【新闻】髙橋ひかる「大好きな青野くんへの真っ直ぐな気持ちを大切に演じることで、安心して役に飛び込めました」「WOWOWオリジナルドラマ 青野くんに触りたいから死にたい」インタビュー
「月刊アフタヌーン」にて連載中の大人気マンガ『青野くんに触りたいから死にたい』。
幽霊になった彼氏と女子高生が紡ぐ、話題沸騰のホラーラブストーリーが待望の実写ドラマ化。
2022年3月18日(金)よりついに放送を開始します。
君に触れるなら、死んでもいいよ。これがわたしの愛なんだ。
アフタヌーン公式サイト「モアイ」掲載の第1話が30万PV突破!
青野くんと天然女子高生・優里ちゃん。
ごく普通のお付き合いをしていたふたりだが、ある日突然、青野くんが「いなくなって」しまう……。
絶対に結ばれないし、触れ合えないふたりの、でたらめで切実すぎるラブストーリー。
今回は、本作で刈谷優里役を演じる髙橋ひかるさんにインタビューを実施! ぜひご覧ください。
――最初に、本作への出演が決まったときの気持ちを教えてください。
とても嬉しかったです! お話をいただいてからすぐに原作を読みましたが、読み進めていくうちにあっという間に虜になりました。とても怖くて、でも青野くんと優里ちゃんの恋愛が可愛らしくて、ハラハラドキドキもして……。いろいろな感情がかき乱される作品で、ページをめくる手が止まらなくなりました。一方で、「この作品をどのように実写化するんだろう?」という疑問も出てきて、すごくワクワクしました。
――本作は異色のラブストーリーですが、幽霊の恋人という役柄に難しさはありましたか?
恋人が目の前にいるのに幽霊だから触れられないというのは、切なくてもどかしいですよね……。でも青野くんのことが大好きな優里の気持ちは一貫しているので、その真っ直ぐさを大切にしながら演じることで、安心して役に飛び込めました。青野くんを魅力的に表現してくださった佐藤(勝利)さんにもとても感謝しています。
――演じる上でこだわったところを教えてください。
原作を尊重することを意識して演じました。優里は人と接するのに慣れていなくて不器用で……。でも真っ直ぐなところがすごく魅力的だと感じたので、そんな優里をどう表現するか、監督と一緒に丁寧に作り上げていきました。
――優里ちゃんは危なっかしい面もありますが、本当に魅力的な女の子ですよね。
幽霊になってしまった人を愛し続けるなんて、重たい、怖いと思う方もいるかもしれないですが、私はすごく素敵だと思います。まだ高校生で、しかも触れ合えない2人が想い合い続けるのってすごく難しいことだと思うので……。いろいろな工夫をして抱き合ったり、「秘密のキスだね」ってキスをしたり、ロマンチックでドキドキする2人の恋愛もすごく素敵です。
――演じていくなかで、ご自身と似ていると感じる部分はありましたか?
少し優しくされただけで「なんて素敵な人!」と思ってしまうところは、わかるなぁと思いました(笑)。
――もし髙橋さんが優里ちゃんと友達になれるとしたら、どんなことを話したいですか?
優里はなんでも興味津々で聞いてくれると思うので、趣味も共有できそうです! ホラーマニアの堀江美桜ちゃんが自分の知っている知識で優里を助けたりするように、私は大好きなゲームに例えて、「ゲームだとこういう場合はこうだから……」って協力できるかもしれないです(笑)。
――大人気マンガが原作の本作にちなんで、ここからはマンガについてのお話も伺わせてください。マンガはよく読まれますか?
読みます! 単行本を買う機会がなかなかなくて、電子書籍で読むことが増えました。
――どんなジャンルをよく読みますか?
小さい頃からファンタジーや非現実的な作品が好きで、今も魔法が出てくるような作品が大好きです。でも『青野くん』はファンタジー要素があるのに現実味もあって、現実と架空の世界が混じっていくような、なにが現実かわからなくなるような不思議な表現にすごく引き込まれました。『青野くん』をきっかけに、まだまだ知らない面白い作品がたくさんあると改めて気がついて、もっとたくさんの作品を読みたくなりました。
――ぜひ「LINEマンガ」でいろいろな作品を楽しんでください! 最後に、「LINEマンガ」をご覧の皆様へメッセージをお願いします。
ドラマでは絵では表現しきれない動きの良さがありますが、逆にマンガでは一瞬一瞬の表情を切り取っているからこそ、伝わってくるものがあると思います。ドラマも原作もぜひ両方楽しんでほしいです!
