2024.02.24 大西沙織 ins投稿 時裝展示會相關
原文
この前
『Create Clair』さんのお洋服の展示会に行ってきたよぉおおおおおお!!!!!!!!!
毎度の事ながら……ほんっっとうに可愛くて素敵なお洋服ばっかりでずっとにこにこしてた…!!!!!!
いつも服を買う時って、作ってる人の話とか想いをなかなか直接聞けないじゃない?
だから展示会にお邪魔して、今回のコンセプトとか、何でこーゆーデザインにしたのかとか、こだわりとかとか、作り手のお話を聞きながら洋服の細かいところまでじっくり見させてもらえるのが凄く貴重な体験で大好き…✨
そしていっつもファッション業界の季節感の速さに驚くよwwもー秋冬ものなのよ!!!まだ!春きてないけど!!
でもこれで2024年の秋冬がまた待ち遠しくなるからよし!!!楽しく生きてゆける…!!!!
ちなみに私は
・ホワイトのニット(前後ろ両方着れる。ベストとめちゃくちゃ悩んだけどこっちにしたーーー!!!)
・グレーのワイドパンツ(むちゃくちゃ可愛すぎてむちゃーーーー!!!)
・ブラックのロングのコート(本当に可愛すぎてカーキと迷ったけど、私に似合うのは黒かなーってなって黒にした!近くで見るとクリクレさんのロゴの刺繍が無数にあって可愛すぎてかわぁーーーー!!!!!)
をゲットしたよ!!!!!!!!
この週末(24日土・25日日)で『Create Clair』さんの展示会行けるから興味があるみんなは覗いてみるのもありー!!!
はぁあああああ、幸せ!
みんなはなにしてる時が幸せ?お裾分けしてくれ!!
CreateClair
大西沙織
スカウターピース
編集されてるみたいな大西
外でスカウターピースするの
恥ずかしいんだけど
度胸がいるんだけど
やだやだ
恥ずかしい
リボンネックレス
お供にしてたよ
ヒートテック見えてる
こっちのがよっぽど恥ずかしいわ
--------------------------------------------------------------
譯文
前些天
去了『Create Clair』的服裝展示會了喔!!!!!!!!!
每次都是這樣子……因為真的是充滿着可愛又美麗的衣服,所以讓我一直滿臉笑意…!!!!!!
平常買衣服的時候,關於製作衣服的人的故事或是想法之類的,不是很難直接詢問嗎?
所以就來到了展示會,像是這次的概念,是怎樣設計衣服的,講究的部分之類的,邊聽做衣服的人的故事,邊仔細觀察衣服的細節,對我來說是非常寶貴的經驗,最喜歡了…
還有總是被時尚界的季節感的速度嚇到了ww已經有秋冬的衣服了!!!春天!還沒來到的說!!
但是這樣的話就很好,因為又會讓我期待2024年的秋天和冬天的到來了! ! ! 可以幸福地生活下去...! ! ! !
順帶一提我
・白色的針織毛衣(很難找到一件可以兩面穿的,所以決定了買這件!!!)
・灰色的寬褲(非常可愛真的ーーーー!!!)
・黑色的長身外套(真的太可愛了,也煩惱過要不要選卡其色,但想着黑色會比較適合我吧?所以就決定買黑色了!如果近看的話,會發現有無數個Create Clair的Logo刺繡,太可愛了ーーーー!!!!!)
買到了喔!!!!!!!!
這個週末(24日週六・25週日)『Create Clair』的展示會,感興趣的大家可以去看看!!!
哈啊啊啊啊啊啊, 好幸福!
大家做什麼的時候最幸福呢?分享給我吧!!
CreateClair
大西沙織
掃描剪刀手
像是被編集了似的大西
在外面做掃描剪刀手嗎
很讓人尷尬的說
非常有勇氣的說
討厭啦討厭啦
好丟臉
蝴蝶結項鍊
戴着來了喔
可以看見heattech保暖衣
這個更讓人尷尬啊
(以上為hashtag)
原文
この前
『Create Clair』さんのお洋服の展示会に行ってきたよぉおおおおおお!!!!!!!!!
毎度の事ながら……ほんっっとうに可愛くて素敵なお洋服ばっかりでずっとにこにこしてた…!!!!!!
いつも服を買う時って、作ってる人の話とか想いをなかなか直接聞けないじゃない?
だから展示会にお邪魔して、今回のコンセプトとか、何でこーゆーデザインにしたのかとか、こだわりとかとか、作り手のお話を聞きながら洋服の細かいところまでじっくり見させてもらえるのが凄く貴重な体験で大好き…✨
そしていっつもファッション業界の季節感の速さに驚くよwwもー秋冬ものなのよ!!!まだ!春きてないけど!!
でもこれで2024年の秋冬がまた待ち遠しくなるからよし!!!楽しく生きてゆける…!!!!
