今天的repo码出来了!
高中因为一首“萤火”喜欢上花姐!今天是第一次参加花姐的live。2019年花姐和POKOTA的广州场没参加,加上花姐去年之前基本都不会在微博露脸,一直都是听说她本人很可爱但是不知道长什么样子,所以历时5年这次有机会又是广州场无论如何都想亲眼看一场花姐的live!
没想到居然能在排队等进场的时候偶遇大学同学真的是太高兴了!live的时候也是站在一起应援!从排队检票进场到表演开始差不多站了1个半钟,因为是第一次见花姐和POKOTA真人所以非常期待。
花姐登场的时候粉色的头发扎两条半高马尾,黑色蛋糕长裙,因为这次站的第二排所以能看清楚全身,她真的非常的可爱!站在台上就像是个动漫美少女哈哈哈哈说话也软软的可爱死了,第二首歌的时候POKOTA也登场了,哇一头黄色微卷的头发,皮肤很白,一件花色T恤外套,长像我只能用“貌美”“美男子”来形容哈哈哈哈哈他的歌都意外的非常燃,也非常会控场调动气氛让大家嗨起来。
MC的时候非常搞笑,花姐不太会中文,POKOTA说学过5年中文,所以在台上一直小声教花姐用中文和大家打招呼哈哈哈哈,甚至为了怕大家听不懂还有个主持人上来帮大家翻译。
花姐讲了他们昨晚11点多到广州去吃“早茶”哈哈哈哈,最喜欢吃叉烧包,然后看到凤爪觉得非常可怕不敢下口,吃起来却意外的好吃哈哈哈哈哈。我觉得比较搞笑的就是两个人在台上,花姐基本不会中文,POKOTA基本还可以用中文跟大家简单的聊天,花姐听的一脸懵一直问他跟大家说了啥,POKOTA骗她说“我说我爱他们”,把全场都逗笑了哈哈哈哈他们两实在是太可爱了!还说到昨天坐飞机过来的时候东京还在下雪,飞机不是很稳定,花姐怕飞机坠落都不想回日本了哈哈哈哈哈哈哈。
花姐唱歌和讲话的时候完全是两个声线,讲话的时候非常软非常嗲非常萌妹甜死我得了,他们两合唱的时候,我一直在死盯着POKOTA犯花痴哈哈哈哈。这次没有公布歌单,所以我不知道今天会唱啥也挺期待的。除了唱常规的歌以外,花姐居然唱了アイドル!POKOTA居然唱了虎视眈眈!还单独唱了歌声虽无形的中文版太用心了!两个合唱了水树和教主的革命ヂュアリズム和Preserved Roses!我的天双厨狂喜啊啊啊啊啊孩子快嗨哭了一直大喊一直打call一直挥棒,把一旁的粉丝小哥吓呆了对不起!
有一说一花姐的现场真的稳得一批,高音萌音御姐音切换自如,高音飙的我鸡皮疙瘩都起来了,是真的优秀!他们两都没有带耳返,现场唯一小瑕疵就是音响伴奏声太大一直盖过POKOTA ,他唱的很用力辛苦了!一场下来嗨的酣畅淋漓,值了!右肩打call太用力也废掉了。
然后又排了2个钟的签售会,非常紧张又结巴的用日语跟花姐说“花たんさん本人は本当にかわいい”她非常高兴地说谢谢还很认真的很真诚的看着我听我继续说“今日は初めて花たんのライブを参加します、本当に感動します”“高校生の時ずっと花たんのことが好きでした、これからもずっと応援します!”然后她在海报上给我写签名的时候还夸我“近藤礼芽”いい名前哈哈哈开心死,真的是非常可爱讨人喜欢的花姐!POKOTA本来还有合影的拍立得,但是时间有限就没有去排队,下次有机会一定要和他合影留念,这家伙太帅了!
我们下次再相见!我一定努力学日语学口语争取下次不紧张不结巴!#花たん#
高中因为一首“萤火”喜欢上花姐!今天是第一次参加花姐的live。2019年花姐和POKOTA的广州场没参加,加上花姐去年之前基本都不会在微博露脸,一直都是听说她本人很可爱但是不知道长什么样子,所以历时5年这次有机会又是广州场无论如何都想亲眼看一场花姐的live!
