【ネタバレあり】辛酸なめ子が、倦怠期とは無縁な夫婦愛をイラストレビュー。妻に頭の上がらない“魔王”織田信長の、魂の居場所https://t.cn/A6ChOa2b
木村拓哉、綾瀬はるかの共演で、織田信長と濃姫との知られざる物語を描く歴史超大作『レジェンド&バタフライ』(公開中)。本作の公式サイトとMOVIE WALKER PRESSでは、作品をより深く楽しむためのWEBマガジン「レジェバタ公記」を展開してきた。ついに最終回の今回は、漫画家・コラムニストの辛酸なめ子氏がイラストレビュー。壮大な歴史劇ながら、実はくすっと笑える夫婦のシーンも見どころの本作。「後世の人に対しても信長のイメージを上げるとは、濃姫はかなりのあげまん」と語る、辛酸さんならではの視点で、夫婦のラブストーリーを追ってみて!
※本記事は、ストーリーの核心に触れる記述を含みます。未見の方はご注意ください。
「わらわも愚かな殿方はきらいでございます!」
新婚初夜、信長に強い口調で言い放った濃姫。綾瀬はるか演じる濃姫のクールな格好よさに、これから一人称「わらわ」ブームが来るかもしれないと予感しました。さらに夫を呼ぶ「おまえさま」という表現も流行りそうです。
親の政略により「うつけ」と呼ばれた変わり者の織田信長のもとに嫁いだ濃姫。当時2人はまだ10代の若さで、初夜で色っぽい雰囲気になるよりも、格闘する方が楽しい年頃だったのかもしれません。
嫁いできたばかりのところ、肩や足を揉めと命じる信長の尊大な態度にキレた濃姫は、ついに信長を投げ飛ばして組み伏せてしまいます。その時の激しい音と叫びが、外で聞き耳を立てている臣下たちに、激しい初夜のプレイだと誤解されたのでした。
上に乗られてお尻を叩かれ「折れる折れる!」「死ぬ~!」と叫ぶ信長。
濃姫は初夜のお手合わせのあと「聞きよった通りのひ弱でがらんどうの嫡男じゃ」と、吐き捨てます。
今まで歴史の本などで読んできた信長の豪胆で暴君なイメージと違い、妻に対しては最初から頭が上がらない信長。外で威張っている社会的地位の高い人ほどMが多いという説がありますが、「魔王」と呼ばれて怖れられた信長も、妻の前では大げさに痛がって叫んだりして被虐的な快感を覚えていたのかもしれません。信長を象徴する「鳴かぬなら殺してしまえホトトギス」という句がありますが、この映画の中では自分から叫んでいました。
ドSキャラはドMにもなれるとか、究極のSは究極のM、という説を聞いたことがあります。「魔王」信長は、馬糞まみれのお菓子を家臣に食べさせた、というのはまだかわいい方で、家臣の家を焼き払って強引に安土桃山城に住まわせたり、憎む相手を道端に埋めて残虐な方法で斬首したり、夥しい人を死に追いやっています。恐ろしい性質を秘めた信長ですが、弱味を晒したことのある濃姫の前では、反対のMキャラになって自分を解放できたのかもしれません。
悪業まみれの信長と対等にやり合える濃姫はタフな女性。映画では、武芸に秀で、弓矢の達人だった姿が描かれています。狩りの最中、鹿を追って崖から転落しそうになった信長を引き上げて助ける姿がワイルドかっこいいです。裏切りや下克上は当たり前の戦国時代。崖っぷちで手を取り合った瞬間、信長は濃姫だけは自分を裏切らないと確信したのかもしれません。海を眺めて異国に行ってみたいと目を輝かせる濃姫の好奇心や前向きさに、信長は魅力や可能性を感じたのでしょう。戦術についても助言を求めるようになります。戦国武将の娘でもある濃姫は的確なアドバイスをして信長に信頼されます。
