天地之间行走,星光一程,清风一程,山水风景漫游,时入心境,时有感悟。世相常作繁华色,缤纷匆匆去,江水映灯红。一日的欢快,一日的苦恨,人生的诸事,无常才是如常。林间遇山雨,穿林打叶,小窗见阑珊,回首蓦然。世相斑斓,一半绚彩,一半平淡,人生遭遇,一半缘起,一半无常。往繁华处看,一时得意,一时尽欢,终是一场空幻,向萧瑟处寻,落霞孤鹜,逝水长天,多少往事惘然。停停走走,披了一程星光,自来处来,向归处去,匆匆忙忙,惹了一身寂寥,叹川不辍,慨求不得,无常亦常在,一路经行,见惯了,释然了。天地之间,山水,朝暮,得失之间,是非,名利,愿一程星光为伴,愿一程风雨清欢。
“愿意的人,命运领着走。不愿意的人,命运拖着走。”
你选择怎样面对生活的那一刻,其实已经决定了你生活的走向。
烦恼往往是自己给的,爱抱怨的人日子多忧,爱诉苦的人生活常苦。
没有哪一种收获是轻而易举的,人生往往是,有所求,就要谋求;不认命,就得拼命。
懦弱的人才会选择一味抱怨,强大的人早就学会了自行疗愈。
人生虽艰,愿你勇敢无畏。
你选择怎样面对生活的那一刻,其实已经决定了你生活的走向。
烦恼往往是自己给的,爱抱怨的人日子多忧,爱诉苦的人生活常苦。
没有哪一种收获是轻而易举的,人生往往是,有所求,就要谋求;不认命,就得拼命。
懦弱的人才会选择一味抱怨,强大的人早就学会了自行疗愈。
人生虽艰,愿你勇敢无畏。
元SKE48 松井玲奈 采访
同じ人のことを考えても見え方が違うのは面白い発見だった
――松井さんは原作となった恋愛小説『よだかの片想い』に惚れ込み、映像化を熱望していたそうですが、主人公の前田アイコを演じると決まった時は、どんな気持ちでしたか?
松井玲奈(以下、松井) 出演の話が少しずつ進んでいるというのは知っていたんですけど、一時期お話が止まってしまい、できないと思っていたんです。急に撮影が決まったものの、その間に私も歳を重ねていったので、果たして大学生の役ができるのだろうかと不安に思うこともたくさんありました。その後、大学院生に設定が変わりましたが、演じられるうれしさはありつつも、私にできるんだろうか?というプレッシャーが大きかったです。これだけ多くの人が力を貸してくれて、映画が作れるように土台を用意してくれて、自分がその人たちの思いにちゃんと応えられるかどうか。みんなが満足するものを作ることができるのか……。自分たちが自信を持って作ったものなのは間違いないですが、公開直前の今も、観た人たちがどう感じるのかというプレッシャーの中にいます。
――全体的に演技のトーンが抑えめで、アイコと恋人の飛坂逢太(中島歩)が気持ちをぶつけ合うシーンも、そこまで感情を剥き出しにしない印象を受けました。
松井 中島さんの芝居の影響が大きいと思っています。最初に本読みをした時から、中島さんのナチュラルなトーンに合わせた方ほうがいいなと思って、自分自身もあまり誇張しないというか、中島さんの空気感に乗っかろうとしていました。
――中島さんとのやりとりで、あの雰囲気が生まれていったのですね。
松井 撮影現場に入ってからも、中島さんの空気感というか、芝居の雰囲気は本読みの時と変わらなかったんです。それと違うテンションでやってしまうと作品全体のトーンがぐしゃぐしゃになってしまうだろうなと思ったので、意識的に抑え目にしていました。それがアイコを演じる上でも結果としてよかったと思います。
――中島さんの印象はいかがでしたか?