没想到居然能在排队等进场的时候偶遇大学同学真的是太高兴了!live的时候也是站在一起应援!从排队检票进场到表演开始差不多站了1个半钟,因为是第一次见花姐和POKOTA真人所以非常期待。
花姐登场的时候粉色的头发扎两条半高马尾,黑色蛋糕长裙,因为这次站的第二排所以能看清楚全身,她真的非常的可爱!站在台上就像是个动漫美少女哈哈哈哈说话也软软的可爱死了,第二首歌的时候POKOTA也登场了,哇一头黄色微卷的头发,皮肤很白,一件花色T恤外套,长像我只能用“貌美”“美男子”来形容哈哈哈哈哈他的歌都意外的非常燃,也非常会控场调动气氛让大家嗨起来。
MC的时候非常搞笑,花姐不太会中文,POKOTA说学过5年中文,所以在台上一直小声教花姐用中文和大家打招呼哈哈哈哈,甚至为了怕大家听不懂还有个主持人上来帮大家翻译。
花姐讲了他们昨晚11点多到广州去吃“早茶”哈哈哈哈,最喜欢吃叉烧包,然后看到凤爪觉得非常可怕不敢下口,吃起来却意外的好吃哈哈哈哈哈。我觉得比较搞笑的就是两个人在台上,花姐基本不会中文,POKOTA基本还可以用中文跟大家简单的聊天,花姐听的一脸懵一直问他跟大家说了啥,POKOTA骗她说“我说我爱他们”,把全场都逗笑了哈哈哈哈他们两实在是太可爱了!还说到昨天坐飞机过来的时候东京还在下雪,飞机不是很稳定,花姐怕飞机坠落都不想回日本了哈哈哈哈哈哈哈。
花姐唱歌和讲话的时候完全是两个声线,讲话的时候非常软非常嗲非常萌妹甜死我得了,他们两合唱的时候,我一直在死盯着POKOTA犯花痴哈哈哈哈。这次没有公布歌单,所以我不知道今天会唱啥也挺期待的。除了唱常规的歌以外,花姐居然唱了アイドル!POKOTA居然唱了虎视眈眈!还单独唱了歌声虽无形的中文版太用心了!两个合唱了水树和教主的革命ヂュアリズム和Preserved Roses!我的天双厨狂喜啊啊啊啊啊孩子快嗨哭了一直大喊一直打call一直挥棒,把一旁的粉丝小哥吓呆了对不起!
有一说一花姐的现场真的稳得一批,高音萌音御姐音切换自如,高音飙的我鸡皮疙瘩都起来了,是真的优秀!他们两都没有带耳返,现场唯一小瑕疵就是音响伴奏声太大一直盖过POKOTA ,他唱的很用力辛苦了!一场下来嗨的酣畅淋漓,值了!右肩打call太用力也废掉了。
然后又排了2个钟的签售会,非常紧张又结巴的用日语跟花姐说“花たんさん本人は本当にかわいい”她非常高兴地说谢谢还很认真的很真诚的看着我听我继续说“今日は初めて花たんのライブを参加します、本当に感動します”“高校生の時ずっと花たんのことが好きでした、これからもずっと応援します!”然后她在海报上给我写签名的时候还夸我“近藤礼芽”いい名前哈哈哈开心死,真的是非常可爱讨人喜欢的花姐!POKOTA本来还有合影的拍立得,但是时间有限就没有去排队,下次有机会一定要和他合影留念,这家伙太帅了!
