#健康身体 健康地球 健康生活#
〔 老いをみるまなざし〕
第9回 妻と娘に囲まれて―幸せな老人―
井口 昭久(いぐち あきひさ)
愛知淑徳大学健康医療科学部教授
講演会があった。
私は基調講演で「老人の幸福について」しゃべった。
講演が終わると、司会をしていた40歳代の女性が、私に質問した。「両親との3人暮らしなのですが、父親が定年退職してから毎日家でゴロゴロしていて困っています。どうしたらいいでしょうか」
私はこの頃、思いついた言葉をそのまま口に出してしまうことが多くなった。その美人司会者に言ってしまった。
「あなたのお父さんは妻と娘に一日中監視されているんですね。幸福そうに見えるんですが、そういう老人が一番つらい思いをしてるんですよ」
予期せぬ答えに司会者は、困った。そして「その通りです」と言って泣きだしそうな顔をしてうつむいてしまった。
私も困ったが、その場を和らげるにふさわしい言葉を見つけ出せずに更に困った。
気まずい沈黙が生まれた。
老人の外形的なケアの形態として健康な妻と独身の娘に介護してもらうのは理想的にみえる。
女の子供を持たない私は、老後を家族に頼るという幻想を抱くことを許されずに生きてきた。
しかし娘を子供に持つ父親は私の想像とは異なった体験をしているようである。
私のクリニックへ通ってくる糖尿病の患者に70代の3人の男たちがいる。3人に共通しているのは定年まではエリートサラリーマンであったことである。
妻は毎日が楽しくてしょうがない人たちである。娘たちはそれぞれに一人娘でキャリアを積んだ40歳代で独身である。
女たちに囲まれた夫たちは家事をしたことがない。「掃除や洗濯など男のやることではない」と誰に教わったわけでもないのに、勝手にそう思って暮らしてきた。ご飯を電気釜で炊くことすらできないので、生きるに必要な栄養素は妻か娘がいないと途切れてしまう。
彼らの娘たちが保育園に通っていた頃の保育目標には「自分のことは自分でできる子」と書いてあった筈だ。
娘はそうなったが、父親は「自分のことを自分でできない老人」になってしまった。
妻と娘が長い時間をかけて「自分のことを自分でできない男」に育ててきたのである。
そして定年になった。
「自分のことを自分でできない男」が毎日家に居るようになった。
妻の一人が私のクリニックへ来た時に言った。
「お昼だけでもどこかへ行って欲しいわ。朝から晩まで家の中に居られたらうっとうしいの。なんでもいいから外で食べていらっしゃいって言うんですけどね。私の作ったものが美味しいなんて言われると気が狂いそう。」
妻たちは男たちが抗いようのない道徳感の持ち主である。亭主を責め立てる。
「毎日テレビばかりみて生活するのはよくないでしょ。趣味を持ちなさいよ。間食はやめなさい。お酒なんてもってのほか。背中なんか掻くな!!っていうの。」男たちは老人性皮膚乾燥症で、いつも全身が痒いのだ。
彼女たちは自分のことが心配なのである。
お父さんの糖尿病が悪化して入院ともなれば、娘は父のために時間を割かなければならなくなる。夫が動けなくなったら妻はプールへ行けないのである。
二人に連れられて私の外来にくるお父さんは、弱っている。
背中を掻きながらぶつぶつと独り言を言う。
「酒なんか飲まんですよ。ほんのちょっとしか。こそこそと甘いものを食べるなんて情けないですわ。それも妻に止められて娘にも監視されて、たまらんですわ。」
診察室を出がけに躓きそうになった夫に妻が言った。
「そら! シッカリ前を見て歩くのよ。よたよたするんじゃないの!!。」
私は心の中でエールを送った。
元気を出しな。お父さん。そして自分のことは自分でできるようになりな!
