雨夜草紙
田中貢太郎

 小さくなった雨が庭の無花果いちじくの葉にぼそぼそと云う音をさしていた。静かな光のじっと沈んだ絵のような電燈の下で、油井あぶらい伯爵の遺稿を整理していた山田三造さんぞうは、机の上に積み重ねた新聞雑誌の切抜きりぬきや、原稿紙などに書いたものを、あれ、これ、と眼をとおして、それに朱筆しゅふでを入れていた。当代の名士で恩師であった油井伯爵が死亡すると、政友や同門からの推薦によって、その遺稿を出版することになり、できるなら百日祭までに、伯爵が晩年の持論であった貴族に関する議論だけでも活字にしたいと思って、編纂へんさんに着手してみると、思いのほかに時間がとれて、仕事が進まないのでその当時は徹夜することも珍しくなかった。
 一時間も前から眼を通していた二十頁ページに近い菊判の雑誌の切抜がやっと終った。三造は一服するつもりで、朱筆しゅふでを置き、体を左斜ひだりななめにして火鉢ひばちの傍にある巻煙草の袋を執とり、その中から一本抜いてマッチを点つけた。夜よはよほど更ふけていた。さっき便所へ往った時に十二時と思われる時計の音を聞いたが、それから後のちは時間に対する意識は朦朧もうろうとなっていた。ただ時間と空間に支配せられた、頗すこぶる疲労し切った存在が意識せられるに過ぎなかった。
 雨の音はもう聞えなかった。彼は二本目の煙草を点けたところで、その煙が円まるい竹輪麩ちくわふを切ったように一つずつ渦を巻いて、それが繋つながりながら飛んで往くのに気が注ついた。彼は不思議な珍らしい物を見つけたと云う軽い驚異の眼でそれを見ながら、ゆっくりゆっくり煙を吐いた。煙はやはり竹輪麩のように渦を巻いて、それが連続しながら天井の方へ昇って往った。そして、その靡なびきがぴったり止んで動かなくなったかと思うと、その煙の色がみるみる濃くなり、それが引締るようになると、ものの輪廓りんかくがすうと出来た。肩の円みと顔が見えて、仙台平せんだいひらの袴はかまを穿はいた男が眼の前に立った。三造はその中古ちゅうぶるになった袴の襞ひだの具合に見覚えがあった。
「どうだ、山田」
 と、前に立った人は懐しそうに云って、机の横に胡座あぐらをかくように坐り、
「伯はくの遺稿は、もうだいぶん進んだかね、あれ程有った伯の政友同志は、皆伯を棄すて去った中で、君達数人が、ほんとうに伯のことを思っていてくれたのは、実に感謝の他はない、吾輩も晩年の伯が甚はなはだお気の毒であったから、いつも傍にいてあげた、君達はたびたび伯から、木内きうちの夢を見たよと云われたことがあるだろう、あれが吾輩の傍にいた証拠だ」
 三造は膝ひざを直してかしこまっていた。彼はその場合、何の矛盾も感ぜずに、非常な敬虔けいけんな心を持って先輩に対していた。油井伯爵を首領に戴いただいた野党の中の智嚢ちのうと云われた木内種盛きうちたねもりは、微髭うすひげの生えた口元まで、三十年前ぜんとすこしも変らない精悍せいかんな容貌を持っていた。
「しかし、もう、何も往くべき処へ往った、我が党の足痕あしあとへは、もう新しい世界の隻足かたあしが来ている、吾輩の魂も、これから永遠の安静に入いるべき時が来たから、最後の言げんとして、君にまで懺悔ざんげして置きたいことがあってやって来た」
 三造は頭をさげた。
「君は、吾輩が至誠しせい病院で斃たおれたことを覚えているだろう」
 眼に残っている金盥かなだらいの血、俄然容態が変って危険に陥おちいったと云う通知を得て、あたふたと駈かけつけて往く先輩の一人に跟ついて、至誠病院の病室へ入った三造は、呼吸いきを引きとったばかりの木内の顔に、白いガーゼのかけてあるのを見た。その枕頭まくらもとには死人の吐いた血が金盥の中に冷たく光っていた。
(しまった、しまった、しまった)
