2018年7月6号 采访 存图
女神异闻录5
アニメ「ペルソナ5」福山潤インタビュー
“雨宮蓮”というアイデンティティを得て、アニメではより自分らしく https://t.cn/RdVQtiD
https://t.cn/A6CujbD3
采访的其中一部分
──“ペルソナ”が反逆の心から生まれることにちなんで、福山さんがもし、最近「許さねえ!」と思ったことがあったらお聞きしたいのですが……。
うーん、いっぱいあるけど、それはここじゃ言えないですね(笑)。言える範囲だと……反逆とはまた違うんですけど、僕は基本、悪いことは必ず起こる、という考え方で。
──悪いことは必ず起こる、ですか。
だって、悪いことって、必ず予想していないときに、最悪のタイミングで起こるじゃないですか。それはもう、絶対に起こるものだと諦めて。そうしたら落ち込んだり怒ったりしてもしょうがないし、じゃあこれをどう改善していこうかとか、そうやって動き出すほうがいい。これができたら何かがよくなる、できないことがちょっとできるようになる。そのためのミッションなんだと捉えて。悪いことに対して凹まないって言うんですかね。それをなんとかしようというか。もし、その結果がうまくいかなくても、動いたということで1つ結果が出るかなっていう。
──すごく前向きな考え方だと思います。
無駄な前向きさはありますよね(笑)。仕事でもプライベートでも、いろいろ誤解されたり、もしくは悪く言われたりすることが、人間だから絶対あるじゃないですか。僕の場合は、それが来るとむしろがんばれます。誤解だったら誤解が解けるまで会話するのもありですし、仕事だったらいい仕事をすることで信頼を得られることもあるでしょう。すぐに理解してもらうことが難しいのであれば、いつか理解してもらえるようがんばっていくしかないから、それをモチベーションに切り替える。相手と同じ土俵には立たない……とでも言うんでしょうか、なかなか難しいですけど、自分の中でそういうときの戦い方を決めています。
──ありがとうございます。もう1つ、作品に絡めたところで、「ペルソナ5」では強く歪んだ欲望を持つと、その欲望が具現化してパレスが誕生しますよね。パレスが誕生するほどじゃなくても構わないので、最近何か欲望を持っていることがあったら教えてください。
ああ、欲望は最近に限らずずっとありますね。それはもう、石油が欲しいとか。
──いきなり石油ですか(笑)。
「なんで俺は石油王じゃないんだろう?」とか、「アメリカのロトくじ当たんないかな」とか、そういう小学生レベルのかわいらしい欲望はいっぱいあります。あとは欲望というよりも願望が強いので、やれることとかやりたいことに対して、あれさえ手に入ればこれができるな、とか思ったりすると、それは欲しいなって思いますけど、願ってそれがどうこうなるぐらいだったら、ねえ(笑)。簡単な話ですよ。だからまあ、それを手に入れる、もしくは願望が叶えられるような環境にするために1個1個がんばっていくしかない。そういう意味での欲望はすごくありますね。
──ああ、それはアニメ公式ラジオ番組の「カイトーク!」でもおっしゃっていましたね。
冷蔵庫を持っていないという話をしたら、共演者にドン引きされまして(笑)。冷蔵庫があると、物が増えちゃうんですよ。いろいろ買っちゃうし、休みの日も家から出なくなるし。引っ越しも自由にしたかったので、4、5年前から冷蔵庫を持たない生活に切り替えて、生活に必要ないものはどんどん捨てていっているんです。ご飯は外で食べることにして、家にはその日飲むもの、もしくは次の日に必要なもの。500mlのペットボトルを2本だけ買って帰るとか、その程度なんです。できれば全部捨てられたらいいのにとさえ思っていますね。
。。。省略。。。。。。
──今日は都内の喫茶店をお借りして、「ルブラン」で過ごしているようなイメージのお写真を撮影させていただきました。
実はここ、何度かお邪魔したことのあるお店だったので、撮影場所の名前を聞いてびっくりしました(笑)。住所を調べて「あれ?」ってなって、お店に入ってみて「やっぱり……だよな」っていう(笑)。
──そうだったんですね! だから……というのもあるんでしょうか、すごくお店に馴染んでいらしたような気がします。喫茶店はよく行かれるんですか?
