『モルグ街の殺人事件』徹底ネタバレ解説!あらすじから結末まで!
19世紀アメリカの小説家・詩人であるエドガー・アラン・ポーの短編小説(佐々木直次郎による訳)。ポー自身が編集主筆を務めていた「グレアムズ・マガジン」1841年号に掲載された。パリのモルグ街で、人間離れした怪力で母娘が殺される事件が起きる。しかも現場は密室だった。謎の事件の解明に、オーギュスト・デュパンが乗り出す。史上初の推理小説とされている。
Amazon内容紹介より
史上初の推理小説、密室殺人を扱った最初の推理小説といわれている本書。
青空文庫で無料で読むことが出来るので、気になった方はぜひ読んでみてください。
五十ページにも満たない短編小説ですので、一時間もせずに読むことが出来ます。
ただ昔の小説なだけあって、表現一つ一つが耳慣れない、くどいと感じることもありますが、それが推理小説の醍醐味だったりもするので、一見の価値はあると思います。
さて、肝心の内容についてですが。
探偵役のオーギュスト・デュパンが一方的に話すのですが、彼が話すまで提示されない証拠も多数ありますので、読者による推理はまず不可能です。
またその真相もかなり現実離れしています。
賛否両論あると思いますが、僕は頭の中でその様子がありありと思い浮かべることが出来たので、腑に落ちたというか、非常に面白いと感じました。
この記事では、そんな本書の魅力をあらすじや個人的な感想を交えながら書いていきたいと思います。
ネタバレになりますので、未読の方はご注意ください。
あらすじ
事件の概要
パリのモルグ街に一軒の家屋があり、そこにレスパネエ夫人とその娘・カミイユ・レスパネエ嬢が住んでいました。
ある日の深夜、家屋から悲鳴が聞こえ、憲兵や近隣住民が中に入ると、悲鳴の聞こえてきた四階の部屋はひどく荒らされていました。
さらに娘の死体は頭部を下にして煙突の中に押し込められていて、死因は絞殺です。
また中庭には夫人の死体が横たわっていて、起こすと頭部は落ち、人間業とは思えない力で無数の傷をつけられていました。
証言
多くの人物が証言していますが、重要な部分だけ抜粋してまとめると以下の通りです。
・二人は隠遁的な生活を送っていて、頻繁に出入りする人間はいなかった。
・複数の人間が、言い争う二つの声を聞いていて、一つはフランス人の言葉だったと証言が一致。一方、もう一つの声は証言者によってバラバラで、少なくともフランス人が聞き取れない言語で、男女は判別がつかず、声高くて速くて高低があった。
・夫人は死亡する三日前に四千フランを銀行から引き出していたが、事件後もお金はほとんど手付かずだった。
・一同が家屋の階段をのぼっている間に、人の降りていけるような通り道は裏には一つもない。表からは誰も犯人を目撃していない。
・娘の死体は四、五人が力を合わせなければならないほどの強い力で煙突の中に押し込まれていた。
・娘の喉についてる痕は明らかに指によるもの。
・夫人の死体は恐ろしく切られ、複数個所の骨が多少、もしくはひどく砕けていて、非常に力のある男が重い鈍器を使用して初めてつけることの出来る傷であり、女性ではどんな方法をとってもそんな傷をつけることは出来ない。
・夫人の喉は切られていて、たぶん剃刀で切られた。
パリの警察は以上のような証言を得ても事件の真相に辿り着けず、途方に暮れていました。
現場を見て浮かび上がる真実
この物語では、名前の登場しない語り手が、ある日、モンマルトルの図書館で偶然知り合い、現在はパリの古びた家で一緒に暮らすオーギュスト・デュパンの推理を聞くという形式で進行していきます。
デュパンは警察の手法ではこの事件は解決できないと断言し、知り合いの警視総監の許可をとり、モルグ街の現場を調査します。
その後、新聞社に寄りますが、それから翌日の昼頃まで事件については触れずにいました。
そしてデュパンは、犯行にいくらか関与している一人の人間を待っているのだとピストルを用意し、その人物が来るまでの間に語り手に事件の真相を伝えます。
まずは証言があやふやだった二つ目の声について。
誰も言葉を聞いたとは証言していないのがカギだといい、後に重要な証拠となります。
また犯人の逃走経路について。
事件当日、目撃者一同が階段をのぼっていた時、犯人は娘の死体が見つかった部屋、もしくはその隣の部屋にいたことは明らかですが、秘密の通路なんてものはありません。
部屋から廊下に出る扉は二つとも錠がかかっていて、煙突は上にいくと猫でさえ大きいと通り抜けることはできません。
すると、残されたのは二つだけになり、不可能と思えてもどちらかから脱出したと考えないと辻褄があいません。
そこでデュパンが念入りに調べると、どちらの窓にも隠しバネがあることを発見。
