のKinKi Kidsヴァージョン。『KinKi Kids Concert Tour2019-2020 ThanKs 2 YOU』で披露)、松本さんはその話を知らなかったかもしれないですね。というのは、マーケットリサーチみたいなことをする人じゃないんですよ。人から聞かされたのなら別ですけど、自分から最近のKinKi Kidsについて細かく調べたりはしてないと思います。だとしたらすごい話ですけど、松本隆という人とKinKi Kidsの関係を知れば、そんな偶然もありそうだなと、そんな気持ちになりますね。
談=田家秀樹
構成=金光裕史
text by その他
https://t.cn/A66Iu3dB
3月16日にリリースされる、KinKi Kids、44枚目のシングル「高純度romance」は、25年前、彼らのデビュー曲「硝子の少年」を手掛けた、松本隆による作詩である。CDデビュー25周年を迎えるこのアニヴァーサリーの始まりに、彼を起用した意味は大きい。この楽曲の歌詩について、昨年、松本隆50年の軌跡を追った評伝「風街とデラシネ 作詞家・松本隆の50年」(KADOKAWA)を上梓した音楽評論家、田家秀樹による考察を軸に「高純度romance」を分析する。2人を傍で、つかず離れず、ずっと見続けてきた人だからこそわかることがある。これは愛に溢れた1曲だ。
(これは『音楽と人』4月号に掲載された記事です)
松本さんらしい歌詩だな、という印象を受けました。
過剰な言葉も使わないし、説明もしないんだけど、何を唄いたいのかがすごくよくわかる。
〈絆〉ですよね。そしてこんな美しい曲なのに、美化してないし、綺麗事にもしていない。すごくリアリティがある。
〈引きこもってた日もあったよね/悩んだり凹んだり〉
何かを肯定する時に、こういう否定的なことも呼び込みながら、絶妙なバランスで書く。これは、松本隆の技以外の何者でもないですよ。
はっぴいえんどの頃からずっとそうなんですけど、松本さんは1曲の中で、光と影のどちらも書くんです。どちらかではなく全体を。すごくフラットに物を見ながら、その中にあるいろんなデコボコから目を背けない。そしてそれを肯定的に描けるから、嘘っぽさが全然ない。どんな人にも影があって、美しいだけじゃないことをわかって書いている。この曲は、言ってみれば結成25周年のお祝いソングですよね。そんなおめでたい曲に普通、〈引きこもってた日もあったよね〉なんて引き合いに出さないでしょう? でもそれが、この歌のリアリティに繋がっています。
有名なエピソードですけど、松本さんがKinKi Kidsのデビュー曲を依頼された時、なかなかジャニーさんからOKが出なかったんです。ミリオンヒットを獲れる曲という至上命令が出ていて、「Kissからはじまるミステリー」と「ジェットコースター・ロマンス」を先に書き上げていたものの、デビュー曲としてはOKがもらえなかった。煮詰まった松本さんが、仕事場の居間でテレビをつけたら偶然KinKi Kidsが唄っていて、その姿を見た松本さんは「あ、硝子の少年だ」と思った、と。
硝子は脆くて崩れやすく、だからこそピュアで透明、そして美しい。今回のタイトルの〈高純度〉とは、そういうことでもありますよね。この関係がこのままで壊れないでほしい、という願いもあったと思います。そこに松本さん自身を重ねたところもあるでしょうね。
松本さんが分身だと言ってる人が3人いるんです。細野晴臣、大滝詠一、筒美京平。きっと、自分とその人たちの間にあった、他の人にはわからない独特な関係性を、光一くんと剛くんの関係に見たんだと思います。ずっと傍にいるけど交わらない。でも絶対に離れられない。そして誰よりもお互いを理解してる。
だから、この人にはこうであってほしい、という願いが歌詩にこもってるんですよね。松本さんがそんなスタンスで歌詩を描いた唄い手は、おそらくKinKi Kidsと松田聖子さんだけだと思います。松田さんには、等身大の彼女より、ちょっとだけ大人なテーマの歌詩をつねに与えてきたんですよ。彼女は飛び抜けた歌唱力でそれを唄い、それによって、歌手としても人間としても大人になっていった。