我们下次再相见!我一定努力学日语学口语争取下次不紧张不结巴!#花たん#
终于我也完成了一天抱俩的壮举(不是)12点看じゅんじゅん16点看甜甜19点又看じゅんじゅんの映画めちゃくちゃ充実な一日…这么幸福的推し活是真实的吗…也太快乐了…[跪了][跪了][跪了]
SSJ2024
ファンミ初体験…なんかすごいゆるい時間過ごさせてもらった…企画は小3の発表会(本人曰く)みたいなもんでびっくり…下手な絵()描いたり(これはまあまあ生で見れて面白かったけど、下手なの知ってたが生で見たら下手すぎて引いたけど[笑cry])歌詞よう分からんでアカペラで歌ったり…これでイベントが成り立つのか…甘やかしすぎ()1時間10分くらいで7千円弱ですか…相場分からんがちょっと高い気がする[思考]でもまあファンしか行かないから企画なんてなんでもありか?逆にこんなゆるい姿見れるの珍しい的な?うーん…何回も客降りあるし質問タイムと写真OKタイムあるし最後帰りに見送りもあるからガチファンなら何回も行きたいか、、、な、、?にわかファンとしてはまあまあ楽しかった。
質問タイム私の前の列の子が当たって、おかげで何秒も目の前でこの息を呑むほど美しい人拝見できて改めて思った、本当に同じ人間とは思えない顔の小ささ、お人形さんみたいかわいかったし芸術品みたい綺麗だった…なにこの人…かっこよすぎて怖い…あとファンにすごく優しいの伝わる…360°イケメン他说去吃火锅了第一次吃原来火锅这么辣的口から火が出るくらい辛いのねってさ、日本人对火锅颤抖吧哈、哈、哈、因为实在太近了甚至产生对视的幻觉…虽然不是百分百满意但你问我下次还去吗哎我还真去(靠
ゴールドボーイ公開記念舞台挨拶2部
友達が一般発売でチケットゲットしてくれましたありがたや!!!まーくん髪切った!!!特に後ろ短い!!还打了发蜡搓上去了好像小刺猬短发显得好幼我哭了真的太可爱了我喜我喜我喜………问大家在冲绳拍摄期间都吃什么好吃的了他说他自己的话都只会去吃连锁店…華ちゃんは江口さんとあれもこれも食べたってエピソード聞いたらまーくんひとりぼっちでかわいそうだなぁと思った[单身狗]不过之前看采访他说这个角色入戏太深把自己逼瘦了我猜他是不是也没什么胃口去吃当地美食…敬业的孩子…
映画関係ないけど昨夜の不適切〜めちゃくちゃよかった!!!!はぁーーーー!!!!!ナオキ!!!!!明日もう一回見よ…………
52ヘルツのクジラたち
看预告片毒親の話に共感しすぎて泣きそうになっちゃって、看电影之前有点忐忑的怕哭死()带了一包纸巾去结果差点不够用…好久没在电影院哭成这样了旁边也都在哭…看完以后眼睛鼻头都肿了还好没去舞台挨拶不然没法见人好吗…出来奔去买了瓶水哭到缺水的感觉[泪][泪][泪]杉咲花比记忆中演技提升好多孩子是会长大的(感慨)夜行観覧車の時ひどかったもん()10年も経てばいい女優さんになったな…告诉自己对现在的小孩们演技都放宽点心()
电影还是比较沉重的看到后半都有点绝望了还以为是个誰も幸せになれない話还好最后算是个温馨结局…じゅんじゅんの役難しかったけどやりきったと思う、原作小説読んでないけど电影脚本改编得还行,虽然有点过多煽情但是观众也吃这一套…人活着真的不容易…私の場合は誰も救ってくれなかったけど自分で逃げ出したから今がある。また頑張って生きよう。然后还要快乐追星…!!!耶!!!
SSJ2024
ファンミ初体験…なんかすごいゆるい時間過ごさせてもらった…企画は小3の発表会(本人曰く)みたいなもんでびっくり…下手な絵()描いたり(これはまあまあ生で見れて面白かったけど、下手なの知ってたが生で見たら下手すぎて引いたけど[笑cry])歌詞よう分からんでアカペラで歌ったり…これでイベントが成り立つのか…甘やかしすぎ()1時間10分くらいで7千円弱ですか…相場分からんがちょっと高い気がする[思考]でもまあファンしか行かないから企画なんてなんでもありか?逆にこんなゆるい姿見れるの珍しい的な?うーん…何回も客降りあるし質問タイムと写真OKタイムあるし最後帰りに見送りもあるからガチファンなら何回も行きたいか、、、な、、?にわかファンとしてはまあまあ楽しかった。