さらに窓を固定する釘に注目すると、一つだけ実は釘が中で折れていて、開くことが判明。
犯人はここから脱出したことになります。
そこからの逃走経路ですが、五フィート半(165センチほど)離れたところに避雷針があり、危険ですがそこから侵入、脱出したことが分かります。
次に動機について。
もし金銭が目的だった場合、夫人が三日前に引き出した四千フランに手を出さないのはおかしい。
次に犯行の特異性について。
現場には頭の皮の肉がついた二、三十本の髪の毛があり、その行為には並々ならぬ力が必要です。
また、ただの剃刀で頭部が胴から離れるほど切るという残忍性も異常です。
夫人の体はその他にも多くの打撲傷がありましたが、これは簡単で、窓から中庭に落ち、中庭の舗石に打ち付けたのです。
考えれば簡単なことですが、窓が開かないと決めつけた警察はその考えに行き着くことは出来ませんでした。
さらにデュパンは現場で、夫人が固くつかんでいた犯人の髪の毛を提示しますが、それはどう見ても人間のものではありません。
また娘の喉についた指の痕についても、どうやっても人間の手ではつけることが出来ません。
そこでデュパンはとある記事を語り手に見せますが、そこには東インド諸島に棲む大猩々(オランウータン)について書かれていて、語り手はデュパンはの言いたいことを理解します。
つまり犯行に及んだのはオランウータンだったのです。
それなら、指の痕も証言にあった声も、そして人間離れした犯行についても説明がつきます。
ここまで理解した上で、なぜ昨日、デュパンは新聞社に立ち寄ったのか。
それは水夫たちがよく読む新聞にオランウータンを捕獲したから、持ち主は受け取りに来てほしいという内容の記事の掲載をお願いするためでした。
なぜオランウータンの持ち主が水夫だと分かったのか。
それは、デュパンが避雷針の下でリボンの切れ端を見つけ、それは船乗りしか滅多に結わえない、またマルタ人独特の結い方をしていたからでした。
デュパンはこう考えます。
持ち主は殺人事件の加害者が自分のオランウータンだと知っていますが、オランウータンは売れば大金になるため、自分は無実だと言って受け取りに来ることを。
そして、事件がおさまるまでオランウータンを隠してしまえば、誰にも真相は突き止められないだろうと。
結末
デュパンが話し終えると、彼の予想通り、一人の水夫がやってきて、自分がオランウータンの持ち主だと言います。
それに対してデュパンは、引き渡す見返りに事件について知っていることを一つ残らず話すよう提案。
水夫は一度暴行に移ろうとしますが、すぐに顔色を悪くして椅子に座り、知っていることを全て打ち明けます。
彼は航海の途中で寄ったボルネオで仲間と一緒にあのオランウータンを捕獲。
仲間は死んだため、オランウータンは彼一人のものになります。
水夫はなんとかオランウータンを自宅に入れることに成功しますが、殺人事件のあった夜、オランウータンは剃刀を持って逃走。
水夫はあとを追いかけ、オランウータンはモルグ街のあの家に侵入。
脱出経路となったあの窓から中を覗くと、オランウータンはすでに犯行に及んでいました。
その後、オランウータンは自分を見る水夫を見つけ、罰を受けるようなことをしたのだと恐怖を覚えます。
そこで部屋を荒らし、犯行を隠すために娘の死体を煙突に突っ込み、それから夫人の死体を中庭に投げます。
水夫はというと、夫人の死体を投げるために窓に近づくオランウータンに恐怖し、逃げ出したのでした。
証言者たちが聞いたフランス人の声というのは、彼のものだったのです。
こうして全てが明らかになりました。
その後、オランウータンは水夫自身の手で捕獲され、植物園に非常に大金で売られるのでした。
おわりに
ミステリー好きであれば外せない歴史的作品だと思います。
また基本的なミステリーの魅力が短い中に凝縮されていますので、あまり読んだことはないけれどミステリーに興味があるという方にもおすすめです。
19世紀アメリカの小説家・詩人であるエドガー・アラン・ポーの短編小説(佐々木直次郎による訳)。ポー自身が編集主筆を務めていた「グレアムズ・マガジン」1841年号に掲載された。パリのモルグ街で、人間離れした怪力で母娘が殺される事件が起きる。しかも現場は密室だった。謎の事件の解明に、オーギュスト・デュパンが乗り出す。史上初の推理小説とされている。
Amazon内容紹介より
史上初の推理小説、密室殺人を扱った最初の推理小説といわれている本書。
青空文庫で無料で読むことが出来るので、気になった方はぜひ読んでみてください。
五十ページにも満たない短編小説ですので、一時間もせずに読むことが出来ます。
