出台促进数字经济发展的新政策新举措，强化数据开放和数据保护，统筹数字经济、数字政府、

首页发布

【深度】数字浪潮下的汽车后市场的发展趋势

图片

2022年将是企业数字化纵深发展的一年，全球经济在新冠疫情的持续影响下逐渐步入后疫情时代，数字化发展成为各行业的新常态。在更多行业与企业融入数字化变革浪潮的同时，企业数字化的基础和应用也将更加完善，5G、云计算、大数据、工业互联网等技术的加速发展，为企业数字化提供了更加坚实的物质基础。

企业前期数字化建设中形成的数据孤岛将串联互通。碎片化的数据工具与应用将整合成体系化的数据，形成数字生态。丰富的数字应用将有力赋能企业的客户全生命周期价值管理。传统企业直接连接客户（D2C）也会更为普遍的与高效。虚拟现实、人工智能等创新技术将更普遍地应用到生产与生活中，并孕育出全新的商业和营销模式。

与此同时，伴随数据安全相关的法律法规出台与实施，数据安全和数据隐私保护的重要性也将空前提升。在安全合规的大前提下，进一步挖掘数据对企业经营的价值，深入探索业务数字化的创新应用，是企业2022年需要思考的核心课题。

图片

5G、云计算、大数据、工业互联网等技术是促进经济数字化、智能化转型的物质基础和驱动引擎。2022年，我国新型基础设施的建设和投入力度将进一步加强，并赋能千行百业的生产与经营方式全面升级。5G与远程操控设备、机器视觉、AGV等工业终端的深度融合，促进传统工业企业在质量检测、远程运维、多机协同作业、人机交互等领域的智能化提升。

基于5G和云计算的物联网数据接入、计算和应用平台建设，推动车联网、智慧物流、智慧港口等数字化建设进一步提速。5G与AR/VR等技术的融合创新，也为游戏娱乐、超清视频、信息消费、融合媒体等行业带来更多的创新可能。2022年，企业应紧密关注新基建在新型信息消费、行业融合应用等方面带来的新机遇，加速自身数字化转型，实现效率与效益的双提升。

在2022年全国两会上，数字经济被第5次写入政府工作报告中。此外，有26个省级行政区在政府工作报告中提及数字经济，从出台政策、建设试验区、发展核心产业等不同角度对数字经济发展提出新要求、部署新工作，有利推动传统产业转型升级。我汇集一下，供大家参考。

图片

政府工作报告：促进数字经济发展。加强数字中国建设整体布局。建设数字信息基础设施，推进5G规模化应用，促进产业数字化转型，发展智慧城市、数字乡村。加快发展工业互联网，培育壮大集成电路、人工智能等数字产业，提升关键软硬件技术创新和供给能力。完善数字经济治理，释放数据要素潜力，更好赋能经济发展、丰富人民生活。

各省市政府工作报告:

北京市：着力打造一批数据灯塔项目，国际大数据交易所设立运行，数字经济标杆城市稳步推进。加快释放数字经济新活力。深入落实数字经济标杆城市建设实施方案。

天津市：实施数字化发展三年行动，出台数字经济“1+3”行动方案，打造“津产发”数字经济综合应用平台和41个应用场景。深入实施数字化发展三年行动，统筹推进数字经济、数字社会和数字政府建设，深入实施数字经济“1+3”行动，发挥“津产发”产业智慧中枢作用。

河北省：做强做优做大数字经济，加快雄安新区数字经济创新发展试验区、怀来大数据产业基地、正定数字经济产业园建设。办好2022中国国际数字经济博览会。

山西省：精准对接碳达峰碳中和、能源革命、数字经济、先进制造业等，立项实施30个左右科技重大专项，突破一批关键核心技术。

内蒙古自治区：集中打造绿色农畜产品加工、新能源、新材料、新型化工、现代装备制造、生物医药、数字经济、现代服务业等产业集群。

辽宁省：大力发展数字经济，规范数字经济发展，营造开放、健康、安全的数字生态。

吉林省：推动集成电路高端化、激光及新型显示与照明规模化、卫星应用产业化、汽车电子智能化、工业互联网融合化。建设行业级、园区级、企业级工业互联网平台。

黑龙江省：大力发展数字经济、生物经济。制定完善数字经济发展规划和产业政策，推动数字经济加快发展。推进数字产业化，实施数字产品制造业规模倍增行动，建设哈尔滨、大庆等数字经济产业园。

