2022.10.13
#堀夏喜#
Emo!miu 少年的深渊 采访-3
18歳の分岐点。ダンススクールを辞めようとも、海外に留学しようとも考えた。
■本作の登場人物は、それぞれに何かを胸に隠していて、葛藤していますが、堀さんご自身が葛藤した時期や今思うと分岐点だったなと思う出来事はありますか。 堀 僕は18歳の頃、ダンスの道で生きていきたいと思い通信制の高校に通いながらダンスをしていました。アーティストになれるか保証もなく本当に不安で、通っていたダンススクールを辞めることや海外留学することも考えていました。葛藤する日々を送っていたある日、FANTASTICS結成の話をいただいたんです。だからもしその結成の時期が半年でも遅れていたらもう留学に行っていたかもしれないなと思います。 ■運命的なタイミングですね。 堀 そうですよね。18歳の頃は、かなり葛藤もしましたけど、人生の分岐点になったなとって思います。
■そんな18歳の分岐点を経て、FANTASTICSの結成から約7年が経過し、先日25歳の誕生日を迎えられた堀さんですが、25歳の目標はなにかありますでしょうか? 堀 最近、何事も楽しみながらできたらいいなってより思うようになりました。 好きで続けてきたダンスのように、好きや楽しいと感じることが何よりも原動力になると思うので、最近いただけるようになったの仕事も、もっと芝居を好きになって楽しめたら最高ですね。25歳の目標は、もっと芝居を突き詰めて、今以上に楽しいと思えるようになりたいです。
#堀夏喜#
Emo!miu 少年的深渊 采访-3
18歳の分岐点。ダンススクールを辞めようとも、海外に留学しようとも考えた。
■本作の登場人物は、それぞれに何かを胸に隠していて、葛藤していますが、堀さんご自身が葛藤した時期や今思うと分岐点だったなと思う出来事はありますか。 堀 僕は18歳の頃、ダンスの道で生きていきたいと思い通信制の高校に通いながらダンスをしていました。アーティストになれるか保証もなく本当に不安で、通っていたダンススクールを辞めることや海外留学することも考えていました。葛藤する日々を送っていたある日、FANTASTICS結成の話をいただいたんです。だからもしその結成の時期が半年でも遅れていたらもう留学に行っていたかもしれないなと思います。 ■運命的なタイミングですね。 堀 そうですよね。18歳の頃は、かなり葛藤もしましたけど、人生の分岐点になったなとって思います。
■そんな18歳の分岐点を経て、FANTASTICSの結成から約7年が経過し、先日25歳の誕生日を迎えられた堀さんですが、25歳の目標はなにかありますでしょうか? 堀 最近、何事も楽しみながらできたらいいなってより思うようになりました。 好きで続けてきたダンスのように、好きや楽しいと感じることが何よりも原動力になると思うので、最近いただけるようになったの仕事も、もっと芝居を好きになって楽しめたら最高ですね。25歳の目標は、もっと芝居を突き詰めて、今以上に楽しいと思えるようになりたいです。
【わたし達はおとな】web MAGAZINE
装苑
木竜麻生×藤原季節 対談、
映画『わたし達はおとな』のバックステージ(3)
――こちらの方こそ、貴重なお話をありがとうございます!藤原さんは加藤さんとこれまでたくさんタッグを組まれていますが、演出方法は作品によって変わりますか?
藤原:変わらないですね。必要以上に情感を残したり、人に対して近づきすぎると指摘されることが多いと思います。
例えば、誰かを励ます場面で肩に手を添えたりしたら、ぱって来て「それいらん」とだけ言われるみたいな。それがちょっと強く見えたのかもしれないですね。僕らの間に説明はいらないんです。「それいらん」って言われたら、相手に対して近づきすぎたんだなっていうのが、説明無しでも分かるから。(加藤さんは)人と人との距離をめっちゃ大事にする人ですし、僕もそう言われたら「近づきすぎたか、オッケー」という感じ。僕らは、交わす言葉がすごく少ないかもしれないです。
一瞬、本当の自分が出現しています。(藤原季節)
――監督・脚本の加藤さんが書く物語についても聞かせてください。藤原さんから見てどんなところが魅力的ですか?