ただ昔の小説なだけあって、表現一つ一つが耳慣れない、くどいと感じることもありますが、それが推理小説の醍醐味だったりもするので、一見の価値はあると思います。
さて、肝心の内容についてですが。
探偵役のオーギュスト・デュパンが一方的に話すのですが、彼が話すまで提示されない証拠も多数ありますので、読者による推理はまず不可能です。
またその真相もかなり現実離れしています。
賛否両論あると思いますが、僕は頭の中でその様子がありありと思い浮かべることが出来たので、腑に落ちたというか、非常に面白いと感じました。
この記事では、そんな本書の魅力をあらすじや個人的な感想を交えながら書いていきたいと思います。
ネタバレになりますので、未読の方はご注意ください。
あらすじ
事件の概要
パリのモルグ街に一軒の家屋があり、そこにレスパネエ夫人とその娘・カミイユ・レスパネエ嬢が住んでいました。
ある日の深夜、家屋から悲鳴が聞こえ、憲兵や近隣住民が中に入ると、悲鳴の聞こえてきた四階の部屋はひどく荒らされていました。
さらに娘の死体は頭部を下にして煙突の中に押し込められていて、死因は絞殺です。
また中庭には夫人の死体が横たわっていて、起こすと頭部は落ち、人間業とは思えない力で無数の傷をつけられていました。
証言
多くの人物が証言していますが、重要な部分だけ抜粋してまとめると以下の通りです。
・二人は隠遁的な生活を送っていて、頻繁に出入りする人間はいなかった。
・複数の人間が、言い争う二つの声を聞いていて、一つはフランス人の言葉だったと証言が一致。一方、もう一つの声は証言者によってバラバラで、少なくともフランス人が聞き取れない言語で、男女は判別がつかず、声高くて速くて高低があった。
・夫人は死亡する三日前に四千フランを銀行から引き出していたが、事件後もお金はほとんど手付かずだった。
・一同が家屋の階段をのぼっている間に、人の降りていけるような通り道は裏には一つもない。表からは誰も犯人を目撃していない。
・娘の死体は四、五人が力を合わせなければならないほどの強い力で煙突の中に押し込まれていた。
・娘の喉についてる痕は明らかに指によるもの。
・夫人の死体は恐ろしく切られ、複数個所の骨が多少、もしくはひどく砕けていて、非常に力のある男が重い鈍器を使用して初めてつけることの出来る傷であり、女性ではどんな方法をとってもそんな傷をつけることは出来ない。
・夫人の喉は切られていて、たぶん剃刀で切られた。
パリの警察は以上のような証言を得ても事件の真相に辿り着けず、途方に暮れていました。
現場を見て浮かび上がる真実
この物語では、名前の登場しない語り手が、ある日、モンマルトルの図書館で偶然知り合い、現在はパリの古びた家で一緒に暮らすオーギュスト・デュパンの推理を聞くという形式で進行していきます。
デュパンは警察の手法ではこの事件は解決できないと断言し、知り合いの警視総監の許可をとり、モルグ街の現場を調査します。
その後、新聞社に寄りますが、それから翌日の昼頃まで事件については触れずにいました。
そしてデュパンは、犯行にいくらか関与している一人の人間を待っているのだとピストルを用意し、その人物が来るまでの間に語り手に事件の真相を伝えます。
まずは証言があやふやだった二つ目の声について。
誰も言葉を聞いたとは証言していないのがカギだといい、後に重要な証拠となります。
また犯人の逃走経路について。
事件当日、目撃者一同が階段をのぼっていた時、犯人は娘の死体が見つかった部屋、もしくはその隣の部屋にいたことは明らかですが、秘密の通路なんてものはありません。
部屋から廊下に出る扉は二つとも錠がかかっていて、煙突は上にいくと猫でさえ大きいと通り抜けることはできません。
すると、残されたのは二つだけになり、不可能と思えてもどちらかから脱出したと考えないと辻褄があいません。
そこでデュパンが念入りに調べると、どちらの窓にも隠しバネがあることを発見。
さらに窓を固定する釘に注目すると、一つだけ実は釘が中で折れていて、開くことが判明。
犯人はここから脱出したことになります。
そこからの逃走経路ですが、五フィート半(165センチほど)離れたところに避雷針があり、危険ですがそこから侵入、脱出したことが分かります。
次に動機について。
もし金銭が目的だった場合、夫人が三日前に引き出した四千フランに手を出さないのはおかしい。
次に犯行の特異性について。
現場には頭の皮の肉がついた二、三十本の髪の毛があり、その行為には並々ならぬ力が必要です。
また、ただの剃刀で頭部が胴から離れるほど切るという残忍性も異常です。
夫人の体はその他にも多くの打撲傷がありましたが、これは簡単で、窓から中庭に落ち、中庭の舗石に打ち付けたのです。
考えれば簡単なことですが、窓が開かないと決めつけた警察はその考えに行き着くことは出来ませんでした。
