鸚鵡
――大震覚え書の一つ――
芥川龍之介
これは御覧の通り覚え書に過ぎない。覚え書を覚え書のまま発表するのは時間の余裕よゆうに乏しい為である。或は又その外にも気持の余裕に乏しい為である。しかし覚え書のまま発表することに多少は意味のない訣わけでもない。大正十二年九月十四日記。
本所ほんじよ横網町よこあみちやうに住める一中節いつちうぶしの師匠ししやう。名は鐘大夫かねだいふ。年は六十三歳。十七歳の孫娘と二人暮らしなり。
家は地震にも潰つぶれざりしかど、忽ち近隣に出火あり。孫娘と共に両国りやうごくに走る。携たづさへしものは鸚鵡あうむの籠かごのみ。鸚鵡の名は五郎ごらう。背は鼠色、腹は桃色。芸は錺屋かざりやの槌つちの音と「ナアル」(成程なるほどの略)といふ言葉とを真似まねるだけなり。
両国りやうごくより人形町にんぎやうちやうへ出いづる間あひだにいつか孫娘と離れ離れになる。心配なれども探してゐる暇ひまなし。往来わうらいの人波。荷物の山。カナリヤの籠を持ちし女を見る。待合まちあひの女将おかみかと思はるる服装。「こちとらに似たものもあると思ひました」といふ。その位の余裕はあるものと見ゆ。
鎧橋よろひばしに出づ。町の片側は火事なり。その側かはに面せるに顔、焼くるかと思ふほど熱かりし由。又何か落つると思へば、電線を被おほへる鉛管えんかんの火熱くわねつの為に熔とけ落つるなり。この辺へんより一層人に押され、度たびたび鸚鵡あうむの籠も潰つぶれずやと思ふ。鸚鵡は始終狂ひまはりて已やまず。
丸まるの内うちに出づれば日比谷ひびやの空に火事の煙の揚あがるを見る。警視庁、帝劇などの焼け居りしならん。やつと楠くすのきの銅像のほとりに至る。芝の上に坐りしかど、孫娘のことが気にかかりてならず。大声に孫娘の名を呼びつつ、避難民の間あひだを探しまはる。日暮にちぼ。遂に松のかげに横はる。隣りは店員数人をつれたる株屋。空は火事の煙の為、どちらを見てもまつ赤かなり。鸚鵡、突然「ナアル」といふ。
翌日も丸の内一帯より日比谷迄まで、孫娘を探しまはる。「人形町なり両国なりへ引つ返さうといふ気は出ませんでした」といふ。午ひるごろより饑渇きかつを覚ゆること切なり。やむを得ず日比谷の池の水を飲む。孫娘は遂に見つからず。夜は又丸の内の芝の上に横はる。鸚鵡の籠を枕べに置きつつ、人に盗ぬすまれはせぬかと思ふ。日比谷の池の家鴨あひるを食くらへる避難民を見たればなり。空にはなほ火事の明あかりを見る。
三日みつかは孫娘を断念し、新宿しんじゆくの甥をひを尋たづねんとす。桜田さくらだより半蔵門はんざうもんに出づるに、新宿も亦また焼けたりと聞き、谷中やなかの檀那寺だんなでらを手頼たよらばやと思ふ。饑渇きかつ愈いよいよ甚だし。「五郎を殺すのは厭いやですが、おちたら食はうと思ひました」といふ。九段上くだんうへへ出づる途中、役所の小使らしきものにやつと玄米げんまい一合余りを貰ひ、生なまのまま噛かみ砕くだきて食す。又つらつら考へれば、鸚鵡の籠を提さげたるまま、檀那寺だんなでらの世話にはなられぬやうなり。即ち鸚鵡に玄米の残りを食はせ、九段上の濠端ほりばたよりこれを放つ。薄暮はくぼ、谷中の檀那寺に至る。和尚をしやう、親切に幾日でもゐろといふ。
五日いつかの朝、僕の家に来きたる。未いまだ孫娘の行ゆく方へを知らずといふ。意気な平生のお師匠ししやうさんとは思はれぬほど憔悴せうすゐし居たり。
附記。新宿の甥の家は焼けざりし由。孫娘は其処そこに避難し居りし由。
――大震覚え書の一つ――
芥川龍之介
これは御覧の通り覚え書に過ぎない。覚え書を覚え書のまま発表するのは時間の余裕よゆうに乏しい為である。或は又その外にも気持の余裕に乏しい為である。しかし覚え書のまま発表することに多少は意味のない訣わけでもない。大正十二年九月十四日記。
本所ほんじよ横網町よこあみちやうに住める一中節いつちうぶしの師匠ししやう。名は鐘大夫かねだいふ。年は六十三歳。十七歳の孫娘と二人暮らしなり。