藤原:曖昧さが好きです。複雑さといったら簡単になってしまうけど、そういうものを書き続けている気がします。
誰かと付き合うっていうのも一つの約束じゃないですか。付き合うとか父親になるとか、そういう約束や契約、社会的な名前がつく一個前の場所をずっと行ったり来たりするという、それが見ていて楽しいです。図らずも共感してしまいますしね。
――共感も?
藤原:共感・・・しちゃった!とか。あ~、共感していいのか自分!とか。我が身を振り返ります。加藤さんの作品を何年も観続けたり演じていて、行いが正しくなってきました。こういう人になってはいけないなと(笑)。
――教訓のような作用が…(笑)。木竜さんにとってはいかがですか?
木竜:映画にはそういう部分を孕んでいてほしいといつも思いますが、観る側が、物語の先や前を想像する余白を残してくれているところが好きです。私達が作ったものをどう見てどう受け取るかを、観客のかたにちゃんと委ねている部分があるように感じるんです。
そういう体験ができる非日常を映画で作るのに、ものすごく日常に近い人や空気を感じさせてくれるのは、加藤さんが書くもの、作るものの面白さかなって思います。
――とてもよく分かります。だからこそ、最後のお二人の場面にも緊張感がみなぎっていて。
藤原:緊張感ありますよね、長回しでもあるし。あの時、加藤さんは現場で、「今は救急車の音とか鳴らないでくれ~!」って思っていたらしいです。もうNGが出せないから。
木竜:一回目か二回目で、「いった!」って思ったらしくて、すごい祈ってたみたいですよね。頼む!って(笑)。それを後から聞いて嬉しかった、愛情を感じて。
あのシーンは、一番、自分が知らない自分の顔や声色を知った場面でした。初号試写(※)で観た時に恥ずかしくなるほど。「そんな声が出るんだ、こんな話し方してたんだ」って。
※完成した映画を関係者が観るための、最初に行われる試写のこと。
――優実ちゃん、20代前半で経験することとしては、相当ハードな体験をしますから・・。
木竜:はい。家族のこともありますしね。
――私は、妊娠が分かったタイミングで母親がいなくなるのが一番きついと思っていました。でもよくよく見ていると、優実の台所での手つきにお母さんの存在を感じられたりして。
藤原:料理をいれたタッパの底を触ってみたり。
――そうなんですよね。そういう所作の一つ一つから、彼女の中に母親が「いる」という気がしたのですが、演じている時は、母親の存在はどのようなものとして木竜さんの中に存在していましたか?
木竜:『わたし達はおとな』という、この映画のタイトルを私がすごくいいなと思うのは、優実にはちゃんと子供の部分があるから。ちゃんと甘えがあるのは、多分直哉も一緒ですけど。
そして、優実にとって、お母さんが一番甘えられる存在のような気もしていました。その甘えられるところがなくなった時、甘えることを無意識的に意識するということはあるのかなと思います。
――藤原さんは、彼女(優実)との関係性においては、女性の敵のような役を引き受けていらっしゃいますよね。『のさりの島』(監督:山本起也、2021年)や『中村屋酒店の兄弟』(監督:白磯大知、2020年)で演じていたような、どこにでもいそうな青年が道を踏み外してしまうのともまた違い、隣人の身勝手みたいなものを表現するのは難しく苦しそうだなと想像していました。
藤原:実はすごく楽しいです(笑)。人が書いている、自分とは違う人間がどんどん一人歩きしていって、まわりの人に嫌われたりしているのを見るのは楽しくて、「もっといけ、やったれ」みたいな気持ちになってきます。きわめて客観的ですよ。
ただ、どこかで自分の実人生や、演じている自分の体や心と、一瞬クロスオーバーするんです。その瞬間、急に泣けてきたりして。そのとき、「また新しい自分に出会っちゃった!」というのはあります。それまでは”待ち”ですね。
――直哉の場合、どこにそのご自身と重なる地点がありましたか?