ブラックコーヒーをよく飲むようになって数年が経つんですけど、飲むようになってからはコーヒーを飲みに喫茶店に入ることが増えましたね。味の良し悪しはまだそこまでわからないんですけど、収録中はずっと缶コーヒーや、スタジオの煮詰まったコーヒーばかり飲んでいるので、たまに行くとやっぱり美味しいなって思いますね。
#福山润[超话]#
女神异闻录5
アニメ「ペルソナ5」福山潤インタビュー
“雨宮蓮”というアイデンティティを得て、アニメではより自分らしく https://t.cn/RdVQtiD
https://t.cn/A6CujbD3
采访的其中一部分
──“ペルソナ”が反逆の心から生まれることにちなんで、福山さんがもし、最近「許さねえ!」と思ったことがあったらお聞きしたいのですが……。
うーん、いっぱいあるけど、それはここじゃ言えないですね(笑)。言える範囲だと……反逆とはまた違うんですけど、僕は基本、悪いことは必ず起こる、という考え方で。
──悪いことは必ず起こる、ですか。
だって、悪いことって、必ず予想していないときに、最悪のタイミングで起こるじゃないですか。それはもう、絶対に起こるものだと諦めて。そうしたら落ち込んだり怒ったりしてもしょうがないし、じゃあこれをどう改善していこうかとか、そうやって動き出すほうがいい。これができたら何かがよくなる、できないことがちょっとできるようになる。そのためのミッションなんだと捉えて。悪いことに対して凹まないって言うんですかね。それをなんとかしようというか。もし、その結果がうまくいかなくても、動いたということで1つ結果が出るかなっていう。
──すごく前向きな考え方だと思います。
無駄な前向きさはありますよね(笑)。仕事でもプライベートでも、いろいろ誤解されたり、もしくは悪く言われたりすることが、人間だから絶対あるじゃないですか。僕の場合は、それが来るとむしろがんばれます。誤解だったら誤解が解けるまで会話するのもありですし、仕事だったらいい仕事をすることで信頼を得られることもあるでしょう。すぐに理解してもらうことが難しいのであれば、いつか理解してもらえるようがんばっていくしかないから、それをモチベーションに切り替える。相手と同じ土俵には立たない……とでも言うんでしょうか、なかなか難しいですけど、自分の中でそういうときの戦い方を決めています。
──ありがとうございます。もう1つ、作品に絡めたところで、「ペルソナ5」では強く歪んだ欲望を持つと、その欲望が具現化してパレスが誕生しますよね。パレスが誕生するほどじゃなくても構わないので、最近何か欲望を持っていることがあったら教えてください。
ああ、欲望は最近に限らずずっとありますね。それはもう、石油が欲しいとか。
──いきなり石油ですか(笑)。
「なんで俺は石油王じゃないんだろう?」とか、「アメリカのロトくじ当たんないかな」とか、そういう小学生レベルのかわいらしい欲望はいっぱいあります。あとは欲望というよりも願望が強いので、やれることとかやりたいことに対して、あれさえ手に入ればこれができるな、とか思ったりすると、それは欲しいなって思いますけど、願ってそれがどうこうなるぐらいだったら、ねえ(笑)。簡単な話ですよ。だからまあ、それを手に入れる、もしくは願望が叶えられるような環境にするために1個1個がんばっていくしかない。そういう意味での欲望はすごくありますね。
──ああ、それはアニメ公式ラジオ番組の「カイトーク!」でもおっしゃっていましたね。
冷蔵庫を持っていないという話をしたら、共演者にドン引きされまして(笑)。冷蔵庫があると、物が増えちゃうんですよ。いろいろ買っちゃうし、休みの日も家から出なくなるし。引っ越しも自由にしたかったので、4、5年前から冷蔵庫を持たない生活に切り替えて、生活に必要ないものはどんどん捨てていっているんです。ご飯は外で食べることにして、家にはその日飲むもの、もしくは次の日に必要なもの。500mlのペットボトルを2本だけ買って帰るとか、その程度なんです。できれば全部捨てられたらいいのにとさえ思っていますね。
。。。省略。。。。。。
──今日は都内の喫茶店をお借りして、「ルブラン」で過ごしているようなイメージのお写真を撮影させていただきました。
実はここ、何度かお邪魔したことのあるお店だったので、撮影場所の名前を聞いてびっくりしました(笑)。住所を調べて「あれ?」ってなって、お店に入ってみて「やっぱり……だよな」っていう(笑)。
──そうだったんですね! だから……というのもあるんでしょうか、すごくお店に馴染んでいらしたような気がします。喫茶店はよく行かれるんですか?