 感情家の先輩は、両手をひしと握りしめて、その拳こぶしを胸のあたりで上下に揮ふり動かしながら、床をどしどしと踏んだ。そこには至誠堂病院の院長青木寛かんをはじめ、二三人の医師が粛然しゅくぜんとして立っていた。先輩の眼は院長に往った。
(何故なぜ死んだのです、何故死んだのです、木内君は何故死んだのです)
 先輩の眼は憎悪に燃えていた。
(急に容態が変じました、いろいろと手を尽してみましたが、どうも残念でした)
 院長はすまして云った。その冷ひややかな調子は三造にまで反感をおこさせた。
(残念と云ってしまえばそれまでだが、この男の体をどう思っているのです)
 先輩は怒鳴どなりだした。当時閥族ばつぞく政府へ肉薄して、政府をして窘窮きんきゅうの極に陥おとしいれていた野党の中でも、その中堅とせられている某党の智嚢ちのうの死亡は、野党にとっての一大打撃であった。三造は先輩の憤激するのも無理はないと思った。
(実にお気の毒です)
 院長はまた冷ひややかに云った。先輩の眼は金盥かなだらいに往った。先輩の熱した頭はやや醒さめかけていた。
(胃腸の病やまいに、こんなに血を吐くことがあるのですか)
(無いにもかぎりません)
(しかしどうもおかしいのですね、これまで木内君は、ちょいちょい胃腸が悪いが、何時いつも五六日位、口養生くちようじょうさえすれば、すぐ癒なおったし、今度も別に大したこともないが、下宿では政友が押しかけて来て煩うるさいから、保養のつもりで入院すると云ってた位だから、こんなことはあらわれないはずだ)
(私もはじめには、たいしたことはないと思っておりましたが、急にこんなになりました、どうもお気の毒です)
 そこへ三四人の同志が来たので、その先輩と院長の応対はそれっきりになったが、その後あとでも同志の中では、三造の先輩と同じように木内の死因に疑いを挟んで、院長と交渉した者もあったと云うことを聞いた。また、その野党の総理であった油井伯爵は、関西方面へ旅行中、旅先でそれを聞いて驚いて帰京したが、これまたその死因を疑って、死体を解剖に附ふすると云って口惜くやしがったけれども、結局そのままになってしまった。三造はその当時、その周囲から口ぐちに、
(木内君は毒殺せられた)
 と云うことを聞いた。そして、その院長が次第に社会的に栄達えいたつして、男爵を授さずけられた時にも、
(木内を殺した功こうさ)
 と、云うようなことを云う者があって、忘れていた過去の記憶を呼び起されたこともあった。……
「あれは、君、僕はあの時、青木のためにガラスの粉末を飲まされたのだ、それを青木に頼んだ者は、三田尻みたじりと山口さ、実に卑怯千万ひきょうせんばんな奴だが、謀はかりごとは見事図に当って、野党の歩調が乱れ、予算の大削減にも逢あわず、内閣も倒壊せずに済んださ、その時から青木は、もう男爵になることになっていた」
 三造はまた頭をさげた。
「僕はこの悪漢に対して、すぐ思い知らしてやろうと思ったが、そのままでは復讐の効力が強くないから、時節の来るのを待っていたのだ、が、その時節がとうとうやって来た、君は昨年から本年にかけて、彼奴あいつの家に大きな不幸の来たのを知ってるだろう、それさ、彼奴は思いのままに男爵になり、金にも名誉にも不足が無くなったので、このうえは、二人の男の子を立派な人間にしたいと思いだした、彼奴が時どき己じぶんの室へやで、細君さいくんや親しい朋友ともだちに向って、
(あの二人さえ、一人前の人間になってくれるなら、もう何も遺憾いかんなことはない)
 などと云っているのを見て、僕は、
(今に見ろ、一人前の人間になりかけたところで、復讐してやるぞ)
 と呟つぶやいたことがあったさ、それで、二人とも大学を出たので、彼奴は知人の間を運動して、兄の方の小供を満伊みつい商会へ入れ、弟は医科だから、己の経営している病院の副院長と云う事にしたのだ、