質問タイム私の前の列の子が当たって、おかげで何秒も目の前でこの息を呑むほど美しい人拝見できて改めて思った、本当に同じ人間とは思えない顔の小ささ、お人形さんみたいかわいかったし芸術品みたい綺麗だった…なにこの人…かっこよすぎて怖い…あとファンにすごく優しいの伝わる…360°イケメン他说去吃火锅了第一次吃原来火锅这么辣的口から火が出るくらい辛いのねってさ、日本人对火锅颤抖吧哈、哈、哈、因为实在太近了甚至产生对视的幻觉…虽然不是百分百满意但你问我下次还去吗哎我还真去(靠
ゴールドボーイ公開記念舞台挨拶2部
友達が一般発売でチケットゲットしてくれましたありがたや!!!まーくん髪切った!!!特に後ろ短い!!还打了发蜡搓上去了好像小刺猬短发显得好幼我哭了真的太可爱了我喜我喜我喜………问大家在冲绳拍摄期间都吃什么好吃的了他说他自己的话都只会去吃连锁店…華ちゃんは江口さんとあれもこれも食べたってエピソード聞いたらまーくんひとりぼっちでかわいそうだなぁと思った[单身狗]不过之前看采访他说这个角色入戏太深把自己逼瘦了我猜他是不是也没什么胃口去吃当地美食…敬业的孩子…
映画関係ないけど昨夜の不適切〜めちゃくちゃよかった!!!!はぁーーーー!!!!!ナオキ!!!!!明日もう一回見よ…………
52ヘルツのクジラたち
看预告片毒親の話に共感しすぎて泣きそうになっちゃって、看电影之前有点忐忑的怕哭死()带了一包纸巾去结果差点不够用…好久没在电影院哭成这样了旁边也都在哭…看完以后眼睛鼻头都肿了还好没去舞台挨拶不然没法见人好吗…出来奔去买了瓶水哭到缺水的感觉[泪][泪][泪]杉咲花比记忆中演技提升好多孩子是会长大的(感慨)夜行観覧車の時ひどかったもん()10年も経てばいい女優さんになったな…告诉自己对现在的小孩们演技都放宽点心()
电影还是比较沉重的看到后半都有点绝望了还以为是个誰も幸せになれない話还好最后算是个温馨结局…じゅんじゅんの役難しかったけどやりきったと思う、原作小説読んでないけど电影脚本改编得还行,虽然有点过多煽情但是观众也吃这一套…人活着真的不容易…私の場合は誰も救ってくれなかったけど自分で逃げ出したから今がある。また頑張って生きよう。然后还要快乐追星…!!!耶!!!
火星の運河(上)
江戸川乱歩
又あすこへ来たなという、寒い様な魅力が私を戦おののかせた。にぶ色の暗やみが私の全世界を覆いつくしていた。恐らくは音も匂においも、触覚さえもが私の身体からだから蒸発して了しまって、煉羊羹ねりようかんの濃こまやかに澱よどんだ色彩ばかりが、私のまわりを包んでいた。
頭の上には夕立雲の様に、まっくらに層をなした木の葉が、音もなく鎮しずまり返って、そこからは巨大な黒褐色くろかっしょくの樹幹が、滝をなして地上に降り注ぎ、観兵式の兵列の様に、目も遙はるかに四方にうち続いて、末は奥知れぬ暗の中に消えていた。
幾層の木の葉の暗のその上には、どの様なうららかな日が照っているか、或あるいは、どの様な冷い風が吹きすさんでいるか、私には少しも分らなかった。ただ分っていることは、私が今、果てしも知らぬ大森林の下闇を、行方ゆくえ定めず歩き続けている、その単調な事実だけであった。歩いても歩いても、幾抱えの大木の幹を、次から次へと、迎え見送るばかりで景色は少しも変らなかった。足の下には、この森が出来て以来、幾百年の落葉が、湿気の充みちたクッションを為なして、歩くたびに、ジクジクと、音を立てているに相違なかった。
聴覚のない薄暗の世界は、この世からあらゆる生物が死滅したことを感じさせた。或は又、不気味にも、森全体がめしいたる魑魅魍魎ちみもうりょうに充みち満ちているが如ごとくにも、思われないではなかった。くちなわの様な山蛭やまびるが、まっくらな天井から、雨垂れを為して、私の襟えりくびに注いでいるのが想像された。私の眼界には一物の動くものとてなかったけれど、背後には、くらげの如きあやしの生きものが、ウヨウヨと身をすり合せて、声なき笑いを合唱しているのかも知れなかった。
でも、暗闇と、暗闇の中に住むものとが、私を怖こわがらせたのは云いうまでもないけれど、それらにもまして、いつもながらこの森の無限が、奥底の知れぬ恐怖を以もって、私に迫った。それは、生れ出たばかりの嬰児えいじが、広々とした空間に畏怖いふして、手足をちぢめ、恐れ戦くが如き感じであった。
私は「母さん、怖いよう」と、叫びそうになるのを、やっとこらえながら、一刻も早く、暗の世界を逃れ出そうと、あがいた。