上海市：支持数字技术创新，促进数字经济和实体经济融合发展。

江苏省：加快发展数字经济，不断提升产业现代化水平。我们一定要把做强做优做大数字经济作为江苏转型发展的关键增量。出台促进数字经济发展的新政策新举措，强化数据开放和数据保护，统筹数字经济、数字政府、数字社会生态体系建设，发展互联网服务和相关产品，努力打造全国数字经济创新发展新高地。

浙江省：全力推动数字经济积厚成势。深化数字经济“一号工程”，做大做强数字安防、集成电路、智能计算和智能光伏等产业，推进类脑智能、量子信息等未来产业发展，力争数字经济核心产业增加值增长12%。围绕党建统领、数字政府、数字经济、数字社会、数字法治和基层治理等系统，加快打造一批管用实用好用的重大应用。

福建省：全力发展数字经济、海洋经济、绿色经济、文旅经济，为高质量发展培育新的增长极。着力打造数字经济新引擎，坚持把数字福建建设作为基础性先导性工程，加快建设国家数字经济创新发展试验区，办好第五届数字中国建设峰会暨第二届数博会。大力拓展数字技术应用场景和产品服务，实现数字经济增加值2.6万亿元以上。

江西省：抓实数字经济做优做强“一号发展工程”，支持南昌建设全省数字经济引领示范区，全产业链开展数字化改造。

山东省：巩固数字经济新优势，打造先进计算、集成电路、新型智能终端、超高清视频等数字产业集群，培育30个以上大数据创新发展实验室，数字经济核心产业增加值占比达到7%左右。

河南省：以国家大数据综合试验区建设为牵引，大力推动数字河南建设，力争数字经济增长15%以上。发展壮大数字经济核心产业，培育软件产业集群，建设国家新一代人工智能创新发展试验区。加快数字经济与制造业融合发展，创建国家工业互联网示范区，建设10个省级数字化转型促进中心，推进智能化应用场景行业全覆盖。

湖北省:持续实施数字经济跃升工程，促进数字技术和实体经济深度融合，催生新产业、新业态、新模式，打造数字经济高地，数字经济核心产业增加值增长20%以上。

湖南省：全力培塑高质量发展新优势，提升数字驱动力，力争数字经济增长15%以上。

广东省：加快建设广州人工智能与数字经济试验区，推动数字人民币、国家区块链创新应用等试点落户。大力发展数字经济，推动大数据、人工智能、区块链、物联网等产业发展和应用，推进国家数字经济创新发展试验区和广州、深圳国家人工智能创新应用先导区建设。

广西壮族自治区：大力发展数字经济，深入实施数据要素融合应用“百千万工程”，巩固发展信创产业，培育鲲鹏计算产业集群。加快建设中国—东盟进出口大宗商品交易平台、中国—东盟数字经济产业园、中国—东盟应急管理合作基地、中国—东盟卫星遥感应用中心等项目。

海南省：高质量发展步入快车道。数字经济多维度扩张，营收增长30%。

重庆市：大力发展数字经济。推进两江数字经济产业园、寸滩国际新城建设。

四川省：推动数字经济健康发展。大力发展数字经济核心产业，推动“芯屏存端软智网”数字产业集聚发展。高质量完成国家数字经济创新发展试验区建设任务。

贵州省：数字经济加速突破。获批建设全国一体化算力网络国家（贵州）枢纽节点，贵阳大数据科创城启动建设，华为云全球总部落地贵州，贵阳贵安成为全球集聚超大型数据中心最多的地区之一，数字经济占比达34%、增速连续六年位居全国第一。

云南省：大力发展数字经济。以产业、平台、生态、制度和监管五个体系为重点，推进面向南亚东南亚数字经济先行示范区建设。加快建设数字经济产业园。数字经济核心产业营业收入增长30%以上。