 復讐の舞台が出来たのだよ、
 そこで昨年になって、サンフランシスコの支店長となった兄の子の方から手をくだしたのだ、爺親おやじの血を受けて、意志の強い比較的厳格な奴を、先まずオペラへ引きだして、その座の人気役者で腕の凄い女に関係さして、その手でうんと金を絞らしたら、奴やっこさん苦しくなり、部下となっている遊朋友あそびともだちに勧められて、投機に手を出したところが、みるみる六十万円と云う穴を開けてしまったさ、それで、一方女の方では、年少とししたの情夫があって、奴さんから絞り執とった金を、その情夫と媾曳あいびきの費用にして遊んでいたのを、奴さんうすうす知って、煩悶はんもんしているところへ、投機の一件が本店の方へ知れて、本店から急に呼び返されたのでいよいよ困り、このうえはなんとか身の所置をしなくてはならないと思って、考え考え、ふらふらと彼かの女の許もとへ、足の向くままに往ってみたさ、ホテルの三階になった彼かの女の室へやへは、年少とししたの情夫が来ていて、微暗うすぐらい電燈の下で話していたが、奴さんは入口へ立って扉ドアを叩たたこうとすると、不思議に開あいているので、そのまま静しずかに入って往ったのだ、中の二人は睦むつまじそうに話しているところへ、不意の闖入者ちんにゅうしゃがあったので、びっくりして離れ離れになって起たちあがったが、入って来た者が奴さんだと知ると、平生へいぜいからばかにしきっている女は、
(犬のようにそっと入って来るなんて、貴郎あなたはよっぽど卑怯者ひきょうものですわね)
 と云うと、奴さんしかたなく笑いながら、
(そう云ってくれるな、開あいていたから入ったまでだ、たくらんでそっと入ったものじゃないよ)
 と、穏かに云ったものの、うすうす知っている情夫の青年と睦じそうにしているところを見せつけられたので、頭の中は穏かでなかった、
(だから日本人は嫌いと云うのですよ、嘘つき、今私が締めた扉ドアが、どうして開あいてるのです、なにか私の秘密でも探ろうと思って、合鍵を持って来て、それで開けたのでしょう、出て往ってください、一刻も置くことはなりません)
と、女は情夫との媾曳あいびきの場所を見られた腹立ちまぎれに怒鳴どなりだした、すると奴やっこさんむらむらとして来た。
(よし、お前のような恩知らずの畜生ちくしょうのところには、おれと云ってもおってやらないさ、帰る)
 と云うと、
(帰ってくださいとも、犬のような奴は、一刻も置くことは出来ません、帰ってください、出てください)
 と、女は奴さんに向って進んで来て、突き飛ばしそうにする、奴さんも肱ひじを張って女を迎えようとしたが、思い返して室へやの外へ出た、女は追って来て扉ドアをぴしりと締めたさ、室へやの出口には、蒼白あおじろい瓦斯燈がすとうの光があって、その光の中に僕の顔が浮き出ていたが、奴さんは僕の顔を知らないから、
(変な顔が見えたぞ、頭の具合かな)
 と、眼をつぶって頭を一つ揮ふったさ、しかし、僕はまだ顔を出していたから、奴さんまた僕の顔を見たが、もうその時は、頭の具合かなどと、己じぶんの頭を疑ってみるような反省力は無くなっている、奴さんは恐れて、螺旋形らせんけいの階段を走りおりて街路とおりへでたのだ、そして、奴さんの意識は朦朧もうろうとなってしまったさ、奴さんは人道じんどうも車道しゃどうも区別なしに歩いていると、荷物かもつ自動車がやって来たさ、奴さんは腹部を引かれて大腸が露出したが、それでも二日ばかり生きていたのだ、君は昨年の九月の新聞に、満伊商会の支店長が過あやまって自動車に轢ひかれて、死亡したと云う記事の載っていたのを読んだことがあるだろう、あれさ」
 三造は頷うなずいてみせた。