KinKi Kidsもそうだと思うんです。デビューがいきなり「硝子の少年」じゃないですか。18歳で、自分たちのあり方のようなものを提示されて以降、その後の松本さんの歌詩は、つねに彼らの生き方のようなものを提示してきている気がします。「ボクの背中には羽根がある」も「スワンソング」もそう。そんな長年のいろんな積み重ねのうえに「高純度romance」が生まれている。それを思うと、25年という時間を背景に、大人になった2人に対し、その次、みたいなものを指し示してるのかもしれません。〈家庭〉という言葉もかなり踏み込んでるように聴こえますけど、でもそれが、さっき話したようなどんな人でも思い当たるリアリティを曲に与えてくれるんです。
〈純度高めの日々育んだ〉という一節もそうですね。つまり自分たちがやっている活動があって、お互いがその純度を高め続けている。プライドもあるし、自負もあるから折れない。そう簡単には交わらない。そんな状態で続けてきた彼らのことを、松本さんはちゃんと見てるということですよね。
そしてラストにある〈真実の蝶結び〉という言葉。〈蝶結び〉って、すぐ解けてしまう脆さがあるじゃないですか。ギュッと固く結ぶのではなく、綺麗だけど、紐を引いたらすぐに解けてしまう〈蝶結び〉。純度が高いからそれができるということでもあるし、そこに到達したということでもある。でも壊れやすいものでもある。これは「硝子の少年」にあった儚さ、脆さの象徴ですよね。そういうものが25年を経てもちゃんと結ばれている。
やはり松本さんがKinKi Kidsにずっと見ているのは、壊れそうで陰りのある、でもとても儚くて、ピュアな青春なんですよ。それを最初、近藤真彦さんに見たと思うんですけど、彼はソロだから、1人の人物の視点でしか描けない。KinKi Kidsはそこに2人の関係性が加わるから、近藤さんよりも歌で表現する視点が深くなる。そこにあの時代のいろんな青春群像が散りばめられているのが「硝子の少年」ですけど、それから25年経って、大人になった時に、いろんなことを言わなくてももういろいろ経験してるから、以前よりも言葉数が少なくなって、整理されて唄われていますね。
松本さんは作詞家として、太田裕美や寺尾聰、南佳孝や松田聖子の作品で、歌謡界で一時代を築いた後、89年から94年まで、作詞家としての活動を休憩するんですが、最前線に復帰したのがKinKi Kidsでした。おそらく松本さんは、2人と出会い、「硝子の少年」がミリオンヒットを飛ばし、代表曲として唄い継がれてきたことで、彼が70年代からずっと描いてきた〈青春の永遠性〉みたいなものを確信できたんじゃないでしょうか。つまり古い新しいは関係なく、みんなが持っているものなんだ、と。
松本さんの歌詩には、時折〈ジェームス・ディーン〉がモチーフとして出てきます。青春のシンボルとでも言うべきもので、矢沢永吉さんの「サブウェイ特急」や原田真二さんの「てぃーんずぶるーす」にも出てきます。若々しく孤独感があり、陰りもある。ジェームス・ディーンのそんなイメージが、松本さんの中にある普遍的な青春でしょう。それがKinKi Kidsにも繋がっているんですけど、さっきお話したように、ジェームス・ディーンは1人だけど、その精神を、2人の関係性として描けるのがKinKi Kidsなんだと思います。
ジェームス・ディーンは若くして亡くなっています。つまり孤独感や陰りというのは、それを抱えたまま死ぬことでしか永遠にならない。人によっては、歳を重ねるごとに、そういうものが失われていく。むしろそのほうが多い。でもKinKi Kidsは、2人の関係が続いていく中で、孤独や陰りが失われることがない。その素晴らしさがある。松本さんが描いてきた〈青春の永遠性〉。その先にあるものを彼らは見せてくれている。あんな硝子のように脆く、儚い美しさを湛えてきた2人の25年。この記念すべきアニヴァーサリーに書いた「高純度romance」は、松本さんが描きたかった世界観の集大成に近い。そして松本さんが、KinKi Kidsの2人に言いたかったであろう一言が、この曲の中にありました。