図:老いをみるまなざし_第9回妻と娘に囲まれて_挿絵
(イラスト:茶畑和也)
〔 老いをみるまなざし〕
第9回 妻と娘に囲まれて―幸せな老人―
井口 昭久(いぐち あきひさ)
愛知淑徳大学健康医療科学部教授
講演会があった。
私は基調講演で「老人の幸福について」しゃべった。
講演が終わると、司会をしていた40歳代の女性が、私に質問した。「両親との3人暮らしなのですが、父親が定年退職してから毎日家でゴロゴロしていて困っています。どうしたらいいでしょうか」
私はこの頃、思いついた言葉をそのまま口に出してしまうことが多くなった。その美人司会者に言ってしまった。
「あなたのお父さんは妻と娘に一日中監視されているんですね。幸福そうに見えるんですが、そういう老人が一番つらい思いをしてるんですよ」
予期せぬ答えに司会者は、困った。そして「その通りです」と言って泣きだしそうな顔をしてうつむいてしまった。
私も困ったが、その場を和らげるにふさわしい言葉を見つけ出せずに更に困った。
気まずい沈黙が生まれた。
老人の外形的なケアの形態として健康な妻と独身の娘に介護してもらうのは理想的にみえる。
女の子供を持たない私は、老後を家族に頼るという幻想を抱くことを許されずに生きてきた。
しかし娘を子供に持つ父親は私の想像とは異なった体験をしているようである。
私のクリニックへ通ってくる糖尿病の患者に70代の3人の男たちがいる。3人に共通しているのは定年まではエリートサラリーマンであったことである。
妻は毎日が楽しくてしょうがない人たちである。娘たちはそれぞれに一人娘でキャリアを積んだ40歳代で独身である。
女たちに囲まれた夫たちは家事をしたことがない。「掃除や洗濯など男のやることではない」と誰に教わったわけでもないのに、勝手にそう思って暮らしてきた。ご飯を電気釜で炊くことすらできないので、生きるに必要な栄養素は妻か娘がいないと途切れてしまう。
彼らの娘たちが保育園に通っていた頃の保育目標には「自分のことは自分でできる子」と書いてあった筈だ。
娘はそうなったが、父親は「自分のことを自分でできない老人」になってしまった。
妻と娘が長い時間をかけて「自分のことを自分でできない男」に育ててきたのである。
そして定年になった。
「自分のことを自分でできない男」が毎日家に居るようになった。
妻の一人が私のクリニックへ来た時に言った。
「お昼だけでもどこかへ行って欲しいわ。朝から晩まで家の中に居られたらうっとうしいの。なんでもいいから外で食べていらっしゃいって言うんですけどね。私の作ったものが美味しいなんて言われると気が狂いそう。」
妻たちは男たちが抗いようのない道徳感の持ち主である。亭主を責め立てる。
「毎日テレビばかりみて生活するのはよくないでしょ。趣味を持ちなさいよ。間食はやめなさい。お酒なんてもってのほか。背中なんか掻くな!!っていうの。」男たちは老人性皮膚乾燥症で、いつも全身が痒いのだ。
彼女たちは自分のことが心配なのである。
お父さんの糖尿病が悪化して入院ともなれば、娘は父のために時間を割かなければならなくなる。夫が動けなくなったら妻はプールへ行けないのである。
二人に連れられて私の外来にくるお父さんは、弱っている。
背中を掻きながらぶつぶつと独り言を言う。
「酒なんか飲まんですよ。ほんのちょっとしか。こそこそと甘いものを食べるなんて情けないですわ。それも妻に止められて娘にも監視されて、たまらんですわ。」
診察室を出がけに躓きそうになった夫に妻が言った。
「そら! シッカリ前を見て歩くのよ。よたよたするんじゃないの!!。」
私は心の中でエールを送った。
元気を出しな。お父さん。そして自分のことは自分でできるようになりな!