「兵を鼓舞するのじゃ!奮い立たせるのじゃ!総大将がその言霊で!」などと濃姫がアドバイスすると、すぐに素直に従っていました。しかし「命を捨てて突撃じゃ~!!」という鼓舞の叫びは濃姫にダメ出しされてしまうのでした。映画の序盤、一挙手一投足が「ご立派でございます!」「今日も惚れ惚れいたします!」と臣下にほめられ、うわべだけのイエスマンに囲まれていた信長は、濃姫の忌憚ない突っ込みが内心嬉しかったのでしょう。
『レジェンド&バタフライ』を観ると、濃姫によって引き出された信長のかわいい面が見えてきて、好感度が高まってきます。信長を陰で支えるだけでなく、後世の人に対しても信長のイメージを上げるとは、濃姫はかなりのあげまんです。
信長を演じる木村拓哉は、「魔王」と呼ばれた信長について、テレビ番組で「優しいところもどうしようもないところもあるのが人間」「魔王にならなきゃいけない理由が彼にあった。それを全部ひっくるめて魔王でヒーロー」と語っていました。
魔王でヒーローで、天下統一を志した信長は、孤独でもありました。世界に目を向けても、歴史に名を残した王族は孤独で周りに信頼できる人が少なそうです。同じ残虐なカリスマでも、妻さえ信じられず、結婚・離婚を繰り返し、処刑したり幽閉したりしていたヘンリー8世と比べれば、信長は濃姫というソウルメイトのような伴侶がいて、かなり幸せだったと思われます。2人は普通の恋愛のような甘い関係ではなく、魂の同志的な絆だったのだと感じます。
でも、そんなクールな関係性だからこそ、時々ドキッとさせられるシーンが。父と兄が戦をはじめ、動揺した濃姫が「わらわの役目はのうなった」と絶望。自害すると言い出した時、「おぬしの役目はわしの妻じゃ!! 」と信長が叫ぶシーンにときめいた人は多いことでしょう。ぶっきらぼうな愛情表現にキュンとします。信長に対してつい強がってしまう濃姫もかわいいです。集落に迷い込んだ2人が民衆に襲われ「わしの妻に触んな~!!」と叫ぶ場面も。生死の危険で性欲が高まった2人は激しく求め合っていました。倦怠期とは無縁の夫婦です。
南蛮人の演奏で2人でダンスするシーンも、この多幸感がいつまでも続いてほしいと思わされました。織田信長は本能寺の変を生き延びて、ローマで枢機卿になったというトンデモ説が本当だったら良かったのに……と思いながら、目頭が熱くなります。しかしそのあとの展開は歴史に記された通りで、誰もが結末を知っているからこそ、幸せなひとときの儚さが胸に迫ります。タイトルの「レジェンド」は織田信長、「バタフライ」は「帰蝶」とも呼ばれた濃姫を表すそうですが、中国故事の「胡蝶の夢」という言葉も連想せずにはいられません。蝶になった夢のように、幸せな瞬間ははかなく消えていってしまいます。夢か現実かもわからない、という例えです。映画の終盤、厳しい状況に置かれた信長が見た夢こそ、実は現実なのかもしれない……そう思うと少し救いがあります。夢の中でも濃姫をケアしているところに、深い愛情を感じます。
木村拓哉、綾瀬はるかの共演で、織田信長と濃姫との知られざる物語を描く歴史超大作『レジェンド&バタフライ』(公開中)。本作の公式サイトとMOVIE WALKER PRESSでは、作品をより深く楽しむためのWEBマガジン「レジェバタ公記」を展開してきた。ついに最終回の今回は、漫画家・コラムニストの辛酸なめ子氏がイラストレビュー。壮大な歴史劇ながら、実はくすっと笑える夫婦のシーンも見どころの本作。「後世の人に対しても信長のイメージを上げるとは、濃姫はかなりのあげまん」と語る、辛酸さんならではの視点で、夫婦のラブストーリーを追ってみて!