ブラックコーヒーをよく飲むようになって数年が経つんですけど、飲むようになってからはコーヒーを飲みに喫茶店に入ることが増えましたね。味の良し悪しはまだそこまでわからないんですけど、収録中はずっと缶コーヒーや、スタジオの煮詰まったコーヒーばかり飲んでいるので、たまに行くとやっぱり美味しいなって思いますね。
#福山润[超话]#
#健康身体 健康地球 健康生活# もっと知りたい葉物野菜
冬もおいしい葉物野菜 もっと知りたい葉物野菜
寒さが厳しい冬に旬を迎える品目が多い葉物野菜。サラダから炒め物、鍋まで、料理に葉物野菜は欠かせません。今回は、6品目の葉物野菜について、その歴史や選ぶ際のポイントなどの基礎知識を紹介します。
監 修 | 藤田智 恵泉女学園大学人間社会学部教授
消費量ナンバーワンの葉物野菜 キャベツ
西ヨーロッパ原産で、ケール、ブロッコリー、カリフラワーなどはみんな同じ原種の植物から生まれた親戚です。紀元前6世紀ごろからケルト人によって栽培が行われ、古代のギリシアやローマでは胃腸の調子を整える薬草として食べられていました。日本に伝わったのは江戸時代ですが、当初は鑑賞用の植物扱いで、そこからハボタンが生まれました。明治時代から食用としての栽培が始まり、戦後になってから洋食文化の広まりとともに本格的に普及しました。
キャベツは春(4月から6月)に収穫する春キャベツ(春玉)、群馬県や長野県の高原地帯や北海道、東北の寒冷地で作られ、夏(7月から10月)に収穫される夏秋キャベツ、冬(11月から3月ごろ)に収穫する冬キャベツ(寒玉)の3つに大きく分類できます。かつては形が扁平で葉の巻きが固く、加熱調理向きの冬キャベツが主流でしたが、つけ合わせやサラダなど生食の需要が増した結果、巻きがゆるやかで葉が柔らかい春キャベツの生産量が増加しています。また両者の中間的な品種も増えています。
キャベツのバリエーション
紫キャベツ
(レッドキャベツ)
赤紫色はアントシアニンという色素によるもの。一般的なキャベツよりも少し小ぶりで、葉は肉厚で固くしっかりと巻いています。サラダやピクルスなどによく用いられます。
芽キャベツ
ベルギー原産の栽培品種で、子持ちキャベツとも呼ばれています。葉の付け根に出てくる脇芽が結球したもので、60センチメートルから80センチメートルほどに伸びた茎に50個から60個ほどがびっしりとつきます。炒め物や煮込み料理に向いています。
縮緬(ちりめん)
キャベツ
フランスのサボイ地方を起源とすることからサボイキャベツと呼ばれ、ヨーロッパではポピュラーな品種です。濃い緑色の縮れた葉は肉厚で硬く、煮込み料理に向いています。
シュークリームはキャベツがモデル
キャベツはフランス語で「chou(シュー)」。フランスを代表するお菓子、シュークリームの正式な呼び方は「シュー・ア・ラ・クレーム(chou à la crème)」で、これは直訳すると「クリームが詰まったキャベツ」という意味になります。形が似ていることからこのネーミングになったといわれています。
冬野菜の代表格 はくさい
中国北東部の原産で、チンゲンサイや山東菜などの仲間です。日本に伝わったのは江戸時代後期で、明治時代から本格的な栽培が開始されました。以来、日本の食文化には欠かせない野菜となっていて、葉物野菜としてはキャベツに次ぐ生産量を誇ります。そして国内供給のほとんどが国内生産でまかなわれています。
はくさいは大きく分けると結球、半結球、非結球の3タイプがありますが、現在日本で流通しているのはほとんどが結球タイプ。ひと玉3キログラムから4キログラムの大型のものが主流ですが、近年は小型のものも流通しています。また結球タイプは葉が頭部までしっかりと重なって結球する円筒形(包被型)と、葉が頭部で重ならず先が尖っている砲弾形(包合型)の2種に分けられます。芯が白い砲弾形は主に漬物用で、一般的に出回っているのは芯が黄色くてカットした際の見た目が美しい円筒形です。はくさいは産地を変えながら通年で出荷されていますが、晩秋から冬にかけて寒さが増すごとに甘味が増しておいしくなります。
東京都発祥の特産野菜 こまつな
江戸時代から栽培されてきた東京都の特産品。昭和中期までは秋冬期のみに栽培され、年末年始に出回るものを「冬菜」や「雪菜」、初春に出回るものを「鶯菜(うぐいすな)」とも呼んでいました。東京発祥の野菜とあって関東地方での生産が盛んです。
こまつなには近縁種が多く、新潟県新潟市女池地区の「女池菜」、新潟県南魚沼市大崎の「大崎菜」、福島県福島市渡利地区の「信夫菜」など、日本全国にさまざまな土着の地方品種があります。またチンゲンサイとかけ合わせるなどの品種改良も盛んで、40種を超える品種があります。通年で出荷されていますが、12月から2月にかけて霜が降りた後のほうがあくが抜けて甘味が増し、葉も厚く柔らかくなっておいしくなります。
名付け親は将軍様?