図:老いをみるまなざし_第9回妻と娘に囲まれて_挿絵
(イラスト:茶畑和也)
#健康身体 健康地球 健康生活#
循環型社会とは?日本・世界の取り組みや、個人でできる環境への貢献を解説(续前)
2022年12月14日社会とサステナビリティ
日本の取り組み事例
日本でも循環型社会の実現に向け、さまざまな取り組みが行われていますが、ここでは大きく3つの取り組みついてご紹介します。
■ 都市鉱山の有効利用
都市鉱山問題の対策として、2013年に小型家電リサイクル法が施行されました。これは一般家庭から排出されるスマートフォン、デジカメ、ゲーム機、ドライヤーなどの小型家電を市町村が回収し、国が認定した業者に引き渡し、小型家電の中に含まれる貴金属やベースメタル等を取り出し、リサイクルする仕組みです。 認知度を上げさらに回収量を増やすために、2022年の東京五輪では金・銀・銅メダルには都市鉱山が使用されましたが、まだまだ多くの都市鉱山が眠っているとされています。環境省は、都市鉱山から金属を回収して再資源化する量を2030年度までに倍増するという方針を掲げ、今後さらなる取り組みの強化を目指しています。
■ 2Rの推進
個別リサイクル法の整備により、最終処分場の大幅な削減を達成しました。しかし、循環型社会の実現のためにはリサイクルよりもリデュースとリユースがより重要であるにもかかわらず、これらはあまり進んでいないのが現状です。現在はリサイクルよりも、2Rがより進む社会経済システムの構築が求められています。
そこで、国内ではレジ袋やプラスチック製品の削減を促進してきました。レジ袋に関しては2020年に有料化され、レジ袋使用の大きな抑制につながっています。 また2022年4月にはプラスチック新法が施行され、フォークやスプーンなど特定のプラスチック製品の排出を抑制するよう求められるようになりました。これにより、多くのコンビニやファーストフード店が紙などの代替素材で作られた製品を採用しています。
一方で、リサイクルに頼りすぎている点やレジ袋や食器だけでは不十分であるなどの指摘もあるため、よりリデュースとリユースを促進するための取り組みが必要です。
■ アジア地域への循環産業・技術の展開
世界の廃棄物排出量は全体的に増加傾向ですが、中でもアジアは総排出量の4割を占めています。そこで、日本の廃棄物処理・リサイクル分野における先進的な技術を活かし、これらの技術をアジア諸国へ展開することにより、世界規模での環境負荷の低減に貢献しようとしています。 2009年には、アジアの途上国における3Rを推進するため、アジア太平洋3R推進フォーラムが設立され、参加国の協力関係が推進しています。
日本が支援する事業の一例として、インドでの小型家電等リサイクル事業、タイでのセメント工場を核とした廃棄物の3Rシステムの構築、ベトナムでの建設解体廃棄物の循環システム構築・展開事業など、数多くの事業を支援しています。これらの国々で循環産業を育成することで、アジアを中心した国々で適正な廃棄物処理・リサイクルシステムが普及することを目指しています。
国内企業の取り組み事例
政府の取り組みだけでなく、3Rをビジネスとして実践している企業も増えています。ここでは循環型社会を目指して新たな事業を行っている例をご紹介します。
■ 株式会社カマン
株式会社カマン は、テイクアウト容器ゴミを削減するリユース容器シェアリングサービス「Megloo(メグルー)」を2021年に開始したスタートアップ企業です。現在は鎌倉駅周辺や墨田区の商店街、鈴鹿サーキットなどで導入され、普及を目指しています。サービス開始から1周年を迎える鎌倉市では、これまでに約2500食分のテイクアウト容器の削減、330キロのCO2削減に貢献してきました。
2022年6月には、プラスチック汚染防止に関する世界最大のネットワーク「Alliance to End Plastic Waste」が主催する「廃棄プラスチックをなくし、循環型経済を実現する」という国際的な目標を達成することを目的にした日本初のプログラムに選出された、今注目の企業です。
■ 株式会社マーケットエンタープライズ
ネット型リユース事業を中心に、メディア事業、モバイル通信事業などを展開するマーケットエンタープライズは、2006年に創立して以来、「持続可能な社会を実現する最適化商社」をビジョンに掲げて成長している会社です。
2022年3月、大阪市と事業連携協定を締結し、地域社会における課題解決を目的とした不要品リユース事業の連携をスタートすると発表し、注目されています。事業としては、マーケットエンタープライズが運営するリユースプラットフォーム「おいくら」を用いて、不要品を廃棄物として捨てずに再利用する仕組みを構築。大阪市の廃棄物削減と循環型社会の形成を目指しています。
■ 株式会社ユーグレナ
ユーグレナ社は2020年9月にペットボトル商品を全廃し、紙容器に切り替えると発表しました。これは初代CFO(Chief Future Officer:最高未来責任者)小澤杏子氏の提案を受けてのことで、2020年6月に提案され、翌年に実現しました。
さらに2021年3月、ユーグレナ社はセイコーエプソン株式会社と日本電気株式会社、東京大学との共同で、微細藻類ユーグレナが有するパラミロンという物質を使ったバイオマスプラスチックの一つである「パラレジン®」を開発し、注目を集めています。プラスチックをめぐる問題の解決のため、パラレジン®の安定供給・製品化を目指しています。
循環型社会の課題や浸透しない理由とは?