さらにデュパンは現場で、夫人が固くつかんでいた犯人の髪の毛を提示しますが、それはどう見ても人間のものではありません。
また娘の喉についた指の痕についても、どうやっても人間の手ではつけることが出来ません。
そこでデュパンはとある記事を語り手に見せますが、そこには東インド諸島に棲む大猩々(オランウータン)について書かれていて、語り手はデュパンはの言いたいことを理解します。
つまり犯行に及んだのはオランウータンだったのです。
それなら、指の痕も証言にあった声も、そして人間離れした犯行についても説明がつきます。
ここまで理解した上で、なぜ昨日、デュパンは新聞社に立ち寄ったのか。
それは水夫たちがよく読む新聞にオランウータンを捕獲したから、持ち主は受け取りに来てほしいという内容の記事の掲載をお願いするためでした。
なぜオランウータンの持ち主が水夫だと分かったのか。
それは、デュパンが避雷針の下でリボンの切れ端を見つけ、それは船乗りしか滅多に結わえない、またマルタ人独特の結い方をしていたからでした。
デュパンはこう考えます。
持ち主は殺人事件の加害者が自分のオランウータンだと知っていますが、オランウータンは売れば大金になるため、自分は無実だと言って受け取りに来ることを。
そして、事件がおさまるまでオランウータンを隠してしまえば、誰にも真相は突き止められないだろうと。
結末
デュパンが話し終えると、彼の予想通り、一人の水夫がやってきて、自分がオランウータンの持ち主だと言います。
それに対してデュパンは、引き渡す見返りに事件について知っていることを一つ残らず話すよう提案。
水夫は一度暴行に移ろうとしますが、すぐに顔色を悪くして椅子に座り、知っていることを全て打ち明けます。
彼は航海の途中で寄ったボルネオで仲間と一緒にあのオランウータンを捕獲。
仲間は死んだため、オランウータンは彼一人のものになります。
水夫はなんとかオランウータンを自宅に入れることに成功しますが、殺人事件のあった夜、オランウータンは剃刀を持って逃走。
水夫はあとを追いかけ、オランウータンはモルグ街のあの家に侵入。
脱出経路となったあの窓から中を覗くと、オランウータンはすでに犯行に及んでいました。
その後、オランウータンは自分を見る水夫を見つけ、罰を受けるようなことをしたのだと恐怖を覚えます。
そこで部屋を荒らし、犯行を隠すために娘の死体を煙突に突っ込み、それから夫人の死体を中庭に投げます。
水夫はというと、夫人の死体を投げるために窓に近づくオランウータンに恐怖し、逃げ出したのでした。
証言者たちが聞いたフランス人の声というのは、彼のものだったのです。
こうして全てが明らかになりました。
その後、オランウータンは水夫自身の手で捕獲され、植物園に非常に大金で売られるのでした。
おわりに
ミステリー好きであれば外せない歴史的作品だと思います。
また基本的なミステリーの魅力が短い中に凝縮されていますので、あまり読んだことはないけれどミステリーに興味があるという方にもおすすめです。
中島健人「海外から注目される作品作りを」 20代ラストに抱く夢を語る
Sexy Zoneの中島健人が、俳優として新たなフェーズに差し掛かっている。20日公開の映画『おまえの罪を自白しろ』では、政治家一族・宇田家の次男で、内閣府副大臣の父・宇田清治郎(堤真一)のやり方に疑問を持ちながらも、やむなく父の議員秘書を務める宇田晄司役で、サスペンス映画初主演に。そんな中島に今回クランクイン!はインタビューを実施。話を聞くと、アイドルとしても、役者としても、常に“完璧”という形容詞をまとってきた中島の“完璧”に達するまでの努力が浮かび上がってきた。
■晄司は“冷徹な色気”がある男
ーー『心が叫びたがってるんだ。』『未成年だけどコドモじゃない』『ニセコイ』など、これまでコメディーやラブストーリーを題材としてきた映画出演が多かった中島さんですが、昨年の『ラーゲリより愛を込めて』や本作を見ると、“俳優・中島健人”として新たなフェーズに差し掛かっているように感じます。
中島:本作のお話をいただいたのが、テレビドラマ『彼女はキレイだった』(カンテレ・フジテレビ系)が終わったくらいの時期で、同作もラブストーリーだったので、「こういう役をいただけるのか」と自分でもネクストフェーズへ突入した感覚がありました。自分自身を表現する環境を変えてみるのはすごくいいことだと思いますし、そんな場所を与えてくださった本作の制作陣の方には感謝の気持ちでいっぱいです。新たな僕を見ていただけると思います。
ーー晄司は中島さんの新境地となるキャラクターのように思います。これまでの経験とのギャップはありましたか?