松井 つかみどころのない不思議な人だなという風に今も思っています。別の作品ではトリッキーな役も演じられていたので、引き出しが本当に多い方なんだろうなと感じています。
――アイコを演じる上で、安川有果監督から具体的な指示はあったのでしょうか。
松井 事前にはなかったんですが、私が持っていた原作のアイコ像と、監督が持っている映画のアイコ像が少し違う部分があって、それがある意味、面白さだなと思いました。同じ人のことを考えていても、ちょっとズレがあるというのがリアルな人間らしさだなと。認知の違いというと大袈裟ですけど、見え方がこうも違うんだなというのは面白い発見でした。私は原作が好きすぎるが故に固執してしまうところがあるので、お互いの意見を擦り合わせながら、監督のことを信頼してできる環境に徐々になっていったのが印象的でした。
――松井さんはアイコをどう捉えていたのでしょうか。
松井 アイコの顔にアザがあるということをウイークポイントに捉えてしまう人がいると思います。もちろんそれもこの作品にとって大事なことの一つではあるんですが、そこよりもアイコが飛坂さんと出会ってから始まる恋心の物語を重点的に意識して演じるようにしていました。アザがあるとかないとかを考えて、こういうお芝居をしなきゃいけないというよりは、シーンの中で問題が持ち上がった時に、どう反応するかを重視していたと思います。
――特に印象に残っているシーンを教えてください。
松井 飛坂さんとぶつかり合うシーンです。私はすごく悲しい気持ちを持ってリハーサルをしていたんですけど、監督からは「そこは怒りをもっとぶつけてほしい」と言われて。アイコは人に怒りをぶつけるのがすごく怖いというように私は感じていたので、「怒りという感情が分からないです。分からないけど、でもやってみます」という感じで、本番でやってみたら、自分が考えていた悲しさって一つだけの感情じゃなくて、怒りもあるし、悔しさもあるし、悲しさもある。いろんなものが混ざって、それを彼にぶつけるっていうことを監督が言いたかったんだなと、どんどん分かっていって。それは自分としてもアイコという役としても、ひとりでは見つけられない感情や表現だったので、とても印象的なシーンになりました。
自分を受け入れて、認めてくれる人たちが、周りには確かにいる
――随所に長回しを効果的に配した独特のカメラワークが、アイコの気持ちを巧みに捉えているように感じました。
松井 実際に長回しで撮影している時は全く意識していなくて、「完成したらどうなるんだろう」くらいの感覚だったんですが、寄りのシーンは過去の人生にないぐらいカメラに寄られていました(笑)。ラストシーンでカメラがアイコに寄るシーンも、カメラのフレームが頬にあたるくらいの近さでしたからね。その近さに驚きつつも、アイコの目をちゃんと映すことで、言葉に頼らなくても、カメラワークで彼女の想いを表現できる方法が面白かったです。撮っている時は全体が分からないことも多かったので、1本の作品になって、腑に落ちることも多かったです。
――ラストのダンスシーンは松井さんのアドリブの動きが多かったのでしょうか。
松井 基本的なステップだけ教えてもらって、そこから楽しく自由にやってくださいという感じでした。
――まさに言葉よりも、ダンスによってアイコの気持ちが能弁に伝わると感じました。
松井 後で自分が演じていた時の表情を見ていると、どんどん開けていく感覚があったような気がします。私自身はちょっと恥ずかしがりなので、踊ったりするのは抵抗があるタイプなんですけど、実際にやってみると、どんどん楽しくなっていって、ああいうシーンになりました。
―映画の大きなキーワードに「コンプレックス」があると思います。コンプレックスに対して松井さんはどう考えていらっしゃいますか?
松井 『よだかの片想い』を読んだ時に、コンプレックスは自分が抱えるものというより、人に指摘されて初めて気づくものなんだと発見しました。アイコも同級生に「顔のアザが変」と言われて、「自分の体の一部が人と違うのが変なんだ」と初めて気づかされてしまう。私自身の過去を思い返しても、コンプレックスは人から指摘されたことで、気になったことのほうが圧倒的に多いと思うので、ちょっとした呪いみたいなものなのかなと。でも考え方を変えると、コンプレックスはチャームポイントにもなりえるなと感じています。
――松井さん自身、コンプレックスをチャームポイントだと感じた経験はあったのでしょうか?
松井 今はそんなこともないんですけど、以前は自分の左目がすごく嫌いでした。というのも今よりも奥二重だったので、「キツく見える」と人から言われたことがあり、それからずっと前髪で隠していました。でもお芝居をする時に、「左右の目の表情が違うのが素敵だね」と言ってもらえて、「一つの顔なのに、二つの顔を見せられるのってお得だな」と思って。考え方を少し変えれば、自分にとってプラスにもなりえるんだなと、今は前向きに考えられるようになっています。
――改めて映画の見どころを教えてください。
松井 アイコの初恋の物語でありながら、自分が周りの人に受け入れられ、助けてもらっていたということに彼女が気づいていく物語でもあります。それはどの人にも当てはまることで、自分の殻の中に閉じこもって、「私の周りには誰もいないんだ。一人ぼっちななんだ」と思っていても、ちょっと見方を変えると、そんな自分をしっかり受け入れてくれて、認めてくれる人たちが、周りには確かにいるんですよね。そんなことを、この映画を観た人にも感じてもらえたらうれしいです。
やりたくないことを先に全部書き出しておく
――松井さんはSKE48のオープニングメンバーとしてデビューしましたが、お芝居のお仕事を志したのはいつ頃ですか?