ちなみに私は
・ホワイトのニット(前後ろ両方着れる。ベストとめちゃくちゃ悩んだけどこっちにしたーーー!!!)
・グレーのワイドパンツ(むちゃくちゃ可愛すぎてむちゃーーーー!!!)
・ブラックのロングのコート(本当に可愛すぎてカーキと迷ったけど、私に似合うのは黒かなーってなって黒にした!近くで見るとクリクレさんのロゴの刺繍が無数にあって可愛すぎてかわぁーーーー!!!!!)
をゲットしたよ!!!!!!!!
この週末(24日土・25日日)で『Create Clair』さんの展示会行けるから興味があるみんなは覗いてみるのもありー!!!
はぁあああああ、幸せ!
みんなはなにしてる時が幸せ?お裾分けしてくれ!!
CreateClair
大西沙織
スカウターピース
編集されてるみたいな大西
外でスカウターピースするの
恥ずかしいんだけど
度胸がいるんだけど
やだやだ
恥ずかしい
リボンネックレス
お供にしてたよ
ヒートテック見えてる
こっちのがよっぽど恥ずかしいわ
--------------------------------------------------------------
譯文
前些天
去了『Create Clair』的服裝展示會了喔!!!!!!!!!
每次都是這樣子……因為真的是充滿着可愛又美麗的衣服,所以讓我一直滿臉笑意…!!!!!!
平常買衣服的時候,關於製作衣服的人的故事或是想法之類的,不是很難直接詢問嗎?
所以就來到了展示會,像是這次的概念,是怎樣設計衣服的,講究的部分之類的,邊聽做衣服的人的故事,邊仔細觀察衣服的細節,對我來說是非常寶貴的經驗,最喜歡了…
還有總是被時尚界的季節感的速度嚇到了ww已經有秋冬的衣服了!!!春天!還沒來到的說!!
但是這樣的話就很好,因為又會讓我期待2024年的秋天和冬天的到來了! ! ! 可以幸福地生活下去...! ! ! !
順帶一提我
・白色的針織毛衣(很難找到一件可以兩面穿的,所以決定了買這件!!!)
・灰色的寬褲(非常可愛真的ーーーー!!!)
・黑色的長身外套(真的太可愛了,也煩惱過要不要選卡其色,但想着黑色會比較適合我吧?所以就決定買黑色了!如果近看的話,會發現有無數個Create Clair的Logo刺繡,太可愛了ーーーー!!!!!)
買到了喔!!!!!!!!
這個週末(24日週六・25週日)『Create Clair』的展示會,感興趣的大家可以去看看!!!
哈啊啊啊啊啊啊, 好幸福!
大家做什麼的時候最幸福呢?分享給我吧!!
CreateClair
大西沙織
掃描剪刀手
像是被編集了似的大西
在外面做掃描剪刀手嗎
很讓人尷尬的說
非常有勇氣的說
討厭啦討厭啦
好丟臉
蝴蝶結項鍊
戴着來了喔
可以看見heattech保暖衣
這個更讓人尷尬啊
(以上為hashtag)
又仙品了一回……感谢阿碎…………
《その愛は病にいたる ~HARUTO~》
听这碟就跟坐过山车一样,超级棒的!!!!我努力复盘一下
第一轨:
这轨必须作为演技教材,警察找到家门口了这哥们还能面不改色地扯谎。
一口一个你吓到我老婆了,不要让我老婆想起过去的事情!
感觉他是真的爱妻,也是真的扯谎……
好可怕你们坏男人!
第二轨:
坏男人巅峰赛[good]stk总决赛[good]黑车品鉴大赏赛[good]
焉儿坏的男人们齐聚一堂大声密谋,听完背凉凉的但是又让我不厚道地笑了出来,抱歉,真的好这口!
第三轨:
被他雪藏已久的真相还是暴露了,日记里他的念白真是又疯狂又深情……
都让我觉得为什么不是乙女游戏??为什么为什么为什么!!!
这完璧的剧情,这感情线写的不要太好,完全可以作为乙游,而且绝对会是大卖的那种!!!
第四轨:
(HE)
关于过去和他的思绪都娓娓道来,配合bgm真的不要太催泪……
他的父亲名字是“冬“,像是严寒一样冰封的心,却被他母亲给融化。
因此他被赠予了“春”这样带有祝福的名字。
可是最后出于他父亲病态的嫉妒,父亲在杀死母亲后跟着殉情,还是留下他一个人……春的名字,到底有什么意义呢?
他不信任任何人,也不觉得自己会得到宽恕或者爱,就算女主说她原谅他,她爱他,她信任他,他仍然觉得她是在骗他,就像自己的父母一样,终究会离他远去……
但就算这样他也不愿意放开女主,从小带来的创伤和长期压抑着的感情已经让他心理完全失衡,没有女主他就活不下去,我想这已经远远超过占有欲的地步……
这段cv老师演绎的特别棒,又癫狂又偏执,还带点哭腔……
唉,我又要绕回来了!为什么没做成乙游啊!!!!!业界损失啊!!!
