信地藏菩萨、听到他的名字，我们会得到什么好处？（梦参老和尚）
地藏菩萨威神誓愿不可思议
梦参老和尚
文殊师利菩萨说完地藏王菩萨的功德，就说他的效果。下面一段就说地藏王菩萨，你要是信他、听到他的名字，我们会得到什么好处？
【若未来世。有善男子。善女人。闻是菩萨名字。或赞叹。或瞻礼。或称名。或供养。乃至彩画刻镂塑漆形像。是人当得百返生于三十三天。永不堕恶道。】
三十三天就是忉利天，他当有一百次生到忉利天，永不堕三途。仅仅是闻到名字，赞叹、瞻礼、称名、供养，或者是请尊纸像也可以，请尊木头雕的也可以，请尊泥巴做的也可以，或者你自己拿泥巴捏一个也可以。
《圣德录》中间有一段故事：有一个人在路上捡到一个坏的手杖，这个手杖头雕的是一尊地藏像，他感觉把菩萨像丢到地下太不尊敬了，就把这尊像拿回去供在那儿。但是这尊地藏像已经烧得很黑了，很不好看，很不庄严。后来这个人病死了，到了阎王爷那儿去了，阎王爷要治他的罪，地藏王菩萨就来了，不过不是殊胜、威德庄严的，而是黑漆漆跟他那个木棍上的像一样。这个比丘就跟阎王爷说：“这个人是我的护法，是供养我的，因为他供养我的关系，你把他放回去吧！”
阎王爷见到地藏菩萨来了就站起来，这个人在那儿看着，莫名奇妙地，他不认识——“哪儿来这么样一个比丘？”等他回到阳间来，忽然间看到他供的手杖上头的像：“原来就是这一尊像！”只是供这尊像也是有作用的，所以只要我们心诚、恭敬，纸像也好、木雕也好，你念《地藏经》把他摆到头前，功德效果也是一样的，就能够不堕恶道，就能够出离苦难了。
在《三宝感应录》的要略里面也有这么一段记载：唐朝的时代，益州的法聚寺有幅地藏王菩萨像，这尊像是坐一个床上，高约八、九寸，这尊像经常放光明。在唐朝麟德二年的时代，地藏王菩萨像放光的情况传到长安，在这一年的八月份，皇帝下命令，照这尊像再画一幅供到宫廷里面。这样一来，长安城所有信佛的人大家都画、都供养，无论画多少次，无论谁供养，一律放光。
为什么地藏王菩萨有这么大的威力、有这么大的感应？就是我们前面所说的，地藏王菩萨成就他累生的誓愿以来，时间太久了，功力太深厚了，誓愿太大了！我们大家都知道“地狱不空，誓不成佛”，有的人就认为说地藏王菩萨永远成不了佛，因为地狱永远不空。我说地藏王菩萨早成佛了，地狱没有的——真有地狱吗？
不错，有六道、有轮回，在般若义上看，一切诸法是缘起性空的，是众生的执著，但是你做的业，业果不亡，确实不虚的。如果像凡尘这么执著，佛到了那个果位，像是人间的名利，说这个佛名望高、地位高，成了佛就究竟了。这是凡尘的思想，佛得报我们的恩啊！他的成佛是我们帮助他的，如果他不度众生、不行六度万行、不利益众生能成佛吗？每个佛、菩萨要是不利益众生不能成佛。大家看看《普贤行愿品》的第九大愿“恒顺众生”，经文是怎么说的？我们经常地要报众生恩，就是这个含义，不要执著。
但是现在讲的不是理，你心里的观想也特别重要的，不要一讲《地藏经》，地狱的名词说多了，就想“这里有我们一份吧”？这里没有我们的份！我从来没想到我会下地狱，干什么想下地狱？天堂都不愿意去了，还要下地狱吗？经常想着极乐世界、净佛国土——说“想行吗”？想就是行了，十法界都是想的！不过想的方法不一样，要修观，要行持。
《金刚经》上讲：“如梦幻泡影，如露亦如电。”但是现在我们的业果没空，我们莫造业，造业要下地狱。其实你造的业也是幻化的，下到地狱也是幻化的，现在你的肉体就是幻化的，这是深一层的含义。地藏王菩萨的境界就是这样子，我们讲《占察善恶业报经》，“一实境界，二种观行”怎么解释？应该对照着来解释，不要从现象上看，要以真如实际的理体来看。