〈ほんとに愛してるよ〉
これが2人に伝えたかったことですよ。松本さんは大切なタイミングで、歌詩にそういうことを盛り込みますね。松田さんとのコンビを解消したアルバム『Citron』の最後の曲「林檎酒の日々」では〈もうさよならね〉と書いてますけど、それと同じです。この〈ほんとに愛してるよ〉は、松本さんがKinKi Kidsの2人に伝えたかったメッセージだと思います。
よく松本さんは「人の心を引きつける詞は、5%の真実と95%の想像から出来ている」とおっしゃっているんですが、その5%の真実が、25周年というタイミングもあって、そういうところににじみ出た気がします。それと、〈そんな時背中をポンと叩く/君の手に救われたのさ〉という一節は、ジャニーさんの病室で光一さんと剛さんが交わした光景を、KinKi Kidsとして歌にしていると編集長の金光さんから聞いたんですが(註:「YOU... ~ThanKs 2 YOU~」のKinKi Kidsヴァージョン。『KinKi Kids Concert Tour2019-2020 ThanKs 2 YOU』で披露)、松本さんはその話を知らなかったかもしれないですね。というのは、マーケットリサーチみたいなことをする人じゃないんですよ。人から聞かされたのなら別ですけど、自分から最近のKinKi Kidsについて細かく調べたりはしてないと思います。だとしたらすごい話ですけど、松本隆という人とKinKi Kidsの関係を知れば、そんな偶然もありそうだなと、そんな気持ちになりますね。
談=田家秀樹
構成=金光裕史
#假面骑士ooo[超话]#
/
渡部秀 & 三浦涼介
サイン入りチェキプレ☆
\
Vシネクスト『 仮面ライダーオーズ 10th 復活のコアメダル』3/12公開直前インタビュー記念
スマボアカウントをフォロー&このツイートをRTされた方から抽選で1名様にプレゼント!
応募RTは4/11(月)23:59まで、当選者にDM
#オーズ10th
/
渡部秀 & 三浦涼介
サイン入りチェキプレ☆
\
Vシネクスト『 仮面ライダーオーズ 10th 復活のコアメダル』3/12公開直前インタビュー記念
スマボアカウントをフォロー&このツイートをRTされた方から抽選で1名様にプレゼント!
応募RTは4/11(月)23:59まで、当選者にDM
#オーズ10th
震度5弱 和歌山県内 5人軽いケガ 御坊市内各地で被害も 御坊市役所 職員一時避難 耐震基準満たさず
2021年12月03日
震度5弱を観測した御坊市では、市役所の庁舎で窓ガラス37枚が割れたりヒビが入ったりしたほか、1階ロビーの壁のタイルが剥がれるなどの被害が確認されているということです。
地震の直後、庁舎内にいた職員や訪れた市民200人が外の駐車場に避難し、市では一時的に通常業務をすべて停止しました。
御坊市によりますと、庁舎は昭和48年に建てられ、耐震化されておらず、震度6から7の揺れで倒壊するおそれがあるということです。
建築士の資格を持つ職員が庁舎の壁や柱などの確認を行い、大きな損傷は確認されなかったということで、午前11時20分ごろから職員が庁舎に戻り、通常の業務を再開したということです。
市は現在の庁舎の南側に耐震基準を満たした新しい庁舎を建設中で、再来年には完成させる予定です。
気象庁は今後、1週間程度は3日と同じ規模の地震に注意が必要だとしていて、市は、直ちに危険につながる箇所がないかなどを確認しながら現在の庁舎で業務を続けることにしています。
和歌山県などによりますと、今回の地震で、2歳の子どもが転倒するなど、あわせて5人が軽いけがをしました。
このうち、白浜町の幼児園では、トイレを利用していた2歳児が転倒して口を切るけがをしたほか、乳児を抱えていた保育士が転倒して右腕を打撲するけがをしたということです。