-吐个槽,他发现女主知道了真相,然后他直接带着菜刀来了
“菜刀啊,顺手就拿着了,并不是用来伤害你的哦,我怎么忍心伤害你呢^w^”
(一般人会随手拿菜刀吗?!)
过了一会,他就拿着锁链来了,锁链哗啦哗啦的声音特别响,老吓人了
(一般人会随手带锁链吗?!)
这还只是个起手式,最后男女主和解也是写的特别好,还有一段女主“逆推”环节,能逆推这种重力小行星男子,女主真是不简单啊!!
他自己也知道自己的所作所为有多不堪,所以他从来没奢望过得到女主的爱,但好歹进入HE了,当然是用真诚感化病娇啦
最后就可以得到来自他的感谢,不得不说真的有点感动……
精神病……开始逐渐好转了啊!!!!!!!泪目啊!!!!!!!
第五轨(BE):
把姐吓坏了[微笑]
真高手从来不怪大环境就是说他呢
他被女主来了一刀,身上大口子流血呢,还去强O女主
还意思是说:“你现在反抗,我就会死得更快”
“选择权在你手上哦,呵呵呵……呵呵呵↑”
然后他还记得女主的安全期和危险期,到最后都要让女主生下他的孩子,他真的好想要家人啊……
当然最后有人来救他了,他表示很无所谓
“是吗?我觉得我很幸福……这里就是我……最完美的幸福……”(殒)
总之就是高手,是我见过的重力男中绝对能名列前茅的黑洞男,真的很棒的,大家快来品品看啊!!!
《その愛は病にいたる ~HARUTO~》
听这碟就跟坐过山车一样,超级棒的!!!!我努力复盘一下
第一轨:
这轨必须作为演技教材,警察找到家门口了这哥们还能面不改色地扯谎。
一口一个你吓到我老婆了,不要让我老婆想起过去的事情!
感觉他是真的爱妻,也是真的扯谎……
好可怕你们坏男人!
第二轨:
坏男人巅峰赛[good]stk总决赛[good]黑车品鉴大赏赛[good]
焉儿坏的男人们齐聚一堂大声密谋,听完背凉凉的但是又让我不厚道地笑了出来,抱歉,真的好这口!
第三轨:
被他雪藏已久的真相还是暴露了,日记里他的念白真是又疯狂又深情……
都让我觉得为什么不是乙女游戏??为什么为什么为什么!!!
这完璧的剧情,这感情线写的不要太好,完全可以作为乙游,而且绝对会是大卖的那种!!!
第四轨:
(HE)
关于过去和他的思绪都娓娓道来,配合bgm真的不要太催泪……
他的父亲名字是“冬“,像是严寒一样冰封的心,却被他母亲给融化。
因此他被赠予了“春”这样带有祝福的名字。
可是最后出于他父亲病态的嫉妒,父亲在杀死母亲后跟着殉情,还是留下他一个人……春的名字,到底有什么意义呢?
他不信任任何人,也不觉得自己会得到宽恕或者爱,就算女主说她原谅他,她爱他,她信任他,他仍然觉得她是在骗他,就像自己的父母一样,终究会离他远去……
但就算这样他也不愿意放开女主,从小带来的创伤和长期压抑着的感情已经让他心理完全失衡,没有女主他就活不下去,我想这已经远远超过占有欲的地步……
这段cv老师演绎的特别棒,又癫狂又偏执,还带点哭腔……
唉,我又要绕回来了!为什么没做成乙游啊!!!!!业界损失啊!!!
-吐个槽,他发现女主知道了真相,然后他直接带着菜刀来了
“菜刀啊,顺手就拿着了,并不是用来伤害你的哦,我怎么忍心伤害你呢^w^”
(一般人会随手拿菜刀吗?!)
过了一会,他就拿着锁链来了,锁链哗啦哗啦的声音特别响,老吓人了
(一般人会随手带锁链吗?!)
这还只是个起手式,最后男女主和解也是写的特别好,还有一段女主“逆推”环节,能逆推这种重力小行星男子,女主真是不简单啊!!
他自己也知道自己的所作所为有多不堪,所以他从来没奢望过得到女主的爱,但好歹进入HE了,当然是用真诚感化病娇啦
最后就可以得到来自他的感谢,不得不说真的有点感动……
精神病……开始逐渐好转了啊!!!!!!!泪目啊!!!!!!!