中島:過去に出演させていただいたラブストーリーでも、全部かっこよかったり、セクシーだったりする役かと言ったらそうではなくて、“できない男のラブストーリー”や“めっちゃかっこいいやつのラブストーリー”など多岐にわたってきました。今回「中島さんはセクシーを封印しましたね」って言われることも多いんですけど、僕自身これまでの役も、セクシーに振り切って演じてきた気持ちはないんです。
今回の晄司は、かっこいい言葉でいうと“冷徹な色気”がある男だと思っています。自分の家族を守るために、うそを貫き通す。うそも方便と言いますか、その使い方がうまい人なんじゃないかなと。実は最初は全然そういう雰囲気のキャラクターではなかったんです。最初に脚本を読んだ時に、晄司以外のキャラクターがあまりにも強くて、晄司が平たく見えるように感じたので、水田伸生監督とどういう風に見せていくかディスカッションし、自分で演じていく上で、そういう魅力を持った人間だなと解釈していきました。
社会派で無骨な映画に、こんなアイデンティティーを持つ僕が出演するからこそ、広がりが生まれる気がするので、本作はたくさんの方にフィットするんじゃないかと思います。自分の映画人生の中で、社会派映画に呼んでいただけたことは本当に感謝していて、水田監督にすごく恩返しがしたいです。
ーー“冷徹な色気”は腑に落ちる表現です。晄司を作り上げる中での、具体的な役作りのアプローチを教えてください。
■「怖い振り付け師さんがいて…」晄司と重なる自身の経験
中島:衆議院予算委員会を傍聴し、岸田文雄首相や衆議院の方々の姿を実際に拝見しました。議員秘書の方にお会いするために議員会館にもお邪魔したのですが、秘書の方の机には、ものすごい量の書類があって、日々これくらいの問題量に追われ、1つずつさばいているのかと驚きました。量もそうなのですが、これだけの膨大な責任があるというのを体感できたのが一番大きな経験だったと思います。行くと行かないのとでは全然違っていて、国会議事堂に足を運んでいなかったら、また芝居への気持ちも変わっていただろうなと思います。
でも僕はスーツで行ったんですけど、マネージャーさんがだいぶカジュアルな服装で来たんですよ(笑)。「やっぱスーツで来ると思ったよ」って言われたんですけど、そりゃスーツ着るでしょ!
ーーそんなハプニングが(笑)。晄司は劇中であまりバックボーンが描かれていないキャラクターでした。中島さんなりの解釈を反映させた部分はありましたか?
中島:これは映画に携わってきた中ですごく思っていることなんですけど、自分の中だけの解釈を強くしてしまうと、他のキャストさんたちとのバランスが合わなくなることが意外とあるんですよね。晄司に関してはバックボーンの想像はしたんですけど、作り上げていくというよりは、ナチュラルに演じることができたと思っています。
晄司の気持ちってすごくわかるんです。彼っていつも鬱屈としていて、いつもそういう気持ちを抱えている若者って多いと思うんです。ぶっちゃけ言うと、僕も持っています。でもそういう人は、いろんなことに対して鬱屈とした気持ちがあるからこそ、爆発した瞬間に、ものすごいエネルギーを持っている。僕もそうだから、晄司の気持ちを理解したまま、1番の理解者として僕は彼を演じられたかなって思います。
ーーご自身とも重なる点があったのですか?
中島:そうですね。ジュニアの時に本当に怖い振り付け師さんがいて、僕、正直すごく苦手だったんですよ。もうめちゃくちゃ注意されたし、強い言葉で言ってくる方なんですけど、ある年齢を境にその人とあまり仕事をしなくなっていくんですね。徐々に巣立っていって。でも結局それから何年か経つと、その振り付け師さんの振り付けを欲する自分がいて…。「言われたい」「あのリズムを感じたい!」って。その関係性は、晄司と父・清治郎(堤真一)の間柄に重なる部分を感じています。
その振り付け師さんは、全然電話に出てくれないし、メールも返してくれないんですけど、会ったら普通に話しかけてくれるんですよ(笑)。「なんで!? 電話出てくれないのに!?」って(笑)。昔は敵対視していたんですけど、一度離れてみると、「健人にはこれが合う」って僕が進むべき道を開いてくれたんだって気付くことができました。やり方は強引であれど、清治郎も晄司に対してそういう態度を取っていたんじゃないかなと思います。
ーーなるほど。実際の撮影では、堤さんから影響を受けたことはありましたか?