所以这些“威神誓愿不可思议”，地藏王菩萨是以圆满究竟证得了“一实境界，二种观行”。他度众生要是经常像我们这样着众生相，有情又有爱，那就不是地藏王菩萨了。还有，“地”是心地，“藏”是含藏无漏性功德，人人都是地藏，人人都是佛，以这种心情来读《地藏经》，就没有恐怖、没有颠倒梦想了。
现在我们道友们有很多人读《地藏经》，近半年来的感应很多，也有很多的事实，但是这只是小感，不是大感——那就是加持我们利益众生。怎么样利益呢？把地藏王菩萨功德向每一个人赞叹宣说，这就是报答地藏王菩萨，使地藏王菩萨更加持我们，也使一切人都知道、闻到地藏王菩萨名号，减少罪业。
前面讲闻到地藏王菩萨的名号都不会堕恶道了，那我们就都让一切人闻到地藏王菩萨的名号，使人人都不堕恶道。不是你把这些人都感化，而是你能有这么一个心，发了这么一个愿。地藏王菩萨最初也是从发愿来的，当他没有成就这种威神誓力的时候，不也是从发愿来的吗？我们现在效法地藏王菩萨，也可以这样发愿，也能得到这种利益、神力。
——节选自梦参老和尚《地藏菩萨本愿经》讲记
#梦参老和尚开示#
地藏菩萨威神誓愿不可思议
梦参老和尚
文殊师利菩萨说完地藏王菩萨的功德，就说他的效果。下面一段就说地藏王菩萨，你要是信他、听到他的名字，我们会得到什么好处？
【若未来世。有善男子。善女人。闻是菩萨名字。或赞叹。或瞻礼。或称名。或供养。乃至彩画刻镂塑漆形像。是人当得百返生于三十三天。永不堕恶道。】
三十三天就是忉利天，他当有一百次生到忉利天，永不堕三途。仅仅是闻到名字，赞叹、瞻礼、称名、供养，或者是请尊纸像也可以，请尊木头雕的也可以，请尊泥巴做的也可以，或者你自己拿泥巴捏一个也可以。
《圣德录》中间有一段故事：有一个人在路上捡到一个坏的手杖，这个手杖头雕的是一尊地藏像，他感觉把菩萨像丢到地下太不尊敬了，就把这尊像拿回去供在那儿。但是这尊地藏像已经烧得很黑了，很不好看，很不庄严。后来这个人病死了，到了阎王爷那儿去了，阎王爷要治他的罪，地藏王菩萨就来了，不过不是殊胜、威德庄严的，而是黑漆漆跟他那个木棍上的像一样。这个比丘就跟阎王爷说：“这个人是我的护法，是供养我的，因为他供养我的关系，你把他放回去吧！”
阎王爷见到地藏菩萨来了就站起来，这个人在那儿看着，莫名奇妙地，他不认识——“哪儿来这么样一个比丘？”等他回到阳间来，忽然间看到他供的手杖上头的像：“原来就是这一尊像！”只是供这尊像也是有作用的，所以只要我们心诚、恭敬，纸像也好、木雕也好，你念《地藏经》把他摆到头前，功德效果也是一样的，就能够不堕恶道，就能够出离苦难了。
在《三宝感应录》的要略里面也有这么一段记载：唐朝的时代，益州的法聚寺有幅地藏王菩萨像，这尊像是坐一个床上，高约八、九寸，这尊像经常放光明。在唐朝麟德二年的时代，地藏王菩萨像放光的情况传到长安，在这一年的八月份，皇帝下命令，照这尊像再画一幅供到宫廷里面。这样一来，长安城所有信佛的人大家都画、都供养，无论画多少次，无论谁供养，一律放光。
为什么地藏王菩萨有这么大的威力、有这么大的感应？就是我们前面所说的，地藏王菩萨成就他累生的誓愿以来，时间太久了，功力太深厚了，誓愿太大了！我们大家都知道“地狱不空，誓不成佛”，有的人就认为说地藏王菩萨永远成不了佛，因为地狱永远不空。我说地藏王菩萨早成佛了，地狱没有的——真有地狱吗？