第五轨(BE):
把姐吓坏了[微笑]
真高手从来不怪大环境就是说他呢
他被女主来了一刀,身上大口子流血呢,还去强O女主
还意思是说:“你现在反抗,我就会死得更快”
“选择权在你手上哦,呵呵呵……呵呵呵↑”
然后他还记得女主的安全期和危险期,到最后都要让女主生下他的孩子,他真的好想要家人啊……
当然最后有人来救他了,他表示很无所谓
“是吗?我觉得我很幸福……这里就是我……最完美的幸福……”(殒)
总之就是高手,是我见过的重力男中绝对能名列前茅的黑洞男,真的很棒的,大家快来品品看啊!!!
竹青(中)
――新曲聊斎志異――
太宰治
魚容は傷の苦しさに、もはや息も絶える思いで、見えぬ眼をわずかに開いて、
「竹青。」と小声で呼んだ、と思ったら、ふと眼が醒さめて、気がつくと自分は人間の、しかも昔のままの貧書生の姿で呉王廟の廊下に寝ている。斜陽あかあかと目前の楓かえでの林を照らして、そこには数百の烏が無心に唖々と鳴いて遊んでいる。
「気がつきましたか。」と農夫の身なりをした爺じじいが傍に立っていて笑いながら尋ねる。
「あなたは、どなたです。」
「わしはこの辺の百姓だが、きのうの夕方ここを通ったら、お前さんが死んだように深く眠っていて、眠りながら時々微笑んだりして、わしは、ずいぶん大声を挙げてお前さんを呼んでも一向に眼を醒まさない。肩をつかんでゆすぶっても、ぐたりとしている。家へ帰ってからも気になるので、たびたびお前さんの様子を見に来て、眼の醒めるのを待っていたのだ。見れば、顔色もよくないが、どこか病気か。」
「いいえ、病気ではございません。」不思議におなかも今はちっとも空すいていない。「すみませんでした。」とれいのあやまり癖が出て、坐り直して農夫に叮嚀ていねいにお辞儀をして、「お恥かしい話ですが、」と前置きをしてこの廟の廊下に行倒れるにいたった事情を正直に打明け、重ねて、「すみませんでした。」とお詫びを言った。
農夫は憐あわれに思った様子で、懐ふところから財布さいふを取出しいくらかの金を与え、
「人間万事塞翁さいおうの馬。元気を出して、再挙を図はかるさ。人生七十年、いろいろさまざまの事がある。人情は飜覆ほんぷくして洞庭湖の波瀾はらんに似たり。」と洒落しゃれた事を言って立ち去る。
魚容はまだ夢の続きを見ているような気持で、呆然ぼうぜんと立って農夫を見送り、それから振りかえって楓の梢にむらがる烏を見上げ、
「竹青!」と叫んだ。一群の烏が驚いて飛び立ち、ひとしきりやかましく騒いで魚容の頭の上を飛びまわり、それからまっすぐに湖の方へいそいで行って、それっきり、何の変った事も無い。
やっぱり、夢だったかなあ、と魚容は悲しげな顔をして首を振り、一つ大きい溜息ためいきをついて、力無く故土に向けて発足する。
故郷の人たちは、魚容が帰って来ても、格別うれしそうな顔もせず、冷酷の女房は、さっそく伯父の家の庭石の運搬を魚容に命じ、魚容は汗だくになって河原から大いなる岩石をいくつも伯父の庭先まで押したり曳ひいたり担かついだりして運び、「貧して怨えん無きは難し」とつくづく嘆じ、「朝あしたに竹青の声を聞かば夕ゆうべに死するも可なり矣」と何につけても洞庭一日の幸福な生活が燃えるほど劇はげしく懐慕せられるのである。
伯夷叔斉はくいしゅくせいは旧悪を念おもわず、怨うらみ是これを用いて希まれなり。わが魚容君もまた、君子の道に志している高邁こうまいの書生であるから、不人情の親戚をも努めて憎まず、無学の老妻にも逆わず、ひたすら古書に親しみ、閑雅の清趣を養っていたが、それでも、さすがに身辺の者から受ける蔑視べっしには堪えかねる事があって、それから三年目の春、またもや女房をぶん殴って、いまに見ろ、と青雲の志を抱いだいて家出して試験に応じ、やっぱり見事に落第した。よっぽど出来ない人だったと見える。帰途、また思い出の洞庭湖畔、呉王廟に立ち寄って、見るものみな懐しく、悲しみもまた千倍して、おいおい声を放って廟前で泣き、それから懐中のわずかな金を全部はたいて羊肉を買い、それを廟前にばら撒まいて神烏に供して樹上から降りて肉を啄ついばむ群烏を眺めて、この中に竹青もいるのだろうなあ、と思っても、皆一様に真黒で、それこそ雌雄をさえ見わける事が出来ず、
「竹青はどれですか。」と尋ねても振りかえる烏は一羽も無く、みんなただ無心に肉を拾ってたべている。魚容はそれでも諦められず、
