火山
火山の噴火はしばしば人間社会に壊滅的な打撃を与えてきたため、記録や伝承に残されることが多い。

Volcano は、ローマ神話で火と冶金と鍛冶の神ウルカヌス(ギリシア神話ではヘーパイストス)に由来し、16世紀のイタリア語で volcano または vulcano と使われていたものが、ヨーロッパ諸国語に入った。このウルカヌス(英語読みではヴァルカン)は、イタリアのエトナ火山の下に冶金場をもつと信じられていた。シチリア島近くのヴルカーノ島の名も、これに由来する。日本で volcano の訳として「火山」の語が広く用いられるようになったのは、明治以降である。

1. マグマ溜り
2. 基盤
3. 火道
4. 地表
5. 岩床
6. 岩脈
7. 火山灰層
8. 側火山9. 溶岩層
10. 咽喉
11. 寄生火山
12. 溶岩流
13. 噴火口
14. 主火口

火山の地下には、必ずマグマ溜りが存在する。マグマ溜りの深さは、地下数kmから数十kmとされる。このマグマ溜りから岩盤を突き抜け、何らかの理由でマグマが地上に放出される、その地点が火山である。マグマが地上に到達するまでに通るルートを火道と呼び、火道が地上に抜ける地点を噴火口と呼ぶ。火道はしばしば主火道から逸れて形成され、その副火道が地上に噴出すると側火山と呼ばれる小火山を形成する。また、副火道が地上に噴出せず地下にとどまったままのものを岩脈、岩脈が地層に沿って平行に地中で広がったものを岩床と呼ぶ。

火山の分類
地形による分類
現在の地形に加えて、形成過程や内部構造も考慮して分類されている。

複成火山
同じ火口から何度も噴火を繰りかえして、大きな火山体を成長させる火山。
成層火山
主に、同一箇所の火口から噴火を繰り返して、その周囲に溶岩と火山砕屑岩が積み重なった、円錐形に近い形の火山体。日本の火山の多くは成層火山である。マグマの粘り気は中くらいである。火山の噴火タイプとしては、ストロンボリ式噴火やブルカノ式噴火をする火山がこうした火山になりやすい。
例 - 富士山、岩手山、開聞岳、伊豆大島、羊蹄山、スーフリエール・ヒルズ(モントセラト)
楯状火山
流動性の高い玄武岩質の溶岩が積み重なった、傾斜のゆるい火山体。そのため、通常は面積が広い。日本でこれまで「アスピーテ」とされてきた火山は、成層火山が侵食によって平坦になったり、もともと平坦であった場所に小規模な溶岩流が重なったりしたものであり、楯状火山ではない。また、伊豆大島や三宅島は、玄武岩を主に噴出する火山だが、火砕物の量が多く、楯状火山ではなく成層火山である。火山の噴火タイプとしては、ハワイ式噴火やストロンボリ式噴火をする火山がこうした火山になりやすい。
例 - マウナ・ロア山、キラウエア火山、スキャルドブレイダー山(アイスランド)
溶岩台地
大規模な溶岩流が多数積み重なって、広大な台地となっているもの。通常は、玄武岩質の溶岩からなる。火山の噴火タイプとしては、ハワイ式噴火をする火山がこうした火山になりやすい。
例 - デカン高原、コロンビア台地
火砕流台地
大規模な火砕流によって運ばれた、大量の火山灰・軽石・礫などが厚く堆積して、上面が平坦な台地となったもの。
例 - シラス台地、関東ローム層
カルデラ
火山活動によって形成された大規模な凹地。通常、直径が1.6kmから2km以上のものを指す。通常、中央部にカルデラ形成後に形成された小火山である中央火口丘が一つまたは複数存在し、その周辺にはカルデラ床と呼ばれる平坦な地形が広がる。カルデラ床に水が溜まったものはカルデラ湖と呼ばれる。カルデラの外側は、外輪山と呼ばれる山が円形に取り囲んでいる。外輪山の内側はカルデラ壁と呼ばれ、急峻な崖となっていることが多い。大規模爆発によって形成されるカルデラの場合は、クラカトア式噴火をする火山がこうした火山になりやすい。
例 - 阿蘇山、箱根山、十和田湖、屈斜路湖、摩周湖、洞爺湖、鹿児島湾北部
単成火山
1回だけの噴火で形成されたもの。複成火山の一部である場合も多い。また、単成火山が多数集まっていて、全体が一連のマグマ活動と考えられる場合、単成火山群として複成火山扱いとすることがある(伊豆東部火山群、阿武火山群、小値賀火山島群、ル・ピュイ=アン=ヴレの小火山群 (フランス) など)。