併しかし、あがけばあがく程、森の下闇は、益々ますます暗さをまして行った。何年の間、或は何十年の間、私はそこを歩き続けたことであろう! そこには時というものがなかった。日暮れも夜明けもなかった。歩き始めたのが昨日であったか、何十年の昔であったか、それさえ曖昧あいまいな感じであった。
私は、ふと未来永劫みらいえいごうこの森の中に、大きな大きな円を描いて歩きつづけているのではないかと疑い始めた。外界の何物よりも私自身の歩幅ほはばの不確実が恐しかった。私は嘗かつて、右足と左足との歩きぐせにたった一吋インチの相違があった為に、沙漠さばくの中を円を描いて歩き続けた旅人の話を聞いていた。沙漠には雲がはれて、日も出よう、星もまたたこう。併し、暗闇の森の中には、いつまで待っても、何の目印も現れては呉くれないのだ。世にためしなき恐れであった。私はその時の、心の髄ずいからの戦きを、何と形容すればよいのであろう。
私は生れてから、この同じ恐れを、幾度いくたびと知れず味あじわった。併し、一度たびごとに、いい知れぬ恐怖の念は、そして、それに伴うあるとしもなき懐なつかしさは、共に増しこそすれ、決して減じはしなかった。その様に度々のことながら、どの場合にも、不思議なことには、いつどこから森に入って、いつ又どこから森を抜け出すことが出来たのやら、少しも記憶していなかった。一度ずつ、全く新たなる恐怖が私の魂を圧し縮めた。
巨大なる死の薄暗を、豆つぶの様な私という人間が、息を切り汗を流して、いつまでも、いつまでも歩いていた。
ふと気がつくと、私の周囲には異様な薄明うすあかりが漂い初めていた。それは例えば、幕に映った幻燈の光の様に、この世の外ほかの明るさではあったけれど、でも、歩くに随したがって闇はしりえに退いて行った。「ナンダ、これが森の出口だったのか」私はそれをどうして忘れていたのであろう。そして、まるで永久にそこにとじ込められた人の様に、おじ恐れていたのであろう。
私は水中を駈けるに似た抵抗を感じながら、でも次第に光りの方へ近づいて行った。近づくに従って、森の切れ目が現れ、懐しき大空が見え初はじめた。併し、あの空の色は、あれが私達の空であったのだろうか。そして、その向うに見えるものは(?)アア、私はやっぱりまだ森を出ることが出来ないのだった。
森の果てとばかり思い込んでいた所は、その実じつ森の真中であったのだ。
そこには、直径一町ばかりの丸い沼があった。沼のまわりは、少しの余地も残さず、直ただちに森が囲んでいた。そのどちらの方角を見渡しても、末はあやめも知れぬ闇となり、今迄いままで私の歩いて来たのより浅い森はない様に見えた。
度々森をさ迷いながら、私は斯様かような沼のあることを少しも知らなかった。それ故ゆえ、パッと森を出離れて、沼の岸に立った時、そこの景色の美しさに、私はめまいを感じた。万花鏡まんかきょうを一転して、ふと幻怪な花を発見した感じである。併し、そこには万花鏡の様な華はなやかな色彩がある訳わけではなく、空も森も水も、空はこの世のものならぬいぶし銀、森は黒ずんだ緑と茶、そして水は、それらの単調な色どりを映しているに過ぎないのだ。それにも拘かかわらず、この美しさは何物の業わざであろう。銀鼠ぎんねずの空の色か、巨大な蜘蛛くもが今獲えものをめがけて飛びかかろうとしている様な、奇怪なる樹木達の枝ぶりか、固体の様におし黙って、無限の底に空を映した沼の景色か、それもそうだ。併しもっと外ほかにある。えたいの知れぬものがある。
音もなく、匂いもなく、肌触りさえない世界の故か。そして、それらの聴覚、嗅覚、触覚が、たった一つの視覚に集められている為ためか、それもそうだ。併しもっと外にある。空も森も水も、何者かを待ち望んで、ハチ切れ相そうに見えるではないか。彼等の貪婪どんらん極りなき慾情が、いぶきとなってふき出しているのではないか。併しそれが、何故なぜなればかくも私の心をそそるのか。
私は何気なく、眼を外界から私自身の、いぶかしくも裸の身体からだに移した。そして、そこに、男のではなくて、豊満なる乙女おとめの肉体を見出した時、私が男であったことをうち忘れて、さも当然の様にほほえんだ。ああこの肉体だ(!)私は余りの嬉しさに、心臓が喉のどの辺まで飛び上るのを感じた。