家は地震にも潰つぶれざりしかど、忽ち近隣に出火あり。孫娘と共に両国りやうごくに走る。携たづさへしものは鸚鵡あうむの籠かごのみ。鸚鵡の名は五郎ごらう。背は鼠色、腹は桃色。芸は錺屋かざりやの槌つちの音と「ナアル」(成程なるほどの略)といふ言葉とを真似まねるだけなり。
両国りやうごくより人形町にんぎやうちやうへ出いづる間あひだにいつか孫娘と離れ離れになる。心配なれども探してゐる暇ひまなし。往来わうらいの人波。荷物の山。カナリヤの籠を持ちし女を見る。待合まちあひの女将おかみかと思はるる服装。「こちとらに似たものもあると思ひました」といふ。その位の余裕はあるものと見ゆ。
鎧橋よろひばしに出づ。町の片側は火事なり。その側かはに面せるに顔、焼くるかと思ふほど熱かりし由。又何か落つると思へば、電線を被おほへる鉛管えんかんの火熱くわねつの為に熔とけ落つるなり。この辺へんより一層人に押され、度たびたび鸚鵡あうむの籠も潰つぶれずやと思ふ。鸚鵡は始終狂ひまはりて已やまず。
丸まるの内うちに出づれば日比谷ひびやの空に火事の煙の揚あがるを見る。警視庁、帝劇などの焼け居りしならん。やつと楠くすのきの銅像のほとりに至る。芝の上に坐りしかど、孫娘のことが気にかかりてならず。大声に孫娘の名を呼びつつ、避難民の間あひだを探しまはる。日暮にちぼ。遂に松のかげに横はる。隣りは店員数人をつれたる株屋。空は火事の煙の為、どちらを見てもまつ赤かなり。鸚鵡、突然「ナアル」といふ。
翌日も丸の内一帯より日比谷迄まで、孫娘を探しまはる。「人形町なり両国なりへ引つ返さうといふ気は出ませんでした」といふ。午ひるごろより饑渇きかつを覚ゆること切なり。やむを得ず日比谷の池の水を飲む。孫娘は遂に見つからず。夜は又丸の内の芝の上に横はる。鸚鵡の籠を枕べに置きつつ、人に盗ぬすまれはせぬかと思ふ。日比谷の池の家鴨あひるを食くらへる避難民を見たればなり。空にはなほ火事の明あかりを見る。
三日みつかは孫娘を断念し、新宿しんじゆくの甥をひを尋たづねんとす。桜田さくらだより半蔵門はんざうもんに出づるに、新宿も亦また焼けたりと聞き、谷中やなかの檀那寺だんなでらを手頼たよらばやと思ふ。饑渇きかつ愈いよいよ甚だし。「五郎を殺すのは厭いやですが、おちたら食はうと思ひました」といふ。九段上くだんうへへ出づる途中、役所の小使らしきものにやつと玄米げんまい一合余りを貰ひ、生なまのまま噛かみ砕くだきて食す。又つらつら考へれば、鸚鵡の籠を提さげたるまま、檀那寺だんなでらの世話にはなられぬやうなり。即ち鸚鵡に玄米の残りを食はせ、九段上の濠端ほりばたよりこれを放つ。薄暮はくぼ、谷中の檀那寺に至る。和尚をしやう、親切に幾日でもゐろといふ。
五日いつかの朝、僕の家に来きたる。未いまだ孫娘の行ゆく方へを知らずといふ。意気な平生のお師匠ししやうさんとは思はれぬほど憔悴せうすゐし居たり。
附記。新宿の甥の家は焼けざりし由。孫娘は其処そこに避難し居りし由。
トロイア戦争
原因
この戦の起因は、『キュプリア』に詳しい。大神ゼウスは、増え過ぎた人口を調節するために、ヘーラーとは別の妻でもある、秩序の女神・テミスと試案を重ね、遂に大戦を起こして人類の大半を死に至らしめる決意を固めた。
オリンポスでは人間の子ペーレウスとティーターン族の娘テティスの婚儀が行われていたが、不和の女神・エリスだけはこの饗宴に招待されず、怒った彼女は、「最も美しい女神へ(καλλίστῃ)」と書かれた、ヘスペリデスの黄金の林檎(不和の林檎)を神々の座へ投げ入れた。この供物をめぐって、殊にヘーラー、アテーナー、アプロディーテーの三女神による激しい対立が起り、ゼウスはこの林檎が誰にふさわしいかをトロイアの王子パリスにゆだねた(パリスの審判)。
三女神はそれぞれが最も美しい装いを凝らしてパリスの前に立ち、なおかつ、ヘーラーは世界を支配する力を、アテーナーはいかなる戦争にも勝利を得る力を、アプロディーテーは最も美しい女を、それぞれ与える約束を行った。パリスはその若さによって富と権力を措いて愛を選び、アプロディーテーの誘いによってスパルタ王メネラーオスの妃ヘレネーを連れ去った。パリスの妹でトロイアの王女カッサンドラーのみはこの事件が国を滅ぼすことになると予言したが、アポローンの呪いによって聞き入れられなかった。