※本記事は、ストーリーの核心に触れる記述を含みます。未見の方はご注意ください。
「わらわも愚かな殿方はきらいでございます!」
新婚初夜、信長に強い口調で言い放った濃姫。綾瀬はるか演じる濃姫のクールな格好よさに、これから一人称「わらわ」ブームが来るかもしれないと予感しました。さらに夫を呼ぶ「おまえさま」という表現も流行りそうです。
親の政略により「うつけ」と呼ばれた変わり者の織田信長のもとに嫁いだ濃姫。当時2人はまだ10代の若さで、初夜で色っぽい雰囲気になるよりも、格闘する方が楽しい年頃だったのかもしれません。
嫁いできたばかりのところ、肩や足を揉めと命じる信長の尊大な態度にキレた濃姫は、ついに信長を投げ飛ばして組み伏せてしまいます。その時の激しい音と叫びが、外で聞き耳を立てている臣下たちに、激しい初夜のプレイだと誤解されたのでした。
上に乗られてお尻を叩かれ「折れる折れる!」「死ぬ~!」と叫ぶ信長。
濃姫は初夜のお手合わせのあと「聞きよった通りのひ弱でがらんどうの嫡男じゃ」と、吐き捨てます。
今まで歴史の本などで読んできた信長の豪胆で暴君なイメージと違い、妻に対しては最初から頭が上がらない信長。外で威張っている社会的地位の高い人ほどMが多いという説がありますが、「魔王」と呼ばれて怖れられた信長も、妻の前では大げさに痛がって叫んだりして被虐的な快感を覚えていたのかもしれません。信長を象徴する「鳴かぬなら殺してしまえホトトギス」という句がありますが、この映画の中では自分から叫んでいました。
ドSキャラはドMにもなれるとか、究極のSは究極のM、という説を聞いたことがあります。「魔王」信長は、馬糞まみれのお菓子を家臣に食べさせた、というのはまだかわいい方で、家臣の家を焼き払って強引に安土桃山城に住まわせたり、憎む相手を道端に埋めて残虐な方法で斬首したり、夥しい人を死に追いやっています。恐ろしい性質を秘めた信長ですが、弱味を晒したことのある濃姫の前では、反対のMキャラになって自分を解放できたのかもしれません。
悪業まみれの信長と対等にやり合える濃姫はタフな女性。映画では、武芸に秀で、弓矢の達人だった姿が描かれています。狩りの最中、鹿を追って崖から転落しそうになった信長を引き上げて助ける姿がワイルドかっこいいです。裏切りや下克上は当たり前の戦国時代。崖っぷちで手を取り合った瞬間、信長は濃姫だけは自分を裏切らないと確信したのかもしれません。海を眺めて異国に行ってみたいと目を輝かせる濃姫の好奇心や前向きさに、信長は魅力や可能性を感じたのでしょう。戦術についても助言を求めるようになります。戦国武将の娘でもある濃姫は的確なアドバイスをして信長に信頼されます。
「兵を鼓舞するのじゃ!奮い立たせるのじゃ!総大将がその言霊で!」などと濃姫がアドバイスすると、すぐに素直に従っていました。しかし「命を捨てて突撃じゃ~!!」という鼓舞の叫びは濃姫にダメ出しされてしまうのでした。映画の序盤、一挙手一投足が「ご立派でございます!」「今日も惚れ惚れいたします!」と臣下にほめられ、うわべだけのイエスマンに囲まれていた信長は、濃姫の忌憚ない突っ込みが内心嬉しかったのでしょう。
『レジェンド&バタフライ』を観ると、濃姫によって引き出された信長のかわいい面が見えてきて、好感度が高まってきます。信長を陰で支えるだけでなく、後世の人に対しても信長のイメージを上げるとは、濃姫はかなりのあげまんです。
信長を演じる木村拓哉は、「魔王」と呼ばれた信長について、テレビ番組で「優しいところもどうしようもないところもあるのが人間」「魔王にならなきゃいけない理由が彼にあった。それを全部ひっくるめて魔王でヒーロー」と語っていました。