藤原:やっぱり最後の場面ですね。そこは木竜さんが頑張るシーンなので、僕にできることは祈ることだけだと思っていました。
なんとなく分かっていたんです。その場面は最後に撮っていて、ここで、木竜さん演じる優実が限界まで運ばれていくなっていうのが、もう空気で分かっていた。あとは途中で救急車のサイレンが鳴らないとか、俺が噛まないとかそういうレベルの話だなと思って立ってるだけ・・・のはずだったのに、「あれっ、確実に泣く予定じゃなかったのに泣いてるな自分」っていう瞬間があって。あとで加藤さんに聞いたら、「あそこで涙出るって分かってたで」と言われました。なんて恐ろしい男だ。
木竜:(笑)
藤原:なので、ラストシーンには一瞬、本当の自分が出現しています。それまでは「木竜さん頑張れ!!!」って。「ぜんぶ任せた!」って思っていました(笑)。
木竜:そんなわけないんだけどなあ(笑)。私は、その直哉の顔を見てハッとしました。
――おっしゃっていた驚きのあったシーンというところですね。
木竜:そこで私がハッとするところも加藤さんは織込み済みなんでしょうけど、優実は見たことなかったはずなんです、直哉の泣くところ。だから一番見たかった・・・というか、近づけたような気がした瞬間にはもう戻れないところにいて、何とも言えなかったです。
藤原:そう、後戻りできなかった。俳優としても、ワンカットだから後戻りできず進むしかなくて。
――現実と物語と、二重に切迫感のある時間が流れていたんですね。
藤原:まさにそうです。演じている切迫感と役の切迫感が併走している感じで、白熱していました。
お芝居は”人”のこと。(木竜麻生)
――燃え上がって派手に咲いて善悪両面を併せ持つ、これが恋愛か・・・という感慨を持って私は映画を観終えたのですが、『わたし達はおとな』が提示する恋の形から、改めて、お二人が恋というものをどのように捉えられたのかなと感じました。
木竜:先ほど話していた二人のシーンのあとの場面が、私はすごく好きなんです。そこでは、本当にしんどくて悲しいことがあっても、生きていくこと、生活していくことを彼女が取り戻そうとしているなって。恋は刹那的なものですが、自分達の生活と近いところをちゃんと走っていると思いました。
藤原:恋愛は、冷静さを欠くものですよね。さっき言っていたような客観視している自分というのが全くいなくなって、主観でしか物事を見られなくなる。あれ、自分も怒ることなんてあるんだ・・・とか。そのくらい喜怒哀楽を引き出されてしまうので、ほんと、恋愛はしたくないですね。なのに、してしまう時はしてしまうから、またこれが怖ろしい。
――平穏じゃなくなっちゃうっていうことですもんね。
藤原:乱されますよね。悔しいことに。
木竜:他人にも自分にも、多少のわがままを許しがちになるなとも思う。
藤原:確かに。ただ、相手に甘えるのは望ましくないよね。
木竜:うん、なのにそうしてしまったり。直哉と優実を見ていても、相手に踏み込まれることを覚悟で踏み込まなければいけない・・・とか、大変だなあって思います。
――あとは、20代の分岐点を描いた映画としても観られて私は好きなのですが、お二人自身に寄せていただくなら、ご自身が今どういう地点にいて、これからどんな役者道を歩いていきたいと思われていますか?
藤原:正直に言うと、前進も後退もしたと思っていません。時々、最近ご活躍ですねと言ってくださる方もいるのですが、自分自身は全然納得がいってなくて。もっと暴れたいのにな、みたいな思いが常にあるという意味では、自分の現在地は完全にゼロです。
もっともっと面白い映画が誕生することを願っていますし、そのオファーが自分に届くことを願っています。最近は、映画があまり誕生しなくて悶々としています。
――自分から仕掛けにいこう、みたいなこともあるのでしょうか。
藤原:これが欲しがると手に入らなくなっちゃうので、スタンバイの状態を心の中に常に持っておく、その文脈を用意しておく。
そうすると、多分向こうから近づいてくるので。それまでは修行です。
木竜:現在地を分析することは難しいのですが・・・今まで、もちろん自分で歩いてきてはいるのですが、たまに「こっちだよ!」って言ってくれる人達や、力ずくでも別の場所へ引っ張っていってくれるような人や作品に出会ってこられました。そうして呼ばれた場所に入り、一生懸命、精一杯やることで、また新たに見せてもらったものや連れていってもらった場所もあります。
「ちゃんと自分のことを知りたいな」とずっと思っているのですが、自分自身のことや自分が何を思っているのかを知った上で、相手が何を思い何を考えているかを、見つめられるようになりたいです。お芝居は”人”のこと。ちゃんと人を見つめられる人になりたいです。
木竜さん着用:ブラウス ¥33,000 TELOPLAN (テーロプランカスタマーサポート) /靴¥40,700 trippen (トリッペン原宿店 TEL 03-3478-2255) /イヤリング¥16,500 petite robe noire (TEL 03-6662-5436) / その他スタイリスト私物
藤原さん着用:ジャケット¥46,200、Tシャツ¥13,200、パンツ¥35,200 すべてウル(エンケル TEL 03-6812-9897) /カーディガン¥26,400 ニードルズ(ネペンテス TEL 03-3400-7227) /靴¥48,400 エンド、ブレスレット¥30,800 フット・ザ・コーチャー(ともにギャラリー・オブ・オーセンティック TEL 03-5808-7515)
photographs : Jun Tsuchiya (B.P.B.) / styling : Momomi Kanda (Mai Kiryu), Hironori Yagi (Kisetsu Fujiwara) / hair & make up : Miki Nushiro (Mai Kiryu), Motoko Suga (Kisetsu Fujiwara) / interview & text : SO-EN
装苑
木竜麻生×藤原季節 対談、
映画『わたし達はおとな』のバックステージ(3)
――こちらの方こそ、貴重なお話をありがとうございます!藤原さんは加藤さんとこれまでたくさんタッグを組まれていますが、演出方法は作品によって変わりますか?