西藏自治区：加快工业互联网公共服务平台建设，在教育、医疗、交通、物流、矿山等领域培育15个5G应用示范，力争数字经济规模增长10%，加速西藏数字“蝶变”。

陕西省：着力培育引进数字经济龙头企业、工业互联网平台企业，创建国家数字经济创新发展试验区。发展数字经济核心产业。全面促进数字技术与实体经济联动发展，打造数字经济新业态，构筑高质量发展新优势。

新疆维吾尔自治区：加快发展数字经济。实施数字新疆战略，加大5G网络覆盖和应用落地，发展北斗导航产业，推动互联网、大数据、人工智能同经济社会发展深度融合，推进数字产业化、产业数字化。

中央政府与地方政府的政策叠加，以政府为导向的数字化发展会成为浪潮，推动数字经济的发展，他将影响汽车后市场发展趋势应该是：

数字生态建设成为汽车维修业关键任务

过去几年间，在数字化趋势和疫情的叠加作用下，越来越多的企业将数据、数据体系和数字化应用建设提上了日程。然而，大部分企业的数字化建设缺乏统一的战略引领，各企业往往根据自身业务需要，采用敏捷化的方式，建立一系列散点式的数据系统或数据化应用。

在此过程中，不同的企业往往各自为战，所建设的数字化工具存在着内容交叉、功能重复、互不兼容等问题，使得汽车维修行业中形成一个个数据孤岛。上述散点式的数据化建设，虽然在一定时期内解决了行业的燃眉之急，但着眼于未来，企业间应更加重视数据孤岛的串联互通，统一数据标准、协同功能应用，构建数字生态，实现真正意义上的数字化变革。

图片

预计未来企业的数字化建设将从各自为战的散点式向由行业战略引领的系统式提升。行业的数字化任务，也将从数字工具应用向构建数字生态过渡。从而在汽车维修行业形成一套以宏观数字化战略为引领，以统一的数字生态为驱动，协同汽车维修配件生产企业、配件流通企业、维修企业以及车主关系管理等全流程数字化体系。

数字化赋能对用户全过程服务成为可能

“以客户为中心，满足客户需求”一直是企业成功的核心逻辑，数字化应用为汽车维修市场上下游传递的全过程服务提供了更多的可能。相比传统时代，企业借助线上与线下的数字触点包括工业互联网标识解析，可以收集覆盖上下游服务对象的关注兴趣、产品体验、成交转化、售后服务，增购再购，推荐裂变等全维度的信息，并与内外部数据整合协同，建立涵盖上下游服务对象的全生命周期各业务维度的360度客户数据档案。

图片

借助大数据分析技术，各个主体可以做到比上下游服务对象更了解自己。即通过识别影响上下游服务对象的购买决策的正向和负向因素，有针对性地指导业务改进与提升，深入挖掘上下游服务对象的业务价值。

同时，企业还能够利用数字化驱动用户运营手段，建立对用户的长期触达、促活及激励机制，不断地提升用户与品牌之间的亲密度。在数字化时代，面对不断加剧的市场竞争，企业需要全面提升对用户全生命周期价值的挖掘与管理，实现从销售产品向终生服务转变。

品牌力重塑是数字化时代的要求

适用新数字化驱动的用户洞察方式，是未来构建品牌力的基石。用户将成为重要的战略资产。在用户需求加速分化、复杂化的今天，只有掌握用户的洞察之道，后续的一系列规划和执行才有意义。尽管用户需求瞬息万变，但不变的是企业未来利用数字赋能对于用户时变时新需求的精准与及时把握。谁离用户距离越近，谁就能拥有最灵敏的市场嗅觉与反应。

持续运营并维系用户对品牌的关联与价值感知，是品牌基业长青的必要条件，用户作为资产将成为企业级别的战略与竞争资产。数字化环境下，未来品牌力的塑造必定是趋向全渠道、全域性，且确保一致。

图片

在未来，全方位协同整合性的营销方式将是品牌力建设不可或缺的抓手。未来的媒体触点，渠道形态或不断与时俱进，不同的是品牌企业所匹配的品牌建设、组织协作方式也不尽相同，但一以贯之的是，品牌需要对用户传递“言行一致”的品牌心智建设，并为之持续耕耘。