不错，有六道、有轮回，在般若义上看，一切诸法是缘起性空的，是众生的执著，但是你做的业，业果不亡，确实不虚的。如果像凡尘这么执著，佛到了那个果位，像是人间的名利，说这个佛名望高、地位高，成了佛就究竟了。这是凡尘的思想，佛得报我们的恩啊！他的成佛是我们帮助他的，如果他不度众生、不行六度万行、不利益众生能成佛吗？每个佛、菩萨要是不利益众生不能成佛。大家看看《普贤行愿品》的第九大愿“恒顺众生”，经文是怎么说的？我们经常地要报众生恩，就是这个含义，不要执著。
但是现在讲的不是理，你心里的观想也特别重要的，不要一讲《地藏经》，地狱的名词说多了，就想“这里有我们一份吧”？这里没有我们的份！我从来没想到我会下地狱，干什么想下地狱？天堂都不愿意去了，还要下地狱吗？经常想着极乐世界、净佛国土——说“想行吗”？想就是行了，十法界都是想的！不过想的方法不一样，要修观，要行持。
《金刚经》上讲：“如梦幻泡影，如露亦如电。”但是现在我们的业果没空，我们莫造业，造业要下地狱。其实你造的业也是幻化的，下到地狱也是幻化的，现在你的肉体就是幻化的，这是深一层的含义。地藏王菩萨的境界就是这样子，我们讲《占察善恶业报经》，“一实境界，二种观行”怎么解释？应该对照着来解释，不要从现象上看，要以真如实际的理体来看。
所以这些“威神誓愿不可思议”，地藏王菩萨是以圆满究竟证得了“一实境界，二种观行”。他度众生要是经常像我们这样着众生相，有情又有爱，那就不是地藏王菩萨了。还有，“地”是心地，“藏”是含藏无漏性功德，人人都是地藏，人人都是佛，以这种心情来读《地藏经》，就没有恐怖、没有颠倒梦想了。
现在我们道友们有很多人读《地藏经》，近半年来的感应很多，也有很多的事实，但是这只是小感，不是大感——那就是加持我们利益众生。怎么样利益呢？把地藏王菩萨功德向每一个人赞叹宣说，这就是报答地藏王菩萨，使地藏王菩萨更加持我们，也使一切人都知道、闻到地藏王菩萨名号，减少罪业。
前面讲闻到地藏王菩萨的名号都不会堕恶道了，那我们就都让一切人闻到地藏王菩萨的名号，使人人都不堕恶道。不是你把这些人都感化，而是你能有这么一个心，发了这么一个愿。地藏王菩萨最初也是从发愿来的，当他没有成就这种威神誓力的时候，不也是从发愿来的吗？我们现在效法地藏王菩萨，也可以这样发愿，也能得到这种利益、神力。
——节选自梦参老和尚《地藏菩萨本愿经》讲记
#梦参老和尚开示#
#健康要有文化素養 & 健康要有哲學頭腦#
第1回 老いの遍歴
森 望
福岡国際医療福祉大学医療学部教授、長崎大学名誉教授
老化研究者
若い時から老化研究者だった。長年、老化の基礎研究の道を歩んで、いつのまにか還暦を過ぎ、定年を迎え、そして古希も近い。今は名実ともに立派な老化研究者になった。老化を研究する者でもあり、老化した研究者でもある。
エラーカタストロフからの出発
駆け出しは、まだ老化研究があまり見向きもされない時代だった。大学院に進学してついた教授から最初に言われたことは「誰もがDNAを見ているから、君はRNAをやりなさい」。そこで思いついたのが「蛋白質合成の精度問題」、いわゆるエラーカタストロフ説の検証だった。カギとなるのはメッセンジャーRNA（mRNA）。総武線と中央線を乗り継いで一路西へ、奥多摩の水産試験場にニジマスの精巣をもらいにいった。それからプロタミンのmRNAを精製する。朝5時に品川の食肉加工施設（芝浦と場）に、ブタの肝臓をもらいにいったこともあった。そこから蛋白合成の素材を抽出して、ニジマスのmRNAを鋳型にして試験管内の蛋白質合成系を樹立した。そして老若マウスのリボソームの翻訳精度を比較する。2種類の放射性アミノ酸の入った小さなチューブの中で、"虹鱒と豚と鼠"が一緒になった。そんなごった煮のようなスープの反応から、老若の微妙な違い、老いのからくりを探ろうとしていた。