中島:この映画のポスターの堤さんってめちゃくちゃ怖いけど、実際はおもしろおじさんなんです(笑)。映画に緊張感がなくなってしまいそうで言いたくないんですけど、本当に面白い人。ギャップがすごくて、現場で堤さんと山崎一さんは四六時中舞台の話をしているんですけど、その交流の仕方は高校の朝の教室みたいで(笑)。二人の空気感が温かいんですよね。
堤さんは僕にプライベートの話から、どんな人生を歩んできたのかまで、ざっくばらんに話してくれました。「俺はテレビはあんま興味なかったんだ。でもドラマに出始めて、劇場に人が集まって、映画界からオファーが来て…。でも全然順風満帆じゃねえよ」って。
ーーちょっとモノマネ入ってません?(笑)
中島:自信あるんです。本気出したら結構似てると思っていて(笑)。堤さんって苦労人だから、本当にいろんな経験を話してくださって、だからこそ怖いみたいなことはなかったですね。それでも芝居になると圧がすごいんですよ。関西の方だからか「キレさせたらやばい」みたいなオーラが出ていて。でも堤さん、ボケてくださるから、ツッコまざるを得ないし、ツッコんで欲しそうな感じを出してるんですよね。「それ違うでしょ」ってツッコむと「まあな(笑)」ってうれしそうで。こんな風にカジュアルなコミュニケーションができたから、伸び伸びと撮影ができました。
ーー堤さんから芝居のアドバイスなどをもらったりしましたか?
中島:堤さんって、「こうしろ」というタイプではないんです。「俺を見て学べ」なんて風には思っていないと思うんですけど、見ているだけで学べるところがいっぱいありました。空気感や雰囲気の醸し出し方というんでしょうか。言葉でそういうやり取りはしたことないですね。演技のディスカッションをしたのは、池田エライザさんと中島歩さんくらいです。
そういえば「馬刺しがうまいんだぁ。今度健人にやるよ」って堤さんに言われたんですけど、まだいただいてないな…。連絡先も交換してるんですけど、やっぱり緊張するじゃないですか。最近は織田裕二さん(ドラマ『シッコウ!!~犬と私と執行官~』(テレビ朝日系)で共演)に連絡できるようになりました。レインボーブリッジの写真撮って、「どうします?」って(笑)。なので堤さんにも馬刺しの写真を送ってみようかな。
ーー面白すぎます(笑)。ところで、本作のクランクインは昨年の7月と聞いたんですけど、その時期はSexy Zoneがライブツアー中でしたよね。役作りや撮影で過密スケジュールだったんじゃないかと想像するのですが、どうやって切り替えていたんでしょうか?
■櫻井翔の言葉で得た“気付き”
中島:確かに。どうやっていたんでしょう…。そういえば櫻井翔くんがツアーを見に来てくれたときに、「ケンティ、一皮むけたね」って言ってくれました。だから多分、この役の影響がツアーにも出ていたんじゃないかな。映画では晄司としての存在感を出さなきゃいけなかったので、内から出るものがライブにもあふれていたんじゃないかと思います。
ーーアーティストと俳優の仕事が相互作用していたんですね。いろんな面で成長し続け、夢をかなえていく中島さんですが、20代も終盤に差し掛かっています。中島さんが今抱く夢を最後に教えてください。
中島:もっといろんな日本映画に出演したいと思っています。吉永小百合さんともご一緒できたらうれしいですね。いろんなレジェンドを知って、いろんなレジェンドから見る自分を知ることで、今の自分の現在地がわかるんじゃないのかなと。
あとアーティストとしては、楽曲制作をしていきたいです。自分が作った音楽を今度はたくさん出していくっていうフェーズになってくのかな…。インスタグラムにもすでに何曲かアップしてるんですけど、今後もトラックメイクして、それが何かのタイアップになればいいなと思いますし、日本のみならず、海外の方にも聞いていただきたいとも思います。海外から日本に関心が向くような楽曲制作をしていきたい。映画も同じですね。日本映画に出ることで、海外から注目される。そんな作品作りをしていきたいです。
(取材・文:阿部桜子 写真:小川遼)
Sexy Zoneの中島健人が、俳優として新たなフェーズに差し掛かっている。20日公開の映画『おまえの罪を自白しろ』では、政治家一族・宇田家の次男で、内閣府副大臣の父・宇田清治郎(堤真一)のやり方に疑問を持ちながらも、やむなく父の議員秘書を務める宇田晄司役で、サスペンス映画初主演に。そんな中島に今回クランクイン!はインタビューを実施。話を聞くと、アイドルとしても、役者としても、常に“完璧”という形容詞をまとってきた中島の“完璧”に達するまでの努力が浮かび上がってきた。
■晄司は“冷徹な色気”がある男
ーー『心が叫びたがってるんだ。』『未成年だけどコドモじゃない』『ニセコイ』など、これまでコメディーやラブストーリーを題材としてきた映画出演が多かった中島さんですが、昨年の『ラーゲリより愛を込めて』や本作を見ると、“俳優・中島健人”として新たなフェーズに差し掛かっているように感じます。
中島:本作のお話をいただいたのが、テレビドラマ『彼女はキレイだった』(カンテレ・フジテレビ系)が終わったくらいの時期で、同作もラブストーリーだったので、「こういう役をいただけるのか」と自分でもネクストフェーズへ突入した感覚がありました。自分自身を表現する環境を変えてみるのはすごくいいことだと思いますし、そんな場所を与えてくださった本作の制作陣の方には感謝の気持ちでいっぱいです。新たな僕を見ていただけると思います。
ーー晄司は中島さんの新境地となるキャラクターのように思います。これまでの経験とのギャップはありましたか?