世界においても国内においても、循環型社会の実現のためにさまざまな取り組みをしていますが、まだまだ多くの課題を抱えており、循環型社会への道のりは遠いと言えます。特に国内では、リサイクル化が進んだことによる新たな課題も生まれているようです。
大量生産、大量消費、大量リサイクル時代
循環型社会の実現には、3Rの実践が不可欠です。日本では、最終処分場の廃棄物量は減少しつつも、廃棄物の発生量は減少していません。さらに、市民の排出する一般廃棄物は減少傾向にあるものの、人口減少と見合った減少とは言えないのが現状です。資源を投入する量が減っていないため、大量生産されたものが大量にリサイクルされ、それがまた大量廃棄されるというサイクルに陥っている側面もあります。
例えば資源リサイクルにおいては、建築資材などはリサイクル率が高く、一見よいことのようですが、使い終わった資材を再度資源とするためには莫大なエネルギーが必要となります。さらに、再利用という性質上、どうしても不純物の混入などにより品質は劣化します。そのため再資源化できたとしても、需要とのマッチの問題も生じます。
いくらエネルギーを使って再資源化しても、余ってしまっては逆に環境負荷を高める結果につながります。これは建築資材に限らず、プラスチックなどほかの原料も同様の問題を抱えています。
排出された不要物を資源にしようと技術が進歩してきたものの、排出自体を減らすことが不十分だったため、課題の解決に至っていないということです。もちろんリサイクルによって改善した面もあるでしょう。しかし、資源を大量消費して生産しているままでは、決して循環型社会は実現できないということです。
私たち個人ができることとは ?
循環型社会の実現には多くの課題がありますが、では私たち個人でもできることはどのようなことでしょうか。リサイクルによらない方法を見ていきましょう。
省資源な製品を選ぶ
限りある資源を大切に使うため、省資源な製品づくりに積極的に取り組む企業が増えてきました。現在もすでに普及していますが、パッケージを軽量化にして原材料の使用量を減らしたり、詰め替え用パッケージにするなど、商品設計での工夫がさらに求められます。
私たち消費者も、これらを重視して商品を購入することが求められます。
ものに依存しない生活
ものを必要以上に買わないこと、ものに頼りすぎないことなど、これまでの価値観を変えることも必要でしょう。例えばカーシェアが普及したように、ものを所有せず共有する生活スタイルがより重要になります。
ただ、家電製品のように便利なものが日々生産され、広告も進化するこの時代に、利便性を追求しないというのは難しいことです。そのため、本当に廃棄物を減らすなら、EUの発表にあったように企業に細かい規制をすることも不可欠でしょう。また、個人としてはレンタルやリースの活用を増やす工夫をするのもよいかもしれません。
ものを長く使う行動
マイボトルやエコバッグなどのように、面倒でもその都度買わず、自宅から持参する生活スタイルを、より進化させる必要があります。また、近年はネットオークションやフリマアプリの普及に伴い、個人間でもリユース品のやり取りが活性化しています。不要になったものでもすぐに廃棄せずに、必要な人に譲ることがさらに定着するとよいでしょう。
また、修理しながら長く使うことも、ごみを減らすためには効果的です。
まとめ
循環型社会の実現は、持続可能な社会の実現のためにも不可欠です。まだまだあらゆる面で課題は多いですが、私たち個人でできることもたくさんあります。日々の消費のなかで、本当にその商品が必要か、その商品はどのように生み出されているのかを配慮することで、循環型社会へ近づくはずです。
文/福光春菜
循環型社会とは?日本・世界の取り組みや、個人でできる環境への貢献を解説(续前)
2022年12月14日社会とサステナビリティ
日本の取り組み事例
日本でも循環型社会の実現に向け、さまざまな取り組みが行われていますが、ここでは大きく3つの取り組みついてご紹介します。
■ 都市鉱山の有効利用
都市鉱山問題の対策として、2013年に小型家電リサイクル法が施行されました。これは一般家庭から排出されるスマートフォン、デジカメ、ゲーム機、ドライヤーなどの小型家電を市町村が回収し、国が認定した業者に引き渡し、小型家電の中に含まれる貴金属やベースメタル等を取り出し、リサイクルする仕組みです。 認知度を上げさらに回収量を増やすために、2022年の東京五輪では金・銀・銅メダルには都市鉱山が使用されましたが、まだまだ多くの都市鉱山が眠っているとされています。環境省は、都市鉱山から金属を回収して再資源化する量を2030年度までに倍増するという方針を掲げ、今後さらなる取り組みの強化を目指しています。