メネラーオスは、兄でミュケーナイの王であるアガメムノーンにその事件を告げ、さらにオデュッセウスとともにトロイアに赴いてヘレネーの引き渡しを求めた。しかし、パリスはこれを断固拒否したため、アガメムノーン、メネラーオス、オデュッセウスはヘレネー奪還とトロイア懲罰の遠征軍を組織した。
この戦争では神々も両派に分かれ、ヘーラー、アテーナー、ポセイドーンがギリシア側に、アポローン、アルテミス、アレース、アプロディーテーがトロイア側に味方した。
戦いの経過
ボイオーティア地方のアウリスに集結したアガメムノーンを総大将とするアカイア軍は、総勢10万、1168隻の大艦隊であった。アカイア人の遠征軍はトロイア近郊の浜に上陸し、アキレウスの活躍もあって、待ち構えたトロイア軍を撃退すると、浜に陣を敷いた。トロイア軍は強固な城壁を持つ市街に籠城し、両軍は海と街の中間に流れるスカマンドロス河を挟んで対峙した。『イーリアス』の物語は、双方に犠牲を出しながら9年が過ぎ、戦争が10年目に差し掛かった時期を起点に始まる。
戦争末期の状況については、『イーリアス』のほか、『アイティオピス』や『アイアース』において語られる。トロイアの勇将ヘクトールとアカイアの英雄アキレウスの没後、戦争は膠着状態に陥った。しかし、アカイア方の知将オデュッセウスは、巨大な木馬を造り、その内部に兵を潜ませるという作戦を考案し(『小イーリアス』では女神アテーナーが考案し)、これを実行に移した。この「トロイアの木馬」の計は、アポローンの神官ラーオコオーンと王女カッサンドラーに見抜かれたが、ラーオコオーンは海蛇に絞め殺され、カッサンドラーの予言は誰も信じることができない定めになっていたので、トロイアはこの策略にかかり、一夜で陥落した。
戦後
アイスキュロスの『アガメムノーン(Agamemnon)』によると、トロイア戦争はアカイア遠征軍の勝利に終わったが、アカイア軍の名だたる指揮官たちも悲劇的な末路をたどった。小アイアースはアテーナーの神殿でカッサンドラーを強姦した事でアテーナーの逆鱗に触れ、船を沈没させられて死亡した。メネラーオスは帰国途中、暴風に悩まされエジプトに漂流し、8年掛かりで帰還。総司令官アガメムノーンは、帰郷後、妻とその愛人によって暗殺された。オデュッセウスは、『オデュッセイア』にあるように、故郷にたどりつくまで10年もの間、諸国を漂流しなければならなかった。
考古学におけるトロイア戦争
ギリシア神話それ自体は歴史書ではなく、あくまで神話である。トロイア戦争については、紀元前1250年頃にトロイアで実際に大規模な戦争があったとする説もあれば、紀元前1700年から紀元前1200年頃にかけて、小アジア一帯が繰り返し侵略をうけた事実から形成されたという説もある。そもそもトロイア戦争自体が全くの架空であるという説もないわけではない。
古代都市イーリオスは長く伝説上のものと思われていたが、19世紀末、ハインリヒ・シュリーマンによりトロイア一帯の遺跡が発掘された。遺跡は9層になっており、シュリーマンは発掘した複数の時代の遺跡のうち、火災の跡のある下から第2層がトロイア戦争時代の遺跡と推測した。後に第2層は紀元前2000年よりも前の地層でトロイア戦争の時代よりもかなり古いものであることが判明した。シュリーマンと共に発掘にあたったヴィルヘルム・デルプフェルトは下から6番めの第6層に破壊や火災のあとがあることから、第6層がトロイア時代のものであると考えた。1930年代にブレゲンによって再調査が行われ、第6層の都市の火災は部分的で破壊に方向性があることから地震の可能性が強いと推測した。そして第7層の都市は火災が都市全体を覆っていることや、破壊の混乱ぶりから人為的なものであると推測する。また、発見された人骨も、胴体と頭部が分離したものが発見されるなど、戦争による人為的な破壊を間接的に証明した。現在では第7層がトロイア戦争のあったと伝えられる時期(紀元前13世紀中期)であると考えられている。