こまつなの名前の由来は諸説ありますが、そのひとつが江戸幕府8代将軍、徳川吉宗がつけたというもの。1719年、鷹狩りで小松川を訪れた際に、香取神社に立ち寄って昼食をとった吉宗公。そこで食べたすまし汁に入っていた青菜をいたく気に入り、その名前を尋ねましたが、神主の答えは「名前はありません」。ならば、と神社のある地名にちなんで小松菜と命名したところ、将軍命名の青菜ということで全国的な知名度を持つようになったといわれています。
サラダには欠かせません レタス
原産地は地中海沿岸地方から中近東にかけて。紀元前6世紀ごろには栽培が始められていました。日本には平安時代に中国から伝わり「ちしゃ」と呼ばれるようになりました。このちしゃは、今では「掻きぢしゃ」と呼ばれるリーフレタスの仲間でした。結球したいわゆる玉レタスが入ってきたのは明治時代以降で、さらに本格的に普及するようになったのは食の西洋化が進んだ戦後になってから。「レタス」はラテン語で「乳」を意味する語で、ちしゃも「乳草」が転じた語とされています。共に収穫の際に根元を切ると白い液が出てくることからつけられました。
ひと口にレタスといってもさまざまな種類がありますが、大きく分けて結球性のヘッドレタス、リーフレタス、立ちレタス、ステムレタスの4タイプに分類できます。日本で主に流通しているのはヘッドレタスとリーフレタスです。またヘッドレタスのうち、シャキシャキした歯触りのものをクリスプヘッド型と呼びます。玉レタスとも呼び、日本でただ「レタス」という場合はこのタイプを指します。一方、同じ結球性レタスでも葉が柔らかくて巻きがゆるいものをバターヘッド型と呼び、日本ではサラダ菜の名前でも知られています。レタスは産地をリレーしながら通年出回っていますが、主にサラダ向きの野菜とあってとくに夏から秋にかけて多く消費されています。
レタスのバリエーション
立ちレタス
(立ちちしゃ)
結球性ですが、葉はほとんど巻かずに上方は開いています。代表的な品種にシーザーサラダによく使われるロメインレタス(コスレタス)があります。
ステムレタス
(茎レタス、茎ぢしゃ)
主に葉ではなく茎を食べるタイプのレタス。細く裂いて乾燥したものは山クラゲと呼ばれます。
鍋料理の定番野菜 しゅんぎく
名前の通りに菊の仲間で、原産地は地中海沿岸です。欧米では花が咲くまで育てて観賞用にしていますが、東アジア諸国では若い茎葉を食用にしています。日本には室町時代に伝わったと考えられていて、一般的に菊の花が秋に咲くのに対し、春に花が咲くのでこの名前がつきました。また関西などでは「菊菜(きくな)」と呼ばれています。
しゅんぎくは葉の大きさや形によって大葉種、中葉種、小葉種に大別され、葉の切れ込みが深いもののほうが独特の香りやえぐみが強い傾向にあります。日本で主に流通しているのは中葉種で、さらに関東地方を中心に出回っている「株立ち中葉」と、主に関西地方で出回っている「株張り中葉」に分けることができます。
しゅんぎくのバリエーション
株立ち中葉
立ち上がった茎が分岐するタイプ。伸びた茎を摘み取って丈を揃え、まとめた状態で出荷されます。摘み取り後も脇芽が伸びるため繰り返し収穫できます。
株張り中葉
茎が立ち上がらずに株が根元から横に張って伸びるタイプ。根付きのままか、根元から切り取って出荷されます。
サラダにもできる
大葉春菊
九州地方を中心に出回っている大葉種は葉の切れ込みが浅く、葉先が丸いのが特徴。えぐみが少ないためサラダにも利用されます。
緑黄色野菜の王様 ほうれんそう
原種は発見されていませんが、原産地は西アジアのイラン近辺という説が有力です。そこから東西に分かれて伝播したため、大きく分けて東洋種と西洋種の2種類があります。日本には江戸時代の初めごろに東洋種が伝わりました。その後明治時代にアメリカから西洋種も入ってきましたが、あまり普及しませんでした。ただし現在市場に出回っているもののほとんどは東洋種と西洋種の一代雑種で、味のよい東洋種と病気に強い西洋種の長所を残しています。
緑黄色野菜の中でも高い栄養価があり、特にビタミンK、葉酸、鉄分が豊富です。さまざまな品種が地域を変えながら収穫され通年市場に出回っていますが、11月から1月にかけての時期は甘味が増しておいしくなります。
ほうれんそうのバリエーション
東洋種
剣葉といって、葉は肉が薄く深い切れ込みがあり、根元の赤みが濃い。あくが少なくて歯触りがよいので、お浸しになどに向いています。
西洋種
葉は切れ込みがなく丸みを帯びていて、少し厚みがあり、根元の赤みは薄い。あくが強いので炒め物に向いています。
甘くて栄養豊富な
ちぢみほうれんそう
甘くておいしいほうれんそうということで近年人気なのが、冬に出回るちぢみほうれんそう。寒締めほうれんそうとも呼ばれます。厳冬期にあえて冷たい外気にさらすことで糖度を上げたもので、縮れた葉が特徴です。