黄英(下)
田中貢太郎

間もなく主人が出てきた。果して陶であった。馬はひどく喜んで別れてからの後の話をして、とうとうそこに泊った。馬は陶に、
「姉さんも待ちかねている、ぜひいっしょに帰ろう」
 と言った。陶は言った。
「金陵は僕の故郷ですから、ここで結婚しようと思ってるのです、すこしばかり金がありますから、姉さんにやってください、年末になったら、ちょっと往きますから」
 馬は、
「とにかく一度帰ろう、姉さんも待ちかねてるから」
 と言って聴かなかった。そしてしきりに帰ることをすすめて、そのうえで言った。
「家は幸いに金があるから、ただ坐ってくらしておればいいのだ、もう商売なんかしなくてもいい」
 馬はそこで肆の中へ坐って、肆の男に価あたいを言わして、やすねで売ったので、数日のうちに売りつくした。馬はそれから陶に逼せまって旅準備たびじたくをして、舟をやとうてとうとう北へ帰ってきた。そして我家へ帰ってみると、黄英はもう家の掃除をして、牀榻ねだいと裀褥ふとんの用意をしてあった。それはあらかじめ弟の帰るのを知っていたかのように。
 陶は帰って旅装束を解くと、人をやとうて亭園ていえんをしつらえさした。そして毎日馬と棋きをやったり酒を飲んだりして、他に一人の友達もつくらなかった。馬は陶に結婚させようとしたが承知しなかった。黄英は二人の婢を陶の寝所につけたが、三四年たって一人の女の子が生れた。
陶は素もとから酒が強かったから、従ってぐでぐでに酔うことはなかった。馬の友人に曾そうという者があったが、これも酒豪で相手なしときていた。ある日その曾が馬の所へきたので馬は陶と飲みっくらをさした。二人はほしいままに飲んでひどく歓び、知りあいになるのが晩おそかったことを恨んだほどであった。辰の刻から飲みはじめて夜の二時比まで飲んだが、数えてみるとそれぞれ百本の酒を飲んでいた。曾は泥なまこのようにぐにゃぐにゃに酔っぱらって、そこに寝込んでしまった。陶は起って寝に帰ったが、門を出て菊畦を践ふんでゆくうちに、酔い倒れて衣きものを側にほうりだしたが、そのまま菊になってしまった。その高さは人位で十あまりの花が咲いたが、皆拳よりも大きかった。馬はびっくりして黄英に知らした。黄英は急いで往って、菊を抜いて地べたに置いて、
「なぜこんなにまで酔うのです」
 と言って、衣をきせ、馬を伴れて帰って往ったが、
「見てはいけないですよ」
 と言った。朝になって往ってみると陶は畦のへりに寝ていた。馬はそこで二人が菊の精だということを悟ったのでますます二人を敬い愛した。
 そして陶は自分の姿を露わしてからは、ますます酒をほしいままに飲むようになって、いつも自分から手紙を出して曾を招よんだ。で、二人は親しい友達となった。
 二月十五日の花朝かちょうの日のことであった。曾が二人の僕に一甕ひとかめの薬浸酒やくしんしゅを舁かつがしてきたので、二人はそれを飲みつくすことにして飲んだが、甕の酒はもうなくなりかけたのに、二人はなおまだ酔わなかった。馬はそこでそっと一瓶の酒を入れてやった。二人はまたそれを飲んでしまったが、曾は酔ってつかれたので、僕が負って帰って往った。
 陶は地べたに寝てまた菊となったが、馬は見て慣れているので驚かなかった。型の如く菊を抜いてその傍に番をしながら、もとの人になるのを待っていたが時間がたってから葉がますます萎しおれてきた。馬はひどく懼おそれて、はじめて黄英に知らした。黄英は知らせを聞いて驚いて言った。
「しまった」
 奔はしって往ってみたが、もう根も株も枯れていた。黄英は歎き悲しんで、その梗くきをとって盆の中に入れ、それを持って居間に入って、毎日水をかけた。馬は悔い恨んでひどく曾を悪にくんだが、二三日して曾がすでに酔死したということを聞いた。
 盆の中の花はだんだん芽が出て、九月になってもう花が咲いた。短い幹に花がたくさんあって、それを嗅ぐと酒の匂いがするので、酔陶と名をつけて、酒をかけてやるとますます茂った。
 後に女むすめは成長して家柄のいい家へ嫁入した。
 黄英はしまいに年をとったが、べつにかわったこともなかった。