魔王でヒーローで、天下統一を志した信長は、孤独でもありました。世界に目を向けても、歴史に名を残した王族は孤独で周りに信頼できる人が少なそうです。同じ残虐なカリスマでも、妻さえ信じられず、結婚・離婚を繰り返し、処刑したり幽閉したりしていたヘンリー8世と比べれば、信長は濃姫というソウルメイトのような伴侶がいて、かなり幸せだったと思われます。2人は普通の恋愛のような甘い関係ではなく、魂の同志的な絆だったのだと感じます。
でも、そんなクールな関係性だからこそ、時々ドキッとさせられるシーンが。父と兄が戦をはじめ、動揺した濃姫が「わらわの役目はのうなった」と絶望。自害すると言い出した時、「おぬしの役目はわしの妻じゃ!! 」と信長が叫ぶシーンにときめいた人は多いことでしょう。ぶっきらぼうな愛情表現にキュンとします。信長に対してつい強がってしまう濃姫もかわいいです。集落に迷い込んだ2人が民衆に襲われ「わしの妻に触んな~!!」と叫ぶ場面も。生死の危険で性欲が高まった2人は激しく求め合っていました。倦怠期とは無縁の夫婦です。
南蛮人の演奏で2人でダンスするシーンも、この多幸感がいつまでも続いてほしいと思わされました。織田信長は本能寺の変を生き延びて、ローマで枢機卿になったというトンデモ説が本当だったら良かったのに……と思いながら、目頭が熱くなります。しかしそのあとの展開は歴史に記された通りで、誰もが結末を知っているからこそ、幸せなひとときの儚さが胸に迫ります。タイトルの「レジェンド」は織田信長、「バタフライ」は「帰蝶」とも呼ばれた濃姫を表すそうですが、中国故事の「胡蝶の夢」という言葉も連想せずにはいられません。蝶になった夢のように、幸せな瞬間ははかなく消えていってしまいます。夢か現実かもわからない、という例えです。映画の終盤、厳しい状況に置かれた信長が見た夢こそ、実は現実なのかもしれない……そう思うと少し救いがあります。夢の中でも濃姫をケアしているところに、深い愛情を感じます。
#健康身体 健康地球 健康生活#
〔100歳になっても安心して活きる家づくり〕
第4回 これからの住まいはトイレ・洗面・浴室が命
公開日:2018年9月18日 17時40分
更新日:2019年2月 1日 21時05分
天野 彰(あまの あきら)
建築家
トイレ浴室をもっと広く贅沢な空間に
この「100歳安心コラム」も終章を迎えた。もともと「すまい」は「棲む舞」で、「家」は「イへ」すなわち「寝戸」で、わが家は勝手気ままに安心して起きて寝るところと心得、何より自分自身のための空間。中でもトイレそして浴室は、自身の裸の人生に立ち向かう重要なところである。
顔を洗うのが洗面器、身体を洗う風呂桶は洗体器?そしてトイレはまさしく用足しの便器。老いてこれからのトイレ浴室洗面はこの機能優先でよいのだろうか。
トイレや浴室は狭い空間だが、用を足すだけではなく大きな役割がある。体調の変化を見つけ、ストレス解消の空間でもあり、人によっては創作のひらめき空間でもある。この狭い空間ながら個が開放され、固執や邪念もなくなり、かつわが身に集中できる。実際にこの浴室やトイレで大半の疾患や異常が発見されている。
本欄第1回目のコラムで住まいは「狭い」といいながら、このトイレ浴室だけはその分広くする。どんなにゴージャスにして快適にしようとも倍の広さになっても、もともと狭い空間だけにたいした費用はかからない。
そこであえて断熱と風通しをよくして明るく、床壁の仕上げも自然素材でリフォーム。これからさらに身体が弱まって家にいることが多くなる老いの住まいでは、バスルームの使用頻度は多くなる。ここはさらに贅沢にしても損はない。
トイレや浴室のリフォームは昔からむずかしく割高なものと諦めている人も多い。特にマンションなど鉄筋の家の場合、トイレの太めの排水管がコンクリートの床下に設置されていて、これが階下の家を通って流れている。