今週のまとめ
寒い冬に旬を迎える品目が多い葉物野菜は
品種のバリエーションが豊富で地域ごとに特色があるのも魅力。
寒さによって甘味を増した葉物野菜をぜひ食べてみましょう。
冬もおいしい葉物野菜 もっと知りたい葉物野菜
寒さが厳しい冬に旬を迎える品目が多い葉物野菜。サラダから炒め物、鍋まで、料理に葉物野菜は欠かせません。今回は、6品目の葉物野菜について、その歴史や選ぶ際のポイントなどの基礎知識を紹介します。
監 修 | 藤田智 恵泉女学園大学人間社会学部教授
消費量ナンバーワンの葉物野菜 キャベツ
西ヨーロッパ原産で、ケール、ブロッコリー、カリフラワーなどはみんな同じ原種の植物から生まれた親戚です。紀元前6世紀ごろからケルト人によって栽培が行われ、古代のギリシアやローマでは胃腸の調子を整える薬草として食べられていました。日本に伝わったのは江戸時代ですが、当初は鑑賞用の植物扱いで、そこからハボタンが生まれました。明治時代から食用としての栽培が始まり、戦後になってから洋食文化の広まりとともに本格的に普及しました。
キャベツは春(4月から6月)に収穫する春キャベツ(春玉)、群馬県や長野県の高原地帯や北海道、東北の寒冷地で作られ、夏(7月から10月)に収穫される夏秋キャベツ、冬(11月から3月ごろ)に収穫する冬キャベツ(寒玉)の3つに大きく分類できます。かつては形が扁平で葉の巻きが固く、加熱調理向きの冬キャベツが主流でしたが、つけ合わせやサラダなど生食の需要が増した結果、巻きがゆるやかで葉が柔らかい春キャベツの生産量が増加しています。また両者の中間的な品種も増えています。
キャベツのバリエーション
紫キャベツ
(レッドキャベツ)
赤紫色はアントシアニンという色素によるもの。一般的なキャベツよりも少し小ぶりで、葉は肉厚で固くしっかりと巻いています。サラダやピクルスなどによく用いられます。
芽キャベツ
ベルギー原産の栽培品種で、子持ちキャベツとも呼ばれています。葉の付け根に出てくる脇芽が結球したもので、60センチメートルから80センチメートルほどに伸びた茎に50個から60個ほどがびっしりとつきます。炒め物や煮込み料理に向いています。
縮緬(ちりめん)
キャベツ
フランスのサボイ地方を起源とすることからサボイキャベツと呼ばれ、ヨーロッパではポピュラーな品種です。濃い緑色の縮れた葉は肉厚で硬く、煮込み料理に向いています。
シュークリームはキャベツがモデル
キャベツはフランス語で「chou(シュー)」。フランスを代表するお菓子、シュークリームの正式な呼び方は「シュー・ア・ラ・クレーム(chou à la crème)」で、これは直訳すると「クリームが詰まったキャベツ」という意味になります。形が似ていることからこのネーミングになったといわれています。
冬野菜の代表格 はくさい
中国北東部の原産で、チンゲンサイや山東菜などの仲間です。日本に伝わったのは江戸時代後期で、明治時代から本格的な栽培が開始されました。以来、日本の食文化には欠かせない野菜となっていて、葉物野菜としてはキャベツに次ぐ生産量を誇ります。そして国内供給のほとんどが国内生産でまかなわれています。
はくさいは大きく分けると結球、半結球、非結球の3タイプがありますが、現在日本で流通しているのはほとんどが結球タイプ。ひと玉3キログラムから4キログラムの大型のものが主流ですが、近年は小型のものも流通しています。また結球タイプは葉が頭部までしっかりと重なって結球する円筒形(包被型)と、葉が頭部で重ならず先が尖っている砲弾形(包合型)の2種に分けられます。芯が白い砲弾形は主に漬物用で、一般的に出回っているのは芯が黄色くてカットした際の見た目が美しい円筒形です。はくさいは産地を変えながら通年で出荷されていますが、晩秋から冬にかけて寒さが増すごとに甘味が増しておいしくなります。
東京都発祥の特産野菜 こまつな
江戸時代から栽培されてきた東京都の特産品。昭和中期までは秋冬期のみに栽培され、年末年始に出回るものを「冬菜」や「雪菜」、初春に出回るものを「鶯菜(うぐいすな)」とも呼んでいました。東京発祥の野菜とあって関東地方での生産が盛んです。
こまつなには近縁種が多く、新潟県新潟市女池地区の「女池菜」、新潟県南魚沼市大崎の「大崎菜」、福島県福島市渡利地区の「信夫菜」など、日本全国にさまざまな土着の地方品種があります。またチンゲンサイとかけ合わせるなどの品種改良も盛んで、40種を超える品種があります。通年で出荷されていますが、12月から2月にかけて霜が降りた後のほうがあくが抜けて甘味が増し、葉も厚く柔らかくなっておいしくなります。
名付け親は将軍様?