結果は、老若で精度は変わらない。エラーは増えない。それが学位論文になった。だが、これでは老化を説明できない。老化のエラーカタストロフ説に見切りをつけて、1984年に私は米国へ飛んだ。
『アメリカもおいしい』
同じ年に英国へ飛んだ著名な書誌学者がいる。林望氏である。誰もがご存じであろう。リンボウ先生のことだ。彼を有名にしたのは、かの『イギリスはおいしい』（平凡社）というエッセイ集である。ケンブリッジ大学に留学して、異国暮らしの日々の中で、英国の食文化を伏線に人とのふれあいの中から独特の視点で日英の文化比較を軽妙に紡いでゆく。その中にちりばめられた素描はとても繊細で、古風で上品なスプーンもいいが、英国の家々やら風景には一緒に旅させてもらったような、そんな豊かな余韻を与えてくれる本だった。
私の行った先はロサンゼルスである。ここでは『アメリカもおいしい』という話をしよう。別にマックやバーガーキングやインエンドアウトの食レポをする意図はない。ハンバーガー以外にも、日常でも研究でも、旅でも読書でも、「おいしい」ものはどこにでも転がっている。英国と米国、ケンブリッジとロサンゼルス、文系と理系、これは似て非なるものだが、何か共通する「おいしさ」がある。
こちらはリンボウ（林望）先生ならぬシンボウ（森望）である。ある人からは「辛抱して長寿ですか？」と言われた。至言である。人間、楽してすべてが事足りることはない。人生、そんなに甘くない。耐える力がないと「長寿への道」は完歩できない。それは、ご同輩、みな納得されるだろう。
老いを寿に変える
米国に渡って、遺伝子進化や神経発生の研究を経て、30代半ばで初めて自分の研究室をもった。南カリフォルニア大学のアンドラス老年学研究所で神経老化の研究を始めた。日本の科学雑誌からの依頼に「科学は実業」という一文を寄せた。コンビニ店長のような自転車操業だった。カリフォルニアの陽光の中で狙ったのは「老いを寿に変える」、そんな夢のような研究だった。神経細胞の突起の動きを制御して「老」を「寿」に。その思いは、今も変わらない。
図：老いを寿に変えるを表す図。
老いを寿に変える
老化と寿命を科学する
米国滞在10年を経て、帰国した先は関西学研都市（京阪奈）。ロサンゼルスのロングビーチの港から年末に送り出した段ボール100箱の研究資材を載せた船は、阪神淡路の震災で神戸港が使えず、横浜港に入った。じきにオウム真理教の事件が起こって、個人輸入しようとしていた化学薬品の段ボール6箱は差し押さえとなった。疑われる筋合いはなかったのだが、とにかく5月にようやく研究再開。科学技術庁の外郭団体、JSTのさきがけ研究21「遺伝と変化」領域で、神経遺伝子制御の最先端を走った。2年後には名古屋郊外に新設された国立長寿医療研究センター（NILS、現在のNCGG）に移籍。分子遺伝学研究部を立ち上げた。遺伝子改変マウスを手掛けながら、老化と寿命の制御について遺伝子の視点から攻めた。同時に先のJSTの「脳を守る」戦略研究の代表も兼務し、老化脳攻略へ国内連携を進めた。大府の研究所で7年奮闘して、その後、長崎大学で老化脳研究を続けた。西の地の利を生かして、日韓の老化研究連携を模索し、日本学術振興会のアジア研究教育拠点事業AACLの日本側代表を5年間務めた。長崎での15年を経て、今の福岡の医療系大学へ移籍した。米国、民間、国研（厚労省）、国立大（文科省）、私立大の各所を渡り歩きながら、老いの科学の中で歳をとった。