しかしトイレや浴槽の排水管の位置さえ変えなければ、便器や浴槽の交換は床上だけで可能。しかも最近は便器そのものがコンパクトになって、排水管の位置と便器の位置もある程度アジャストもでき、その位置から便器を回転させて方向を変えるなど、間取りを変えて広々とした空間にすることも可能となっている。
最近は、設備機器メーカーがこうしたリフォーム用機器やシステムなどを開発し、水回りリフォームはさらに進化しもっと快適で楽しいものなっている。
這(は)ってでも行けるトイレ浴室リフォームで最期まで住める家に
娘や孫などにも頑なに介護を嫌い、最期まで1人で暮らし続けた明治生まれの私の祖母の晩年の生き様を見て、60年になろうかという古い家を祖母に気付かれないように少しずつ改造したことがある。
その経験から1つのテーマを持つこととなった。それこそ「老いて安全に暮らせる」ことはもとより、「最期までひとりでトイレに行ける!」ということである。実際これができるということは、かなりの運動をすることであり、さらに頭もはっきりすることでもある。「わが家でいかに自在に動くことができるか」、さらに「その生活をいかに持続させられるか」が重要なテーマとなる。
弱った握力でも手をついて行動でき、這ってでも移動できるようにするための工夫が、ベンチ式の「手つきトイレ」(図1)であり、小さな段差をあえて付けた小上がりの畳床(ベッド)などである。
図1:壁と便器の間に便座より少し低い台が隙間なく据えてあるトイレのデッサン。
図1:握力がなくなっても腰かけたままで便座に移れる「手つきトイレ」
祖母が1人で這って浴室に行って、洗い場のスノコの上でごろごろ転がってシャワーとブラシで入浴していたことも、大いに参考になった(図2)。
図2:すのこを敷き詰めた浴室の洗い場で、横になったまま身体を洗う様子のデッサン。
図2:洗い場のスノコの上でゴロゴロと1人で身体を洗う祖母
そしていよいよとなったときは、ベッドとおまる(水洗トイレ)の一体化だった。まさしく「トイレの中のベッド!」となる。
「1人でトイレに行きたい!」ホームナーシングユニット登場
「自分でトイレに行けなくなったらおしまいだ...」
これは親を看取ってきた人たちからもよく聞く言葉。確かに排泄や入浴は人にとって大切な行為で、きわめてプライバシーの高い行為である。ここに他人に入りこまれることは屈辱的なことである。意識のあるうちは本人も介護する側もつらく悲しいことだという。
かといって、排せつは絶対にしなければならないことで、住む人の尊厳をどう支えるかということを改めて考えさせられることにもなった。バリアフリーとは、ただ段差をなくして車いすの生活ができればいいのか?しかし現実は車いすに自力で乗り移ることはおろか、トイレで便座に乗り移ることさえできない。
私は在宅介護の時代に備え、家の天井に仕かけた自在走行クレーンで身体を支えて、たとえ手足が不自由になっても、ベッドの周りに配されたトイレや浴槽まで1人で移動し、1人ですべてができるというリフォームシステムを研究している。名付けて「ホームナーシングユニット」(写真)。今の寝室を改造したり、必要のなくなった駐車場な どに設置することもできる。
写真:男性が天井に設置されたクレーンから伸びたハーネスを身体に装着し、リモコンを操作しながらベッドから浴槽まで移動している写真写真:天井からのトランファーで自在「ホームナーシングユニット」(東京ビッグサイト)
人に頼らず体を支えて動くことができる自在サポート、それがホームナーシングユニットの発想となった。ぜひ開発に協力を願う。まさしく介護難民の世にも必要と思う。(完)
筆者_天野彰氏
Photo/H.Nishida
天野 彰(あまの あきら)