私の肉体は、(それは不思議にも私の恋人のそれと、そっくり生いきうつしなのだが)何とまあすばらしい美しさであったろう。ぬれ鬘かつらの如く、豊ゆたかにたくましき黒髪、アラビヤ馬に似もって[#「似もって」はママ]、精悍せいかんにはり切った五体、蛇の腹の様につややかに、青白き皮膚の色、この肉体を以て、私は幾人の男子を征服して来たか。私という女王の前に、彼等がどの様な有様でひれ俯ふしたか。
今こそ、何もかも明白になった。私は不思議な沼の美しさを、漸ようやく悟ることが出来たのだ。
「オオ、お前達はどんなに私を待ちこがれていたことであろう。幾千年、幾万年、お前たち、空も森も水も、ただこの一刹那いっせつなの為に生き永らえていたのではないか。お待ち遠さま(!)さあ、今、私はお前達の烈はげしい願ねがいをかなえて上げるのだよ」
この景色の美しさは、それ自身完全なものではなかった。何かの背景としてそうであったのだ。そして今、この私が、世にもすばらしい俳優として彼等の前に現れたのだ。
闇の森に囲まれた底なし沼の、深く濃こまやかな灰色の世界に、私の雪白せっぱくの肌はだえが、如何いかに調和よく、如何に輝かしく見えたことであろう。何という大芝居だ。何という奥底知れぬ美しさだ。
私は一歩沼の中に足を踏み入れた。そして、黒い水の中央に、同じ黒さで浮んでいる、一つの岩をめがけて、静しずかに泳ぎ初めた。水は冷たくも暖かくもなかった。油の様にトロリとして、手と足を動かすにつれてその部分丈だけ波立つけれど、音もしなければ、抵抗も感じない。私は胸のあたりに、二筋三筋の静な波紋はもんを描いて、丁度真白な水鳥が、風なき水面をすべる様に、音もなく進んで行った。やがて、中心に達すると、黒くヌルヌルした岩の上に這はい上あがる。その様さまは、例えば夕凪ゆうなぎの海に踊る人魚の様ようにも見えたであろうか。
今、私はその岩の上にスックと立上った。オオ、何という美しさだ。私は顔を空ざまにして、あらん限りの肺臓の力を以て、花火の様な一声ひとこえを上げた。胸と喉の筋肉が無限の様に伸びて、一点の様にちぢんだ。
それから、極端な筋肉の運動が始められた。それがまあ、どんなにすばらしいものであったか。青大将あおだいしょうが真二つにちぎられてのたうち廻まわるのだ。尺取虫しゃくとりむしと芋虫とみみずの断末魔だんまつまだ。無限の快楽に、或は無限の痛苦にもがくけだものだ。
踊り疲れると、私は喉をうるおす為に、黒い水中に飛び込んだ。そして、胃の腑ふの受け容いれるだけ、水銀の様に重い水を飲んだ。
そうして踊り狂いながらも、私は何か物足らなかった。私ばかりでなく周囲の背景達も、不思議に緊張をゆるめなかった。彼等はこの上に、まだ何事を待ち望んでいるのであろう。
「そうだ、紅くれないの一いろだ」
私はハットそこに気がついた。このすばらしい画面には、たった一つ、紅の色が欠けている。若もしそれを得ることが出来たならば、蛇の目が生きるのだ。奥底知れぬ灰色と、光り輝く雪の肌と、そして紅の一点、そこで、何物にもまして美しい蛇の目が生きるのだ。
したが、私はどこにその絵の具を求めよう。この森の果てから果てを探したとて、一輪の椿つばきさえ咲いてはいないのだ。立並ぶ彼かの蜘蛛の木の外ほかに木はないのだ。
「待ち給たまえ、それ、そこに、すばらしい絵の具があるではないか。心臓というシボリ出し、こんな鮮かな紅を、どこの絵の具屋が売っている」
私は薄く鋭い爪を以て、全身に、縦横無尽のかき傷を拵こしらえた、豊なる乳房、ふくよかな腹部、肉つきのよい肩、はり切った太股ふともも、そして美しい顔にさえも。傷口からしたたる血のりが川を為して、私の身体は真赤なほりものに覆われた。血潮の網シャツを着た様だ。
それが沼の水面に映っている。火星の運河(!)私の身体は丁度あの気味悪い火星の運河だ。そこには水の代りに赤い血のりが流れている。
江戸川乱歩
又あすこへ来たなという、寒い様な魅力が私を戦おののかせた。にぶ色の暗やみが私の全世界を覆いつくしていた。恐らくは音も匂においも、触覚さえもが私の身体からだから蒸発して了しまって、煉羊羹ねりようかんの濃こまやかに澱よどんだ色彩ばかりが、私のまわりを包んでいた。
頭の上には夕立雲の様に、まっくらに層をなした木の葉が、音もなく鎮しずまり返って、そこからは巨大な黒褐色くろかっしょくの樹幹が、滝をなして地上に降り注ぎ、観兵式の兵列の様に、目も遙はるかに四方にうち続いて、末は奥知れぬ暗の中に消えていた。