トロイア戦争にまつわる叙事詩の全てが架空のものではないとすれば、その中心はやはりイーリオスの破壊と考えられる。都市が火災に見舞われたことは考古学的に間違いないが、それが侵略によるものかどうかは、可能性としてはかなり高いものの推察の域を出ない。さらに、トロイアの略奪があったとする場合、『イーリアス』に従えばアカイア人による侵略ということになるが、ミュケーナイが宗主権を握っていることや、ここに登場する諸都市がミケーネ文明に栄えた都市であることから、アカイア人が入植する以前のミュケーナイ人による侵攻、あるいはトラーキアやプリギュアの他民族による侵略であったと考えられる。少なくとも、アカイア人であったとする積極的な証拠は存在しない。
特洛伊战争是以争夺世上最漂亮的女人海伦(Helen)为起因,以阿伽门农,墨涅拉俄斯为首的希腊联军进攻以普里阿摩斯为国王的特洛伊城的十年攻城战。根据《世界通史》的论述,特洛伊地处交通要道,商业发达,经济繁荣,人民生活富裕。亚细亚各君主结成联军,推举阿伽门农为统帅。他们对地中海沿岸最富有的地区早就垂涎三尺,一心想占为己有,于是以海伦为借口发动战争,这才是特洛伊战争的真正目的。希腊神话中时常提到特洛伊战争,整个故事是以荷马史诗《伊利亚特》(Iliad)为中心,加上索福克勒斯(Sophocles)的悲剧《埃阿斯》(Ajax)、《菲洛克忒忒斯》(Philoctetes),欧律庇德斯(Euripides)的悲剧《伊菲格涅娅在奥利斯》(Iphigenia at Aulis)、《安特罗玛克》(Andromache)、《赫库芭》(Hecuba),维吉尔(Virgil)的史诗《伊尼特》(Aeneid)、奥维德(Ovid)的长诗《古代名媛》(Heroides)等多部著作而成,故事详细地描述了特洛伊战争的情况。
原因
この戦の起因は、『キュプリア』に詳しい。大神ゼウスは、増え過ぎた人口を調節するために、ヘーラーとは別の妻でもある、秩序の女神・テミスと試案を重ね、遂に大戦を起こして人類の大半を死に至らしめる決意を固めた。
オリンポスでは人間の子ペーレウスとティーターン族の娘テティスの婚儀が行われていたが、不和の女神・エリスだけはこの饗宴に招待されず、怒った彼女は、「最も美しい女神へ(καλλίστῃ)」と書かれた、ヘスペリデスの黄金の林檎(不和の林檎)を神々の座へ投げ入れた。この供物をめぐって、殊にヘーラー、アテーナー、アプロディーテーの三女神による激しい対立が起り、ゼウスはこの林檎が誰にふさわしいかをトロイアの王子パリスにゆだねた(パリスの審判)。
三女神はそれぞれが最も美しい装いを凝らしてパリスの前に立ち、なおかつ、ヘーラーは世界を支配する力を、アテーナーはいかなる戦争にも勝利を得る力を、アプロディーテーは最も美しい女を、それぞれ与える約束を行った。パリスはその若さによって富と権力を措いて愛を選び、アプロディーテーの誘いによってスパルタ王メネラーオスの妃ヘレネーを連れ去った。パリスの妹でトロイアの王女カッサンドラーのみはこの事件が国を滅ぼすことになると予言したが、アポローンの呪いによって聞き入れられなかった。
メネラーオスは、兄でミュケーナイの王であるアガメムノーンにその事件を告げ、さらにオデュッセウスとともにトロイアに赴いてヘレネーの引き渡しを求めた。しかし、パリスはこれを断固拒否したため、アガメムノーン、メネラーオス、オデュッセウスはヘレネー奪還とトロイア懲罰の遠征軍を組織した。
この戦争では神々も両派に分かれ、ヘーラー、アテーナー、ポセイドーンがギリシア側に、アポローン、アルテミス、アレース、アプロディーテーがトロイア側に味方した。
戦いの経過