作品原文

马子才,顺天人。世好菊,至才尤甚。闻有佳种,必购之,千里不惮。 一日,有金陵客寓其家,自言其中表亲有一二种,为北方所无。马欣动, 即刻治装,从客至金陵。客多方为之营求,得两芽,裹藏如宝。归至中途, 遇一少年,跨蹇从油碧车,丰姿洒落。渐近与语。少年自言:“陶姓。” 谈言骚雅。因问马所自来,实告之。少年曰:“种无不佳,培溉在人。” 因与论艺菊之法。马大悦,问:“将何往?”答云:“姊厌金陵,欲卜居 于河朔耳。”马欣然曰:“仆虽固贫,茅庐可以寄榻。不嫌荒陋,无 烦他适。”陶趋车前,向姊咨禀。车中人推帘语,乃二十许绝世美人也。 顾弟言:“屋不厌卑,而院宜得广。”马代诺之,遂与俱归。
第南有荒圃,仅小室三四椽,陶喜,居之。日过北院,为马治菊。菊已 枯,拔根再植之,无不活。然家清贫,陶日与马共食饮,而察其家似不举火。马妻吕,亦爱陶姊,不时以升斗馈恤之。陶姊小字黄英,雅善谈, 辄过吕所,与共纫绩。陶一日谓马曰:”君家固不丰,仆日以口腹累知 交,胡可为常。为今计,卖菊亦足谋生。”马素介,闻陶言,甚鄙 之,曰:“仆以君风流高士,当能安贫,今作是论,则以东篱为市井, 有辱黄花矣。”陶笑曰:“自食其力不为贪,贩花为业不为俗。人固不 可苟求富,然亦不必务求贫也。”马不语,陶起而出。自是,马所 弃残枝劣种,陶悉掇拾而去。由此不复就马寝食,招之始一至。未几,菊将 开,闻其门嚣喧如市。怪之,过而窥焉,见市人买花者,车载肩负,道 相属也。其花皆异种,目所未睹。心厌其贪,欲与绝;而又恨其私秘佳本, 遂款其扉,将就诮让。陶出,握手曳入。见荒庭半亩皆菊畦,数椽之外无旷 土。劚去者,则折别枝插补之;其蓓蕾在畦者,罔不佳妙:而细认 之,尽皆向所拔弃也。陶入屋,出酒馔,设席畦侧,曰:“仆贫不能守清戒,连朝幸得微资,颇足供醉,”少间,房中呼“三郎”,陶诺而去。俄 献佳肴,烹饪良精。因问:“贵姊胡以不字?”答云:“时未至。“问:“何 时?”曰:“四十三月。”又诘:“何说?”但笑不言。尽欢始散。过宿, 又诣之,新插者已盈尺矣。大奇之,苦求其术。陶曰:“此固非可言传;且 君不以谋生,焉用此?”又数日,门庭略寂,陶乃以蒲席包菊,捆载数车而 去。逾岁,春将半,始载南中异卉而归,于都中设花肆,十日尽售,复 归艺菊。问之去年买花者。留其根,次年尽变而劣,乃复购于陶。陶由此日 富:一年增舍,二年起夏屋。兴作从心,更不谋诸主人。渐而旧日花畦,尽 为廊舍。更于墙外买田一区,筑墉四周,悉种菊。至秋,载花去,春尽 不归。而马妻病卒。意属黄英,微使人风示之。黄英微笑。意似允许,惟专 候陶归而已。年馀,陶竟不至。黄英课仆种菊,一如陶。得金益合商贾,村 外治膏田二十顷,甲第益壮。忽有客自东粤来,寄陶生函信,发之,则 嘱姊归马。考其寄书之日,即妻死之日;回忆园中之饮,适四十三月也。大 奇之。以书示英,请问“致聘何所”。英辞不受采。又以故居陋,欲使就南 第居,若赘焉。马不可,择日行亲迎礼。黄英既适马,于间壁开扉通南第, 日过课其仆。