品牌需要秉持长期主义，确保一致性地投入和管理，品牌是一种承诺，同时，品牌力是在营销漏斗过程中沉淀的无形资产，品牌力作为中长期企业积累的无形资产，是与短期有形的经营资产并行的企业资产，两者共同的目标是企业经营的效率、效益与可持续性。只有长期一致的品牌管理，才能最大化地带来长期价值，不论是有形价值还是无形价值。

与过去常规数字化运营课题不同，品牌力建设魅力在于其核心价值与内涵的无穷组合与表现方式，同时受到品牌行业的属性、发展阶段、渠道经营模式、品牌运营模式等诸多方面的影响。在全新的数字化环境中，重新构建企业品牌力，将不只是运营与执行问题，更是一个真正的战略与策略的问题。

- END --

【web MAGAZINE】QUI

#中村屋酒店の兄弟

藤原季節×白磯大知 – 伝えたい、届けたい

映画本編とラジオドラマという2本立てでの全国劇場公開が決定した『中村屋酒店の兄弟』。その新しい映画体験を通して、大切な人や場所との“距離感”について改めて考えさせてくれる佳作だ。主演の藤原季節、監督の白磯大知へのインタビュー。

この映画を必要としてくれる人がいることが嬉しい（藤原）

— 映画『中村屋酒店の兄弟』拝見させていただいて、いま映画館で上映することにすごく意味のある作品だと思いました。お二人としては初上映から3年たって全国で公開されることに対して、どのような思いがありますか？白磯監督にとっては初監督作品でもありますが。

白磯大知（以下、白磯）：ありがたい気持ちはもちろんあるんですけど、それ以上に驚いているというか。中村屋酒店さんのご夫婦をはじめいろんな方の協力があって撮れた作品なので、その感謝を全国公開っていうかたちで返せるのはすごく嬉しく思っています。

— 藤原さんは？

藤原季節（以下、藤原）：中村屋酒屋はもう閉店してるんですけど、でもそこに確かにあったものとか、消えていってしまうものとか、大知君は目に見えない何かを撮りたかったんじゃないかと思っていて。それが撮影から3年を経ていま全国に届くっていうのは、この映画に可能性を感じて届けたいと思ってくれた人や、消えていくものに対して思うところがある人がいるってことなんですよね。この映画を必要としてくれる人がいるんだっていうことが嬉しいです。

— すごいことですよね。『中村屋酒店の兄弟』は、映画本編とその前日譚となるラジオドラマ、そしてドキュメンタリーという3本の作品に展開されています。今回はドキュメンタリーの上映はないそうですが、ドキュメンタリーは中村屋酒店が閉店することを映画の撮影中に知ってから撮ることを決めたそうですね。

白磯：そうです。中村屋酒店の閉店は季節君が教えてくれたんですけど、最初に奥さんから「映像で残せたら嬉しい」って言われたのはそういう意味だったのかと気づいて。閉店するまでの3ヵ月間で何回かお邪魔して撮らせていただきました。

— ラジオドラマの制作はどういった経緯で？

白磯：「田辺・弁慶映画祭」でTBSラジオ賞を受賞した時に、「この作品はラジオドラマにしたら面白いんじゃないか」というご提案をいただきました。せっかくだから映画をそのままラジオドラマにするのではなく、映画をより楽しめるような作品を作れたらいいなと。映画本編より過去の話にして、ラジオドラマを聴きながら想像した情景が本編を観ている時に回想として浮かんだらすごく面白いんじゃないかなと思って。
— 実際にすごくユニークな体験でした。ラジオドラマを聴いているときは画があまり浮かばなかったんですけど、映画を観ていると鮮明な思い出に感じられてくるのが不思議な感覚で。僕は自宅で視聴したのですが、映画館だと感じ方がだいぶ違いそうですね。