ボイオーティア地方のアウリスに集結したアガメムノーンを総大将とするアカイア軍は、総勢10万、1168隻の大艦隊であった。アカイア人の遠征軍はトロイア近郊の浜に上陸し、アキレウスの活躍もあって、待ち構えたトロイア軍を撃退すると、浜に陣を敷いた。トロイア軍は強固な城壁を持つ市街に籠城し、両軍は海と街の中間に流れるスカマンドロス河を挟んで対峙した。『イーリアス』の物語は、双方に犠牲を出しながら9年が過ぎ、戦争が10年目に差し掛かった時期を起点に始まる。
戦争末期の状況については、『イーリアス』のほか、『アイティオピス』や『アイアース』において語られる。トロイアの勇将ヘクトールとアカイアの英雄アキレウスの没後、戦争は膠着状態に陥った。しかし、アカイア方の知将オデュッセウスは、巨大な木馬を造り、その内部に兵を潜ませるという作戦を考案し(『小イーリアス』では女神アテーナーが考案し)、これを実行に移した。この「トロイアの木馬」の計は、アポローンの神官ラーオコオーンと王女カッサンドラーに見抜かれたが、ラーオコオーンは海蛇に絞め殺され、カッサンドラーの予言は誰も信じることができない定めになっていたので、トロイアはこの策略にかかり、一夜で陥落した。
戦後
アイスキュロスの『アガメムノーン(Agamemnon)』によると、トロイア戦争はアカイア遠征軍の勝利に終わったが、アカイア軍の名だたる指揮官たちも悲劇的な末路をたどった。小アイアースはアテーナーの神殿でカッサンドラーを強姦した事でアテーナーの逆鱗に触れ、船を沈没させられて死亡した。メネラーオスは帰国途中、暴風に悩まされエジプトに漂流し、8年掛かりで帰還。総司令官アガメムノーンは、帰郷後、妻とその愛人によって暗殺された。オデュッセウスは、『オデュッセイア』にあるように、故郷にたどりつくまで10年もの間、諸国を漂流しなければならなかった。
考古学におけるトロイア戦争
ギリシア神話それ自体は歴史書ではなく、あくまで神話である。トロイア戦争については、紀元前1250年頃にトロイアで実際に大規模な戦争があったとする説もあれば、紀元前1700年から紀元前1200年頃にかけて、小アジア一帯が繰り返し侵略をうけた事実から形成されたという説もある。そもそもトロイア戦争自体が全くの架空であるという説もないわけではない。
古代都市イーリオスは長く伝説上のものと思われていたが、19世紀末、ハインリヒ・シュリーマンによりトロイア一帯の遺跡が発掘された。遺跡は9層になっており、シュリーマンは発掘した複数の時代の遺跡のうち、火災の跡のある下から第2層がトロイア戦争時代の遺跡と推測した。後に第2層は紀元前2000年よりも前の地層でトロイア戦争の時代よりもかなり古いものであることが判明した。シュリーマンと共に発掘にあたったヴィルヘルム・デルプフェルトは下から6番めの第6層に破壊や火災のあとがあることから、第6層がトロイア時代のものであると考えた。1930年代にブレゲンによって再調査が行われ、第6層の都市の火災は部分的で破壊に方向性があることから地震の可能性が強いと推測した。そして第7層の都市は火災が都市全体を覆っていることや、破壊の混乱ぶりから人為的なものであると推測する。また、発見された人骨も、胴体と頭部が分離したものが発見されるなど、戦争による人為的な破壊を間接的に証明した。現在では第7層がトロイア戦争のあったと伝えられる時期(紀元前13世紀中期)であると考えられている。
トロイア戦争にまつわる叙事詩の全てが架空のものではないとすれば、その中心はやはりイーリオスの破壊と考えられる。都市が火災に見舞われたことは考古学的に間違いないが、それが侵略によるものかどうかは、可能性としてはかなり高いものの推察の域を出ない。さらに、トロイアの略奪があったとする場合、『イーリアス』に従えばアカイア人による侵略ということになるが、ミュケーナイが宗主権を握っていることや、ここに登場する諸都市がミケーネ文明に栄えた都市であることから、アカイア人が入植する以前のミュケーナイ人による侵攻、あるいはトラーキアやプリギュアの他民族による侵略であったと考えられる。少なくとも、アカイア人であったとする積極的な証拠は存在しない。