「WOWOWオリジナルドラマ 青野くんに触りたいから死にたい」は
WOWOWにて3月18日(金)午後11:30放送・配信スタート(全10話)
ぜひチェックしてくださいね!
#高桥光[超话]##高桥光##髙橋ひかる#
「月刊アフタヌーン」にて連載中の大人気マンガ『青野くんに触りたいから死にたい』。
幽霊になった彼氏と女子高生が紡ぐ、話題沸騰のホラーラブストーリーが待望の実写ドラマ化。
2022年3月18日(金)よりついに放送を開始します。
君に触れるなら、死んでもいいよ。これがわたしの愛なんだ。
アフタヌーン公式サイト「モアイ」掲載の第1話が30万PV突破!
青野くんと天然女子高生・優里ちゃん。
ごく普通のお付き合いをしていたふたりだが、ある日突然、青野くんが「いなくなって」しまう……。
絶対に結ばれないし、触れ合えないふたりの、でたらめで切実すぎるラブストーリー。
今回は、本作で刈谷優里役を演じる髙橋ひかるさんにインタビューを実施! ぜひご覧ください。
――最初に、本作への出演が決まったときの気持ちを教えてください。
とても嬉しかったです! お話をいただいてからすぐに原作を読みましたが、読み進めていくうちにあっという間に虜になりました。とても怖くて、でも青野くんと優里ちゃんの恋愛が可愛らしくて、ハラハラドキドキもして……。いろいろな感情がかき乱される作品で、ページをめくる手が止まらなくなりました。一方で、「この作品をどのように実写化するんだろう?」という疑問も出てきて、すごくワクワクしました。
――本作は異色のラブストーリーですが、幽霊の恋人という役柄に難しさはありましたか?
恋人が目の前にいるのに幽霊だから触れられないというのは、切なくてもどかしいですよね……。でも青野くんのことが大好きな優里の気持ちは一貫しているので、その真っ直ぐさを大切にしながら演じることで、安心して役に飛び込めました。青野くんを魅力的に表現してくださった佐藤(勝利)さんにもとても感謝しています。
――演じる上でこだわったところを教えてください。
原作を尊重することを意識して演じました。優里は人と接するのに慣れていなくて不器用で……。でも真っ直ぐなところがすごく魅力的だと感じたので、そんな優里をどう表現するか、監督と一緒に丁寧に作り上げていきました。
――優里ちゃんは危なっかしい面もありますが、本当に魅力的な女の子ですよね。
幽霊になってしまった人を愛し続けるなんて、重たい、怖いと思う方もいるかもしれないですが、私はすごく素敵だと思います。まだ高校生で、しかも触れ合えない2人が想い合い続けるのってすごく難しいことだと思うので……。いろいろな工夫をして抱き合ったり、「秘密のキスだね」ってキスをしたり、ロマンチックでドキドキする2人の恋愛もすごく素敵です。
――演じていくなかで、ご自身と似ていると感じる部分はありましたか?
少し優しくされただけで「なんて素敵な人!」と思ってしまうところは、わかるなぁと思いました(笑)。
――もし髙橋さんが優里ちゃんと友達になれるとしたら、どんなことを話したいですか?
優里はなんでも興味津々で聞いてくれると思うので、趣味も共有できそうです! ホラーマニアの堀江美桜ちゃんが自分の知っている知識で優里を助けたりするように、私は大好きなゲームに例えて、「ゲームだとこういう場合はこうだから……」って協力できるかもしれないです(笑)。
――大人気マンガが原作の本作にちなんで、ここからはマンガについてのお話も伺わせてください。マンガはよく読まれますか?
読みます! 単行本を買う機会がなかなかなくて、電子書籍で読むことが増えました。
――どんなジャンルをよく読みますか?
