2022.09.15

Modelpress #堀夏喜# 專訪後編

堀夏喜、個人活動中も“FANTASTICS全員でやっている”意識が強い理由 相次ぐ俳優業抜擢で持った新たな夢<「少年のアビス」インタビュー後編

ドラマ特区「少年のアビス」(毎週木曜MBS: 24時59分~ tvk:23時~)で注目を集めているFANTASTICS の堀夏喜(ほり・なつき/25)。映画「HiGH&LOW THE WORST X」が公開され、舞台「ホームレッスン」を控えるなど、2022年は俳優業での活躍が止まらない。個人活動を経て感じた変化と新たな夢、グループに対して抱く想い…あらゆることを器用にこなす彼のひたむきな努力に迫った。<インタビュー後編>

堀夏喜、アーティスト&俳優の両立目指す

― 最近は「少年のアビス」に加え、「HiGH&LOW THE WORST X」や「ホームレッスン」など俳優としての活躍が続いていますが、現在の状況を振り返ってみていかがですか?

堀:ここまで短期間で色々な作品に携わらせてもらうなんて想像していなかったです。この期間を経て、アーティストと俳優の両立をしてどちらも本気でやりたいと思うようになりました。

― FANTASTICSとしては8月までツアー「FAN FAN HOP」も開催されていましたが、「少年のアビス」の撮影はツアー中だったのでしょうか?

堀:はい。7月後半の「BATTLE OF TOKYO」のライブ4日間が終わった次の日にクランクインしたので、「FAN FAN HOP」も行っている最中でした。

― ライブが重なっている時期にドラマ撮影もされていたんですね…!地上波ドラマ初出演となった「恋です!~ヤンキー君と白杖ガール~」(日本テレビ系)の撮影もツアー中でしたが、その時と比べて自分の中で変化はありましたか?

堀:現場に行くこと自体には慣れました。最初はグループを離れて1人でどこかに行くことに緊張していましたが、今はそこまで緊張せず余裕が持てるようになりました。撮影も楽しめるようになり、ノッていけたりするので、自分のモチベーションの管理ができるようになったように思います。

堀夏喜が怒りや悲しみを乗り越えた方法

― アーティストに比べてまだ経験が少ない俳優業の中では、思うようにできないこともあったかと思いますが、怒りや悲しみを感じた経験はありましたか?

堀:めちゃくちゃあります。今まで1回も自分が納得できた時はないですね。でもやっぱり場数というか、経験することが何よりも大事だなと思っています。どれだけ準備してレッスンを積んだとしても、本番の経験は1回で何十回ものレッスンに匹敵するし、結局本番を経験しないと何もわからないこともありますし。だからこそ、これだけ現場を経験できること自体が自分にとってのスキルアップに繋がっているので「今できることをしっかりやる」という心持ちでいたいですね。もちろん上手くいってない時の方が多いので、そこは反省と勉強の繰り返しです。

― 悩んだ時、誰かに相談することはありますか?

堀:最初は(佐藤)大樹くんとかに相談していましたけど、「もう自分の問題だな」と思い始めてからはあまりしなくなりました。モチベーションの保ち方などを聞くことはあっても、技術面はやっぱり最終的に人それぞれになっちゃうので、僕は僕のやり方でできたらいいなと考えています。

― そのモチベーションに関する佐藤さんからのアドバイスで、印象に残っている言葉はありますか?

堀:舞台が決まった時は正直不安だったのですが、その時かけてくれた「舞台をやったら芝居もっと好きになると思うよ」という言葉が印象に残っています。僕はやっぱり自分が好きなことをやるのが1番だと思っているので、だったらもうやるしかないと覚悟ができて助かりました。

堀夏喜、個人活動中も“メンバー全員でやっている”意識が強い理由

― それぞれ個人での活躍も増えてきているFANTASTICSの皆さんですが、堀さんが個人活動での経験を経て、今後グループ活動でも活かしていきたいと思っていることはありますか?