中島:過去に出演させていただいたラブストーリーでも、全部かっこよかったり、セクシーだったりする役かと言ったらそうではなくて、“できない男のラブストーリー”や“めっちゃかっこいいやつのラブストーリー”など多岐にわたってきました。今回「中島さんはセクシーを封印しましたね」って言われることも多いんですけど、僕自身これまでの役も、セクシーに振り切って演じてきた気持ちはないんです。
今回の晄司は、かっこいい言葉でいうと“冷徹な色気”がある男だと思っています。自分の家族を守るために、うそを貫き通す。うそも方便と言いますか、その使い方がうまい人なんじゃないかなと。実は最初は全然そういう雰囲気のキャラクターではなかったんです。最初に脚本を読んだ時に、晄司以外のキャラクターがあまりにも強くて、晄司が平たく見えるように感じたので、水田伸生監督とどういう風に見せていくかディスカッションし、自分で演じていく上で、そういう魅力を持った人間だなと解釈していきました。
社会派で無骨な映画に、こんなアイデンティティーを持つ僕が出演するからこそ、広がりが生まれる気がするので、本作はたくさんの方にフィットするんじゃないかと思います。自分の映画人生の中で、社会派映画に呼んでいただけたことは本当に感謝していて、水田監督にすごく恩返しがしたいです。
ーー“冷徹な色気”は腑に落ちる表現です。晄司を作り上げる中での、具体的な役作りのアプローチを教えてください。
■「怖い振り付け師さんがいて…」晄司と重なる自身の経験
中島:衆議院予算委員会を傍聴し、岸田文雄首相や衆議院の方々の姿を実際に拝見しました。議員秘書の方にお会いするために議員会館にもお邪魔したのですが、秘書の方の机には、ものすごい量の書類があって、日々これくらいの問題量に追われ、1つずつさばいているのかと驚きました。量もそうなのですが、これだけの膨大な責任があるというのを体感できたのが一番大きな経験だったと思います。行くと行かないのとでは全然違っていて、国会議事堂に足を運んでいなかったら、また芝居への気持ちも変わっていただろうなと思います。
でも僕はスーツで行ったんですけど、マネージャーさんがだいぶカジュアルな服装で来たんですよ(笑)。「やっぱスーツで来ると思ったよ」って言われたんですけど、そりゃスーツ着るでしょ!
ーーそんなハプニングが(笑)。晄司は劇中であまりバックボーンが描かれていないキャラクターでした。中島さんなりの解釈を反映させた部分はありましたか?
中島:これは映画に携わってきた中ですごく思っていることなんですけど、自分の中だけの解釈を強くしてしまうと、他のキャストさんたちとのバランスが合わなくなることが意外とあるんですよね。晄司に関してはバックボーンの想像はしたんですけど、作り上げていくというよりは、ナチュラルに演じることができたと思っています。
晄司の気持ちってすごくわかるんです。彼っていつも鬱屈としていて、いつもそういう気持ちを抱えている若者って多いと思うんです。ぶっちゃけ言うと、僕も持っています。でもそういう人は、いろんなことに対して鬱屈とした気持ちがあるからこそ、爆発した瞬間に、ものすごいエネルギーを持っている。僕もそうだから、晄司の気持ちを理解したまま、1番の理解者として僕は彼を演じられたかなって思います。
ーーご自身とも重なる点があったのですか?
中島:そうですね。ジュニアの時に本当に怖い振り付け師さんがいて、僕、正直すごく苦手だったんですよ。もうめちゃくちゃ注意されたし、強い言葉で言ってくる方なんですけど、ある年齢を境にその人とあまり仕事をしなくなっていくんですね。徐々に巣立っていって。でも結局それから何年か経つと、その振り付け師さんの振り付けを欲する自分がいて…。「言われたい」「あのリズムを感じたい!」って。その関係性は、晄司と父・清治郎(堤真一)の間柄に重なる部分を感じています。
その振り付け師さんは、全然電話に出てくれないし、メールも返してくれないんですけど、会ったら普通に話しかけてくれるんですよ(笑)。「なんで!? 電話出てくれないのに!?」って(笑)。昔は敵対視していたんですけど、一度離れてみると、「健人にはこれが合う」って僕が進むべき道を開いてくれたんだって気付くことができました。やり方は強引であれど、清治郎も晄司に対してそういう態度を取っていたんじゃないかなと思います。
ーーなるほど。実際の撮影では、堤さんから影響を受けたことはありましたか?