ただ人として生きる
すると、自分の古巣の学会からも、ある意味、引導を渡される。基礎老化の学会の名誉会員とされて、体よく葬り去られた。多くの職種に「定年」があるように、学会組織にもそれなりの思惑がある。老化の学会であれば老齢（研究）者を大事にしてほしいという思いはあったが、それでもいつかは後進に道を譲る。自分にもついにそんな時が来た。「研究者」から研究の場を奪えば、それはただの「者」、ただの「人」になる。だが、考えてみれば、人は誰しも一人生まれて、ひとり死ぬ。結局は、皆がただの人ではないか。人として生きること、それこそが大事なのだ。こんな声が聞こえてくる。「これでいいのだ!」
老いぬとてなどか我が身を責めきけむ 老いずは今日にあわましものか
（藤原敏行 古今和歌集903）
著者
もりのぞむ氏の写真。
森 望（もり のぞむ）
1953年生まれ。福岡国際医療福祉大学医療学部教授、長崎大学名誉教授。1976年東京大学薬学部卒業、薬学博士。1979年東邦大学薬学部助手、1984年米国COH研究所、1986年カリフォルニア工科大学研究員、1990年米国南カリフォルニア大学（USC）・アンドラス老年学研究所助教授、1996年国立長寿医療研究センター分子遺伝学研究部長、2004年長崎大学医学部第一解剖教授、2019年より現職。『寿命遺伝子』（講談社ブルーバックス）、『老いと健康の文化史（翻訳）』（原書房）、『Aging Mechanisms Ⅱ（編著）』（Springer）など著書多数。
第1回 老いの遍歴
森 望
福岡国際医療福祉大学医療学部教授、長崎大学名誉教授
老化研究者
若い時から老化研究者だった。長年、老化の基礎研究の道を歩んで、いつのまにか還暦を過ぎ、定年を迎え、そして古希も近い。今は名実ともに立派な老化研究者になった。老化を研究する者でもあり、老化した研究者でもある。
エラーカタストロフからの出発
駆け出しは、まだ老化研究があまり見向きもされない時代だった。大学院に進学してついた教授から最初に言われたことは「誰もがDNAを見ているから、君はRNAをやりなさい」。そこで思いついたのが「蛋白質合成の精度問題」、いわゆるエラーカタストロフ説の検証だった。カギとなるのはメッセンジャーRNA（mRNA）。総武線と中央線を乗り継いで一路西へ、奥多摩の水産試験場にニジマスの精巣をもらいにいった。それからプロタミンのmRNAを精製する。朝5時に品川の食肉加工施設（芝浦と場）に、ブタの肝臓をもらいにいったこともあった。そこから蛋白合成の素材を抽出して、ニジマスのmRNAを鋳型にして試験管内の蛋白質合成系を樹立した。そして老若マウスのリボソームの翻訳精度を比較する。2種類の放射性アミノ酸の入った小さなチューブの中で、"虹鱒と豚と鼠"が一緒になった。そんなごった煮のようなスープの反応から、老若の微妙な違い、老いのからくりを探ろうとしていた。
結果は、老若で精度は変わらない。エラーは増えない。それが学位論文になった。だが、これでは老化を説明できない。老化のエラーカタストロフ説に見切りをつけて、1984年に私は米国へ飛んだ。
『アメリカもおいしい』
同じ年に英国へ飛んだ著名な書誌学者がいる。林望氏である。誰もがご存じであろう。リンボウ先生のことだ。彼を有名にしたのは、かの『イギリスはおいしい』（平凡社）というエッセイ集である。ケンブリッジ大学に留学して、異国暮らしの日々の中で、英国の食文化を伏線に人とのふれあいの中から独特の視点で日英の文化比較を軽妙に紡いでゆく。その中にちりばめられた素描はとても繊細で、古風で上品なスプーンもいいが、英国の家々やら風景には一緒に旅させてもらったような、そんな豊かな余韻を与えてくれる本だった。
