星稜捕手・横山翔大さん振り返る 甲子園で2勝し帰郷するとライバル小松大谷のエースたちが出迎えてくれた
創刊150周年を迎えた報知新聞の特別企画「スポーツ報知150周年 瞬間の記憶」。今回は2014、15年の星稜と小松大谷による全国高校野球選手権石川大会の激闘です。14年に星稜が0―8から9回に8安打9得点でサヨナラ勝ちして甲子園出場を決めた、高校野球史に残る大逆転劇。敗れた小松大谷ナインはまさかの悲劇に涙を流しましたが、翌年、星稜に9回0―3から“逆転返し”で雪辱を果たしました。
* * *
【星稜捕手・横山翔大さん明かす】
星稜は、小松大谷の左腕・山下に8回まで2安打に抑えられ、0―8。準決勝までなら、大会規定で7回コールド負けとなっていた大差だった。当時、星稜の右腕・岩下大輝(ロッテ)とバッテリーを組んでいた横山翔大さん(元ソフトボール男子日本代表)は、マスク越しの光景を鮮明に覚えている。「終盤、外野の観客が続々と帰って行くのが見えていました。恥ずかしさや、さみしさ。翌日、どういう顔して学校に行けばいいのか…そんな思いでプレーしていました」
星稜・林和成監督はナインの心情を察したかのように9回、手を打った。先発して3回6失点で降板し、右翼を守っていたエースを再びマウンドへ。岩下は3者連続三振を奪い、勝敗が決したかに見えた球場の空気を一変させた。
「ベンチに帰ると仲間の気持ちの高ぶりを感じた」と横山さん。チームスローガンは「必笑(ひっしょう)」。9回裏の攻撃前、劣勢でも笑顔を忘れなかったナインの背中を、林監督がまた押した。
「打者一巡しようじゃないか」
指揮官の言葉通り、岩下は左翼場外へ2ラン、横山さんも中越え二塁打を放った。8安打の13人攻撃。小松大谷の継投を打ち崩し、1イニングで8点差をひっくり返すと星稜ナインは狂喜乱舞した。松井秀喜氏らを同校で育てた山下智茂名誉監督も「記憶にない試合」と驚いた。
星稜はこの年の甲子園で2勝。真夏の激闘を終えて地元に帰るとサプライズが待っていた。岩下、横山さんを出迎えてくれたのは小松大谷の山下らだった。金沢駅前のお好み焼き店。ショッキングな敗戦を気遣い、遠慮がちな会話が続いた。
すると山下が、9回途中降板した星稜戦で負った左脚肉離れは患部が陥没するほどの重傷だったと明かした。そして最後に、横山さんはこう言葉を掛けられた。
「もし、星稜に勝っていたとしても、俺は甲子園で投げられなかった。だから、あの負けはもう気にしていないよ」
8年前の石川大会決勝には、勝者も敗者もいなかったのかもしれない。両校の激闘史は後輩たちに受け継がれていくことになる。(小沼 春彦)※肩書は当時
創刊150周年を迎えた報知新聞の特別企画「スポーツ報知150周年 瞬間の記憶」。今回は2014、15年の星稜と小松大谷による全国高校野球選手権石川大会の激闘です。14年に星稜が0―8から9回に8安打9得点でサヨナラ勝ちして甲子園出場を決めた、高校野球史に残る大逆転劇。敗れた小松大谷ナインはまさかの悲劇に涙を流しましたが、翌年、星稜に9回0―3から“逆転返し”で雪辱を果たしました。
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【星稜捕手・横山翔大さん明かす】
星稜は、小松大谷の左腕・山下に8回まで2安打に抑えられ、0―8。準決勝までなら、大会規定で7回コールド負けとなっていた大差だった。当時、星稜の右腕・岩下大輝(ロッテ)とバッテリーを組んでいた横山翔大さん(元ソフトボール男子日本代表)は、マスク越しの光景を鮮明に覚えている。「終盤、外野の観客が続々と帰って行くのが見えていました。恥ずかしさや、さみしさ。翌日、どういう顔して学校に行けばいいのか…そんな思いでプレーしていました」
星稜・林和成監督はナインの心情を察したかのように9回、手を打った。先発して3回6失点で降板し、右翼を守っていたエースを再びマウンドへ。岩下は3者連続三振を奪い、勝敗が決したかに見えた球場の空気を一変させた。
「ベンチに帰ると仲間の気持ちの高ぶりを感じた」と横山さん。チームスローガンは「必笑(ひっしょう)」。9回裏の攻撃前、劣勢でも笑顔を忘れなかったナインの背中を、林監督がまた押した。
「打者一巡しようじゃないか」
指揮官の言葉通り、岩下は左翼場外へ2ラン、横山さんも中越え二塁打を放った。8安打の13人攻撃。小松大谷の継投を打ち崩し、1イニングで8点差をひっくり返すと星稜ナインは狂喜乱舞した。松井秀喜氏らを同校で育てた山下智茂名誉監督も「記憶にない試合」と驚いた。