「この中に、竹青がいたら一番あとまで残っておいで。」と、千万の思慕の情をこめて言ってみた。そろそろ肉が無くなって、群烏は二羽立ち、五羽立ち、むらむらぱっと大部分飛び立ち、あとには三羽、まだ肉を捜して居残り、魚容はそれを見て胸をとどろかせ手に汗を握ったが、肉がもう全く無いと見てぱっと未練みれんげも無く、その三羽も飛び立つ。魚容は気抜けの余りくらくら眩暈めまいして、それでも尚なお、この場所から立ち去る事が出来ず、廟の廊下に腰をおろして、春霞はるがすみに煙る湖面を眺めてただやたらに溜息をつき、「ええ、二度も続けて落第して、何の面目があっておめおめ故郷に帰られよう。生きて甲斐かいない身の上だ、むかし春秋戦国の世にかの屈原くつげんも衆人皆酔い、我独ひとり醒さめたり、と叫んでこの湖に身を投げて死んだとかいう話を聞いている、乃公おれもこの思い出なつかしい洞庭に身を投げて死ねば、或あるいは竹青がどこかで見ていて涙を流してくれるかも知れない、乃公を本当に愛してくれたのは、あの竹青だけだ、あとは皆、おそろしい我慾の鬼ばかりだった、人間万事塞翁の馬だと三年前にあのお爺じいさんが言ってはげましてくれたけれども、あれは嘘だ、不仕合せに生れついた者は、いつまで経たっても不仕合せのどん底であがいているばかりだ、これすなわち天命を知るという事か、あはは、死のう、竹青が泣いてくれたら、それでよい、他には何も望みは無い」と、古聖賢の道を究きわめた筈の魚容も失意の憂愁に堪えかね、今夜はこの湖で死ぬる覚悟。やがて夜になると、輪郭りんかくの滲にじんだ満月が中空に浮び、洞庭湖はただ白く茫ぼうとして空と水の境が無く、岸の平沙へいさは昼のように明るく柳の枝は湖水の靄もやを含んで重く垂れ、遠くに見える桃畑の万朶ばんだの花は霰あられに似て、微風が時折、天地の溜息の如く通過し、いかにも静かな春の良夜、これがこの世の見おさめと思えば涙も袖そでにあまり、どこからともなく夜猿やえんの悲しそうな鳴声が聞えて来て、愁思まさに絶頂に達した時、背後にはたはたと翼の音がして、
「別来、恙つつが無きや。」
振り向いて見ると、月光を浴びて明眸皓歯めいぼうこうし、二十はたちばかりの麗人がにっこり笑っている。
「どなたです、すみません。」とにかく、あやまった。
「いやよ、」と軽く魚容の肩を打ち、「竹青をお忘れになったの?」
「竹青!」
魚容は仰天して立ち上り、それから少し躊躇ちゅうちょしたが、ええ、ままよ、といきなり美女の細い肩を掻き抱いた。
「離して。いきが、とまるわよ。」と竹青は笑いながら言って巧みに魚容の腕からのがれ、「あたしは、どこへも行かないわよ。もう、一生あなたのお傍に。」
「たのむ! そうしておくれ。お前がいないので、乃公は今夜この湖に身を投げて死んでしまうつもりだった。お前は、いったい、どこにいたのだ。」
「あたしは遠い漢陽に。あなたと別れてからここを立ち退き、いまは漢水の神烏になっているのです。さっき、この呉王廟にいる昔のお友達があなたのお見えになっている事を知らせにいらして下さったので、あたしは、漢陽からいそいで飛んで来たのです。あなたの好きな竹青が、ちゃんとこうして来たのですから、もう、死ぬなんておそろしい事をお考えになっては、いやよ。ちょっと、あなたも痩せたわねえ。」
「痩せる筈さ。二度も続けて落第しちゃったんだ。故郷に帰れば、またどんな目に遭うかわからない。つくづくこの世が、いやになった。」
「あなたは、ご自分の故郷にだけ人生があると思い込んでいらっしゃるから、そんなに苦しくおなりになるのよ。人間到いたるところに青山せいざんがあるとか書生さんたちがよく歌っているじゃありませんか。いちど、あたしと一緒に漢陽の家へいらっしゃい。生きているのも、いい事だと、きっとお思いになりますから。」
「漢陽は、遠いなあ。」いずれが誘うともなく二人ならんで廟びょうの廊下から出て月下の湖畔を逍遥しょうようしながら、「父母在いませば遠く遊ばず、遊ぶに必ず方有り、というからねえ。」魚容は、もっともらしい顔をして、れいの如くその学徳の片鱗へんりんを示した。
「何をおっしゃるの。あなたには、お父さんもお母さんも無いくせに。」