松井 もともとお芝居がしたくて芸能界に入ったので、最初からですね。ステージから客席に向けて歌って踊ることで、人に見られる耐性がつくと思ったし、表現の勉強にもなると考えていました。アイドル活動をしている間も、お芝居をしたいという気持ちはずっと変わらなかったです。
――お芝居をしたいという気持ちはどんなきっかけで芽生えましたか?
松井 小さい頃から学芸会で、表現したり、人に観てもらったりすることが好きでした。母が宝塚を好きだったのもあって、天海祐希さんが出ている舞台を観に行ったこともあります。蜷川幸雄さんが演出されている舞台を映像で観た時に、舞台っていろんな表現があって、自由なんだなと感じたんです。たとえば「ここが火星です」と言ったら、それだけで舞台が火星に変わる。その自由さと、生でお芝居をしている俳優さんたちの熱量や集中力みたいなものが伝わって来てすごく感動して、私も舞台の上で、何かを表現する人になりたいなと思ったのが最初のきっかけです。
――アイドルグループでの経験が、お芝居にも活きている部分はありますか?
松井 ずっとライブ活動をしていたので、何が起きても動じない力というか、ハプニングとかイレギュラーなことに関しての耐性はついたのかなと思います。
――グループを卒業して、一人で活動するようになって、意識が変わったと感じることはありますか?
松井 現場は基本的に初めて会う人たちばかりで、その時のチームでひとつのものを作るので、現場ごとに転職しているみたいな感覚です。現場ごとに新しい職場に行って、そこで人間関係を作ってコミュニケーションもとらなきゃいけないし、もちろんお芝居もしないといけない。その大変さは一人になってから常々感じています。でも、数を重ねていくと、何回もご一緒できるスタッフさんや共演者の方々、「お久しぶりですね」と言える方が増えていくことがうれしいですね。
――最後に進路選択を控えているティーンにメッセージをお願いします。
松井 よく「やりたいことが分からないです」と聞かれることがあります。私の場合、お芝居がしたいというのは決まっていましたが、それよりもやりたくないことのほうが多くて。これはやりたくないけど、これだったらやりたいというのが、結構はっきり決まっているタイプの人間なんです。そう考えられるようになったのは、学校の先生に「やりたくないことを先に全部書き出しておくといい。それ以外は許容できることで、やってもいいよって思えること。まずは自分の苦手なことや、やりたくないことを理解しておくと自分に向いていることや、やりたいことが見えてくると思う」と言われたことが大きくて。それを実践した時に、「これも無理だ、あれも無理だ」となったけど、私の好きなもの、やりたいことは、お芝居で表現することなのかもしれないと明確に気づけたんです。だから、やりたくないことをはっきりさせると、見えてくるものもあるのではないでしょうか。
同じ人のことを考えても見え方が違うのは面白い発見だった
――松井さんは原作となった恋愛小説『よだかの片想い』に惚れ込み、映像化を熱望していたそうですが、主人公の前田アイコを演じると決まった時は、どんな気持ちでしたか?
松井玲奈(以下、松井) 出演の話が少しずつ進んでいるというのは知っていたんですけど、一時期お話が止まってしまい、できないと思っていたんです。急に撮影が決まったものの、その間に私も歳を重ねていったので、果たして大学生の役ができるのだろうかと不安に思うこともたくさんありました。その後、大学院生に設定が変わりましたが、演じられるうれしさはありつつも、私にできるんだろうか?というプレッシャーが大きかったです。これだけ多くの人が力を貸してくれて、映画が作れるように土台を用意してくれて、自分がその人たちの思いにちゃんと応えられるかどうか。みんなが満足するものを作ることができるのか……。自分たちが自信を持って作ったものなのは間違いないですが、公開直前の今も、観た人たちがどう感じるのかというプレッシャーの中にいます。
――全体的に演技のトーンが抑えめで、アイコと恋人の飛坂逢太(中島歩)が気持ちをぶつけ合うシーンも、そこまで感情を剥き出しにしない印象を受けました。
松井 中島さんの芝居の影響が大きいと思っています。最初に本読みをした時から、中島さんのナチュラルなトーンに合わせた方ほうがいいなと思って、自分自身もあまり誇張しないというか、中島さんの空気感に乗っかろうとしていました。
――中島さんとのやりとりで、あの雰囲気が生まれていったのですね。
松井 撮影現場に入ってからも、中島さんの空気感というか、芝居の雰囲気は本読みの時と変わらなかったんです。それと違うテンションでやってしまうと作品全体のトーンがぐしゃぐしゃになってしまうだろうなと思ったので、意識的に抑え目にしていました。それがアイコを演じる上でも結果としてよかったと思います。
――中島さんの印象はいかがでしたか?