藤原:変わらないですね。必要以上に情感を残したり、人に対して近づきすぎると指摘されることが多いと思います。
例えば、誰かを励ます場面で肩に手を添えたりしたら、ぱって来て「それいらん」とだけ言われるみたいな。それがちょっと強く見えたのかもしれないですね。僕らの間に説明はいらないんです。「それいらん」って言われたら、相手に対して近づきすぎたんだなっていうのが、説明無しでも分かるから。(加藤さんは)人と人との距離をめっちゃ大事にする人ですし、僕もそう言われたら「近づきすぎたか、オッケー」という感じ。僕らは、交わす言葉がすごく少ないかもしれないです。
一瞬、本当の自分が出現しています。(藤原季節)
――監督・脚本の加藤さんが書く物語についても聞かせてください。藤原さんから見てどんなところが魅力的ですか?
藤原:曖昧さが好きです。複雑さといったら簡単になってしまうけど、そういうものを書き続けている気がします。
誰かと付き合うっていうのも一つの約束じゃないですか。付き合うとか父親になるとか、そういう約束や契約、社会的な名前がつく一個前の場所をずっと行ったり来たりするという、それが見ていて楽しいです。図らずも共感してしまいますしね。
――共感も?
藤原:共感・・・しちゃった!とか。あ~、共感していいのか自分!とか。我が身を振り返ります。加藤さんの作品を何年も観続けたり演じていて、行いが正しくなってきました。こういう人になってはいけないなと(笑)。
――教訓のような作用が…(笑)。木竜さんにとってはいかがですか?
木竜:映画にはそういう部分を孕んでいてほしいといつも思いますが、観る側が、物語の先や前を想像する余白を残してくれているところが好きです。私達が作ったものをどう見てどう受け取るかを、観客のかたにちゃんと委ねている部分があるように感じるんです。
そういう体験ができる非日常を映画で作るのに、ものすごく日常に近い人や空気を感じさせてくれるのは、加藤さんが書くもの、作るものの面白さかなって思います。
――とてもよく分かります。だからこそ、最後のお二人の場面にも緊張感がみなぎっていて。
藤原:緊張感ありますよね、長回しでもあるし。あの時、加藤さんは現場で、「今は救急車の音とか鳴らないでくれ~!」って思っていたらしいです。もうNGが出せないから。
木竜:一回目か二回目で、「いった!」って思ったらしくて、すごい祈ってたみたいですよね。頼む!って(笑)。それを後から聞いて嬉しかった、愛情を感じて。
あのシーンは、一番、自分が知らない自分の顔や声色を知った場面でした。初号試写(※)で観た時に恥ずかしくなるほど。「そんな声が出るんだ、こんな話し方してたんだ」って。
※完成した映画を関係者が観るための、最初に行われる試写のこと。
――優実ちゃん、20代前半で経験することとしては、相当ハードな体験をしますから・・。
木竜:はい。家族のこともありますしね。
――私は、妊娠が分かったタイミングで母親がいなくなるのが一番きついと思っていました。でもよくよく見ていると、優実の台所での手つきにお母さんの存在を感じられたりして。
藤原:料理をいれたタッパの底を触ってみたり。
――そうなんですよね。そういう所作の一つ一つから、彼女の中に母親が「いる」という気がしたのですが、演じている時は、母親の存在はどのようなものとして木竜さんの中に存在していましたか?