こまつなの名前の由来は諸説ありますが、そのひとつが江戸幕府8代将軍、徳川吉宗がつけたというもの。1719年、鷹狩りで小松川を訪れた際に、香取神社に立ち寄って昼食をとった吉宗公。そこで食べたすまし汁に入っていた青菜をいたく気に入り、その名前を尋ねましたが、神主の答えは「名前はありません」。ならば、と神社のある地名にちなんで小松菜と命名したところ、将軍命名の青菜ということで全国的な知名度を持つようになったといわれています。
サラダには欠かせません レタス
原産地は地中海沿岸地方から中近東にかけて。紀元前6世紀ごろには栽培が始められていました。日本には平安時代に中国から伝わり「ちしゃ」と呼ばれるようになりました。このちしゃは、今では「掻きぢしゃ」と呼ばれるリーフレタスの仲間でした。結球したいわゆる玉レタスが入ってきたのは明治時代以降で、さらに本格的に普及するようになったのは食の西洋化が進んだ戦後になってから。「レタス」はラテン語で「乳」を意味する語で、ちしゃも「乳草」が転じた語とされています。共に収穫の際に根元を切ると白い液が出てくることからつけられました。
ひと口にレタスといってもさまざまな種類がありますが、大きく分けて結球性のヘッドレタス、リーフレタス、立ちレタス、ステムレタスの4タイプに分類できます。日本で主に流通しているのはヘッドレタスとリーフレタスです。またヘッドレタスのうち、シャキシャキした歯触りのものをクリスプヘッド型と呼びます。玉レタスとも呼び、日本でただ「レタス」という場合はこのタイプを指します。一方、同じ結球性レタスでも葉が柔らかくて巻きがゆるいものをバターヘッド型と呼び、日本ではサラダ菜の名前でも知られています。レタスは産地をリレーしながら通年出回っていますが、主にサラダ向きの野菜とあってとくに夏から秋にかけて多く消費されています。
レタスのバリエーション
立ちレタス
(立ちちしゃ)
結球性ですが、葉はほとんど巻かずに上方は開いています。代表的な品種にシーザーサラダによく使われるロメインレタス(コスレタス)があります。
ステムレタス
(茎レタス、茎ぢしゃ)
主に葉ではなく茎を食べるタイプのレタス。細く裂いて乾燥したものは山クラゲと呼ばれます。
鍋料理の定番野菜 しゅんぎく
名前の通りに菊の仲間で、原産地は地中海沿岸です。欧米では花が咲くまで育てて観賞用にしていますが、東アジア諸国では若い茎葉を食用にしています。日本には室町時代に伝わったと考えられていて、一般的に菊の花が秋に咲くのに対し、春に花が咲くのでこの名前がつきました。また関西などでは「菊菜(きくな)」と呼ばれています。
しゅんぎくは葉の大きさや形によって大葉種、中葉種、小葉種に大別され、葉の切れ込みが深いもののほうが独特の香りやえぐみが強い傾向にあります。日本で主に流通しているのは中葉種で、さらに関東地方を中心に出回っている「株立ち中葉」と、主に関西地方で出回っている「株張り中葉」に分けることができます。
しゅんぎくのバリエーション
株立ち中葉
立ち上がった茎が分岐するタイプ。伸びた茎を摘み取って丈を揃え、まとめた状態で出荷されます。摘み取り後も脇芽が伸びるため繰り返し収穫できます。
株張り中葉
茎が立ち上がらずに株が根元から横に張って伸びるタイプ。根付きのままか、根元から切り取って出荷されます。
サラダにもできる
大葉春菊
九州地方を中心に出回っている大葉種は葉の切れ込みが浅く、葉先が丸いのが特徴。えぐみが少ないためサラダにも利用されます。
緑黄色野菜の王様 ほうれんそう
原種は発見されていませんが、原産地は西アジアのイラン近辺という説が有力です。そこから東西に分かれて伝播したため、大きく分けて東洋種と西洋種の2種類があります。日本には江戸時代の初めごろに東洋種が伝わりました。その後明治時代にアメリカから西洋種も入ってきましたが、あまり普及しませんでした。ただし現在市場に出回っているもののほとんどは東洋種と西洋種の一代雑種で、味のよい東洋種と病気に強い西洋種の長所を残しています。
緑黄色野菜の中でも高い栄養価があり、特にビタミンK、葉酸、鉄分が豊富です。さまざまな品種が地域を変えながら収穫され通年市場に出回っていますが、11月から1月にかけての時期は甘味が増しておいしくなります。
ほうれんそうのバリエーション
東洋種
剣葉といって、葉は肉が薄く深い切れ込みがあり、根元の赤みが濃い。あくが少なくて歯触りがよいので、お浸しになどに向いています。
西洋種
葉は切れ込みがなく丸みを帯びていて、少し厚みがあり、根元の赤みは薄い。あくが強いので炒め物に向いています。
甘くて栄養豊富な
ちぢみほうれんそう
甘くておいしいほうれんそうということで近年人気なのが、冬に出回るちぢみほうれんそう。寒締めほうれんそうとも呼ばれます。厳冬期にあえて冷たい外気にさらすことで糖度を上げたもので、縮れた葉が特徴です。
今週のまとめ