堀:僕がこうして芝居をやっていく中で、もっと実力をつけていつか主演をやる時にグループの楽曲と一緒に出演できたら最高だなと思います。それが1番、俳優業をやる上でグループへの還元になるのかなと。今はまだ「グループに返せている」という感覚はあまりないですが、だんだんそうなっていけば嬉しいです。

― でもきっと堀さんの個人活動をきっかけに、FANTASTICSを知ったという方もいらっしゃると思います。

堀:そうですね。でも本当にメンバーが散り散りに色々なことをやっていて、「皆で獲得していこう」という感じの雰囲気で頑張っているので、皆でやっているなという意識の方が強いですね。

― 素敵ですね。今後演じてみたい役やジャンルはありますか?

堀:ここまで3連続でヤンキーなので(恋です!、HiGH&LOW、少年のアビス)そろそろ好青年役をやってみたいです(笑)。

― 確かにそうですね(笑)。でもどれも全然タイプの違うヤンキーですね。

堀:「ヤンキーの中にこんなに種類あるんだ」って思うぐらいの3人でした(笑)。でもヤンキーであることには変わりないので、もうちょっと良いヤツの役ができたらと思っています!

― 拝見できる日を楽しみにしています!素敵なお話をありがとうございました。

編集後記

原作との出会いをきっかけに記者も「少年のアビス」の世界観にすっかり魅了され、ドラマへの期待も高まる中で行われた今回のインタビュー。堀に原作を読んだことを伝えると「面白くないですか!?」とキラキラとした眼差しで反応し、1人の作品ファンとしての姿が垣間見えた。

その一方で、玄について語る姿はとにかく誠実。誰よりも近くで玄に寄り添っていたからこそなのだろうと感じ、一層今後の放送が楽しみになった。

堀は自分を“天邪鬼”だと表現するが、芯のある考えとそこから繰り出される言葉一つ一つに強い説得力がある。それはきっと、何事も器用にこなす裏で泥臭い努力を積み重ねてきたからだと思った。

(modelpress編集部)

堀夏喜(ほり・なつき)プロフィール

1997年8月6日生まれ、愛知県出身。2016年にFANTASTICSを結成し、2018年「OVER DRIVE」でメジャーデビュー。個人としては、2020年にドラマ「M 愛すべき人がいて」(テレビ朝日系)のスピンオフ作品「L 礼香の真実」(ABEMA)で本格的に俳優デビューを果たした。

2021年、ドラマ「恋です!~ヤンキー君と白杖ガール~」(日本テレビ系)で地上波ドラマ初出演にして初レギュラーに抜擢。現在公開中の映画「HiGH&LOW THE WORST X」のほか、9月24日~10月9日に東京・紀伊國屋ホールにて上演される舞台「ホームレッスン」への出演も控えている。

2022.09.15

2012.09.15

Modelpress 專訪#堀夏喜# 前編

FANTASTICS の堀夏喜(ほり・なつき/25)が、ドラマ特区「少年のアビス」(毎週木曜MBS: 24時59分~ tvk:23時~)で物語のキーマン・峰岸玄を演じる。これまで彼が息を吹き込んできたキャラクターの中でもひときわ様々な過去や葛藤を抱えた難役―――多忙なスケジュールの中でも、彼は全身全霊で玄に向き合い続けた。玄を生き抜いた期間で感じた自分との共通点、そして彼の “人生を変えてくれた人物”とは。<インタビュー前編>

堀夏喜「少年のアビス」で主人公の旧友・峰岸玄役に

2020年から「週刊ヤングジャンプ」で連載をスタートし、累計発行部数100万部突破中の人気コミック「少年のアビス」(峰浪りょう作)を実写ドラマ化した同作は、閉塞感が漂う田舎町の小さな世界の中で、行き場がない高校2年生の少年・黒瀬令児(荒木飛羽)と強烈な個性を放つ登場人物たちの、“心中”から始まるスーサイドラブストーリー。