爆裂火口
爆発的な噴火によって火口(穴)だけができ、噴出物はほとんど積もっていないもの。
マール
水が大量にある場所でマグマ水蒸気爆発が起こり、円形の火口となったもので、水が溜まっていることが多い。噴出物は、火口の周囲にわずかに積もっている程度で、主にベースサージ堆積物である。
例 - 目潟、波浮港、米丸
火山砕屑丘(火砕丘)
火口の周囲に火山砕屑物が積もって、円錐形に近い形の小さい山(丘)になったもの。主な構成物質によってさらに細分し、火山灰丘・軽石丘・スコリア丘という。
例 - 大室山、米塚、ダイヤモンドヘッド
溶岩ドーム(溶岩円頂丘)
マグマの粘性が高く(流動性が小さく)、かつガスが少ないために、爆発的な噴火を起こさず、火口から塊となって押し出されたもの。形は多様であるが、高さには限界があり、噴出量が多い時は平坦になる傾向がある。溶岩ドームをさらに細分して、上面が平坦になったものを溶岩平頂丘、火道内で固化したまま押し出されてきたものを火山岩尖、また、地表を隆起させたが溶岩自体は噴出しないで終わった(溶岩ドームになりそこなった)ものを潜在ドーム(潜在円頂丘)という。
例 - 昭和新山、アトサヌプリ、茶臼岳、妙高山、平成新山、雲仙岳、金峰山 (熊本県)
側火山
複成火山の主火口から離れたところにできる小火山を、側火山または寄生火山と呼ぶ。その名の通り、大火山の側にできる別の火口である。多くは一度の噴火で形成される単成火山である。

例 - 昭和新山(有珠山の側火山)、宝永山(富士山の側火山)
活動度による分類
かつては活発に活動中である活火山、噴火活動の記録はあるがその時点において噴火活動が起きていない休火山、有史以来噴火活動の記録のない死火山に分類されてきた。しかし、休火山や死火山が突如として噴火する事態が多発し、実状に合わないとして段階的に見直しがされた。現在では「活火山」と「それ以外の火山」に分けられている。日本の火山噴火予知連絡会・気象庁による定義によれば、活火山は「概ね過去1万年以内に噴火した火山及び現在活発な噴気活動のある火山」とされている。また、活火山内においても活動の頻度には大きな差があるため、火山噴火予知連絡会は活火山をその噴火頻度によってABCの3つのランクに分けて分類している。