松井 つかみどころのない不思議な人だなという風に今も思っています。別の作品ではトリッキーな役も演じられていたので、引き出しが本当に多い方なんだろうなと感じています。
――アイコを演じる上で、安川有果監督から具体的な指示はあったのでしょうか。
松井 事前にはなかったんですが、私が持っていた原作のアイコ像と、監督が持っている映画のアイコ像が少し違う部分があって、それがある意味、面白さだなと思いました。同じ人のことを考えていても、ちょっとズレがあるというのがリアルな人間らしさだなと。認知の違いというと大袈裟ですけど、見え方がこうも違うんだなというのは面白い発見でした。私は原作が好きすぎるが故に固執してしまうところがあるので、お互いの意見を擦り合わせながら、監督のことを信頼してできる環境に徐々になっていったのが印象的でした。
――松井さんはアイコをどう捉えていたのでしょうか。
松井 アイコの顔にアザがあるということをウイークポイントに捉えてしまう人がいると思います。もちろんそれもこの作品にとって大事なことの一つではあるんですが、そこよりもアイコが飛坂さんと出会ってから始まる恋心の物語を重点的に意識して演じるようにしていました。アザがあるとかないとかを考えて、こういうお芝居をしなきゃいけないというよりは、シーンの中で問題が持ち上がった時に、どう反応するかを重視していたと思います。
――特に印象に残っているシーンを教えてください。
松井 飛坂さんとぶつかり合うシーンです。私はすごく悲しい気持ちを持ってリハーサルをしていたんですけど、監督からは「そこは怒りをもっとぶつけてほしい」と言われて。アイコは人に怒りをぶつけるのがすごく怖いというように私は感じていたので、「怒りという感情が分からないです。分からないけど、でもやってみます」という感じで、本番でやってみたら、自分が考えていた悲しさって一つだけの感情じゃなくて、怒りもあるし、悔しさもあるし、悲しさもある。いろんなものが混ざって、それを彼にぶつけるっていうことを監督が言いたかったんだなと、どんどん分かっていって。それは自分としてもアイコという役としても、ひとりでは見つけられない感情や表現だったので、とても印象的なシーンになりました。
自分を受け入れて、認めてくれる人たちが、周りには確かにいる
――随所に長回しを効果的に配した独特のカメラワークが、アイコの気持ちを巧みに捉えているように感じました。
松井 実際に長回しで撮影している時は全く意識していなくて、「完成したらどうなるんだろう」くらいの感覚だったんですが、寄りのシーンは過去の人生にないぐらいカメラに寄られていました(笑)。ラストシーンでカメラがアイコに寄るシーンも、カメラのフレームが頬にあたるくらいの近さでしたからね。その近さに驚きつつも、アイコの目をちゃんと映すことで、言葉に頼らなくても、カメラワークで彼女の想いを表現できる方法が面白かったです。撮っている時は全体が分からないことも多かったので、1本の作品になって、腑に落ちることも多かったです。
――ラストのダンスシーンは松井さんのアドリブの動きが多かったのでしょうか。
松井 基本的なステップだけ教えてもらって、そこから楽しく自由にやってくださいという感じでした。
――まさに言葉よりも、ダンスによってアイコの気持ちが能弁に伝わると感じました。
松井 後で自分が演じていた時の表情を見ていると、どんどん開けていく感覚があったような気がします。私自身はちょっと恥ずかしがりなので、踊ったりするのは抵抗があるタイプなんですけど、実際にやってみると、どんどん楽しくなっていって、ああいうシーンになりました。
―映画の大きなキーワードに「コンプレックス」があると思います。コンプレックスに対して松井さんはどう考えていらっしゃいますか?