幾層の木の葉の暗のその上には、どの様なうららかな日が照っているか、或あるいは、どの様な冷い風が吹きすさんでいるか、私には少しも分らなかった。ただ分っていることは、私が今、果てしも知らぬ大森林の下闇を、行方ゆくえ定めず歩き続けている、その単調な事実だけであった。歩いても歩いても、幾抱えの大木の幹を、次から次へと、迎え見送るばかりで景色は少しも変らなかった。足の下には、この森が出来て以来、幾百年の落葉が、湿気の充みちたクッションを為なして、歩くたびに、ジクジクと、音を立てているに相違なかった。
聴覚のない薄暗の世界は、この世からあらゆる生物が死滅したことを感じさせた。或は又、不気味にも、森全体がめしいたる魑魅魍魎ちみもうりょうに充みち満ちているが如ごとくにも、思われないではなかった。くちなわの様な山蛭やまびるが、まっくらな天井から、雨垂れを為して、私の襟えりくびに注いでいるのが想像された。私の眼界には一物の動くものとてなかったけれど、背後には、くらげの如きあやしの生きものが、ウヨウヨと身をすり合せて、声なき笑いを合唱しているのかも知れなかった。
でも、暗闇と、暗闇の中に住むものとが、私を怖こわがらせたのは云いうまでもないけれど、それらにもまして、いつもながらこの森の無限が、奥底の知れぬ恐怖を以もって、私に迫った。それは、生れ出たばかりの嬰児えいじが、広々とした空間に畏怖いふして、手足をちぢめ、恐れ戦くが如き感じであった。
私は「母さん、怖いよう」と、叫びそうになるのを、やっとこらえながら、一刻も早く、暗の世界を逃れ出そうと、あがいた。
併しかし、あがけばあがく程、森の下闇は、益々ますます暗さをまして行った。何年の間、或は何十年の間、私はそこを歩き続けたことであろう! そこには時というものがなかった。日暮れも夜明けもなかった。歩き始めたのが昨日であったか、何十年の昔であったか、それさえ曖昧あいまいな感じであった。
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私は生れてから、この同じ恐れを、幾度いくたびと知れず味あじわった。併し、一度たびごとに、いい知れぬ恐怖の念は、そして、それに伴うあるとしもなき懐なつかしさは、共に増しこそすれ、決して減じはしなかった。その様に度々のことながら、どの場合にも、不思議なことには、いつどこから森に入って、いつ又どこから森を抜け出すことが出来たのやら、少しも記憶していなかった。一度ずつ、全く新たなる恐怖が私の魂を圧し縮めた。
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ふと気がつくと、私の周囲には異様な薄明うすあかりが漂い初めていた。それは例えば、幕に映った幻燈の光の様に、この世の外ほかの明るさではあったけれど、でも、歩くに随したがって闇はしりえに退いて行った。「ナンダ、これが森の出口だったのか」私はそれをどうして忘れていたのであろう。そして、まるで永久にそこにとじ込められた人の様に、おじ恐れていたのであろう。
私は水中を駈けるに似た抵抗を感じながら、でも次第に光りの方へ近づいて行った。近づくに従って、森の切れ目が現れ、懐しき大空が見え初はじめた。併し、あの空の色は、あれが私達の空であったのだろうか。そして、その向うに見えるものは(?)アア、私はやっぱりまだ森を出ることが出来ないのだった。
森の果てとばかり思い込んでいた所は、その実じつ森の真中であったのだ。
そこには、直径一町ばかりの丸い沼があった。沼のまわりは、少しの余地も残さず、直ただちに森が囲んでいた。そのどちらの方角を見渡しても、末はあやめも知れぬ闇となり、今迄いままで私の歩いて来たのより浅い森はない様に見えた。
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音もなく、匂いもなく、肌触りさえない世界の故か。そして、それらの聴覚、嗅覚、触覚が、たった一つの視覚に集められている為ためか、それもそうだ。併しもっと外にある。空も森も水も、何者かを待ち望んで、ハチ切れ相そうに見えるではないか。彼等の貪婪どんらん極りなき慾情が、いぶきとなってふき出しているのではないか。併しそれが、何故なぜなればかくも私の心をそそるのか。