火山のできる場所
火山は地球上のどこにでもできるわけではない。火山ができる場所は大きく分けて3種類ある。

プレート発散型境界(リフトバレー、海嶺)
プレートテクトニクスによれば、地球上で最も火山活動が活発なのは、熱いマントルが上昇してきて、地殻が新たに生成される場所、すなわち発散型境界である。発散型境界はふつう、長く続く谷地形となっているので、リフトバレーとも呼ぶ。リフトバレーの多くは海底にあり、海嶺とよばれる。海嶺では、地下から新しい玄武岩質マグマが次々に供給されて、海底で固まり、海洋地殻となって海嶺の両側に移動していく。世界で唯一、アイスランドが海嶺を地上で観察できる場所で、アイスランド島は中央部の地溝から東西に拡大しつつあり、活発な火山活動が起きている。また、陸上のリフトバレーの代表的なものがグレート・リフト・バレー(東アフリカ大地溝帯)であり、同様に活発な火山活動を伴って東西に拡大しつつあるが、ここはプレート境界ではなく、ホット・プルームによってアフリカプレートが引き裂かれつつある部分と考えられている。
プレート収束型境界(海溝)
プレートテクトニクスによれば、発散型境界で生成したプレートは、収束型境界で他のプレートとぶつかり、マントルまで沈み込んで消滅したり、プレート同士が重なり合ったりする。火山が発生するのは主に前者で、海洋プレートが他のプレートの下に沈み込む海溝に沿って分布する。海溝で沈み込んでいる海洋プレート表面の岩石には、多量の水が含まれている。水分を含んだ岩石は、融解温度が低下するので、沈み込みにより地下深部に達すると、通常よりも低い温度で融けはじめ、マグマが発生すると考えられている。マグマの発生条件は、水分のほか主に温度と圧力に依存し、温度と圧力はほぼ深さによって決まる。従って、マグマが発生するのは、海溝から沈み込んだプレートがある一定の深さに到達した場所であり、それより海溝に近い(沈み込んだプレートが浅い)場所ではマグマは発生しない。マグマは発生した場所から浮力によってほぼ真上に上昇し火山を形成するので、必然的に、火山は海溝から一定の距離だけ離れた位置に、海溝に平行に分布することになる。この火山列を、これより前(海溝側)には火山がないという意味で火山フロント又は火山前線という。また、これよりも海溝から離れた位置にも火山が点在することが多いが、このような場所では、沈み込んだプレートがさらに深い場所に達し、別の成分が融解するなどして、散発的にマグマが発生すると考えられている。沈み込み帯では、沈み込んだプレートが融解する時に、すでに海底堆積物が混入していたり、マグマが上昇する途中で地殻の岩石が混入したりするため、火山から噴出するのは、安山岩質から流紋岩質のマグマであることが多い。日本やカムチャツカ半島をはじめとする太平洋周辺や、地中海の火山はこのタイプである。
地表の特定箇所に、継続的に大量のマグマが供給される場所があり、これをホットスポットという。ホットスポットの位置は、プレートの動きとは無関係に一定しており、プレートよりも下のマントルに発生源があると考えられている。ハワイ火山列島がこのタイプで、固定したホットスポットで噴火が起こり火山島ができる一方で、太平洋プレートが北西に動くため、古い火山島が北西にずれていくとともに、南東側に新しい火山島ができ、結果として北西ほど古く南東ほど新しい火山列島となっている。他に、イエローストーン、ガラパゴス諸島がホットスポットとして知られており、また、アイスランドは大西洋中央海嶺とホットスポットが重なっているため、火山活動が特に活発であると考えられている。
これら3種類以外に、過去にスーパープルームと呼ばれる、核付近からの大規模なマントル上昇による大噴火もあったと考えられている。また、21世紀初頭には、プチスポットと呼ばれる、上記3タイプに該当しない新たな海底火山が発見されている。