星稜はこの年の甲子園で2勝。真夏の激闘を終えて地元に帰るとサプライズが待っていた。岩下、横山さんを出迎えてくれたのは小松大谷の山下らだった。金沢駅前のお好み焼き店。ショッキングな敗戦を気遣い、遠慮がちな会話が続いた。
すると山下が、9回途中降板した星稜戦で負った左脚肉離れは患部が陥没するほどの重傷だったと明かした。そして最後に、横山さんはこう言葉を掛けられた。
「もし、星稜に勝っていたとしても、俺は甲子園で投げられなかった。だから、あの負けはもう気にしていないよ」
8年前の石川大会決勝には、勝者も敗者もいなかったのかもしれない。両校の激闘史は後輩たちに受け継がれていくことになる。(小沼 春彦)※肩書は当時
新海誠監督最新作『すずめの戸締まり』(11月11日公開)の最新予告映像が解禁となり、先日発表となった原菜乃華による“すずめの声”を初めて聴くことができる。この映像は、新海監督が「すずめという女の子の紹介のつもりで作った」と語っており、コミカルに慌てたり、覚悟を秘めたシリアスな場面だったり、17歳の女の子の等身大の表情もたくさん詰まっている。
予告映像では、4月に解禁されすでに約490万回再生されている特報映像でも話題となっていた4つのキーワードである、突き抜ける晴天の下ですずめとすれ違い、「鍵」を用いて共に扉を閉める謎に満ちた「旅の青年」、さまざまなポーズをとり、SNSでもその存在が拡散されている「白い猫」、まるで生きているかのように駆け回る「小さな椅子」をより詳細に描写。
すずめが旅の道中で繰り返す「人々との出会いと別れ」とはどのようなものなのか。すずめが「扉の向こう側」で目にした広大な草原、星と夕陽と朝が溶け合ったような不思議な空が意味するものとは――。本作のために書き下ろされた楽曲「すずめ」の想像を掻き立てられる叙情的な歌詞と耳に残る歌声も印象的だ。まだまだ謎に満ちているが、美しい色彩で描かれるその圧倒的な映像に期待が膨らむ予告映像となっている。
最後は、すずめの声で「迷い込んだその先には、ぜんぶの時間が溶け合ったような、空があった”という心に響く言葉で締めくくられる。
初めてすずめに声を吹き込んだ原は「とても緊張しました。声だけのお芝居なので、1音1音凄く気を配らないといけないし、わからないことだらけでした。完成した映像を観て、自分がこの子に声を当てるんだと思ったら、緊張で体がうまく動けなくなってしまいました。でも新海監督はいつもすごくほめてくださるし、わかりやすいように具体的に教えて下さるので、この予告アフレコを通して少し自信がつきました!」と語っている。
予告映像では、4月に解禁されすでに約490万回再生されている特報映像でも話題となっていた4つのキーワードである、突き抜ける晴天の下ですずめとすれ違い、「鍵」を用いて共に扉を閉める謎に満ちた「旅の青年」、さまざまなポーズをとり、SNSでもその存在が拡散されている「白い猫」、まるで生きているかのように駆け回る「小さな椅子」をより詳細に描写。
すずめが旅の道中で繰り返す「人々との出会いと別れ」とはどのようなものなのか。すずめが「扉の向こう側」で目にした広大な草原、星と夕陽と朝が溶け合ったような不思議な空が意味するものとは――。本作のために書き下ろされた楽曲「すずめ」の想像を掻き立てられる叙情的な歌詞と耳に残る歌声も印象的だ。まだまだ謎に満ちているが、美しい色彩で描かれるその圧倒的な映像に期待が膨らむ予告映像となっている。
最後は、すずめの声で「迷い込んだその先には、ぜんぶの時間が溶け合ったような、空があった”という心に響く言葉で締めくくられる。
初めてすずめに声を吹き込んだ原は「とても緊張しました。声だけのお芝居なので、1音1音凄く気を配らないといけないし、わからないことだらけでした。完成した映像を観て、自分がこの子に声を当てるんだと思ったら、緊張で体がうまく動けなくなってしまいました。でも新海監督はいつもすごくほめてくださるし、わかりやすいように具体的に教えて下さるので、この予告アフレコを通して少し自信がつきました!」と語っている。
夏アニメ『異世界おじさん』第2話放送後インタビュー:福山 潤さん(たかふみ役)|上京したての孤独を癒やしてくれたゲームとは?【連載 第2回】
ーー原作の魅力を教えてください。
福山:おじさんが異世界に転生して無双するお話かと思いきや、おじさんが異世界で「無双してた」。という切り口で過去の異世界と現在の現実世界でのちょっとズレたコメディ、に加えてSEGAへの愛があふれる偏りポイントも含めた、魅力あふれる作品ですね。
ーーTVアニメ『異世界おじさん』はいかがでしたか? アニメならではの魅力はどんなところでしょうか?