小さい頃からファンタジーや非現実的な作品が好きで、今も魔法が出てくるような作品が大好きです。でも『青野くん』はファンタジー要素があるのに現実味もあって、現実と架空の世界が混じっていくような、なにが現実かわからなくなるような不思議な表現にすごく引き込まれました。『青野くん』をきっかけに、まだまだ知らない面白い作品がたくさんあると改めて気がついて、もっとたくさんの作品を読みたくなりました。
――ぜひ「LINEマンガ」でいろいろな作品を楽しんでください! 最後に、「LINEマンガ」をご覧の皆様へメッセージをお願いします。
ドラマでは絵では表現しきれない動きの良さがありますが、逆にマンガでは一瞬一瞬の表情を切り取っているからこそ、伝わってくるものがあると思います。ドラマも原作もぜひ両方楽しんでほしいです!
「WOWOWオリジナルドラマ 青野くんに触りたいから死にたい」は
WOWOWにて3月18日(金)午後11:30放送・配信スタート(全10話)
ぜひチェックしてくださいね!
#高桥光[超话]##高桥光##髙橋ひかる#
https://t.cn/EvE4s3e 江心亭素来晚间不进食,但好歹此番同许久不见的二位师妹齐聚一堂,她便也微微提起了几分兴致,动了动筷。只作几番浅尝,她便放下了手中竹箸,看向了身边端坐着的裴真意同蔺吹弦。一时两人皆知道江心亭必定是有话要说,便也接连跟着放下了手中小碗,都朝她看去 “说来大家皆已是十余年未面,如今算得一朝骤然重逢。”江心亭说着,右手轻轻抚弄着身下雕花椅扶,语调与视线皆是平和“就脾性质气而言,我不改是因着从未离过山中,情有可原。但若要说你们两个,为何在外散漫了这么些年,今日看来,却还同往昔并无太大差别”这话是对着裴真意同蔺吹弦发的问,江心亭眼下笑得和煦,语调也亲柔,但裴真意心里却清如明镜之所以她同蔺吹弦会显得并无变化,不过是掺杂了他意的、出于不愿让江心亭对往事有所察觉而戴上的伪装中#大理丽江旅拍婚纱照#
KinKi Kids、CDデビュー25周年。ニューシングル「高純度romance」で松本隆が描いた2人の姿
text by その他
https://t.cn/A66Iu3dB
3月16日にリリースされる、KinKi Kids、44枚目のシングル「高純度romance」は、25年前、彼らのデビュー曲「硝子の少年」を手掛けた、松本隆による作詩である。CDデビュー25周年を迎えるこのアニヴァーサリーの始まりに、彼を起用した意味は大きい。この楽曲の歌詩について、昨年、松本隆50年の軌跡を追った評伝「風街とデラシネ 作詞家・松本隆の50年」(KADOKAWA)を上梓した音楽評論家、田家秀樹による考察を軸に「高純度romance」を分析する。2人を傍で、つかず離れず、ずっと見続けてきた人だからこそわかることがある。これは愛に溢れた1曲だ。
(これは『音楽と人』4月号に掲載された記事です)
松本さんらしい歌詩だな、という印象を受けました。
過剰な言葉も使わないし、説明もしないんだけど、何を唄いたいのかがすごくよくわかる。
〈絆〉ですよね。そしてこんな美しい曲なのに、美化してないし、綺麗事にもしていない。すごくリアリティがある。
〈引きこもってた日もあったよね/悩んだり凹んだり〉
何かを肯定する時に、こういう否定的なことも呼び込みながら、絶妙なバランスで書く。これは、松本隆の技以外の何者でもないですよ。
はっぴいえんどの頃からずっとそうなんですけど、松本さんは1曲の中で、光と影のどちらも書くんです。どちらかではなく全体を。すごくフラットに物を見ながら、その中にあるいろんなデコボコから目を背けない。そしてそれを肯定的に描けるから、嘘っぽさが全然ない。どんな人にも影があって、美しいだけじゃないことをわかって書いている。この曲は、言ってみれば結成25周年のお祝いソングですよね。そんなおめでたい曲に普通、〈引きこもってた日もあったよね〉なんて引き合いに出さないでしょう? でもそれが、この歌のリアリティに繋がっています。