堀が演じているのは、令児の旧友・峰岸玄。有限会社「峰岸建設」の社長の息子で、高校には進学せず働いており、令児をパシリに使っている。

堀夏喜「少年のアビス」原作ファンへの想い「絶対に裏切りたくない」

― まずは玄役のオファーが来た時の心境から教えてください。

堀:僕はこのお話をいただいてから原作を読ませていただいたのですが、シビアなシーンや人間の暗い深い部分を描いたシーンがたくさんあったので、どうやって映像にするんだろうとすごく興味深かったです。また玄は複雑な過去を背負った重要なキーマンでもあるので、しっかりと準備をして誠心誠意演じさせていただきたいと思いました。すごく気合いが入りましたね。

― 人気のある作品の実写化に出演するプレッシャーは感じられましたか?

堀:そうですね、原作がある作品の映像化に出演する機会がまだ少ないこともあって…。原作を読んでみてとても魅力的だと感じ、僕も大好きな漫画になったので、だからこそたくさんいる原作ファンの方の期待や楽しみにしている気持ちを絶対に裏切りたくないと思いました。

堀夏喜、玄役で大事にした“バランス”

― 今まで堀さんが演じられてきたキャラクターの中でも、ひときわたくさんのものを抱えていて掴むのも難しい役だったかと思います。役作りではどのようなことを意識されましたか?

堀:玄は本当に色々な過去を経て自分を隠しているというか、自分の本心を怒りや暴力、虚勢などで覆い隠している人間だなと僕は感じました。だから一つのセリフに対しても、表面的な意味だけじゃなくてその裏に隠された意味が絶対にあると思います。それを演技で出していくのは難しいですが、玄として自分が意識するのとしないのでは違うんだろうなと思ったので、一つ一つ整理しながら、ちゃんと考えながら演じるというのを気を付けました。

― 視聴者にとってストーリー序盤の玄は“嫌なやつ”とも捉えられてしまうかと思いますが、物語が進むにつれてだんだんと本当の姿が見えてきますよね。堀さん自身は最初から玄の全てを知った上で演じられているので、徐々にその本当の姿を見せていくというのも難しいのかなと感じました。

堀:そうですね。本心を踏まえて演じるのももちろんですが、僕が最初に原作を読んで抱いたその初見の人の感覚というのはすごく大事だから、そのまさに最初の方の“嫌なやつ”という部分は素直に嫌なやつになりたいなと思いました。どっちもバランスよく大事にしようと考えていました。

堀夏喜、ビジュアル面で意識したこと

― オールバック姿も印象的ですが、ビジュアル面でこだわっていたポイントはありますか?

堀:玄は原作でとにかく鋭いんです。目つきも髪型も全てが鋭くて人間的にも尖っているので、そういうところはできる限り寄せたいなと思い、鋭い印象を持ってもらえるように意識しました。眉毛も頑張って気持ち細めにしてみたり…(笑)。

― 完成披露トークイベントでも強い目つきでコンタクトが何度もとれてしまったというお話がありましたが、それも鋭さを意識された結果だったんですね(笑)。

堀:あれはちょっと本当にびっくりでしたね(笑)。「瞬きすればいいだけの話ですよね!そうですよね!」ってなりました(笑)。

荒木飛羽&本田望結ら“幼馴染3人組”での撮影裏話

― 幼馴染3人(堀・荒木・本田望結)の中では堀さんが1番年上ですが、現場の雰囲気はいかがでしたか?

堀:どのシーンでもスタッフさんがとにかく元気に現場を回してくださったので、すごくスムーズで助かりました。あと令児役の飛羽くんが、本当にそのまま真っ当な17歳って感じだったというか(笑)。とても無邪気で何かを見つけると僕に言ってきてくれたり、壁なく接してくれました。ムードメーカーで皆をほわっとさせてくれる役割だったので、それもあって現場も明るい雰囲気でした。

チャコ役の本田望結ちゃんもすごく明るい方で、飛羽くんとは年も近かったので話が合ったみたいでめちゃくちゃ話していたんですけど、僕もそこに混ぜてもらいました(笑)。2人の年代の頃に戻った気分で楽しかったです。