福山:ビジュアルの演出面から感じたことですが、コメディとしての緩急を画面の中でかなり気を使いながら構築している印象を得ました。というと評論っぽくなりますが、素直に面白い仕上がりになっていて嬉しかったです。
細かいところで言えば、異世界でのおじさんを視聴する演出が、一見してわかるように工夫されていて、そこから現実のたかふみやおじさんの様子との対比などもとても面白かったです。
音響面では、かなり試行錯誤して音作りをしたのではないかと感じました。BGMを入れる入れないシーンの匙加減や、台詞とのバランスなど、結構勇気のいる選択をしていて、しかもそれが上手くいっているから面白く観て聴けるんだろうと思います。
まぁゴタクは抜きにしてアニメ版も面白い作品だということです(笑)。
ーーたかふみを演じるときに意識していたことはどんなことですか?
福山:ディレクションとしては、根本的なところとして、僕が感じる見た目や年齢設定から感じるポイントよりも若干年齢感を下げて作ってみて、というオーダーをいただきました。
コメディとしての仕掛けや、おじさんとのバランス、そして先のエピソードの展開等を総合的に見て、そういう指示を出していると思うのですが、それを第1話で提示していただけたので、そこから先はとてもスムーズに構築することができました。
あとは各シーンにおいてツッコミの役割を担うので、その匙加減を派手にいくか、会話なりにいくかのジャッジを丁寧に判断していただきました。
僕のアイデアもかなり柔軟に受け入れてもいただけて、演出を受けることも提示することも、かなり楽しい収録でした。
ーーたかふみはどんなキャラクターで、どんなところを見てほしいですか?
福山:根は悪い奴ではないのは勿論なのですが、若干歪んだ闇を垣間見せるところが彼の最大の魅力だと思います(笑)。
おじさんと血縁なんだな、と感じるほど自身の色恋には鈍感で自身への承認がややひねくれているところも面白いですね。
鬱屈したモノや現実逃避としての妄想が、おじさんの帰還によって昇華されていくところも含めて愛すべき馬鹿の一人なのだと思います。
ーー第2話で印象的だったシーンはどこですか?
福山:まずは冒頭のセガサターンのソフトランキングについてのおじさんの感情ですね。
そこは全くの同意見でしたw
あと、それを知らないたかふみとの温度差と無駄に派手な落雷&放電下でのおじさんの慟哭の叫び。
きっと共感を得た方も少なくないはず。
ーーたかふみは、おじさん、藤宮との掛け合いが多いですが、掛け合いはいかがでしたか?
福山:藤宮の小松さんには収録でかなり助けられました。
収録でのタイミングや、たかふみと藤宮のユニゾン、掛け合いのテンポ感などなど、そういった部分でかなり僕に合わせて演じてくれていたんです。
小松さんのやりやすいポイントも別にあったと思うのですが、そういうところをサラッとカバーしてくれていたりしてとても助かりました。
そして、小松さんと2人で子安さんのおじさんから繰り出されるパワーワードの数々に爆笑もしていました。
その様を、子安さんは別室での同時収録形式だったため見れていません(笑)。作中よろしく子安さんも孤独と戦っていたのです。
ーーSEGA愛が強いアニメですが、福山さんがSEGAのゲーム機で一番好きだったゲームは何ですか?
福山:セガサターンを買い、メガドライブも買い、ゲームギアも実は持っていました。
それぞれに好きなものはありますが、メガドライブですごくプレイしていたのは『シャイニングフォース』シリーズ。セガサターンで特に好きだったのは『GOTHA イスマイリア戦役』『ガーディアンヒーローズ』などですね。
調べてみたら『QUOVADIS 2 惑星強襲オヴァン・レイ』は1997年の4月発売だったようです。僕が上京してすぐなので(1997年4月上京)、慣れない環境での孤独を癒してくれていたのかもしれないですね(笑)。
ーー『異世界おじさん』3話以降の見どころをお願いします。
福山:異世界でも若きおじさんの物語も、現実でのズレたおじさんとたかふみのやり取りもずっと面白いのですが、各話に出てくるゲストキャラもかなり楽しんでいただけるので、そういったところも余すところなく味わっていただければ幸いです!