江戸の化物
岡本綺堂

池袋の女

 江戸の代表的怪談といえば、まず第一に池袋の女というものを挙げなければなりません。
 今日の池袋の人からは抗議が出るかもしれませんが、どういうものか、この池袋の女を女中などに使いますと、きっと何か異変があると言い伝えられて、武家屋敷などでは絶対に池袋の女を使わないことにしていたということです。また、町家などでも池袋の女を使うことを嫌がりましたので、池袋の女の方でも池袋ということを隠して、大抵は板橋とか雑司ヶ谷とかいって奉公に出ていたのだそうです。
 それも、女が無事におとなしく勤めている分には別になんの仔細もなかったのですが、もし男と関係でもしようものなら、忽ち怪異が頻々ひんぴんとして起こるというのです。
 これは、池袋の女が七面様の氏子なので、その祟たたりだ[#「祟たたりだ」は底本では「崇たたりだ」]といわれていましたが、それならば不埓ふらちを働いた当人、即ち池袋の女に祟れば[#「祟れば」は底本では「崇れば」]よさそうなものですが、本人にはなんの祟も[#「祟も」は底本では「崇も」]なくて、必ずその女の使われている家へ祟る[#「祟る」は底本では「崇る」]のだそうです。まったく理窟では判断がつきませんが、まず家が揺れたり、自然に襖ふすまが開いたり、障子の紙が破れたり、行灯あんどんが天井に吸い付いたり、そこらにある物が躍おどったり、いろいろの不思議があるといいます。
 こういうことがあると、まず第一に池袋の女を詮議することになっていましたが、果してその蔭には必ず池袋の女が忍んでいたということです。
これは私の父なども親しく見たということですが、麻布の龍土町(いまの港区六本木七丁目六~八番)に内藤紀伊守の下屋敷がありました。この下屋敷というところは、多く女子供などが住んでいるのです。
 ある夜のことでした。何処からとなく沢山の蛙が出て来てぴょこぴょこと闇に動いていましたが、いつとはなしに女たちの寝ている蚊帳かやの上にあがって、じっとつくばっていたということです。それを見た女たちの騒ぎは、どんなであったでしょう。
 すると、こんどは家がぐらぐらとぐらつき出したので、騒ぎはますます大きくなって、上屋敷からも武士が出張するし、また他藩の武士の見物に行った者などが交じって、そこらを調べて見ましたが、さっぱり訳が判りません。そこで狐狸こりの仕業ということになって屋敷中を狩り立てましたが、狐や狸はさておき、かわうそ一疋も出なかったということです。で、その夜は十畳ばかりの屋敷に十四、五人の武士が不寝番ねずのばんをすることになりました。
 ところが、夜もだんだん更けゆくにつれ、行灯の火影も薄暗くなって、自然と首が下がるような心持になると、どこからとなく、ぱたりぱたりと石が落ちてくるのです。皆の者がしゃんとしている間は何事もないのですが、つい知らずに首が下がるにつれて、ぱたりぱたりと石が落ちてくるので、「これはどうしても狐狸の仕業に相違ない。ためしに空鉄砲を放してみよう」といって、井上某が鉄砲を取りに立とうとすると、ぽかりと切石が眉間みけんに当たって倒れました。
 こんどは他の者が代わって立とうとすると、また、その者の横鬢よこびんのところに切石が当たったので、もう誰も鉄砲を[#「鉄砲を」は底本では「鉄砲に」]取りに行こうという者もありません。互いに顔を見合わせているばかりでしたが、ある一人が「石の落ちてくるところは、どうも天井らしい」と、いい終わるか終わらぬうちに、ぱっと畳の間から火を吹き出したそうです。
 こういうような怪異のことが、約三月くらい続いているうちに、ふとかの地袋の女ということに気がついて、下屋敷の女たちを厳重に取調べたところが、果して池袋から来ている女中があって、それが出入りの者と密通していたということが知れました。
 で、この女中を追い出してしまいますと、まるで嘘のように不思議なことが止んだということです。
 これも塚原渋柿園じゅうしえんの直話じきわですが、牛込の江戸川橋のそばに矢柄やがら何某という槍の先生がありました。この家に板橋在の者だといって住み込んだ女中がありましたが、どうも池袋の女らしいので、そのことを細君から主人に告げて、今のうちに暇を出してしまいたいといいますと、さすがは槍の先生だけあって、「実は池袋の女の不思議を見たいと思っていたのだが、ちょうど幸いである。そのままにしておけ」ということで、細君も仕方なしに知らぬ振りをしていましたが、別になんのこともなかったそうです。
 ところがある日、主人公が食事をしている時でした。給仕をしている細君があわてて飯櫃めしびつを押さえていますので、どうしたのかと聞くと、飯櫃がぐるぐる廻り出したというのです。
 矢柄先生はそれを非常に面白がられて、ぐるぐると廻っている飯櫃をじっと見ていましたが、やがて庭の方の障子を開けますと、飯櫃はころころと庭に転げ落ちて、だんだん往来の方へ転げて行きます。で、稽古に来ている門弟たちを呼んでそのあとをつけさせますと、飯櫃は中の橋の真ん中に止まって、逆様さかさまに伏せって動かなくなったので、それを取ってみますとすっかり飯が減っていたということです。
 これを調べて見ると、その池袋の女中が近所の若い者といたずらをしていたということが判りました。女中も驚いて自分から暇を取ろうとしましたが、先生は面白がってどうしても暇をやらなかったので、とうとういたたまらなくなって、女も無断で逃げていってしまったということです。この種の怪談が江戸時代にも沢山ありました。
天狗や狐憑き、河童など