木竜:『わたし達はおとな』という、この映画のタイトルを私がすごくいいなと思うのは、優実にはちゃんと子供の部分があるから。ちゃんと甘えがあるのは、多分直哉も一緒ですけど。
そして、優実にとって、お母さんが一番甘えられる存在のような気もしていました。その甘えられるところがなくなった時、甘えることを無意識的に意識するということはあるのかなと思います。
――藤原さんは、彼女(優実)との関係性においては、女性の敵のような役を引き受けていらっしゃいますよね。『のさりの島』(監督:山本起也、2021年)や『中村屋酒店の兄弟』(監督:白磯大知、2020年)で演じていたような、どこにでもいそうな青年が道を踏み外してしまうのともまた違い、隣人の身勝手みたいなものを表現するのは難しく苦しそうだなと想像していました。
藤原:実はすごく楽しいです(笑)。人が書いている、自分とは違う人間がどんどん一人歩きしていって、まわりの人に嫌われたりしているのを見るのは楽しくて、「もっといけ、やったれ」みたいな気持ちになってきます。きわめて客観的ですよ。
ただ、どこかで自分の実人生や、演じている自分の体や心と、一瞬クロスオーバーするんです。その瞬間、急に泣けてきたりして。そのとき、「また新しい自分に出会っちゃった!」というのはあります。それまでは”待ち”ですね。
――直哉の場合、どこにそのご自身と重なる地点がありましたか?
藤原:やっぱり最後の場面ですね。そこは木竜さんが頑張るシーンなので、僕にできることは祈ることだけだと思っていました。
なんとなく分かっていたんです。その場面は最後に撮っていて、ここで、木竜さん演じる優実が限界まで運ばれていくなっていうのが、もう空気で分かっていた。あとは途中で救急車のサイレンが鳴らないとか、俺が噛まないとかそういうレベルの話だなと思って立ってるだけ・・・のはずだったのに、「あれっ、確実に泣く予定じゃなかったのに泣いてるな自分」っていう瞬間があって。あとで加藤さんに聞いたら、「あそこで涙出るって分かってたで」と言われました。なんて恐ろしい男だ。
木竜:(笑)
藤原:なので、ラストシーンには一瞬、本当の自分が出現しています。それまでは「木竜さん頑張れ!!!」って。「ぜんぶ任せた!」って思っていました(笑)。
木竜:そんなわけないんだけどなあ(笑)。私は、その直哉の顔を見てハッとしました。
――おっしゃっていた驚きのあったシーンというところですね。
木竜:そこで私がハッとするところも加藤さんは織込み済みなんでしょうけど、優実は見たことなかったはずなんです、直哉の泣くところ。だから一番見たかった・・・というか、近づけたような気がした瞬間にはもう戻れないところにいて、何とも言えなかったです。
藤原:そう、後戻りできなかった。俳優としても、ワンカットだから後戻りできず進むしかなくて。
――現実と物語と、二重に切迫感のある時間が流れていたんですね。
藤原:まさにそうです。演じている切迫感と役の切迫感が併走している感じで、白熱していました。
お芝居は”人”のこと。(木竜麻生)
――燃え上がって派手に咲いて善悪両面を併せ持つ、これが恋愛か・・・という感慨を持って私は映画を観終えたのですが、『わたし達はおとな』が提示する恋の形から、改めて、お二人が恋というものをどのように捉えられたのかなと感じました。
木竜:先ほど話していた二人のシーンのあとの場面が、私はすごく好きなんです。そこでは、本当にしんどくて悲しいことがあっても、生きていくこと、生活していくことを彼女が取り戻そうとしているなって。恋は刹那的なものですが、自分達の生活と近いところをちゃんと走っていると思いました。
藤原:恋愛は、冷静さを欠くものですよね。さっき言っていたような客観視している自分というのが全くいなくなって、主観でしか物事を見られなくなる。あれ、自分も怒ることなんてあるんだ・・・とか。そのくらい喜怒哀楽を引き出されてしまうので、ほんと、恋愛はしたくないですね。なのに、してしまう時はしてしまうから、またこれが怖ろしい。
――平穏じゃなくなっちゃうっていうことですもんね。
藤原:乱されますよね。悔しいことに。
木竜:他人にも自分にも、多少のわがままを許しがちになるなとも思う。
藤原:確かに。ただ、相手に甘えるのは望ましくないよね。
木竜:うん、なのにそうしてしまったり。直哉と優実を見ていても、相手に踏み込まれることを覚悟で踏み込まなければいけない・・・とか、大変だなあって思います。
――あとは、20代の分岐点を描いた映画としても観られて私は好きなのですが、お二人自身に寄せていただくなら、ご自身が今どういう地点にいて、これからどんな役者道を歩いていきたいと思われていますか?