建築家。一級建築士事務所アトリエ4A主宰。建築家集団「日本住改善委員会」を組織し、生活に密着した住まいづくりやリフォーム、医療・老人施設までを手がける。設計の傍らTV、講演、雑誌と多方面で活躍。
著書
『六十歳から家を建てる』(新潮選書)、『脳が若返る家づくり 部屋づくり』(廣済堂)など多数
〔100歳になっても安心して活きる家づくり〕
第4回 これからの住まいはトイレ・洗面・浴室が命
公開日:2018年9月18日 17時40分
更新日:2019年2月 1日 21時05分
天野 彰(あまの あきら)
建築家
トイレ浴室をもっと広く贅沢な空間に
この「100歳安心コラム」も終章を迎えた。もともと「すまい」は「棲む舞」で、「家」は「イへ」すなわち「寝戸」で、わが家は勝手気ままに安心して起きて寝るところと心得、何より自分自身のための空間。中でもトイレそして浴室は、自身の裸の人生に立ち向かう重要なところである。
顔を洗うのが洗面器、身体を洗う風呂桶は洗体器?そしてトイレはまさしく用足しの便器。老いてこれからのトイレ浴室洗面はこの機能優先でよいのだろうか。
トイレや浴室は狭い空間だが、用を足すだけではなく大きな役割がある。体調の変化を見つけ、ストレス解消の空間でもあり、人によっては創作のひらめき空間でもある。この狭い空間ながら個が開放され、固執や邪念もなくなり、かつわが身に集中できる。実際にこの浴室やトイレで大半の疾患や異常が発見されている。
本欄第1回目のコラムで住まいは「狭い」といいながら、このトイレ浴室だけはその分広くする。どんなにゴージャスにして快適にしようとも倍の広さになっても、もともと狭い空間だけにたいした費用はかからない。
そこであえて断熱と風通しをよくして明るく、床壁の仕上げも自然素材でリフォーム。これからさらに身体が弱まって家にいることが多くなる老いの住まいでは、バスルームの使用頻度は多くなる。ここはさらに贅沢にしても損はない。
トイレや浴室のリフォームは昔からむずかしく割高なものと諦めている人も多い。特にマンションなど鉄筋の家の場合、トイレの太めの排水管がコンクリートの床下に設置されていて、これが階下の家を通って流れている。
しかしトイレや浴槽の排水管の位置さえ変えなければ、便器や浴槽の交換は床上だけで可能。しかも最近は便器そのものがコンパクトになって、排水管の位置と便器の位置もある程度アジャストもでき、その位置から便器を回転させて方向を変えるなど、間取りを変えて広々とした空間にすることも可能となっている。
最近は、設備機器メーカーがこうしたリフォーム用機器やシステムなどを開発し、水回りリフォームはさらに進化しもっと快適で楽しいものなっている。
這(は)ってでも行けるトイレ浴室リフォームで最期まで住める家に
娘や孫などにも頑なに介護を嫌い、最期まで1人で暮らし続けた明治生まれの私の祖母の晩年の生き様を見て、60年になろうかという古い家を祖母に気付かれないように少しずつ改造したことがある。
その経験から1つのテーマを持つこととなった。それこそ「老いて安全に暮らせる」ことはもとより、「最期までひとりでトイレに行ける!」ということである。実際これができるということは、かなりの運動をすることであり、さらに頭もはっきりすることでもある。「わが家でいかに自在に動くことができるか」、さらに「その生活をいかに持続させられるか」が重要なテーマとなる。
弱った握力でも手をついて行動でき、這ってでも移動できるようにするための工夫が、ベンチ式の「手つきトイレ」(図1)であり、小さな段差をあえて付けた小上がりの畳床(ベッド)などである。
図1:壁と便器の間に便座より少し低い台が隙間なく据えてあるトイレのデッサン。
図1:握力がなくなっても腰かけたままで便座に移れる「手つきトイレ」