特洛伊战争是以争夺世上最漂亮的女人海伦(Helen)为起因,以阿伽门农,墨涅拉俄斯为首的希腊联军进攻以普里阿摩斯为国王的特洛伊城的十年攻城战。根据《世界通史》的论述,特洛伊地处交通要道,商业发达,经济繁荣,人民生活富裕。亚细亚各君主结成联军,推举阿伽门农为统帅。他们对地中海沿岸最富有的地区早就垂涎三尺,一心想占为己有,于是以海伦为借口发动战争,这才是特洛伊战争的真正目的。希腊神话中时常提到特洛伊战争,整个故事是以荷马史诗《伊利亚特》(Iliad)为中心,加上索福克勒斯(Sophocles)的悲剧《埃阿斯》(Ajax)、《菲洛克忒忒斯》(Philoctetes),欧律庇德斯(Euripides)的悲剧《伊菲格涅娅在奥利斯》(Iphigenia at Aulis)、《安特罗玛克》(Andromache)、《赫库芭》(Hecuba),维吉尔(Virgil)的史诗《伊尼特》(Aeneid)、奥维德(Ovid)的长诗《古代名媛》(Heroides)等多部著作而成,故事详细地描述了特洛伊战争的情况。
二月歌舞伎座昼场
籠釣瓶花街酔醒
这个戏我曾经看过菊爸和吉爷版的,两个版本的八桥都是小菊。
两位国宝级的佐野次郎左衛門多么精彩自不用说,尤其这个角色还是吉爷的代表角色之一。但是这次看的勘九郎版次郎左衛門是最感动我的,而且这次是我第一次觉得真的看懂这个戏了。
首先勘哥特别特别像勘三郎!虽然我没有看过勘三郎的这个戏,但是看着勘哥有时候就会有一种突然分不清眼前到底是勘九郎还是勘三郎的错觉。
以前也有过感受到血缘传承的瞬间,但是从来没有过像这个月看勘哥这么感觉强烈的,就连不是勘三郎饭的我都会觉得很感动很欣慰。真是打心底羡慕中村屋的饭们啊[可怜](影射一下某人的儿子[doge]
序幕吉原仲之町这场里,勘哥跟歌六对话时不卑不亢的态度可以看出来,其实次郎左衛門虽然是乡下人,但并不是完全没见过世面什么都不懂的楞头傻小子。作为一个成功的商人,他第一次来吉原只是因为不懂规矩所以才会显得不适合TPO。一旦经人指点下一场他马上就变为吉原常客,而且花钱大方,口碑也特别好,这个转换非常自然也很有说服力。
而次郎左衛門对八桥一见钟情那一段也很厉害。我特意观察了一下,勘哥就一直盯着八桥看,好几分钟的时间他完全没有眨眼睛!两次看都是这样的。请问这是什么非人类的特技啊?!
作为一个真有在追偶像的宅男,勘哥这个一秒入坑的演技实在是太真实太精彩了。
七之助的八桥简直太美了!美得不真实像是AI合成的一样。而且觉得小七的八桥散发着一种天然的花瓶感,很美但是一看就是头脑简单的那种小姑娘,我觉得这个气质就很适合八桥这个人物。
花道上的回眸一笑也许会有些不够有冲击力,但我是觉得从整体上来看是符合他这个八桥的个性的。
上周是坐靠中间区,昨天坐靠花道区,近看觉得他脸真的好小好好看啊![抱一抱]
立花屋長兵衛的歌六太帅了,一出场就走路带风。有他当老板时藏当老板娘的立花屋一看就是吉原花街的业界标杆优良大手。推特上有人说,敢去歌六时藏的立花屋讹钱的人(指松绿的角色)真是不要命了[允悲]
时藏初役的立花屋老板娘おきつ,我先还以为就打个酱油的角色,意外的出场还挺多。看了一下过去演过这个角色的人还挺重量级的,比如先代芝翫,先代雀右卫门,还有时藏以前唯一一次出过这个戏的时候竟然是梅幸!(那次的次郎左衛門是17代勘三郎,八桥是菊爸,时藏那时候还是梅枝时代才17岁出的是这个月鹤松的角色。没想到他时隔五十多年再参演这个戏,主角都换第三代人了…)
这种大店的老板娘角色太适合时藏了。见人说人话见鬼说鬼话,对像松绿这种无赖说话毫不客气,烟管重重一敲我一激灵,那气势难怪能三言两语就把泼皮无赖打发走。
而对次郎左衛門不单只是对客人的热情,后面郎左衛門被八桥甩了之后,親身になって很积极的要帮他去掛け合い,好有人情味啊。还有很细节的地方就是对新人花魁初菊的至微照顾就很像妈妈一样的充满母性。