藤原:正直に言うと、前進も後退もしたと思っていません。時々、最近ご活躍ですねと言ってくださる方もいるのですが、自分自身は全然納得がいってなくて。もっと暴れたいのにな、みたいな思いが常にあるという意味では、自分の現在地は完全にゼロです。
もっともっと面白い映画が誕生することを願っていますし、そのオファーが自分に届くことを願っています。最近は、映画があまり誕生しなくて悶々としています。
――自分から仕掛けにいこう、みたいなこともあるのでしょうか。
藤原:これが欲しがると手に入らなくなっちゃうので、スタンバイの状態を心の中に常に持っておく、その文脈を用意しておく。
そうすると、多分向こうから近づいてくるので。それまでは修行です。
木竜:現在地を分析することは難しいのですが・・・今まで、もちろん自分で歩いてきてはいるのですが、たまに「こっちだよ!」って言ってくれる人達や、力ずくでも別の場所へ引っ張っていってくれるような人や作品に出会ってこられました。そうして呼ばれた場所に入り、一生懸命、精一杯やることで、また新たに見せてもらったものや連れていってもらった場所もあります。
「ちゃんと自分のことを知りたいな」とずっと思っているのですが、自分自身のことや自分が何を思っているのかを知った上で、相手が何を思い何を考えているかを、見つめられるようになりたいです。お芝居は”人”のこと。ちゃんと人を見つめられる人になりたいです。
木竜さん着用:ブラウス ¥33,000 TELOPLAN (テーロプランカスタマーサポート) /靴¥40,700 trippen (トリッペン原宿店 TEL 03-3478-2255) /イヤリング¥16,500 petite robe noire (TEL 03-6662-5436) / その他スタイリスト私物
藤原さん着用:ジャケット¥46,200、Tシャツ¥13,200、パンツ¥35,200 すべてウル(エンケル TEL 03-6812-9897) /カーディガン¥26,400 ニードルズ(ネペンテス TEL 03-3400-7227) /靴¥48,400 エンド、ブレスレット¥30,800 フット・ザ・コーチャー(ともにギャラリー・オブ・オーセンティック TEL 03-5808-7515)
photographs : Jun Tsuchiya (B.P.B.) / styling : Momomi Kanda (Mai Kiryu), Hironori Yagi (Kisetsu Fujiwara) / hair & make up : Miki Nushiro (Mai Kiryu), Motoko Suga (Kisetsu Fujiwara) / interview & text : SO-EN
是想要刻在脑门上的一次采访。
Crea 2022.3.7
俳優・町田啓太インタビュー
「“現在地”を楽しむコツは、
自分の選択に後悔しない潔さ」
人生の分岐点で決断を下すのは自分自身。だけど、その選択がどのような広がりを見せるかは、予測がつかないことでもある。
「そこが面白さですよね。今は俳優という道を夢中で走っている最中だけど、どんな人と出合えるか、どんな作品に出会えるかは分からないじゃないですか。思いもよらないことが起こることが面白いし、それによって自分がどう変わっていくかを楽しんでいます」
#Machida Keita#
Crea 2022.3.7
俳優・町田啓太インタビュー
「“現在地”を楽しむコツは、
自分の選択に後悔しない潔さ」
人生の分岐点で決断を下すのは自分自身。だけど、その選択がどのような広がりを見せるかは、予測がつかないことでもある。
「そこが面白さですよね。今は俳優という道を夢中で走っている最中だけど、どんな人と出合えるか、どんな作品に出会えるかは分からないじゃないですか。思いもよらないことが起こることが面白いし、それによって自分がどう変わっていくかを楽しんでいます」
#Machida Keita#
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