■ 2Rの推進
個別リサイクル法の整備により、最終処分場の大幅な削減を達成しました。しかし、循環型社会の実現のためにはリサイクルよりもリデュースとリユースがより重要であるにもかかわらず、これらはあまり進んでいないのが現状です。現在はリサイクルよりも、2Rがより進む社会経済システムの構築が求められています。
そこで、国内ではレジ袋やプラスチック製品の削減を促進してきました。レジ袋に関しては2020年に有料化され、レジ袋使用の大きな抑制につながっています。 また2022年4月にはプラスチック新法が施行され、フォークやスプーンなど特定のプラスチック製品の排出を抑制するよう求められるようになりました。これにより、多くのコンビニやファーストフード店が紙などの代替素材で作られた製品を採用しています。
一方で、リサイクルに頼りすぎている点やレジ袋や食器だけでは不十分であるなどの指摘もあるため、よりリデュースとリユースを促進するための取り組みが必要です。
■ アジア地域への循環産業・技術の展開
世界の廃棄物排出量は全体的に増加傾向ですが、中でもアジアは総排出量の4割を占めています。そこで、日本の廃棄物処理・リサイクル分野における先進的な技術を活かし、これらの技術をアジア諸国へ展開することにより、世界規模での環境負荷の低減に貢献しようとしています。 2009年には、アジアの途上国における3Rを推進するため、アジア太平洋3R推進フォーラムが設立され、参加国の協力関係が推進しています。
日本が支援する事業の一例として、インドでの小型家電等リサイクル事業、タイでのセメント工場を核とした廃棄物の3Rシステムの構築、ベトナムでの建設解体廃棄物の循環システム構築・展開事業など、数多くの事業を支援しています。これらの国々で循環産業を育成することで、アジアを中心した国々で適正な廃棄物処理・リサイクルシステムが普及することを目指しています。
国内企業の取り組み事例
政府の取り組みだけでなく、3Rをビジネスとして実践している企業も増えています。ここでは循環型社会を目指して新たな事業を行っている例をご紹介します。
■ 株式会社カマン
株式会社カマン は、テイクアウト容器ゴミを削減するリユース容器シェアリングサービス「Megloo(メグルー)」を2021年に開始したスタートアップ企業です。現在は鎌倉駅周辺や墨田区の商店街、鈴鹿サーキットなどで導入され、普及を目指しています。サービス開始から1周年を迎える鎌倉市では、これまでに約2500食分のテイクアウト容器の削減、330キロのCO2削減に貢献してきました。
2022年6月には、プラスチック汚染防止に関する世界最大のネットワーク「Alliance to End Plastic Waste」が主催する「廃棄プラスチックをなくし、循環型経済を実現する」という国際的な目標を達成することを目的にした日本初のプログラムに選出された、今注目の企業です。
■ 株式会社マーケットエンタープライズ
ネット型リユース事業を中心に、メディア事業、モバイル通信事業などを展開するマーケットエンタープライズは、2006年に創立して以来、「持続可能な社会を実現する最適化商社」をビジョンに掲げて成長している会社です。
2022年3月、大阪市と事業連携協定を締結し、地域社会における課題解決を目的とした不要品リユース事業の連携をスタートすると発表し、注目されています。事業としては、マーケットエンタープライズが運営するリユースプラットフォーム「おいくら」を用いて、不要品を廃棄物として捨てずに再利用する仕組みを構築。大阪市の廃棄物削減と循環型社会の形成を目指しています。
■ 株式会社ユーグレナ
ユーグレナ社は2020年9月にペットボトル商品を全廃し、紙容器に切り替えると発表しました。これは初代CFO(Chief Future Officer:最高未来責任者)小澤杏子氏の提案を受けてのことで、2020年6月に提案され、翌年に実現しました。
さらに2021年3月、ユーグレナ社はセイコーエプソン株式会社と日本電気株式会社、東京大学との共同で、微細藻類ユーグレナが有するパラミロンという物質を使ったバイオマスプラスチックの一つである「パラレジン®」を開発し、注目を集めています。プラスチックをめぐる問題の解決のため、パラレジン®の安定供給・製品化を目指しています。
循環型社会の課題や浸透しない理由とは?