有名なエピソードですけど、松本さんがKinKi Kidsのデビュー曲を依頼された時、なかなかジャニーさんからOKが出なかったんです。ミリオンヒットを獲れる曲という至上命令が出ていて、「Kissからはじまるミステリー」と「ジェットコースター・ロマンス」を先に書き上げていたものの、デビュー曲としてはOKがもらえなかった。煮詰まった松本さんが、仕事場の居間でテレビをつけたら偶然KinKi Kidsが唄っていて、その姿を見た松本さんは「あ、硝子の少年だ」と思った、と。
硝子は脆くて崩れやすく、だからこそピュアで透明、そして美しい。今回のタイトルの〈高純度〉とは、そういうことでもありますよね。この関係がこのままで壊れないでほしい、という願いもあったと思います。そこに松本さん自身を重ねたところもあるでしょうね。
松本さんが分身だと言ってる人が3人いるんです。細野晴臣、大滝詠一、筒美京平。きっと、自分とその人たちの間にあった、他の人にはわからない独特な関係性を、光一くんと剛くんの関係に見たんだと思います。ずっと傍にいるけど交わらない。でも絶対に離れられない。そして誰よりもお互いを理解してる。
だから、この人にはこうであってほしい、という願いが歌詩にこもってるんですよね。松本さんがそんなスタンスで歌詩を描いた唄い手は、おそらくKinKi Kidsと松田聖子さんだけだと思います。松田さんには、等身大の彼女より、ちょっとだけ大人なテーマの歌詩をつねに与えてきたんですよ。彼女は飛び抜けた歌唱力でそれを唄い、それによって、歌手としても人間としても大人になっていった。
KinKi Kidsもそうだと思うんです。デビューがいきなり「硝子の少年」じゃないですか。18歳で、自分たちのあり方のようなものを提示されて以降、その後の松本さんの歌詩は、つねに彼らの生き方のようなものを提示してきている気がします。「ボクの背中には羽根がある」も「スワンソング」もそう。そんな長年のいろんな積み重ねのうえに「高純度romance」が生まれている。それを思うと、25年という時間を背景に、大人になった2人に対し、その次、みたいなものを指し示してるのかもしれません。〈家庭〉という言葉もかなり踏み込んでるように聴こえますけど、でもそれが、さっき話したようなどんな人でも思い当たるリアリティを曲に与えてくれるんです。
〈純度高めの日々育んだ〉という一節もそうですね。つまり自分たちがやっている活動があって、お互いがその純度を高め続けている。プライドもあるし、自負もあるから折れない。そう簡単には交わらない。そんな状態で続けてきた彼らのことを、松本さんはちゃんと見てるということですよね。
そしてラストにある〈真実の蝶結び〉という言葉。〈蝶結び〉って、すぐ解けてしまう脆さがあるじゃないですか。ギュッと固く結ぶのではなく、綺麗だけど、紐を引いたらすぐに解けてしまう〈蝶結び〉。純度が高いからそれができるということでもあるし、そこに到達したということでもある。でも壊れやすいものでもある。これは「硝子の少年」にあった儚さ、脆さの象徴ですよね。そういうものが25年を経てもちゃんと結ばれている。
やはり松本さんがKinKi Kidsにずっと見ているのは、壊れそうで陰りのある、でもとても儚くて、ピュアな青春なんですよ。それを最初、近藤真彦さんに見たと思うんですけど、彼はソロだから、1人の人物の視点でしか描けない。KinKi Kidsはそこに2人の関係性が加わるから、近藤さんよりも歌で表現する視点が深くなる。そこにあの時代のいろんな青春群像が散りばめられているのが「硝子の少年」ですけど、それから25年経って、大人になった時に、いろんなことを言わなくてももういろいろ経験してるから、以前よりも言葉数が少なくなって、整理されて唄われていますね。
松本さんは作詞家として、太田裕美や寺尾聰、南佳孝や松田聖子の作品で、歌謡界で一時代を築いた後、89年から94年まで、作詞家としての活動を休憩するんですが、最前線に復帰したのがKinKi Kidsでした。おそらく松本さんは、2人と出会い、「硝子の少年」がミリオンヒットを飛ばし、代表曲として唄い継がれてきたことで、彼が70年代からずっと描いてきた〈青春の永遠性〉みたいなものを確信できたんじゃないでしょうか。つまり古い新しいは関係なく、みんなが持っているものなんだ、と。