寒い冬に旬を迎える品目が多い葉物野菜は
品種のバリエーションが豊富で地域ごとに特色があるのも魅力。
寒さによって甘味を増した葉物野菜をぜひ食べてみましょう。
『三国志演義』(以下「演義」)には、正史『三国志』に確認できない人物が数多く登場する。物語に突如、現れては消える儚(はかな)い存在だが、読み手にかなりのインパクトを残す者もいる。今回は、彼らがなぜ物語のなかに登場するのか。また、どんな役割を果たしてきたのか。主に「物語前半」に登場する人物から探りたい。
その場限りで一発退場する「やられ役」たち
「演義」の架空の人物といえば、その代表格が美女の貂蝉(ちょうせん)や、関羽の側近として活躍する周倉(しゅうそう)だろう。彼らは呂布(りょふ)や関羽(かんう)といったヒーローとの関わりが深く、また複数回にわたって登場するため、実在の人物と信じてしまう人もいるほどの存在だ。貂蝉や周倉には、名前こそ残っていないがモデルになった人物がいたらしいことは正史と「演義」を比較して読むと理解できる。
だが、他の架空人物の多くは「一話退場」の泡沫(うたかた)のような存在である。最も多いのは、関羽や張飛(ちょうひ)などの猛将に討たれるために登場する「引き立て役」だ。たとえば「演義」第1回に黄巾党の将として登場する程遠志(ていえんし)、鄧茂(とうも)の2人。彼らは関羽と張飛に一撃で斬られ、その初陣に花を持たせる役どころである。
第5回の汜水関(しすいかん)の戦いには、猛将の華雄(かゆう)に連合軍の武将3人(鮑忠/ほうちゅう・兪渉/ゆしょう・潘鳳/はんほう)が立て続けに斬られる場面がある。彼ら3人は架空の存在ながら、華雄がいかに強いかを示す役回りで、物語を大いに盛り上げる。しかし、その強い華雄をさらに強い関羽が一撃で討ち取り、底知れぬ武勇を見せつけるのだ。
つづく虎牢関(ころうかん)も似たような展開で、同じく呂布が連合軍の3将(方悦・穆順・武安国)を次々と破る。そこへ張飛たちが出てきて呂布に挑む「三英戦呂布」の名場面につながる。
ちなみに、この3人目の武安国(ぶあんこく)という武将は呂布に片腕を斬られて敗退するも、しばらく持ち応え、しかも運よく逃亡にも成功している。鉄槌(てっつい)という得物を操り、呂布に殺されなかった武安国、一体どんな猛者かと想像が膨らむ。また「関羽千里行」では、劉備のもとへ帰ろうとする関羽の行く手を阻む6人の将が登場するが、彼らもすべて架空の存在だ。長坂坡(ちょうはんは)で、趙雲(ちょううん)に次々と討たれる曹操軍の将、夏侯恩(かこうおん)、晏明(あんめい)といった連中も同様である。
夏侯恩といえば、青釭(せいこう)の剣を曹操に託されているという、いささか特殊な設定を持つ男。そのことから決して弱くはないと思われるが、まったく趙雲の相手にはならず一発退場するのは拍子抜けである。
これまでに挙げた彼らは、みな関羽や趙雲などの強さを際立たせるために出てくる、いわば「やられ役」「ザコ将」。蜀を正義とする「演義」を盛り上げるための役どころとして、つくり出された存在だ。
「助っ人」として登場する架空の人物たち
一方で「助っ人」として登場する架空の人物もいる。「関羽千里行」で関羽を助ける胡華(こか)、胡班(こはん)父子だ。彼らは関羽一行に宿をとらせ、また宿舎への襲撃計画を事前に教えて脱出させる。胡班はのちに関羽に仕え、蜀将として活躍するという後日談もある。
呂布に敗れて逃亡中の劉備を一晩かくまうのが、劉安(りゅうあん)という猟師だ。劉安は肉を煮て劉備一行にふるまうが、翌朝、その肉は彼が害した妻の身体から削りとったものと判明する。顛末を知った劉備は、大変に悲しんで礼を述べ、後で金を贈って労をねぎらう。
吉川英治『三国志』は、この場面に著者自身が異例の注釈を挿入する。「日本人のもつ古来の情愛や道徳ではそのまま理解しにくい、不快をさえ覚える話」と述べたうえで、「いざ鎌倉」の語源となった能の演目『鉢の木』(はちのき)を例に挙げる。佐野源左衛門(げんざえもん)が薪の代わりに秘蔵の鉢植えの木を切って焚き、北条時頼に暖をとらせるというものだ。
吉川は「中古支那の道義観や民情、そういう彼我の相違を読み知ることも、三国志の持つ一つの意義でもある」と注を締めくくる。
今回は主に「演義」前半を参照しているが、少し後になると賄賂に目がくらんで馬超(ばちょう)を亡命に追い込む楊松(ようしょう)のような人物も出てくる。この手の輩は当時いくらでも居ただろうし、なかなかに人間臭い。歴史は書かれていることがすべてではない……そう考えると、彼らもまったくの創作の産物ではないと思えてくる。 三国志は正史をベースに追うと、架空の人物の存在自体が疑問に思えたり、注目する必要もなく思えたりもする。だが吉川がいうように、三国志の広まりや「演義」という物語の成立過程を考えるうえでは欠かせない存在であり、意義があるといえよう。