马耻以妻富,恒嘱黄英作南北籍,以防淆乱。而家所 需,黄英辄取诸南第。不半岁,家中触类皆陶家物。马立遣人一一赍还之, 戒勿复取。未浃旬,又杂之。凡数更,马不胜烦。黄英笑曰:“陈仲子 毋乃劳乎?”马惭,不复稽,一切听诸黄英。鸠工庀料,土木大作,马不能禁。经数月,楼舍连亘,两第竟合为一,不分疆界矣。然遵马教, 闭门不复业菊,而享用过于世家。马不自安,曰:“仆三十年清德,为 卿所累。今视息人间,徒依裙带而食,真无一毫丈夫气矣。人皆祝 富,我但祝穷耳!”黄英曰:“妾非贪鄙;但不少致丰盈,遂令千载下 人,谓渊明贫贱骨,百世不能发迹,故聊为我家彭泽解嘲耳。然贫者愿富,为难;富者求贫,固亦甚易。床头金任君挥去之,妾不靳也。”马 曰:“捐他人之金,抑亦良丑。”英曰:“君不愿富,妾亦不能贫也。无已, 析君居:清者自清,浊者自浊,何害。”乃于园中筑茅茨,择美婢往侍 马。马安之。然过数日,苦念黄英。招之,不肯至;不得已,反就之。隔宿 辄至,以为常。黄英笑曰:“东食西宿,廉者当不如是。”乌亦自笑, 无以对,遂复合居如初。
会马以事客金陵,适逢菊秋。早过花肆,见肆中盆列甚烦,款朵佳胜, 心动,疑类陶制。少间,主人出,果陶也。喜极,具道契阔,遂止宿焉,要 之归。陶曰:“金陵,吾故土,将婚于是。积有薄资,烦寄吾姊。我岁杪当 暂去。”马不听,请之益苦。且曰:“家幸充盈,但可坐享,无须复贾。” 坐肆中,使仆代论价,廉其直,数日尽售。逼促囊装,赁舟遂北。入门,则 姊已除舍,床榻裀褥皆设,若预知弟也归者。陶自归,解装课役,大修亭园, 惟日与马共棋酒,更不复结一客。为之择婚,辞不愿。姊遣二婢侍其寝处, 居三四年,生一女。
陶饮素豪,从不见其沉醉。有友人曾生,量亦无对。适过马,马使 与陶相较饮。二人纵饮甚欢,相得恨晚。自辰以迄四漏,计各尽百壶。 曾烂醉如泥,沉睡座间。陶起归寝,出门践菊畦,玉山倾倒,委衣于侧, 即地化为菊,高如人;花十馀朵,皆大于拳。马骇绝,告黄英。英急往,拔 置地上,曰:“胡醉至此!”覆以衣,要马俱去,戒勿视。既明而往,则陶 卧畦边。马乃悟姊弟菊精也,益敬爱之。而陶自露迹,饮益放,恒自折柬招 曾。因与莫逆。值花朝,曾乃造访,以两仆舁药浸白酒一坛,约与共 尽。坛将竭,二人犹未甚醉,马潜以一瓻续入之,二人又尽之。曾醉 已惫,诸仆负之以去。陶卧地,又化为菊。马见惯不惊,如法拔之,守其旁 以观其变。久之,叶益憔悴。大惧,始告黄英。英闻骇曰:“杀吾弟矣!” 奔视之,根株已枯。痛绝,掐其梗,埋盆中,携入闺中,日灌溉之。马悔恨 欲绝,甚怨曾。越数日,闻曾已醉死矣。盆中花渐萌,九月既开,短干粉朵, 嗅之有酒香,名之“醉陶”,浇以酒则茂。后女长成,嫁于世家。黄英终老, 亦无他异。
异史氏日:“青山白云人,遂以醉死,世尽惜之,而未必不自以 为快也。植此种于庭中,如见良友,如对丽人,不可不物色之也。”