「なんだ、知っているのか。しかし、故郷には父母同様の親戚の者たちが多勢いる。乃公は何とかして、あの人たちに、乃公の立派に出世した姿をいちど見せてやりたい。あの人たちは昔から乃公をまるで阿呆か何かみたいに思っているのだ。そうだ、漢陽へ行くよりは、これからお前と一緒に故郷に帰り、お前のその綺麗きれいな顔をみんなに見せて、おどろかしてやりたい。ね、そうしようよ。乃公は、故郷の親戚の者たちの前で、いちど、思いきり、大いに威張ってみたいのだ。故郷の者たちに尊敬されるという事は、人間の最高の幸福で、また終極の勝利だ。」
「どうしてそんなに故郷の人たちの思惑ばかり気にするのでしょう。むやみに故郷の人たちの尊敬を得たくて努めている人を、郷原きょうげんというんじゃなかったかしら。郷原は徳の賊なりと論語に書いてあったわね。」
魚容は、ぎゃふんとまいって、やぶれかぶれになり、
「よし、行こう。漢陽に行こう。連れて行ってくれ。逝者ゆくものは斯かくの如き夫かな、昼夜を舎すてず。」てれ隠しに、甚はなはだ唐突な詩句を誦しょうして、あははは、と自らを嘲あざけった。
「まいりますか。」竹青はいそいそして、「ああ、うれしい。漢陽の家では、あなたをお迎えしようとして、ちゃんと仕度がしてあります。ちょっと、眼をつぶって。」
魚容は言われるままに眼を軽くつぶると、はたはたと翼の音がして、それから何か自分の肩に薄い衣のようなものがかかったと思うと、すっとからだが軽くなり、眼をひらいたら、すでに二人は雌雄の烏、月光を受けて漆黒しっこくの翼は美しく輝き、ちょんちょん平沙を歩いて、唖々と二羽、声をそろえて叫んで、ぱっと飛び立つ。
月下白光三千里の長江ちょうこう、洋々と東北方に流れて、魚容は酔えるが如く、流れにしたがっておよそ二ときばかり飛翔して、ようよう夜も明けはなれて遥はるか前方に水の都、漢陽の家々の甍いらかが朝靄あさもやの底に静かに沈んで眠っているのが見えて来た。近づくにつれて、晴川せいせん歴々たり漢陽の樹、芳草萋々せいせいたり鸚鵡おうむの洲、対岸には黄鶴楼の聳そびえるあり、長江をへだてて晴川閣と何事か昔を語り合い、帆影点々といそがしげに江上を往来し、更にすすめば大別山だいべつざんの高峰眼下にあり、麓ふもとには水漫々の月湖ひろがり、更に北方には漢水蜿蜒えんえんと天際に流れ、東洋のヴェニス一眸ぼうの中に収り、「わが郷関きょうかん何いずれの処ぞ是これなる、煙波江上、人をして愁えしむ」と魚容は、うっとり呟いた時、竹青は振りかえって、
――新曲聊斎志異――
太宰治
魚容は傷の苦しさに、もはや息も絶える思いで、見えぬ眼をわずかに開いて、
「竹青。」と小声で呼んだ、と思ったら、ふと眼が醒さめて、気がつくと自分は人間の、しかも昔のままの貧書生の姿で呉王廟の廊下に寝ている。斜陽あかあかと目前の楓かえでの林を照らして、そこには数百の烏が無心に唖々と鳴いて遊んでいる。
「気がつきましたか。」と農夫の身なりをした爺じじいが傍に立っていて笑いながら尋ねる。
「あなたは、どなたです。」
「わしはこの辺の百姓だが、きのうの夕方ここを通ったら、お前さんが死んだように深く眠っていて、眠りながら時々微笑んだりして、わしは、ずいぶん大声を挙げてお前さんを呼んでも一向に眼を醒まさない。肩をつかんでゆすぶっても、ぐたりとしている。家へ帰ってからも気になるので、たびたびお前さんの様子を見に来て、眼の醒めるのを待っていたのだ。見れば、顔色もよくないが、どこか病気か。」
「いいえ、病気ではございません。」不思議におなかも今はちっとも空すいていない。「すみませんでした。」とれいのあやまり癖が出て、坐り直して農夫に叮嚀ていねいにお辞儀をして、「お恥かしい話ですが、」と前置きをしてこの廟の廊下に行倒れるにいたった事情を正直に打明け、重ねて、「すみませんでした。」とお詫びを言った。
農夫は憐あわれに思った様子で、懐ふところから財布さいふを取出しいくらかの金を与え、
「人間万事塞翁さいおうの馬。元気を出して、再挙を図はかるさ。人生七十年、いろいろさまざまの事がある。人情は飜覆ほんぷくして洞庭湖の波瀾はらんに似たり。」と洒落しゃれた事を言って立ち去る。
魚容はまだ夢の続きを見ているような気持で、呆然ぼうぜんと立って農夫を見送り、それから振りかえって楓の梢にむらがる烏を見上げ、
「竹青!」と叫んだ。一群の烏が驚いて飛び立ち、ひとしきりやかましく騒いで魚容の頭の上を飛びまわり、それからまっすぐに湖の方へいそいで行って、それっきり、何の変った事も無い。