また、震度5弱の揺れを観測した和歌山県御坊市では各地で被害が出ました。
【日高川堤防沿いの石像倒れる】。
御坊市では、高さ1メートル80センチほどの石像が倒れる被害がありました。
石像は御坊市内を流れる日高川の堤防沿いに2体並んでいて、このうちの1体が足首の部分から折れて倒れていました。
御坊市によりますと、この石像は平成12年に御坊市内の企業から市に寄贈されたもので、若い娘が恋した僧を追いかけるうちに大蛇になったという物語の登場人物、安珍と清姫だということです。
【中学校で教室の天井の板落ちる】。
御坊市の御坊中学校では教室の天井の板が落ちる被害が出ました。
落下した天井の板は長さおよそ1メートル80センチ、幅およそ45センチで、当時、教室には誰もいなかったため、けがをした人はいないということです。
御坊中学校の小谷剛史校長は、「地震が起きたときは期末テストの最中でしたが切り上げて避難させました。生徒に被害がなくてよかったです」と話していました。
【商業施設で漏水応急処置行い営業再開】。
御坊市にある商業施設、「オークワロマンシティ御坊店」は地震のあと、建物内で漏水が確認されたため、一時、営業を取りやめていましたが、漏水の応急処置を行ったうえで3階のボウリング場を除き、3日午後1時から営業を再開しました。
【住宅の雨戸一部壊れる】。
御坊市岩内の住宅では、長さ1メートル、重さ5キロほどの雨戸の一部の木材が外れて落ちる被害がありました。
【信金の出張所で漏水】。
御坊市にある信用金庫の出張所で水道管が破損し、漏水が起きています。
御坊市のきのくに信用金庫中町出張所では、地震が起きたあとの3日午前11時ごろ、職員が天井から水が漏れているのに気づき、業者が確認したところ、屋上にある水道タンクにつながる水道管が破損し、漏水していることがわかりました。
この出張所に常駐している職員はいませんが、ATMを設置していて、利用を停止したということです。
復旧のめどはたっていません。
きのくに信用金庫御坊営業部平川和男部長は「大変ご迷惑おかけします。漏水の問題を解決してから復旧に務めたい」と話しています。
【地震情報官“震源浅く揺れ強く”】。
和歌山県御坊市で震度5弱の揺れを観測した今回の地震について、大阪管区気象台の雛川博文地震情報官は、「和歌山県の紀伊水道付近ではマグニチュード4から5の規模の地震は決して珍しいことではないが、今回は震源の深さが比較的浅かったことから強い揺れにつながった」としたうえで、「揺れの強かった地域では落石や崖崩れなどが起こりやすくなっている可能性がある。今後1週間程度は最大震度5弱程度の地震が起きるおそれがあり、とくに2日から3日程度は規模の大きな地震が発生することがあり、注意してほしい」と呼びかけています。
また、今回の地震は陸側のプレートの内部で断層がずれて発生したもので、「海側のプレートとの境界で起きる南海トラフ地震とは特徴や規模が異なることから、直接結びつくものではなく、巨大地震の発生の可能性が平常時より高まっているわけではない」としています。
一方、南海トラフの巨大地震は、今後30年以内に70%から80%の確率で起きるとされていて、雛川情報官は「将来的には必ず起きるものであり、改めて備えを確認してもらいたい」としています。
2021年12月03日
震度5弱を観測した御坊市では、市役所の庁舎で窓ガラス37枚が割れたりヒビが入ったりしたほか、1階ロビーの壁のタイルが剥がれるなどの被害が確認されているということです。
地震の直後、庁舎内にいた職員や訪れた市民200人が外の駐車場に避難し、市では一時的に通常業務をすべて停止しました。
御坊市によりますと、庁舎は昭和48年に建てられ、耐震化されておらず、震度6から7の揺れで倒壊するおそれがあるということです。
建築士の資格を持つ職員が庁舎の壁や柱などの確認を行い、大きな損傷は確認されなかったということで、午前11時20分ごろから職員が庁舎に戻り、通常の業務を再開したということです。