而且毕竟是在花街当老板娘,那也是风韵十足的。斜着身子抽烟管的动作我太爱看了,那口烟吐得叫一个爽快啊。还有「廊下とんぼは いけませんよ〜」「花魁に 嫌われますよ〜」这些台词的轻重缓急和语尾都好有色気啊[色]
太喜欢时藏的这个角色了,昨天看完还担心了一下立花屋出人命案不知道会不会有什么影响…(
仁左爷的繁山栄之丞,出场不多帅气十足。
说白了这个角色就是个吃软饭的小白脸,靠着八桥吃香喝辣。八桥给他送衣服,问要不要给八桥回封信,他很拽的说就送件衣服而已不需要特别回信……[挖鼻]
而且其实对于八桥被赎身这件事,栄之丞其实一开始并不觉得有什么不妥。八桥跟了有钱人,只要关系不断就还能继续给他钱花,也未尝不是一件好事。但是他听别人怂恿说八桥要变心,这才坐不住,跑去逼八桥跟次郎左衛門断了关系。
就这种渣男要不是仁左爷来演绝对是要被骂死的啊。就因为是仁左爷,才会让人觉得八桥被PUA还不自觉也不是不能理解(x
话说上周看的时候仁左爷是从花道出场的,昨天看就改成从本舞台出场了[可怜]
松绿的釣鐘権八简直太坏了!万恶之源!这戏坏就坏在他身上,简直不可原谅!松绿本人倒是演得很乐在其中嘛[doge]
愛想尽かす这场戏的紧张感和绝望感看得我好累啊(褒めてる)。
勘哥的次郎左衛門人真的太好了,一开始以为八桥只是不开心,又是哄又是宠的。结果话锋越来越不对头,眼见着次郎左衛門一步步从天堂跌入地狱。先是当着这么多人被八桥说讨厌时的无地自容,再是被说不想被赎身时对八桥的苦苦哀求,最后是八桥承认其实是因为有情夫所以要跟他一刀两断时的绝望。
这就已经看着非常难受了,桥之助演的下男治六要替主打抱不平的时候,勘哥还很有理智地制止他那里,我替勘哥委屈得眼泪都要掉下来了[苦涩]
说实话「籠釣瓶花街酔醒」这个戏我以前根本就get不到,我也是没想到自己有一天会跟次郎左衛門共情到这程度。勘九郎さん恐るべし……
七之助的八桥从始至终都是一个头脑简单的女人,被情人一逼就看不到周围了,一心只想着赶紧跟次郎左衛門了断,向栄之丞证明自己的真心。出于职业道德,八桥对次郎左衛門肯定是有愧疚之心的,但是我感到小七的八桥到后来情绪里应该是急了,想赶紧把眼前这个局面个结束掉,她根本就已经没有脑子再去考虑更多的事情了。
就是这么一个简单的女人,所以最后一场次郎左衛門再次回到立花屋,跟八桥说已经不计前嫌的时候,她那么快就相信并接受了。可悲又可怜的女人,最后倒下的时候的背影好好看啊,小七真是一把好腰![good]
整体来说小七的八桥也许存在感还不够,但我还蛮喜欢的。话说他有些地方セリフ回し学玉三郎还挺像的。
最后一场殺し場,勘哥杀气外露之后的眼神好吓人。冲过去从盒子里拿出刀,转身一个箭步砍向八桥那一连串的动作好连贯啊,两次看这里的处理都好精准,身体能力凄すぎる。
本当に素晴らしい次郎左衛門でした!
籠釣瓶花街酔醒
这个戏我曾经看过菊爸和吉爷版的,两个版本的八桥都是小菊。
两位国宝级的佐野次郎左衛門多么精彩自不用说,尤其这个角色还是吉爷的代表角色之一。但是这次看的勘九郎版次郎左衛門是最感动我的,而且这次是我第一次觉得真的看懂这个戏了。
首先勘哥特别特别像勘三郎!虽然我没有看过勘三郎的这个戏,但是看着勘哥有时候就会有一种突然分不清眼前到底是勘九郎还是勘三郎的错觉。
以前也有过感受到血缘传承的瞬间,但是从来没有过像这个月看勘哥这么感觉强烈的,就连不是勘三郎饭的我都会觉得很感动很欣慰。真是打心底羡慕中村屋的饭们啊[可怜](影射一下某人的儿子[doge]
序幕吉原仲之町这场里,勘哥跟歌六对话时不卑不亢的态度可以看出来,其实次郎左衛門虽然是乡下人,但并不是完全没见过世面什么都不懂的楞头傻小子。作为一个成功的商人,他第一次来吉原只是因为不懂规矩所以才会显得不适合TPO。一旦经人指点下一场他马上就变为吉原常客,而且花钱大方,口碑也特别好,这个转换非常自然也很有说服力。
而次郎左衛門对八桥一见钟情那一段也很厉害。我特意观察了一下,勘哥就一直盯着八桥看,好几分钟的时间他完全没有眨眼睛!两次看都是这样的。请问这是什么非人类的特技啊?!