祖母が1人で這って浴室に行って、洗い場のスノコの上でごろごろ転がってシャワーとブラシで入浴していたことも、大いに参考になった(図2)。
図2:すのこを敷き詰めた浴室の洗い場で、横になったまま身体を洗う様子のデッサン。
図2:洗い場のスノコの上でゴロゴロと1人で身体を洗う祖母
そしていよいよとなったときは、ベッドとおまる(水洗トイレ)の一体化だった。まさしく「トイレの中のベッド!」となる。
「1人でトイレに行きたい!」ホームナーシングユニット登場
「自分でトイレに行けなくなったらおしまいだ...」
これは親を看取ってきた人たちからもよく聞く言葉。確かに排泄や入浴は人にとって大切な行為で、きわめてプライバシーの高い行為である。ここに他人に入りこまれることは屈辱的なことである。意識のあるうちは本人も介護する側もつらく悲しいことだという。
かといって、排せつは絶対にしなければならないことで、住む人の尊厳をどう支えるかということを改めて考えさせられることにもなった。バリアフリーとは、ただ段差をなくして車いすの生活ができればいいのか?しかし現実は車いすに自力で乗り移ることはおろか、トイレで便座に乗り移ることさえできない。
私は在宅介護の時代に備え、家の天井に仕かけた自在走行クレーンで身体を支えて、たとえ手足が不自由になっても、ベッドの周りに配されたトイレや浴槽まで1人で移動し、1人ですべてができるというリフォームシステムを研究している。名付けて「ホームナーシングユニット」(写真)。今の寝室を改造したり、必要のなくなった駐車場な どに設置することもできる。
写真:男性が天井に設置されたクレーンから伸びたハーネスを身体に装着し、リモコンを操作しながらベッドから浴槽まで移動している写真写真:天井からのトランファーで自在「ホームナーシングユニット」(東京ビッグサイト)
人に頼らず体を支えて動くことができる自在サポート、それがホームナーシングユニットの発想となった。ぜひ開発に協力を願う。まさしく介護難民の世にも必要と思う。(完)
筆者_天野彰氏
Photo/H.Nishida
天野 彰(あまの あきら)
建築家。一級建築士事務所アトリエ4A主宰。建築家集団「日本住改善委員会」を組織し、生活に密着した住まいづくりやリフォーム、医療・老人施設までを手がける。設計の傍らTV、講演、雑誌と多方面で活躍。
著書
『六十歳から家を建てる』(新潮選書)、『脳が若返る家づくり 部屋づくり』(廣済堂)など多数
【新闻】“ぬくぬく感と肌見せ”であざとさ2倍!彼もときめく【あったかわいい】コーデ
寒い日こそ、あざとさたっぷりのアイテムで、おしゃれしたい!今回は髙橋ひかるとともに、定番から今季のトレンドまで、たっぷり5つのコーデをご紹介します。モフモフ素材やマフラー、アームウォーマーなどで、冬限定のあざとさを身につけよ♡
モフモフ素材でぎゅってしたくなる萌え感をアピール!
ふっかふかのファーやトレンドのモヘア素材。あったかそうなのはもちろん、絶対的に気持ちよさそうな質感に距離を縮めて、つい触れたくなるもの。
ファーコート×モヘアスカート×ミトン
ファーのボリュームとの差で脚がスラリ!スタイルのよさを強調するミニスカも、全身ふわもこならあったかそうに見えるし、ガーリー具合もちょうどよくなる。
今っぽあざといバラクラバできゅん顔に♡
一気にトレンド感がアップするバラクラバ。頭をすっぽり覆うだけで、どことなくバブみを感じさせて守ってあげたくなる可愛さが手に入るよ。
頭をキュッと小さく見せる効果もあり、女のコからも褒められるスタイリングに!
バラクラバ
色のアクセントでおしゃれ度もアップ!かぶったときの包まれてる感が可愛い♡
ちらっと加減がエロみ〜なアームウォーマーでドキッとさせる!