世界においても国内においても、循環型社会の実現のためにさまざまな取り組みをしていますが、まだまだ多くの課題を抱えており、循環型社会への道のりは遠いと言えます。特に国内では、リサイクル化が進んだことによる新たな課題も生まれているようです。
大量生産、大量消費、大量リサイクル時代
循環型社会の実現には、3Rの実践が不可欠です。日本では、最終処分場の廃棄物量は減少しつつも、廃棄物の発生量は減少していません。さらに、市民の排出する一般廃棄物は減少傾向にあるものの、人口減少と見合った減少とは言えないのが現状です。資源を投入する量が減っていないため、大量生産されたものが大量にリサイクルされ、それがまた大量廃棄されるというサイクルに陥っている側面もあります。
例えば資源リサイクルにおいては、建築資材などはリサイクル率が高く、一見よいことのようですが、使い終わった資材を再度資源とするためには莫大なエネルギーが必要となります。さらに、再利用という性質上、どうしても不純物の混入などにより品質は劣化します。そのため再資源化できたとしても、需要とのマッチの問題も生じます。
いくらエネルギーを使って再資源化しても、余ってしまっては逆に環境負荷を高める結果につながります。これは建築資材に限らず、プラスチックなどほかの原料も同様の問題を抱えています。
排出された不要物を資源にしようと技術が進歩してきたものの、排出自体を減らすことが不十分だったため、課題の解決に至っていないということです。もちろんリサイクルによって改善した面もあるでしょう。しかし、資源を大量消費して生産しているままでは、決して循環型社会は実現できないということです。
私たち個人ができることとは ?
循環型社会の実現には多くの課題がありますが、では私たち個人でもできることはどのようなことでしょうか。リサイクルによらない方法を見ていきましょう。
省資源な製品を選ぶ
限りある資源を大切に使うため、省資源な製品づくりに積極的に取り組む企業が増えてきました。現在もすでに普及していますが、パッケージを軽量化にして原材料の使用量を減らしたり、詰め替え用パッケージにするなど、商品設計での工夫がさらに求められます。
私たち消費者も、これらを重視して商品を購入することが求められます。
ものに依存しない生活
ものを必要以上に買わないこと、ものに頼りすぎないことなど、これまでの価値観を変えることも必要でしょう。例えばカーシェアが普及したように、ものを所有せず共有する生活スタイルがより重要になります。
ただ、家電製品のように便利なものが日々生産され、広告も進化するこの時代に、利便性を追求しないというのは難しいことです。そのため、本当に廃棄物を減らすなら、EUの発表にあったように企業に細かい規制をすることも不可欠でしょう。また、個人としてはレンタルやリースの活用を増やす工夫をするのもよいかもしれません。
ものを長く使う行動
マイボトルやエコバッグなどのように、面倒でもその都度買わず、自宅から持参する生活スタイルを、より進化させる必要があります。また、近年はネットオークションやフリマアプリの普及に伴い、個人間でもリユース品のやり取りが活性化しています。不要になったものでもすぐに廃棄せずに、必要な人に譲ることがさらに定着するとよいでしょう。
また、修理しながら長く使うことも、ごみを減らすためには効果的です。
まとめ
循環型社会の実現は、持続可能な社会の実現のためにも不可欠です。まだまだあらゆる面で課題は多いですが、私たち個人でできることもたくさんあります。日々の消費のなかで、本当にその商品が必要か、その商品はどのように生み出されているのかを配慮することで、循環型社会へ近づくはずです。
文/福光春菜
猛暑の日本!意外なエアコンの節電方法とは?
今年は各地で夏の最高気温を更新していて、扇風機だけでは耐えられなさそうですよね…。エアコンはつけたいけど、電気代も上がっているから気軽に使えない。でもつけないと熱中症になってしまう。そんな板挟みを皆さん経験しているのではないでしょうか。
そんな時はエアコンの節電方法を知ることが大切です。賢く使うことで、無駄な電力や体力を使わずに、より快適な夏を過ごすことができますよ!