松本さんの歌詩には、時折〈ジェームス・ディーン〉がモチーフとして出てきます。青春のシンボルとでも言うべきもので、矢沢永吉さんの「サブウェイ特急」や原田真二さんの「てぃーんずぶるーす」にも出てきます。若々しく孤独感があり、陰りもある。ジェームス・ディーンのそんなイメージが、松本さんの中にある普遍的な青春でしょう。それがKinKi Kidsにも繋がっているんですけど、さっきお話したように、ジェームス・ディーンは1人だけど、その精神を、2人の関係性として描けるのがKinKi Kidsなんだと思います。
ジェームス・ディーンは若くして亡くなっています。つまり孤独感や陰りというのは、それを抱えたまま死ぬことでしか永遠にならない。人によっては、歳を重ねるごとに、そういうものが失われていく。むしろそのほうが多い。でもKinKi Kidsは、2人の関係が続いていく中で、孤独や陰りが失われることがない。その素晴らしさがある。松本さんが描いてきた〈青春の永遠性〉。その先にあるものを彼らは見せてくれている。あんな硝子のように脆く、儚い美しさを湛えてきた2人の25年。この記念すべきアニヴァーサリーに書いた「高純度romance」は、松本さんが描きたかった世界観の集大成に近い。そして松本さんが、KinKi Kidsの2人に言いたかったであろう一言が、この曲の中にありました。
〈ほんとに愛してるよ〉
これが2人に伝えたかったことですよ。松本さんは大切なタイミングで、歌詩にそういうことを盛り込みますね。松田さんとのコンビを解消したアルバム『Citron』の最後の曲「林檎酒の日々」では〈もうさよならね〉と書いてますけど、それと同じです。この〈ほんとに愛してるよ〉は、松本さんがKinKi Kidsの2人に伝えたかったメッセージだと思います。
よく松本さんは「人の心を引きつける詞は、5%の真実と95%の想像から出来ている」とおっしゃっているんですが、その5%の真実が、25周年というタイミングもあって、そういうところににじみ出た気がします。それと、〈そんな時背中をポンと叩く/君の手に救われたのさ〉という一節は、ジャニーさんの病室で光一さんと剛さんが交わした光景を、KinKi Kidsとして歌にしていると編集長の金光さんから聞いたんですが(註:「YOU... ~ThanKs 2 YOU~」のKinKi Kidsヴァージョン。『KinKi Kids Concert Tour2019-2020 ThanKs 2 YOU』で披露)、松本さんはその話を知らなかったかもしれないですね。というのは、マーケットリサーチみたいなことをする人じゃないんですよ。人から聞かされたのなら別ですけど、自分から最近のKinKi Kidsについて細かく調べたりはしてないと思います。だとしたらすごい話ですけど、松本隆という人とKinKi Kidsの関係を知れば、そんな偶然もありそうだなと、そんな気持ちになりますね。
談=田家秀樹
構成=金光裕史
text by その他
https://t.cn/A66Iu3dB
3月16日にリリースされる、KinKi Kids、44枚目のシングル「高純度romance」は、25年前、彼らのデビュー曲「硝子の少年」を手掛けた、松本隆による作詩である。CDデビュー25周年を迎えるこのアニヴァーサリーの始まりに、彼を起用した意味は大きい。この楽曲の歌詩について、昨年、松本隆50年の軌跡を追った評伝「風街とデラシネ 作詞家・松本隆の50年」(KADOKAWA)を上梓した音楽評論家、田家秀樹による考察を軸に「高純度romance」を分析する。2人を傍で、つかず離れず、ずっと見続けてきた人だからこそわかることがある。これは愛に溢れた1曲だ。
(これは『音楽と人』4月号に掲載された記事です)
松本さんらしい歌詩だな、という印象を受けました。
過剰な言葉も使わないし、説明もしないんだけど、何を唄いたいのかがすごくよくわかる。
〈絆〉ですよね。そしてこんな美しい曲なのに、美化してないし、綺麗事にもしていない。すごくリアリティがある。