作为一个真有在追偶像的宅男,勘哥这个一秒入坑的演技实在是太真实太精彩了。
七之助的八桥简直太美了!美得不真实像是AI合成的一样。而且觉得小七的八桥散发着一种天然的花瓶感,很美但是一看就是头脑简单的那种小姑娘,我觉得这个气质就很适合八桥这个人物。
花道上的回眸一笑也许会有些不够有冲击力,但我是觉得从整体上来看是符合他这个八桥的个性的。
上周是坐靠中间区,昨天坐靠花道区,近看觉得他脸真的好小好好看啊![抱一抱]
立花屋長兵衛的歌六太帅了,一出场就走路带风。有他当老板时藏当老板娘的立花屋一看就是吉原花街的业界标杆优良大手。推特上有人说,敢去歌六时藏的立花屋讹钱的人(指松绿的角色)真是不要命了[允悲]
时藏初役的立花屋老板娘おきつ,我先还以为就打个酱油的角色,意外的出场还挺多。看了一下过去演过这个角色的人还挺重量级的,比如先代芝翫,先代雀右卫门,还有时藏以前唯一一次出过这个戏的时候竟然是梅幸!(那次的次郎左衛門是17代勘三郎,八桥是菊爸,时藏那时候还是梅枝时代才17岁出的是这个月鹤松的角色。没想到他时隔五十多年再参演这个戏,主角都换第三代人了…)
这种大店的老板娘角色太适合时藏了。见人说人话见鬼说鬼话,对像松绿这种无赖说话毫不客气,烟管重重一敲我一激灵,那气势难怪能三言两语就把泼皮无赖打发走。
而对次郎左衛門不单只是对客人的热情,后面郎左衛門被八桥甩了之后,親身になって很积极的要帮他去掛け合い,好有人情味啊。还有很细节的地方就是对新人花魁初菊的至微照顾就很像妈妈一样的充满母性。
而且毕竟是在花街当老板娘,那也是风韵十足的。斜着身子抽烟管的动作我太爱看了,那口烟吐得叫一个爽快啊。还有「廊下とんぼは いけませんよ〜」「花魁に 嫌われますよ〜」这些台词的轻重缓急和语尾都好有色気啊[色]
太喜欢时藏的这个角色了,昨天看完还担心了一下立花屋出人命案不知道会不会有什么影响…(
仁左爷的繁山栄之丞,出场不多帅气十足。
说白了这个角色就是个吃软饭的小白脸,靠着八桥吃香喝辣。八桥给他送衣服,问要不要给八桥回封信,他很拽的说就送件衣服而已不需要特别回信……[挖鼻]
而且其实对于八桥被赎身这件事,栄之丞其实一开始并不觉得有什么不妥。八桥跟了有钱人,只要关系不断就还能继续给他钱花,也未尝不是一件好事。但是他听别人怂恿说八桥要变心,这才坐不住,跑去逼八桥跟次郎左衛門断了关系。
就这种渣男要不是仁左爷来演绝对是要被骂死的啊。就因为是仁左爷,才会让人觉得八桥被PUA还不自觉也不是不能理解(x
话说上周看的时候仁左爷是从花道出场的,昨天看就改成从本舞台出场了[可怜]
松绿的釣鐘権八简直太坏了!万恶之源!这戏坏就坏在他身上,简直不可原谅!松绿本人倒是演得很乐在其中嘛[doge]
愛想尽かす这场戏的紧张感和绝望感看得我好累啊(褒めてる)。
勘哥的次郎左衛門人真的太好了,一开始以为八桥只是不开心,又是哄又是宠的。结果话锋越来越不对头,眼见着次郎左衛門一步步从天堂跌入地狱。先是当着这么多人被八桥说讨厌时的无地自容,再是被说不想被赎身时对八桥的苦苦哀求,最后是八桥承认其实是因为有情夫所以要跟他一刀两断时的绝望。
这就已经看着非常难受了,桥之助演的下男治六要替主打抱不平的时候,勘哥还很有理智地制止他那里,我替勘哥委屈得眼泪都要掉下来了[苦涩]
说实话「籠釣瓶花街酔醒」这个戏我以前根本就get不到,我也是没想到自己有一天会跟次郎左衛門共情到这程度。勘九郎さん恐るべし……
七之助的八桥从始至终都是一个头脑简单的女人,被情人一逼就看不到周围了,一心只想着赶紧跟次郎左衛門了断,向栄之丞证明自己的真心。出于职业道德,八桥对次郎左衛門肯定是有愧疚之心的,但是我感到小七的八桥到后来情绪里应该是急了,想赶紧把眼前这个局面个结束掉,她根本就已经没有脑子再去考虑更多的事情了。
就是这么一个简单的女人,所以最后一场次郎左衛門再次回到立花屋,跟八桥说已经不计前嫌的时候,她那么快就相信并接受了。可悲又可怜的女人,最后倒下的时候的背影好好看啊,小七真是一把好腰![good]
整体来说小七的八桥也许存在感还不够,但我还蛮喜欢的。话说他有些地方セリフ回し学玉三郎还挺像的。
最后一场殺し場,勘哥杀气外露之后的眼神好吓人。冲过去从盒子里拿出刀,转身一个箭步砍向八桥那一连串的动作好连贯啊,两次看这里的处理都好精准,身体能力凄すぎる。
本当に素晴らしい次郎左衛門でした!
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