市は現在の庁舎の南側に耐震基準を満たした新しい庁舎を建設中で、再来年には完成させる予定です。
気象庁は今後、1週間程度は3日と同じ規模の地震に注意が必要だとしていて、市は、直ちに危険につながる箇所がないかなどを確認しながら現在の庁舎で業務を続けることにしています。
和歌山県などによりますと、今回の地震で、2歳の子どもが転倒するなど、あわせて5人が軽いけがをしました。
このうち、白浜町の幼児園では、トイレを利用していた2歳児が転倒して口を切るけがをしたほか、乳児を抱えていた保育士が転倒して右腕を打撲するけがをしたということです。
また、震度5弱の揺れを観測した和歌山県御坊市では各地で被害が出ました。
【日高川堤防沿いの石像倒れる】。
御坊市では、高さ1メートル80センチほどの石像が倒れる被害がありました。
石像は御坊市内を流れる日高川の堤防沿いに2体並んでいて、このうちの1体が足首の部分から折れて倒れていました。
御坊市によりますと、この石像は平成12年に御坊市内の企業から市に寄贈されたもので、若い娘が恋した僧を追いかけるうちに大蛇になったという物語の登場人物、安珍と清姫だということです。
【中学校で教室の天井の板落ちる】。
御坊市の御坊中学校では教室の天井の板が落ちる被害が出ました。
落下した天井の板は長さおよそ1メートル80センチ、幅およそ45センチで、当時、教室には誰もいなかったため、けがをした人はいないということです。
御坊中学校の小谷剛史校長は、「地震が起きたときは期末テストの最中でしたが切り上げて避難させました。生徒に被害がなくてよかったです」と話していました。
【商業施設で漏水応急処置行い営業再開】。
御坊市にある商業施設、「オークワロマンシティ御坊店」は地震のあと、建物内で漏水が確認されたため、一時、営業を取りやめていましたが、漏水の応急処置を行ったうえで3階のボウリング場を除き、3日午後1時から営業を再開しました。
【住宅の雨戸一部壊れる】。
御坊市岩内の住宅では、長さ1メートル、重さ5キロほどの雨戸の一部の木材が外れて落ちる被害がありました。
【信金の出張所で漏水】。
御坊市にある信用金庫の出張所で水道管が破損し、漏水が起きています。
御坊市のきのくに信用金庫中町出張所では、地震が起きたあとの3日午前11時ごろ、職員が天井から水が漏れているのに気づき、業者が確認したところ、屋上にある水道タンクにつながる水道管が破損し、漏水していることがわかりました。
この出張所に常駐している職員はいませんが、ATMを設置していて、利用を停止したということです。
復旧のめどはたっていません。
きのくに信用金庫御坊営業部平川和男部長は「大変ご迷惑おかけします。漏水の問題を解決してから復旧に務めたい」と話しています。
【地震情報官“震源浅く揺れ強く”】。
和歌山県御坊市で震度5弱の揺れを観測した今回の地震について、大阪管区気象台の雛川博文地震情報官は、「和歌山県の紀伊水道付近ではマグニチュード4から5の規模の地震は決して珍しいことではないが、今回は震源の深さが比較的浅かったことから強い揺れにつながった」としたうえで、「揺れの強かった地域では落石や崖崩れなどが起こりやすくなっている可能性がある。今後1週間程度は最大震度5弱程度の地震が起きるおそれがあり、とくに2日から3日程度は規模の大きな地震が発生することがあり、注意してほしい」と呼びかけています。
また、今回の地震は陸側のプレートの内部で断層がずれて発生したもので、「海側のプレートとの境界で起きる南海トラフ地震とは特徴や規模が異なることから、直接結びつくものではなく、巨大地震の発生の可能性が平常時より高まっているわけではない」としています。
一方、南海トラフの巨大地震は、今後30年以内に70%から80%の確率で起きるとされていて、雛川情報官は「将来的には必ず起きるものであり、改めて備えを確認してもらいたい」としています。
✋热门推荐