〈引きこもってた日もあったよね/悩んだり凹んだり〉
何かを肯定する時に、こういう否定的なことも呼び込みながら、絶妙なバランスで書く。これは、松本隆の技以外の何者でもないですよ。
はっぴいえんどの頃からずっとそうなんですけど、松本さんは1曲の中で、光と影のどちらも書くんです。どちらかではなく全体を。すごくフラットに物を見ながら、その中にあるいろんなデコボコから目を背けない。そしてそれを肯定的に描けるから、嘘っぽさが全然ない。どんな人にも影があって、美しいだけじゃないことをわかって書いている。この曲は、言ってみれば結成25周年のお祝いソングですよね。そんなおめでたい曲に普通、〈引きこもってた日もあったよね〉なんて引き合いに出さないでしょう? でもそれが、この歌のリアリティに繋がっています。
有名なエピソードですけど、松本さんがKinKi Kidsのデビュー曲を依頼された時、なかなかジャニーさんからOKが出なかったんです。ミリオンヒットを獲れる曲という至上命令が出ていて、「Kissからはじまるミステリー」と「ジェットコースター・ロマンス」を先に書き上げていたものの、デビュー曲としてはOKがもらえなかった。煮詰まった松本さんが、仕事場の居間でテレビをつけたら偶然KinKi Kidsが唄っていて、その姿を見た松本さんは「あ、硝子の少年だ」と思った、と。
硝子は脆くて崩れやすく、だからこそピュアで透明、そして美しい。今回のタイトルの〈高純度〉とは、そういうことでもありますよね。この関係がこのままで壊れないでほしい、という願いもあったと思います。そこに松本さん自身を重ねたところもあるでしょうね。
松本さんが分身だと言ってる人が3人いるんです。細野晴臣、大滝詠一、筒美京平。きっと、自分とその人たちの間にあった、他の人にはわからない独特な関係性を、光一くんと剛くんの関係に見たんだと思います。ずっと傍にいるけど交わらない。でも絶対に離れられない。そして誰よりもお互いを理解してる。
だから、この人にはこうであってほしい、という願いが歌詩にこもってるんですよね。松本さんがそんなスタンスで歌詩を描いた唄い手は、おそらくKinKi Kidsと松田聖子さんだけだと思います。松田さんには、等身大の彼女より、ちょっとだけ大人なテーマの歌詩をつねに与えてきたんですよ。彼女は飛び抜けた歌唱力でそれを唄い、それによって、歌手としても人間としても大人になっていった。
KinKi Kidsもそうだと思うんです。デビューがいきなり「硝子の少年」じゃないですか。18歳で、自分たちのあり方のようなものを提示されて以降、その後の松本さんの歌詩は、つねに彼らの生き方のようなものを提示してきている気がします。「ボクの背中には羽根がある」も「スワンソング」もそう。そんな長年のいろんな積み重ねのうえに「高純度romance」が生まれている。それを思うと、25年という時間を背景に、大人になった2人に対し、その次、みたいなものを指し示してるのかもしれません。〈家庭〉という言葉もかなり踏み込んでるように聴こえますけど、でもそれが、さっき話したようなどんな人でも思い当たるリアリティを曲に与えてくれるんです。
〈純度高めの日々育んだ〉という一節もそうですね。つまり自分たちがやっている活動があって、お互いがその純度を高め続けている。プライドもあるし、自負もあるから折れない。そう簡単には交わらない。そんな状態で続けてきた彼らのことを、松本さんはちゃんと見てるということですよね。
そしてラストにある〈真実の蝶結び〉という言葉。〈蝶結び〉って、すぐ解けてしまう脆さがあるじゃないですか。ギュッと固く結ぶのではなく、綺麗だけど、紐を引いたらすぐに解けてしまう〈蝶結び〉。純度が高いからそれができるということでもあるし、そこに到達したということでもある。でも壊れやすいものでもある。これは「硝子の少年」にあった儚さ、脆さの象徴ですよね。そういうものが25年を経てもちゃんと結ばれている。