私の行った先はロサンゼルスである。ここでは『アメリカもおいしい』という話をしよう。別にマックやバーガーキングやインエンドアウトの食レポをする意図はない。ハンバーガー以外にも、日常でも研究でも、旅でも読書でも、「おいしい」ものはどこにでも転がっている。英国と米国、ケンブリッジとロサンゼルス、文系と理系、これは似て非なるものだが、何か共通する「おいしさ」がある。
こちらはリンボウ（林望）先生ならぬシンボウ（森望）である。ある人からは「辛抱して長寿ですか？」と言われた。至言である。人間、楽してすべてが事足りることはない。人生、そんなに甘くない。耐える力がないと「長寿への道」は完歩できない。それは、ご同輩、みな納得されるだろう。
老いを寿に変える
米国に渡って、遺伝子進化や神経発生の研究を経て、30代半ばで初めて自分の研究室をもった。南カリフォルニア大学のアンドラス老年学研究所で神経老化の研究を始めた。日本の科学雑誌からの依頼に「科学は実業」という一文を寄せた。コンビニ店長のような自転車操業だった。カリフォルニアの陽光の中で狙ったのは「老いを寿に変える」、そんな夢のような研究だった。神経細胞の突起の動きを制御して「老」を「寿」に。その思いは、今も変わらない。
図：老いを寿に変えるを表す図。
老いを寿に変える
老化と寿命を科学する
米国滞在10年を経て、帰国した先は関西学研都市（京阪奈）。ロサンゼルスのロングビーチの港から年末に送り出した段ボール100箱の研究資材を載せた船は、阪神淡路の震災で神戸港が使えず、横浜港に入った。じきにオウム真理教の事件が起こって、個人輸入しようとしていた化学薬品の段ボール6箱は差し押さえとなった。疑われる筋合いはなかったのだが、とにかく5月にようやく研究再開。科学技術庁の外郭団体、JSTのさきがけ研究21「遺伝と変化」領域で、神経遺伝子制御の最先端を走った。2年後には名古屋郊外に新設された国立長寿医療研究センター（NILS、現在のNCGG）に移籍。分子遺伝学研究部を立ち上げた。遺伝子改変マウスを手掛けながら、老化と寿命の制御について遺伝子の視点から攻めた。同時に先のJSTの「脳を守る」戦略研究の代表も兼務し、老化脳攻略へ国内連携を進めた。大府の研究所で7年奮闘して、その後、長崎大学で老化脳研究を続けた。西の地の利を生かして、日韓の老化研究連携を模索し、日本学術振興会のアジア研究教育拠点事業AACLの日本側代表を5年間務めた。長崎での15年を経て、今の福岡の医療系大学へ移籍した。米国、民間、国研（厚労省）、国立大（文科省）、私立大の各所を渡り歩きながら、老いの科学の中で歳をとった。
ただ人として生きる
すると、自分の古巣の学会からも、ある意味、引導を渡される。基礎老化の学会の名誉会員とされて、体よく葬り去られた。多くの職種に「定年」があるように、学会組織にもそれなりの思惑がある。老化の学会であれば老齢（研究）者を大事にしてほしいという思いはあったが、それでもいつかは後進に道を譲る。自分にもついにそんな時が来た。「研究者」から研究の場を奪えば、それはただの「者」、ただの「人」になる。だが、考えてみれば、人は誰しも一人生まれて、ひとり死ぬ。結局は、皆がただの人ではないか。人として生きること、それこそが大事なのだ。こんな声が聞こえてくる。「これでいいのだ!」