 天狗に攫さらわれるということも、随分沢山あったそうです。もちろんこれには嘘もあり、本当もあり、一概にはいえないのですが、とにかくに天狗に攫われるような者は、いつもぼんやりして意識の明瞭を欠いていた者が多かったそうです。従って、「あいつは天狗に攫われそうな奴だ」というような言葉があったくらいです。これは十日くらいの間、行方不明になっていて、どこからかふらりと戻って来るのです。
 これらは科学的に説明すれば、いろいろの解釈がつくのですが、江戸時代ではまず怪談の一つとして数えていました。
 狐憑きつねつき、これもなかなか多かったようですが、一種の神経衰弱者だったのでしょう。この時代には「狐憑」もあれば、「狐使い」もありました。狐を使う者は飯綱いいづなの行者だと言い伝えられていました。そのほかに管狐くだぎつねを使う者もありました。
 管狐というのは、わざわざ伏見の稲荷へ行って管の中へ狐を入れて来るので、管の中へ入れられた狐は管から出してくれといって、途中で泣き騒いでいたということですが、もう箱根を越すと静かになるそうです。
 昔は狐使いなどといって、他に嫌がられながらも一方にはまた恐れられ、種々の祈祷料などをもらっていたのですが、今日では狐を使う行者などは跡を絶ちました。
 この狐憑は、狐が落ちさえすればけろりと治ってしまいますが、治らずに死ぬ者もありました。
 河童かっぱは筑後の柳川が本場だとか聞いていますが、江戸でも盛んにその名を拡めています。これはかわうそと亀とを合併して河童といっていたらしく、川の中で足などに搦からみつくのは大抵は亀だそうです。
 この河童というものが、江戸付近の川筋にはよく出たものです。どういう訳か、葛西かさいの源兵衛(源兵衛堀―いまの北十間じっけん川のこと)が名所になっています。
 徳川の家来に福島何某なにがしという武士がありました。ある雨の夜でしたが、虎の門の濠端ほりばたを歩いていました。この濠のところを俗にどんどんといって、溜池の水がどんどんと濠に落ちる落口になっていたのです。
 その前を一人の小僧が傘もささずに、びしょびしょと雨に濡れながら裾を引き摺って歩いているので、つい見かねて「おい、尻を端折はしょったらどうだ」といってやりましたが、小僧は振り向きもしないので、こんどは命令的に「おい、尻を端折れ」といいましたが、小僧は振り向きもしないので、こんどは命令的に「おい、尻を端折れ」といいましたが、小僧は相変わらず知らぬ顔をしています。で、つかつかと寄って、後ろから着物の裾をまくると、ぴかっと尻が光ったので、「おのれ」といいざま襟に手をかけて、どんどんの中へ投げ込みました。
 が、あとで、もしそれが本当の小僧であっては可哀相だと思って、翌日そこへ行って見ましたが、それらしき死骸も浮いていなければ、そんな噂もなかったので、まったくかわうそだったのだろうと、他に語ったそうです。
 芝の愛宕山の下〔桜川の大溝〕などでも、よくかわうそが出たということです。
 それは多く雨の夜なのですが、差している傘の上にかわうそが取りつくので、非常に持ち重りがするということです。そうして顔などを引っ掻かれることなどがあったそうですが、武士などになると、そっと傘を手許に下げておよその見当をつけ、小柄こづかを抜いて傘越しにかわうそを刺し殺してしまったということです。
 中村座の役者で、市川ちょび助という宙返ちゅうがえりの名人がありました。やはり雨の降る晩でしたが、芝居がはねて本所の宅へ帰る途中で遭ったそうです。差している傘が石のように重くなって、ひと足も歩くことができなくなったので、持前の芸を出して、傘を差したまま宙返りをすると、かわうそが大地に叩きつけられて死んでいた、ということです。
 日比谷の亀も有名でした。桜田見附から日比谷へ行く濠の底に大きい亀が棲すんでいたということで、この亀が浮き出すと濠一杯になったと言い伝えられています。亀が浮くと、龍たつの口くちの火消屋敷の太鼓を打つことになっていました。その太鼓の音に驚いて、大亀は沈んでしまうといいます。しかし、その亀を見た者はないようです。

原作小说刷完感觉要变人生之作了,憋了一肚子想说的话,出口还是变成了op的这句歌词「分明平静无风,是因为追上了你的心吧。」

从阿走入住 竹青庄满员 灰二提出参加箱根驿传大家拼命拒绝开始,到最后大家跑在各自区间上与自己内心的对话,确确实实是追逐自己心的过程。
在小说里补全了很多细节,前期很多细致的心理活动,原来那里他想了那么多,原来在这个地方他做了这样的事,追番时一闪而过的画面没能容纳的情感在原文里都得到了补足。对照着来看,每个人都更加鲜活、真实。
只有十人的“杂牌军”不顾一切朝着顶点的身姿挣扎又耀眼。挣扎是因为痛苦,耀眼是他们真的很快乐。到最后几章感觉自己也变成 感受着在不知是书里还是书外各种杂糅的痛苦中快乐得追完了。合上书是想要重刷无数遍的冲动,但又难说下一次翻开或点开是什么时候。
没头没脑唠唠叨叨说了一堆,其实是很想大喊一句「箱根の山は天下の険」


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