やはり松本さんがKinKi Kidsにずっと見ているのは、壊れそうで陰りのある、でもとても儚くて、ピュアな青春なんですよ。それを最初、近藤真彦さんに見たと思うんですけど、彼はソロだから、1人の人物の視点でしか描けない。KinKi Kidsはそこに2人の関係性が加わるから、近藤さんよりも歌で表現する視点が深くなる。そこにあの時代のいろんな青春群像が散りばめられているのが「硝子の少年」ですけど、それから25年経って、大人になった時に、いろんなことを言わなくてももういろいろ経験してるから、以前よりも言葉数が少なくなって、整理されて唄われていますね。
松本さんは作詞家として、太田裕美や寺尾聰、南佳孝や松田聖子の作品で、歌謡界で一時代を築いた後、89年から94年まで、作詞家としての活動を休憩するんですが、最前線に復帰したのがKinKi Kidsでした。おそらく松本さんは、2人と出会い、「硝子の少年」がミリオンヒットを飛ばし、代表曲として唄い継がれてきたことで、彼が70年代からずっと描いてきた〈青春の永遠性〉みたいなものを確信できたんじゃないでしょうか。つまり古い新しいは関係なく、みんなが持っているものなんだ、と。
松本さんの歌詩には、時折〈ジェームス・ディーン〉がモチーフとして出てきます。青春のシンボルとでも言うべきもので、矢沢永吉さんの「サブウェイ特急」や原田真二さんの「てぃーんずぶるーす」にも出てきます。若々しく孤独感があり、陰りもある。ジェームス・ディーンのそんなイメージが、松本さんの中にある普遍的な青春でしょう。それがKinKi Kidsにも繋がっているんですけど、さっきお話したように、ジェームス・ディーンは1人だけど、その精神を、2人の関係性として描けるのがKinKi Kidsなんだと思います。
ジェームス・ディーンは若くして亡くなっています。つまり孤独感や陰りというのは、それを抱えたまま死ぬことでしか永遠にならない。人によっては、歳を重ねるごとに、そういうものが失われていく。むしろそのほうが多い。でもKinKi Kidsは、2人の関係が続いていく中で、孤独や陰りが失われることがない。その素晴らしさがある。松本さんが描いてきた〈青春の永遠性〉。その先にあるものを彼らは見せてくれている。あんな硝子のように脆く、儚い美しさを湛えてきた2人の25年。この記念すべきアニヴァーサリーに書いた「高純度romance」は、松本さんが描きたかった世界観の集大成に近い。そして松本さんが、KinKi Kidsの2人に言いたかったであろう一言が、この曲の中にありました。
〈ほんとに愛してるよ〉
これが2人に伝えたかったことですよ。松本さんは大切なタイミングで、歌詩にそういうことを盛り込みますね。松田さんとのコンビを解消したアルバム『Citron』の最後の曲「林檎酒の日々」では〈もうさよならね〉と書いてますけど、それと同じです。この〈ほんとに愛してるよ〉は、松本さんがKinKi Kidsの2人に伝えたかったメッセージだと思います。
よく松本さんは「人の心を引きつける詞は、5%の真実と95%の想像から出来ている」とおっしゃっているんですが、その5%の真実が、25周年というタイミングもあって、そういうところににじみ出た気がします。それと、〈そんな時背中をポンと叩く/君の手に救われたのさ〉という一節は、ジャニーさんの病室で光一さんと剛さんが交わした光景を、KinKi Kidsとして歌にしていると編集長の金光さんから聞いたんですが(註:「YOU... ~ThanKs 2 YOU~」のKinKi Kidsヴァージョン。『KinKi Kids Concert Tour2019-2020 ThanKs 2 YOU』で披露)、松本さんはその話を知らなかったかもしれないですね。というのは、マーケットリサーチみたいなことをする人じゃないんですよ。人から聞かされたのなら別ですけど、自分から最近のKinKi Kidsについて細かく調べたりはしてないと思います。だとしたらすごい話ですけど、松本隆という人とKinKi Kidsの関係を知れば、そんな偶然もありそうだなと、そんな気持ちになりますね。
談=田家秀樹
構成=金光裕史
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