松井 『よだかの片想い』を読んだ時に、コンプレックスは自分が抱えるものというより、人に指摘されて初めて気づくものなんだと発見しました。アイコも同級生に「顔のアザが変」と言われて、「自分の体の一部が人と違うのが変なんだ」と初めて気づかされてしまう。私自身の過去を思い返しても、コンプレックスは人から指摘されたことで、気になったことのほうが圧倒的に多いと思うので、ちょっとした呪いみたいなものなのかなと。でも考え方を変えると、コンプレックスはチャームポイントにもなりえるなと感じています。
――松井さん自身、コンプレックスをチャームポイントだと感じた経験はあったのでしょうか?
松井 今はそんなこともないんですけど、以前は自分の左目がすごく嫌いでした。というのも今よりも奥二重だったので、「キツく見える」と人から言われたことがあり、それからずっと前髪で隠していました。でもお芝居をする時に、「左右の目の表情が違うのが素敵だね」と言ってもらえて、「一つの顔なのに、二つの顔を見せられるのってお得だな」と思って。考え方を少し変えれば、自分にとってプラスにもなりえるんだなと、今は前向きに考えられるようになっています。
――改めて映画の見どころを教えてください。
松井 アイコの初恋の物語でありながら、自分が周りの人に受け入れられ、助けてもらっていたということに彼女が気づいていく物語でもあります。それはどの人にも当てはまることで、自分の殻の中に閉じこもって、「私の周りには誰もいないんだ。一人ぼっちななんだ」と思っていても、ちょっと見方を変えると、そんな自分をしっかり受け入れてくれて、認めてくれる人たちが、周りには確かにいるんですよね。そんなことを、この映画を観た人にも感じてもらえたらうれしいです。
やりたくないことを先に全部書き出しておく
――松井さんはSKE48のオープニングメンバーとしてデビューしましたが、お芝居のお仕事を志したのはいつ頃ですか?
松井 もともとお芝居がしたくて芸能界に入ったので、最初からですね。ステージから客席に向けて歌って踊ることで、人に見られる耐性がつくと思ったし、表現の勉強にもなると考えていました。アイドル活動をしている間も、お芝居をしたいという気持ちはずっと変わらなかったです。
――お芝居をしたいという気持ちはどんなきっかけで芽生えましたか?
松井 小さい頃から学芸会で、表現したり、人に観てもらったりすることが好きでした。母が宝塚を好きだったのもあって、天海祐希さんが出ている舞台を観に行ったこともあります。蜷川幸雄さんが演出されている舞台を映像で観た時に、舞台っていろんな表現があって、自由なんだなと感じたんです。たとえば「ここが火星です」と言ったら、それだけで舞台が火星に変わる。その自由さと、生でお芝居をしている俳優さんたちの熱量や集中力みたいなものが伝わって来てすごく感動して、私も舞台の上で、何かを表現する人になりたいなと思ったのが最初のきっかけです。
――アイドルグループでの経験が、お芝居にも活きている部分はありますか?
松井 ずっとライブ活動をしていたので、何が起きても動じない力というか、ハプニングとかイレギュラーなことに関しての耐性はついたのかなと思います。
――グループを卒業して、一人で活動するようになって、意識が変わったと感じることはありますか?
松井 現場は基本的に初めて会う人たちばかりで、その時のチームでひとつのものを作るので、現場ごとに転職しているみたいな感覚です。現場ごとに新しい職場に行って、そこで人間関係を作ってコミュニケーションもとらなきゃいけないし、もちろんお芝居もしないといけない。その大変さは一人になってから常々感じています。でも、数を重ねていくと、何回もご一緒できるスタッフさんや共演者の方々、「お久しぶりですね」と言える方が増えていくことがうれしいですね。
――最後に進路選択を控えているティーンにメッセージをお願いします。
松井 よく「やりたいことが分からないです」と聞かれることがあります。私の場合、お芝居がしたいというのは決まっていましたが、それよりもやりたくないことのほうが多くて。これはやりたくないけど、これだったらやりたいというのが、結構はっきり決まっているタイプの人間なんです。そう考えられるようになったのは、学校の先生に「やりたくないことを先に全部書き出しておくといい。それ以外は許容できることで、やってもいいよって思えること。まずは自分の苦手なことや、やりたくないことを理解しておくと自分に向いていることや、やりたいことが見えてくると思う」と言われたことが大きくて。それを実践した時に、「これも無理だ、あれも無理だ」となったけど、私の好きなもの、やりたいことは、お芝居で表現することなのかもしれないと明確に気づけたんです。だから、やりたくないことをはっきりさせると、見えてくるものもあるのではないでしょうか。
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