手の甲を半分くらい覆うデザインの萌えそでちっくなぬくぬく感と、二の腕の一部だけのちらっと肌見せの色っぽさ。
アームウォーマーなら、“冬のあざと可愛い”を叶える2つの要素を両立できる!カジュアルコーデの雰囲気をくずさないまま、さりげなく女っぽアピールしちゃおう。
アームウォーマー
動くたびにちらりと見える肌感があざとい!チルデンニット風のアームウォーマーとロゴスエットで、鮮度高めなスクールガール風コーデ。
マフラーのあざと巻きバリエのくるくる変わる表情で魅せる♡
ボリューム感のあるマフラーやストールは、ぐるぐる巻くだけであったかわいい。同じマフラーでも巻き方次第で顔まわりの印象が変わるから、毎日イメチェンして会うたびに彼をときめかせて。
肩掛け巻き
すっきり清楚見え。ふっくらした素材感のマフラーなら、あったかさも可愛さも倍増。
テッパン可愛い♡ ゆるニットにすっぽり包まれてる感
冬の王道可愛いは、やっぱりゆるニット!自然発生的に萌えそでになる丈感や体を包み込むシルエットの守ってあげたくなる感があざとい!
でも、コーデはカジュアルに仕上がるから親近感も出る。好きな人との距離を近づける最強アイテム♡
淡色ローゲージニット
ラフさのあるゆるニットは、パステルカラーで糖度高めに。ゆるふわ感が増して、ハグしたくなるような可愛さを演出できちゃう。
#高桥光[超话]##高桥光##髙桥ひかる#
寒い日こそ、あざとさたっぷりのアイテムで、おしゃれしたい!今回は髙橋ひかるとともに、定番から今季のトレンドまで、たっぷり5つのコーデをご紹介します。モフモフ素材やマフラー、アームウォーマーなどで、冬限定のあざとさを身につけよ♡
モフモフ素材でぎゅってしたくなる萌え感をアピール!
ふっかふかのファーやトレンドのモヘア素材。あったかそうなのはもちろん、絶対的に気持ちよさそうな質感に距離を縮めて、つい触れたくなるもの。
ファーコート×モヘアスカート×ミトン
ファーのボリュームとの差で脚がスラリ!スタイルのよさを強調するミニスカも、全身ふわもこならあったかそうに見えるし、ガーリー具合もちょうどよくなる。
今っぽあざといバラクラバできゅん顔に♡
一気にトレンド感がアップするバラクラバ。頭をすっぽり覆うだけで、どことなくバブみを感じさせて守ってあげたくなる可愛さが手に入るよ。
頭をキュッと小さく見せる効果もあり、女のコからも褒められるスタイリングに!
バラクラバ
色のアクセントでおしゃれ度もアップ!かぶったときの包まれてる感が可愛い♡
ちらっと加減がエロみ〜なアームウォーマーでドキッとさせる!
手の甲を半分くらい覆うデザインの萌えそでちっくなぬくぬく感と、二の腕の一部だけのちらっと肌見せの色っぽさ。
アームウォーマーなら、“冬のあざと可愛い”を叶える2つの要素を両立できる!カジュアルコーデの雰囲気をくずさないまま、さりげなく女っぽアピールしちゃおう。
アームウォーマー
動くたびにちらりと見える肌感があざとい!チルデンニット風のアームウォーマーとロゴスエットで、鮮度高めなスクールガール風コーデ。
マフラーのあざと巻きバリエのくるくる変わる表情で魅せる♡
ボリューム感のあるマフラーやストールは、ぐるぐる巻くだけであったかわいい。同じマフラーでも巻き方次第で顔まわりの印象が変わるから、毎日イメチェンして会うたびに彼をときめかせて。
肩掛け巻き
すっきり清楚見え。ふっくらした素材感のマフラーなら、あったかさも可愛さも倍増。
テッパン可愛い♡ ゆるニットにすっぽり包まれてる感
冬の王道可愛いは、やっぱりゆるニット!自然発生的に萌えそでになる丈感や体を包み込むシルエットの守ってあげたくなる感があざとい!
でも、コーデはカジュアルに仕上がるから親近感も出る。好きな人との距離を近づける最強アイテム♡
淡色ローゲージニット
ラフさのあるゆるニットは、パステルカラーで糖度高めに。ゆるふわ感が増して、ハグしたくなるような可愛さを演出できちゃう。
#高桥光[超话]##高桥光##髙桥ひかる#
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