やっぱり、夢だったかなあ、と魚容は悲しげな顔をして首を振り、一つ大きい溜息ためいきをついて、力無く故土に向けて発足する。
故郷の人たちは、魚容が帰って来ても、格別うれしそうな顔もせず、冷酷の女房は、さっそく伯父の家の庭石の運搬を魚容に命じ、魚容は汗だくになって河原から大いなる岩石をいくつも伯父の庭先まで押したり曳ひいたり担かついだりして運び、「貧して怨えん無きは難し」とつくづく嘆じ、「朝あしたに竹青の声を聞かば夕ゆうべに死するも可なり矣」と何につけても洞庭一日の幸福な生活が燃えるほど劇はげしく懐慕せられるのである。
伯夷叔斉はくいしゅくせいは旧悪を念おもわず、怨うらみ是これを用いて希まれなり。わが魚容君もまた、君子の道に志している高邁こうまいの書生であるから、不人情の親戚をも努めて憎まず、無学の老妻にも逆わず、ひたすら古書に親しみ、閑雅の清趣を養っていたが、それでも、さすがに身辺の者から受ける蔑視べっしには堪えかねる事があって、それから三年目の春、またもや女房をぶん殴って、いまに見ろ、と青雲の志を抱いだいて家出して試験に応じ、やっぱり見事に落第した。よっぽど出来ない人だったと見える。帰途、また思い出の洞庭湖畔、呉王廟に立ち寄って、見るものみな懐しく、悲しみもまた千倍して、おいおい声を放って廟前で泣き、それから懐中のわずかな金を全部はたいて羊肉を買い、それを廟前にばら撒まいて神烏に供して樹上から降りて肉を啄ついばむ群烏を眺めて、この中に竹青もいるのだろうなあ、と思っても、皆一様に真黒で、それこそ雌雄をさえ見わける事が出来ず、
「竹青はどれですか。」と尋ねても振りかえる烏は一羽も無く、みんなただ無心に肉を拾ってたべている。魚容はそれでも諦められず、
「この中に、竹青がいたら一番あとまで残っておいで。」と、千万の思慕の情をこめて言ってみた。そろそろ肉が無くなって、群烏は二羽立ち、五羽立ち、むらむらぱっと大部分飛び立ち、あとには三羽、まだ肉を捜して居残り、魚容はそれを見て胸をとどろかせ手に汗を握ったが、肉がもう全く無いと見てぱっと未練みれんげも無く、その三羽も飛び立つ。魚容は気抜けの余りくらくら眩暈めまいして、それでも尚なお、この場所から立ち去る事が出来ず、廟の廊下に腰をおろして、春霞はるがすみに煙る湖面を眺めてただやたらに溜息をつき、「ええ、二度も続けて落第して、何の面目があっておめおめ故郷に帰られよう。生きて甲斐かいない身の上だ、むかし春秋戦国の世にかの屈原くつげんも衆人皆酔い、我独ひとり醒さめたり、と叫んでこの湖に身を投げて死んだとかいう話を聞いている、乃公おれもこの思い出なつかしい洞庭に身を投げて死ねば、或あるいは竹青がどこかで見ていて涙を流してくれるかも知れない、乃公を本当に愛してくれたのは、あの竹青だけだ、あとは皆、おそろしい我慾の鬼ばかりだった、人間万事塞翁の馬だと三年前にあのお爺じいさんが言ってはげましてくれたけれども、あれは嘘だ、不仕合せに生れついた者は、いつまで経たっても不仕合せのどん底であがいているばかりだ、これすなわち天命を知るという事か、あはは、死のう、竹青が泣いてくれたら、それでよい、他には何も望みは無い」と、古聖賢の道を究きわめた筈の魚容も失意の憂愁に堪えかね、今夜はこの湖で死ぬる覚悟。やがて夜になると、輪郭りんかくの滲にじんだ満月が中空に浮び、洞庭湖はただ白く茫ぼうとして空と水の境が無く、岸の平沙へいさは昼のように明るく柳の枝は湖水の靄もやを含んで重く垂れ、遠くに見える桃畑の万朶ばんだの花は霰あられに似て、微風が時折、天地の溜息の如く通過し、いかにも静かな春の良夜、これがこの世の見おさめと思えば涙も袖そでにあまり、どこからともなく夜猿やえんの悲しそうな鳴声が聞えて来て、愁思まさに絶頂に達した時、背後にはたはたと翼の音がして、
「別来、恙つつが無きや。」
振り向いて見ると、月光を浴びて明眸皓歯めいぼうこうし、二十はたちばかりの麗人がにっこり笑っている。
「どなたです、すみません。」とにかく、あやまった。
「いやよ、」と軽く魚容の肩を打ち、「竹青をお忘れになったの?」
「竹青!」
魚容は仰天して立ち上り、それから少し躊躇ちゅうちょしたが、ええ、ままよ、といきなり美女の細い肩を掻き抱いた。