― お兄さん的ポジションというよりは、同年代と話しているような感じだったんですね。

堀:僕も2人のおかげでそんなに構えることなくいられたので、どちらかと言えば同じような目線でした。「虫が嫌だ」とか…(笑)。

― 確かにすごく自然豊かな場所で撮影されていましたね(笑)。

堀:そうなんです。なので虫の話とか、撮影中は近所でしょっちゅう花火大会がやっていたので「あそこで花火やってる」とか「今日は月が綺麗だ」とか、本当にくだらないことばっかり話していました(笑)。

― 堀さんはパーソナルスペースが広いというお話を以前されていたので、共演者の方と撮影期間でぐっと距離を縮められていて、少し意外だったところもありました。

堀:それは飛羽くんの人柄のおかげです。すごく自然体なんですけど、するっと入ってくるところがあって。本当に人との距離感の詰め方が上手というか、多分本人は意識していないんだろうけど、そういうところはもともとの人間性として素晴らしいと思います。

堀夏喜、玄には「共感できる」

― 実際に演じてみて、玄に共感できるポイントはありましたか?

堀:玄はすごく行き切った役ですけど、僕は共感できる部分が割と多かったです。本心を隠してしまったり真逆のことを言ったりやったりしちゃうのは、玄はやり過ぎているにしても、理解できるところがありました。だから演じる上でも、玄になりきるのがそこまで大変だったかと言われるとそうでもなくて。共感できる部分があったからセリフもスッと入ってきたので、玄と僕の性格で共通点はあったと思います。

― 堀さんも本心をあんまり表に出されないタイプなんですね。

堀:天の邪鬼です。思っていることと逆のことをやっちゃうとか、そういうのはすごいわかります(笑)。

堀夏喜の“世界を変えてくれた人物”

― 令児はナギ(北野日奈子)と出会って自分の世界が大きく変わっていきますが、堀さんの“世界を変えてくれた人物”を教えてください。

堀:う~ん…母でしょうか。僕の「ダンスやりたい」とか「アーティストになりたい」という気持ち全部を肯定してくれたし、のびのびやらせてくれたし、それがなかったら絶対こういう仕事をやれていないです。そもそも僕は性格的にすごく恥ずかしがり屋で子どもの頃から全然外に出て行かない子だったので、それでダンスをやらせてくれたのが思い返すとすごいなと。ありがたいですし、そこから僕が何かに挑戦しようとするといつも味方についてくれたのは母だったなと、今になって思います。

― 今でも頻繫に連絡を取られているんですか?

堀:そうですね。何かあれば連絡を取っていて、仲もすごくいいです。

― その時に応援の言葉をかけてくれる?

堀:たまに「最近どう?」みたいなやりとりがあったり、「忙しいけどたまには帰っておいでね」くらいの感じです(笑)。

― では改めて、放送を楽しみにしている方へメッセージをお願いします。

堀:人間の深いところを描きながらも、なぜか心惹かれてしまうような独特な魅力がある作品なので、映像にした時にその良さが失われないように頑張って演じさせていただきました。最終回まで毎話毎話展開が目まぐるしく、どの回も見逃せないので、ぜひ1秒たりとも目を離さず観ていただきたいです。

★「少年のアビス」を始めとし、俳優としての活躍も止まらない堀。個人活動を通して感じたFANTASTICSへの想いや新たな夢について語ったインタビュー後編も公開中。

自然の中,動物たちの世界と子どもがふれあうことで,二つの世界につながりが生まれます。さまざまな命が共に生きる世界への気づきにつながっていきます。

身のまわりの事物と子どもたちが,ファンタジックな世界でふれあいます。親しい仲間に囲まれて,生き生きと躍動する子どもたちの世界が広がります。

異界や宇宙の存在を感じ,より広い世界とのつながりを期待させる舞台に,子どもたちが立っています。心の世界の投影でもある風景の中に,自分や友達など多くの人が生きていることを感じます。

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