老いぬとてなどか我が身を責めきけむ 老いずは今日にあわましものか
（藤原敏行 古今和歌集903）
著者
もりのぞむ氏の写真。
森 望（もり のぞむ）
1953年生まれ。福岡国際医療福祉大学医療学部教授、長崎大学名誉教授。1976年東京大学薬学部卒業、薬学博士。1979年東邦大学薬学部助手、1984年米国COH研究所、1986年カリフォルニア工科大学研究員、1990年米国南カリフォルニア大学（USC）・アンドラス老年学研究所助教授、1996年国立長寿医療研究センター分子遺伝学研究部長、2004年長崎大学医学部第一解剖教授、2019年より現職。『寿命遺伝子』（講談社ブルーバックス）、『老いと健康の文化史（翻訳）』（原書房）、『Aging Mechanisms Ⅱ（編著）』（Springer）など著書多数。
有哪些可以摘抄下来的神仙句子？
1.所谓无底深渊，下去，也是前程万里。
——木心《素履之往》
2.世态人情，比明月清风更饶有滋味，可作书读，可当戏看。
——杨绛《将饮茶》
3.世间草木皆美，人不是。中药很苦，你也是。
——冯唐《中药》
4.在世间，本就是各人下雪，各人有各人的隐晦和皎洁。
——刘亮程
5.愿我如星君如月，夜夜流光相皎洁。
——范成大《车遥遥篇》
6.人间是非一梦中。
——荒木经惟
7.像每一滴酒回不了最初的葡萄，我回不了年少。
——简媜
8.一个能够升起月亮的身体，必然驮住了无数次日落。
——余秀华《荒漠》
9.没有不可治愈的伤痛，没有不能结束的沉沦，所有失去的，会以另一种方式归来。
—— 约翰・肖尔斯 《许愿树》
10.但愿你的道路漫长，充满奇迹，充满发现。
——卡瓦菲斯《伊萨卡岛》
11.我愿意舍弃一切，以想念你终此一生。
——朱生豪
12.你要是愿意，我就永远爱你，你要是不愿意，我就永远相思。
——王小波
13.若我会见到你，事隔经年，我如何和你招呼，以眼泪，以沉默。
——拜伦《春逝》
14.一样是明月，一样是隔山灯火，满天的星，只有人不见。
——林徽因
15.我是天空里的一片云，偶尔投影在你的波心。
——徐志摩
1.所谓无底深渊，下去，也是前程万里。
——木心《素履之往》
2.世态人情，比明月清风更饶有滋味，可作书读，可当戏看。
——杨绛《将饮茶》
3.世间草木皆美，人不是。中药很苦，你也是。
——冯唐《中药》
4.在世间，本就是各人下雪，各人有各人的隐晦和皎洁。
——刘亮程
5.愿我如星君如月，夜夜流光相皎洁。
——范成大《车遥遥篇》
6.人间是非一梦中。
——荒木经惟
7.像每一滴酒回不了最初的葡萄，我回不了年少。
——简媜
8.一个能够升起月亮的身体，必然驮住了无数次日落。
——余秀华《荒漠》
9.没有不可治愈的伤痛，没有不能结束的沉沦，所有失去的，会以另一种方式归来。
—— 约翰・肖尔斯 《许愿树》
10.但愿你的道路漫长，充满奇迹，充满发现。
——卡瓦菲斯《伊萨卡岛》
11.我愿意舍弃一切，以想念你终此一生。
——朱生豪
12.你要是愿意，我就永远爱你，你要是不愿意，我就永远相思。
——王小波
13.若我会见到你，事隔经年，我如何和你招呼，以眼泪，以沉默。
——拜伦《春逝》
14.一样是明月，一样是隔山灯火，满天的星，只有人不见。
——林徽因
15.我是天空里的一片云，偶尔投影在你的波心。
——徐志摩
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