「離して。いきが、とまるわよ。」と竹青は笑いながら言って巧みに魚容の腕からのがれ、「あたしは、どこへも行かないわよ。もう、一生あなたのお傍に。」
「たのむ! そうしておくれ。お前がいないので、乃公は今夜この湖に身を投げて死んでしまうつもりだった。お前は、いったい、どこにいたのだ。」
「あたしは遠い漢陽に。あなたと別れてからここを立ち退き、いまは漢水の神烏になっているのです。さっき、この呉王廟にいる昔のお友達があなたのお見えになっている事を知らせにいらして下さったので、あたしは、漢陽からいそいで飛んで来たのです。あなたの好きな竹青が、ちゃんとこうして来たのですから、もう、死ぬなんておそろしい事をお考えになっては、いやよ。ちょっと、あなたも痩せたわねえ。」
「痩せる筈さ。二度も続けて落第しちゃったんだ。故郷に帰れば、またどんな目に遭うかわからない。つくづくこの世が、いやになった。」
「あなたは、ご自分の故郷にだけ人生があると思い込んでいらっしゃるから、そんなに苦しくおなりになるのよ。人間到いたるところに青山せいざんがあるとか書生さんたちがよく歌っているじゃありませんか。いちど、あたしと一緒に漢陽の家へいらっしゃい。生きているのも、いい事だと、きっとお思いになりますから。」
「漢陽は、遠いなあ。」いずれが誘うともなく二人ならんで廟びょうの廊下から出て月下の湖畔を逍遥しょうようしながら、「父母在いませば遠く遊ばず、遊ぶに必ず方有り、というからねえ。」魚容は、もっともらしい顔をして、れいの如くその学徳の片鱗へんりんを示した。
「何をおっしゃるの。あなたには、お父さんもお母さんも無いくせに。」
「なんだ、知っているのか。しかし、故郷には父母同様の親戚の者たちが多勢いる。乃公は何とかして、あの人たちに、乃公の立派に出世した姿をいちど見せてやりたい。あの人たちは昔から乃公をまるで阿呆か何かみたいに思っているのだ。そうだ、漢陽へ行くよりは、これからお前と一緒に故郷に帰り、お前のその綺麗きれいな顔をみんなに見せて、おどろかしてやりたい。ね、そうしようよ。乃公は、故郷の親戚の者たちの前で、いちど、思いきり、大いに威張ってみたいのだ。故郷の者たちに尊敬されるという事は、人間の最高の幸福で、また終極の勝利だ。」
「どうしてそんなに故郷の人たちの思惑ばかり気にするのでしょう。むやみに故郷の人たちの尊敬を得たくて努めている人を、郷原きょうげんというんじゃなかったかしら。郷原は徳の賊なりと論語に書いてあったわね。」
魚容は、ぎゃふんとまいって、やぶれかぶれになり、
「よし、行こう。漢陽に行こう。連れて行ってくれ。逝者ゆくものは斯かくの如き夫かな、昼夜を舎すてず。」てれ隠しに、甚はなはだ唐突な詩句を誦しょうして、あははは、と自らを嘲あざけった。
「まいりますか。」竹青はいそいそして、「ああ、うれしい。漢陽の家では、あなたをお迎えしようとして、ちゃんと仕度がしてあります。ちょっと、眼をつぶって。」
魚容は言われるままに眼を軽くつぶると、はたはたと翼の音がして、それから何か自分の肩に薄い衣のようなものがかかったと思うと、すっとからだが軽くなり、眼をひらいたら、すでに二人は雌雄の烏、月光を受けて漆黒しっこくの翼は美しく輝き、ちょんちょん平沙を歩いて、唖々と二羽、声をそろえて叫んで、ぱっと飛び立つ。
月下白光三千里の長江ちょうこう、洋々と東北方に流れて、魚容は酔えるが如く、流れにしたがっておよそ二ときばかり飛翔して、ようよう夜も明けはなれて遥はるか前方に水の都、漢陽の家々の甍いらかが朝靄あさもやの底に静かに沈んで眠っているのが見えて来た。近づくにつれて、晴川せいせん歴々たり漢陽の樹、芳草萋々せいせいたり鸚鵡おうむの洲、対岸には黄鶴楼の聳そびえるあり、長江をへだてて晴川閣と何事か昔を語り合い、帆影点々といそがしげに江上を往来し、更にすすめば大別山だいべつざんの高峰眼下にあり、麓ふもとには水漫々の月湖ひろがり、更に北方には漢水蜿蜒えんえんと天際に流れ、東洋のヴェニス一眸ぼうの中に収り、「わが郷関きょうかん何いずれの処ぞ是これなる、煙波江上、人をして愁えしむ」と魚容は、うっとり呟いた時、竹青は振りかえって、
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