中島:この映画のポスターの堤さんってめちゃくちゃ怖いけど、実際はおもしろおじさんなんです(笑)。映画に緊張感がなくなってしまいそうで言いたくないんですけど、本当に面白い人。ギャップがすごくて、現場で堤さんと山崎一さんは四六時中舞台の話をしているんですけど、その交流の仕方は高校の朝の教室みたいで(笑)。二人の空気感が温かいんですよね。
堤さんは僕にプライベートの話から、どんな人生を歩んできたのかまで、ざっくばらんに話してくれました。「俺はテレビはあんま興味なかったんだ。でもドラマに出始めて、劇場に人が集まって、映画界からオファーが来て…。でも全然順風満帆じゃねえよ」って。
ーーちょっとモノマネ入ってません?(笑)
中島:自信あるんです。本気出したら結構似てると思っていて(笑)。堤さんって苦労人だから、本当にいろんな経験を話してくださって、だからこそ怖いみたいなことはなかったですね。それでも芝居になると圧がすごいんですよ。関西の方だからか「キレさせたらやばい」みたいなオーラが出ていて。でも堤さん、ボケてくださるから、ツッコまざるを得ないし、ツッコんで欲しそうな感じを出してるんですよね。「それ違うでしょ」ってツッコむと「まあな(笑)」ってうれしそうで。こんな風にカジュアルなコミュニケーションができたから、伸び伸びと撮影ができました。
ーー堤さんから芝居のアドバイスなどをもらったりしましたか?
中島:堤さんって、「こうしろ」というタイプではないんです。「俺を見て学べ」なんて風には思っていないと思うんですけど、見ているだけで学べるところがいっぱいありました。空気感や雰囲気の醸し出し方というんでしょうか。言葉でそういうやり取りはしたことないですね。演技のディスカッションをしたのは、池田エライザさんと中島歩さんくらいです。
そういえば「馬刺しがうまいんだぁ。今度健人にやるよ」って堤さんに言われたんですけど、まだいただいてないな…。連絡先も交換してるんですけど、やっぱり緊張するじゃないですか。最近は織田裕二さん(ドラマ『シッコウ!!~犬と私と執行官~』(テレビ朝日系)で共演)に連絡できるようになりました。レインボーブリッジの写真撮って、「どうします?」って(笑)。なので堤さんにも馬刺しの写真を送ってみようかな。
ーー面白すぎます(笑)。ところで、本作のクランクインは昨年の7月と聞いたんですけど、その時期はSexy Zoneがライブツアー中でしたよね。役作りや撮影で過密スケジュールだったんじゃないかと想像するのですが、どうやって切り替えていたんでしょうか?
■櫻井翔の言葉で得た“気付き”
中島:確かに。どうやっていたんでしょう…。そういえば櫻井翔くんがツアーを見に来てくれたときに、「ケンティ、一皮むけたね」って言ってくれました。だから多分、この役の影響がツアーにも出ていたんじゃないかな。映画では晄司としての存在感を出さなきゃいけなかったので、内から出るものがライブにもあふれていたんじゃないかと思います。
ーーアーティストと俳優の仕事が相互作用していたんですね。いろんな面で成長し続け、夢をかなえていく中島さんですが、20代も終盤に差し掛かっています。中島さんが今抱く夢を最後に教えてください。
中島:もっといろんな日本映画に出演したいと思っています。吉永小百合さんともご一緒できたらうれしいですね。いろんなレジェンドを知って、いろんなレジェンドから見る自分を知ることで、今の自分の現在地がわかるんじゃないのかなと。
あとアーティストとしては、楽曲制作をしていきたいです。自分が作った音楽を今度はたくさん出していくっていうフェーズになってくのかな…。インスタグラムにもすでに何曲かアップしてるんですけど、今後もトラックメイクして、それが何かのタイアップになればいいなと思いますし、日本のみならず、海外の方にも聞いていただきたいとも思います。海外から日本に関心が向くような楽曲制作をしていきたい。映画も同じですね。日本映画に出ることで、海外から注目される。そんな作品作りをしていきたいです。
(取材・文:阿部桜子 写真:小川遼)
真知足者!
…器量大肚皮…如来己是佛…啼哭人间来…微笑寻家归……
本当に満足者だ!
…器が大きい腹の皮…あなたが仏陀なら…泣いて世の中に来て…笑顔で家を見つける...
A contented person!
... magnanimous and bellied... The Tathagata is already a Buddha... Crying from the mortal world... Smiling and seeking home……
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