[構成・塚越淳一]
ーー原作の魅力を教えてください。
福山:おじさんが異世界に転生して無双するお話かと思いきや、おじさんが異世界で「無双してた」。という切り口で過去の異世界と現在の現実世界でのちょっとズレたコメディ、に加えてSEGAへの愛があふれる偏りポイントも含めた、魅力あふれる作品ですね。
ーーTVアニメ『異世界おじさん』はいかがでしたか? アニメならではの魅力はどんなところでしょうか?
福山:ビジュアルの演出面から感じたことですが、コメディとしての緩急を画面の中でかなり気を使いながら構築している印象を得ました。というと評論っぽくなりますが、素直に面白い仕上がりになっていて嬉しかったです。
細かいところで言えば、異世界でのおじさんを視聴する演出が、一見してわかるように工夫されていて、そこから現実のたかふみやおじさんの様子との対比などもとても面白かったです。
音響面では、かなり試行錯誤して音作りをしたのではないかと感じました。BGMを入れる入れないシーンの匙加減や、台詞とのバランスなど、結構勇気のいる選択をしていて、しかもそれが上手くいっているから面白く観て聴けるんだろうと思います。
まぁゴタクは抜きにしてアニメ版も面白い作品だということです(笑)。
ーーたかふみを演じるときに意識していたことはどんなことですか?
福山:ディレクションとしては、根本的なところとして、僕が感じる見た目や年齢設定から感じるポイントよりも若干年齢感を下げて作ってみて、というオーダーをいただきました。
コメディとしての仕掛けや、おじさんとのバランス、そして先のエピソードの展開等を総合的に見て、そういう指示を出していると思うのですが、それを第1話で提示していただけたので、そこから先はとてもスムーズに構築することができました。
あとは各シーンにおいてツッコミの役割を担うので、その匙加減を派手にいくか、会話なりにいくかのジャッジを丁寧に判断していただきました。
僕のアイデアもかなり柔軟に受け入れてもいただけて、演出を受けることも提示することも、かなり楽しい収録でした。
ーーたかふみはどんなキャラクターで、どんなところを見てほしいですか?
福山:根は悪い奴ではないのは勿論なのですが、若干歪んだ闇を垣間見せるところが彼の最大の魅力だと思います(笑)。
おじさんと血縁なんだな、と感じるほど自身の色恋には鈍感で自身への承認がややひねくれているところも面白いですね。
鬱屈したモノや現実逃避としての妄想が、おじさんの帰還によって昇華されていくところも含めて愛すべき馬鹿の一人なのだと思います。
ーー第2話で印象的だったシーンはどこですか?
福山:まずは冒頭のセガサターンのソフトランキングについてのおじさんの感情ですね。
そこは全くの同意見でしたw
あと、それを知らないたかふみとの温度差と無駄に派手な落雷&放電下でのおじさんの慟哭の叫び。
きっと共感を得た方も少なくないはず。
ーーたかふみは、おじさん、藤宮との掛け合いが多いですが、掛け合いはいかがでしたか?
福山:藤宮の小松さんには収録でかなり助けられました。
収録でのタイミングや、たかふみと藤宮のユニゾン、掛け合いのテンポ感などなど、そういった部分でかなり僕に合わせて演じてくれていたんです。
小松さんのやりやすいポイントも別にあったと思うのですが、そういうところをサラッとカバーしてくれていたりしてとても助かりました。
そして、小松さんと2人で子安さんのおじさんから繰り出されるパワーワードの数々に爆笑もしていました。
その様を、子安さんは別室での同時収録形式だったため見れていません(笑)。作中よろしく子安さんも孤独と戦っていたのです。
ーーSEGA愛が強いアニメですが、福山さんがSEGAのゲーム機で一番好きだったゲームは何ですか?
福山:セガサターンを買い、メガドライブも買い、ゲームギアも実は持っていました。
それぞれに好きなものはありますが、メガドライブですごくプレイしていたのは『シャイニングフォース』シリーズ。セガサターンで特に好きだったのは『GOTHA イスマイリア戦役』『ガーディアンヒーローズ』などですね。
調べてみたら『QUOVADIS 2 惑星強襲オヴァン・レイ』は1997年の4月発売だったようです。僕が上京してすぐなので(1997年4月上京)、慣れない環境での孤独を癒してくれていたのかもしれないですね(笑)。
ーー『異世界おじさん』3話以降の見どころをお願いします。
福山:異世界でも若きおじさんの物語も、現実でのズレたおじさんとたかふみのやり取りもずっと面白いのですが、各話に出てくるゲストキャラもかなり楽しんでいただけるので、そういったところも余すところなく味わっていただければ幸いです!
[構成・塚越淳一]
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