また毎年話題となる大河ドラマでも、架空の人物がよく登場し、物語の進行に大きな影響を及ぼすことがある。それと同様、彼らこそは史書に名が記されずに去った無数の人々、あるいは群衆の代表者であり、代弁者なのかもしれない。
上永哲矢
その場限りで一発退場する「やられ役」たち
「演義」の架空の人物といえば、その代表格が美女の貂蝉(ちょうせん)や、関羽の側近として活躍する周倉(しゅうそう)だろう。彼らは呂布(りょふ)や関羽(かんう)といったヒーローとの関わりが深く、また複数回にわたって登場するため、実在の人物と信じてしまう人もいるほどの存在だ。貂蝉や周倉には、名前こそ残っていないがモデルになった人物がいたらしいことは正史と「演義」を比較して読むと理解できる。
だが、他の架空人物の多くは「一話退場」の泡沫(うたかた)のような存在である。最も多いのは、関羽や張飛(ちょうひ)などの猛将に討たれるために登場する「引き立て役」だ。たとえば「演義」第1回に黄巾党の将として登場する程遠志(ていえんし)、鄧茂(とうも)の2人。彼らは関羽と張飛に一撃で斬られ、その初陣に花を持たせる役どころである。
第5回の汜水関(しすいかん)の戦いには、猛将の華雄(かゆう)に連合軍の武将3人(鮑忠/ほうちゅう・兪渉/ゆしょう・潘鳳/はんほう)が立て続けに斬られる場面がある。彼ら3人は架空の存在ながら、華雄がいかに強いかを示す役回りで、物語を大いに盛り上げる。しかし、その強い華雄をさらに強い関羽が一撃で討ち取り、底知れぬ武勇を見せつけるのだ。
つづく虎牢関(ころうかん)も似たような展開で、同じく呂布が連合軍の3将(方悦・穆順・武安国)を次々と破る。そこへ張飛たちが出てきて呂布に挑む「三英戦呂布」の名場面につながる。
ちなみに、この3人目の武安国(ぶあんこく)という武将は呂布に片腕を斬られて敗退するも、しばらく持ち応え、しかも運よく逃亡にも成功している。鉄槌(てっつい)という得物を操り、呂布に殺されなかった武安国、一体どんな猛者かと想像が膨らむ。また「関羽千里行」では、劉備のもとへ帰ろうとする関羽の行く手を阻む6人の将が登場するが、彼らもすべて架空の存在だ。長坂坡(ちょうはんは)で、趙雲(ちょううん)に次々と討たれる曹操軍の将、夏侯恩(かこうおん)、晏明(あんめい)といった連中も同様である。
夏侯恩といえば、青釭(せいこう)の剣を曹操に託されているという、いささか特殊な設定を持つ男。そのことから決して弱くはないと思われるが、まったく趙雲の相手にはならず一発退場するのは拍子抜けである。
これまでに挙げた彼らは、みな関羽や趙雲などの強さを際立たせるために出てくる、いわば「やられ役」「ザコ将」。蜀を正義とする「演義」を盛り上げるための役どころとして、つくり出された存在だ。
「助っ人」として登場する架空の人物たち
一方で「助っ人」として登場する架空の人物もいる。「関羽千里行」で関羽を助ける胡華(こか)、胡班(こはん)父子だ。彼らは関羽一行に宿をとらせ、また宿舎への襲撃計画を事前に教えて脱出させる。胡班はのちに関羽に仕え、蜀将として活躍するという後日談もある。
呂布に敗れて逃亡中の劉備を一晩かくまうのが、劉安(りゅうあん)という猟師だ。劉安は肉を煮て劉備一行にふるまうが、翌朝、その肉は彼が害した妻の身体から削りとったものと判明する。顛末を知った劉備は、大変に悲しんで礼を述べ、後で金を贈って労をねぎらう。
吉川英治『三国志』は、この場面に著者自身が異例の注釈を挿入する。「日本人のもつ古来の情愛や道徳ではそのまま理解しにくい、不快をさえ覚える話」と述べたうえで、「いざ鎌倉」の語源となった能の演目『鉢の木』(はちのき)を例に挙げる。佐野源左衛門(げんざえもん)が薪の代わりに秘蔵の鉢植えの木を切って焚き、北条時頼に暖をとらせるというものだ。
吉川は「中古支那の道義観や民情、そういう彼我の相違を読み知ることも、三国志の持つ一つの意義でもある」と注を締めくくる。
今回は主に「演義」前半を参照しているが、少し後になると賄賂に目がくらんで馬超(ばちょう)を亡命に追い込む楊松(ようしょう)のような人物も出てくる。この手の輩は当時いくらでも居ただろうし、なかなかに人間臭い。歴史は書かれていることがすべてではない……そう考えると、彼らもまったくの創作の産物ではないと思えてくる。 三国志は正史をベースに追うと、架空の人物の存在自体が疑問に思えたり、注目する必要もなく思えたりもする。だが吉川がいうように、三国志の広まりや「演義」という物語の成立過程を考えるうえでは欠かせない存在であり、意義があるといえよう。
また毎年話題となる大河ドラマでも、架空の人物がよく登場し、物語の進行に大きな影響を及ぼすことがある。それと同様、彼らこそは史書に名が記されずに去った無数の人々、あるいは群衆の代表者であり、代弁者なのかもしれない。
上永哲矢
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