温度調整をいかに抑えるかがポイント
エアコンは電源を入れて部屋が冷えるまでに最も電力を使います。そこでいかにパワーを抑えるかが節電の肝になってくるわけです。
・ちょっとの外出ならつけっぱなしで行く
節電のつもりで室内が冷えたら消し、暑くなったらつけるを繰り返していると、何度も温度を下げようとするので電力がかかってしまいます。だからこそ、設定温度を低くしすぎず、程よい温度でずっと稼働させている方がいいんです。短い時間の外出なら、むしろそのままエアコンをつけていったほうが、帰ってきたときも快適で電力も抑えられておすすめです。
・暑さを我慢しすぎずエアコンに切り替える
上記と同じ理由で、「暑くてもう無理だ!」というギリギリまで我慢するのではなく、そろそろ暑いかもという時からエアコンをつけた方が、外気と室内の温度差が少ないのでエアコンを稼働したときの電力がかからないんです。熱中症も予防できるしウィンウィンですよね。
・エアコンをつける前に室内の熱気を外に出す
特に長時間留守にした後は、帰ってきて直接エアコンのスイッチを入れるのではなく喚起して少し室内の温度を下げてからにしましょう。窓を二か所開けて風の通り道を作り喚起すると、より早く熱気を外に出すことができます。
・風量の設定は「自動」で
節電のつもりで風量を最初から弱にしていると、弱い力でより長い時間をかけて目標温度まで下げようとするので実は電力を無駄に消費してしまうんです。設定は自動がおすすめ。温度が下がるまでは強風、下がってから弱風、と効率よく動いてくれますよ。
・設定温度ではなく、まず変更するのは「風量」
設定温度を下げると、温度調整のためにまた電力を使ってしまいます。暑い時は設定温度を下げるのではなく、まずは風量をあげてみて。体感温度が下がって涼しく感じますよ。
続きは記事へ>>>
https://t.cn/A6SZEvyB
#エアコン##オススメ##ポイント##温度##熱中症##猛暑##節電##節電方法##電力##電気代#
今年は各地で夏の最高気温を更新していて、扇風機だけでは耐えられなさそうですよね…。エアコンはつけたいけど、電気代も上がっているから気軽に使えない。でもつけないと熱中症になってしまう。そんな板挟みを皆さん経験しているのではないでしょうか。
そんな時はエアコンの節電方法を知ることが大切です。賢く使うことで、無駄な電力や体力を使わずに、より快適な夏を過ごすことができますよ!
温度調整をいかに抑えるかがポイント
エアコンは電源を入れて部屋が冷えるまでに最も電力を使います。そこでいかにパワーを抑えるかが節電の肝になってくるわけです。
・ちょっとの外出ならつけっぱなしで行く
節電のつもりで室内が冷えたら消し、暑くなったらつけるを繰り返していると、何度も温度を下げようとするので電力がかかってしまいます。だからこそ、設定温度を低くしすぎず、程よい温度でずっと稼働させている方がいいんです。短い時間の外出なら、むしろそのままエアコンをつけていったほうが、帰ってきたときも快適で電力も抑えられておすすめです。
・暑さを我慢しすぎずエアコンに切り替える
上記と同じ理由で、「暑くてもう無理だ!」というギリギリまで我慢するのではなく、そろそろ暑いかもという時からエアコンをつけた方が、外気と室内の温度差が少ないのでエアコンを稼働したときの電力がかからないんです。熱中症も予防できるしウィンウィンですよね。
・エアコンをつける前に室内の熱気を外に出す
特に長時間留守にした後は、帰ってきて直接エアコンのスイッチを入れるのではなく喚起して少し室内の温度を下げてからにしましょう。窓を二か所開けて風の通り道を作り喚起すると、より早く熱気を外に出すことができます。
・風量の設定は「自動」で
節電のつもりで風量を最初から弱にしていると、弱い力でより長い時間をかけて目標温度まで下げようとするので実は電力を無駄に消費してしまうんです。設定は自動がおすすめ。温度が下がるまでは強風、下がってから弱風、と効率よく動いてくれますよ。
・設定温度ではなく、まず変更するのは「風量」
設定温度を下げると、温度調整のためにまた電力を使ってしまいます。暑い時は設定温度を下げるのではなく、まずは風量をあげてみて。体感温度が下がって涼しく感じますよ。
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