私は何気なく、眼を外界から私自身の、いぶかしくも裸の身体からだに移した。そして、そこに、男のではなくて、豊満なる乙女おとめの肉体を見出した時、私が男であったことをうち忘れて、さも当然の様にほほえんだ。ああこの肉体だ(!)私は余りの嬉しさに、心臓が喉のどの辺まで飛び上るのを感じた。
私の肉体は、(それは不思議にも私の恋人のそれと、そっくり生いきうつしなのだが)何とまあすばらしい美しさであったろう。ぬれ鬘かつらの如く、豊ゆたかにたくましき黒髪、アラビヤ馬に似もって[#「似もって」はママ]、精悍せいかんにはり切った五体、蛇の腹の様につややかに、青白き皮膚の色、この肉体を以て、私は幾人の男子を征服して来たか。私という女王の前に、彼等がどの様な有様でひれ俯ふしたか。
今こそ、何もかも明白になった。私は不思議な沼の美しさを、漸ようやく悟ることが出来たのだ。
「オオ、お前達はどんなに私を待ちこがれていたことであろう。幾千年、幾万年、お前たち、空も森も水も、ただこの一刹那いっせつなの為に生き永らえていたのではないか。お待ち遠さま(!)さあ、今、私はお前達の烈はげしい願ねがいをかなえて上げるのだよ」
この景色の美しさは、それ自身完全なものではなかった。何かの背景としてそうであったのだ。そして今、この私が、世にもすばらしい俳優として彼等の前に現れたのだ。
闇の森に囲まれた底なし沼の、深く濃こまやかな灰色の世界に、私の雪白せっぱくの肌はだえが、如何いかに調和よく、如何に輝かしく見えたことであろう。何という大芝居だ。何という奥底知れぬ美しさだ。
私は一歩沼の中に足を踏み入れた。そして、黒い水の中央に、同じ黒さで浮んでいる、一つの岩をめがけて、静しずかに泳ぎ初めた。水は冷たくも暖かくもなかった。油の様にトロリとして、手と足を動かすにつれてその部分丈だけ波立つけれど、音もしなければ、抵抗も感じない。私は胸のあたりに、二筋三筋の静な波紋はもんを描いて、丁度真白な水鳥が、風なき水面をすべる様に、音もなく進んで行った。やがて、中心に達すると、黒くヌルヌルした岩の上に這はい上あがる。その様さまは、例えば夕凪ゆうなぎの海に踊る人魚の様ようにも見えたであろうか。
今、私はその岩の上にスックと立上った。オオ、何という美しさだ。私は顔を空ざまにして、あらん限りの肺臓の力を以て、花火の様な一声ひとこえを上げた。胸と喉の筋肉が無限の様に伸びて、一点の様にちぢんだ。
それから、極端な筋肉の運動が始められた。それがまあ、どんなにすばらしいものであったか。青大将あおだいしょうが真二つにちぎられてのたうち廻まわるのだ。尺取虫しゃくとりむしと芋虫とみみずの断末魔だんまつまだ。無限の快楽に、或は無限の痛苦にもがくけだものだ。
踊り疲れると、私は喉をうるおす為に、黒い水中に飛び込んだ。そして、胃の腑ふの受け容いれるだけ、水銀の様に重い水を飲んだ。
そうして踊り狂いながらも、私は何か物足らなかった。私ばかりでなく周囲の背景達も、不思議に緊張をゆるめなかった。彼等はこの上に、まだ何事を待ち望んでいるのであろう。
「そうだ、紅くれないの一いろだ」
私はハットそこに気がついた。このすばらしい画面には、たった一つ、紅の色が欠けている。若もしそれを得ることが出来たならば、蛇の目が生きるのだ。奥底知れぬ灰色と、光り輝く雪の肌と、そして紅の一点、そこで、何物にもまして美しい蛇の目が生きるのだ。
したが、私はどこにその絵の具を求めよう。この森の果てから果てを探したとて、一輪の椿つばきさえ咲いてはいないのだ。立並ぶ彼かの蜘蛛の木の外ほかに木はないのだ。
「待ち給たまえ、それ、そこに、すばらしい絵の具があるではないか。心臓というシボリ出し、こんな鮮かな紅を、どこの絵の具屋が売っている」
私は薄く鋭い爪を以て、全身に、縦横無尽のかき傷を拵こしらえた、豊なる乳房、ふくよかな腹部、肉つきのよい肩、はり切った太股ふともも、そして美しい顔にさえも。傷口からしたたる血のりが川を為して、私の身体は真赤なほりものに覆われた。血潮の網シャツを着た様だ。
それが沼の水面に映っている。火星の運河(!)私の身体は丁度あの気味悪い火星の運河だ。そこには水の代りに赤い血のりが流れている。
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