2021年九月 声优MEN
杂志 写真 对谈https://t.cn/A6lsGZww
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ブースへ入った福山は、まずは「竹取探偵物語」の台本数枚をテスト朗読。活字で描かれた物語だが、これを福山が音読した途端、その透き通った声によって物語の世界が立ち上がり、キャラクターたちに命が吹き込まれて動き出すのを感じた。これには収録に立ち会った小説の担当編集者が「登場人物が立体的になった」と感嘆。事前に台本を読み込み、物語の世界観を自身の中に落とし込んで入念な準備をしてきたという福山。もちろん、単語の意味やイントネーションは丁寧に調べ上げており、担当編集とは、物語の解釈のすり合わせをし、スムーズな進行に。これはやはり、福山の仕事に対する誠実な向き合い方によるところが大きいのだろう。
「スピードはこのくらいで大丈夫ですか?」と、朗読スピードの確認をしたのちに収録本番へ。福山は、会話劇のリズムを取りやすいスタイルでマイクに立って収録に挑み、スムーズに終了した。

後半は坂口安吾の朗読。福山は、「実はマイク前で行なう朗読がいちばん難しいんですよ」。そういいながら、今度は椅子に座って収録に挑む福山。とくに「天才になりそこなつた男の話」は、「このお話って、古い作品ならではでのおもしろさがありますよね」と、物語を楽しみながら朗読をしていた様子。福山の表現者としての熱い想いが込められた朗読を、カセットテープというアナログメディアを通して聞けば、デジタルとはまた一味違った趣のある朗読に聞こえるはずだ。

富野由悠季監督vs福山潤 名言連発の白熱対談!(1)富野監督「人間がやっていることは所詮、整合性なんてない」
https://t.cn/A6lsGZwU
福山 監督は憶えていらっしゃるかわかりませんが、10数年前に最後にお会いしたのは、ある会社の新年会だったんです。バイキング形式だったので僕はお蕎麦を食べていたら、そこに監督が現れて。鰻丼を僕にくださいました。
富野 いや、僕は鰻丼は人には渡さない(笑)。
福山 僕は富野監督に鰻丼をいただいて、お蕎麦と一緒に食べた記憶があります(笑)。
富野 そのときのことは忘れていますね。申し訳ない。僕は基本的に、声優さんとの会話はほとんど憶えていないんです。だけど、福山さんは一緒に仕事をした声優の中では、会話をしたことを一番覚えている人の一人です。これはお世辞で言うわけではなく、『∀ガンダム』のキース(・レジェ)のキャスティングは本当に難航したんです。業界の中にはキースにふさわしい声優が本当にいなかった。
福山 そもそも僕が声優という仕事に興味を持ったきっかけは『機動戦士ガンダム』なんです。最初は戦闘シーンがカッコ良くて観始めたんですが、当時はまだ子どもだったので『ガンダム』の中の大人たちが何を話しているのかもわからなかった(笑)。でも気になってしまって、何度も繰り返し観ていました。そうやって、自分がなぜこの作品を好きなのかを考えはじめたことが、声優という仕事に行きついたきっかけなんです。

视频
https:去掉//www.yout去掉ube.com/embed/euhuka2VNX8
哔站【「福山潤 プロフェッショナルトーク」福山潤×富野由悠季監督対談ダイジェスト https://t.cn/A6lsGZwh

富野由悠季監督vs福山潤 名言連発の白熱対談!(2)富野監督「声優業を死ぬまでやることの過酷さ」
https://t.cn/A6lsGZwz
福山 『リーンの翼』でエイサップ・鈴木の役をいただけて。収録していく中で、あまり自分自身良い感触がないときがあって、収録が終わり、気落ちしてスタジオを出ようとしたんです。そうしたら、監督が「ちょっと待て!」と呼び止めてくださって、「このままいくと潰れるぞ。ずっと思っていたが、君は身体のことを無視しすぎている」と言ってくださいました。というのも、僕はそのときまさに身体を壊していて。そんなことも監督はお見通しだったんだな、と。以降、僕も身体を鍛えたり、体調を維持したりするようになりましたし、フィジカルの面を大切にしています。

富野由悠季監督vs福山潤 名言連発の白熱対談!(3)富野監督「このセリフは成立するのだろうかと考える試みと直感そのものが、創作行為」
https://t.cn/A6lsGZw7

#福山润#


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