藤原：テアトル新宿で経験した時は感動的でした。暗闇の中でみんなが耳を澄まして声だけを聴くって初体験でしたから。

— ですよね。その体験だけでも映画館に行く価値があるなと思いました。

書かれていないことが山ほど書かれた本だと気づいた（藤原）

— 中村屋酒店は実在した酒屋なんですよね。脚本の制作段階から、中村屋酒店を舞台として想定されてたんですか？

白磯：そうではなく、タイトルももともと違うお店の名前だったんです。でも本当にいろんな酒屋さんにお願いに行ってもなかなかロケ地が決まらずで。もうどうしようって状態のある日、赤羽の酒屋さんからの帰り道…そこも断られてしまったんですが、携帯で調べたら近隣にもう1件酒屋さんがあって、そこの写真が理想的だったんです。定休日となっていたんですけど行ってみたらたまたま開いていて、ご主人とお話させていただいたんですが、やっぱり唐突なお願いだったので「いやいや…」と。そしたら奥さんも出てきて、「残せるんだったらなんでも協力します」と言ってくださって。「残せる」に込められた意味は、その時はまだ知らなかったですけど。

— 中村屋酒店に決まった時にはもう本はできあがっていたんですね。

白磯：ほぼできていました。でも中村屋酒店の雰囲気や染みついた匂いみたいなものが、役者や作品に十二分に影響したとは思います。

— 藤原さんとはもともとお知り合いだったんですか？

白磯：ほぼ知り合いじゃないといっていい。

藤原：面識はあるぐらいでした。

— なぜ藤原さんにオファーを？

白磯：キャスティングで入っていただいた方が共通の知人で提案していただきました。「いや、そもそもいける？」と思いながらも脚本を送って、まず季節くんに読んでもらえたことが僕は嬉しかったんですが、やっぱり「ちょっと何が面白いかわからない」という答えで。じゃあまた別の方を探さないと、と思っていたら「直接監督と会って話をしたい」と電話をいただいたんです。新宿だっけ？

藤原：いや、渋谷。

白磯：渋谷のカフェで会ってコーヒーを飲みながら、「もう1回読んでいい？」って目の前で本を読み始めて。

藤原：カフェの喫煙所でタバコを吸ってる時に、大知君がぽろっと「兄弟の距離感を描きたいんですよね」って言ったんですよ。それがピンって琴線を弾いて。もう1回だけ読ませてくださいって、その場で心が変わりました。

— 藤原さんの中に、兄弟の距離感に対する興味・関心がもともとあったんですか？

藤原：というよりは、脚本をしっかり読めてなかったかもしれないと思ったんですよね。3年前の自分の未熟さによるものなんですけど、書かれてあることをそのまま読むことしかできないとか、読もうとする努力をしていなかったというのがあって。新しい監督だし、年齢も僕より3つぐらい若いし、ちょっと大知君のことをなめてる気持ちもあった。だから兄弟の距離感を描きたいって言われた時に、ひょっとしたら一行のセリフに込められた裏の感情がたくさん眠ってるんじゃないかと読んでみたら、案の定書かれていないことが山ほど書かれた本だなっていうことに気づいて。それで、もうその場で「はぁ、すごいな」と。

— 白磯監督が兄弟の距離感を描きたいという思いに至ったのはなぜでしょう？
白磯：距離感が近くなればなるほど本当に伝えたいことってなかなか言えない。逆に隠したい気持ちは、本当に言ったかのように伝わっちゃう。兄弟とか両親とか、お互いの信頼関係があるから起こるちぐはぐさなんですよね。両親とかなんも言ってないのに急に「元気？」みたいな電話がかかってきたりするじゃないですか。そういうことが面白いし不思議だなと。自分は兄弟がいるし、男兄弟の話を書いてみようと思って脚本にしました。

自分自身を深掘りすることがコミュニケーションに繋がる（白磯）

— 男兄弟って距離感の難しさが顕著に表れると思うんですけど、男兄弟に限らず人と人の距離感ってこういう感じあるよなって映画を観ていてすごく共感できました。お二人が普段、人との関係性で意識していることや大事にしていることはありますか？
藤原：むしろ、それしか大事にしてないですね。

— 距離感を？

藤原：そう。自分が思ってることをそのまま相手に伝えると、コミュニケーションが成立しないので。相手にもらおうとするばかりじゃなくて、自分はこの人に何を与えられるんだろうって考える時間が積み重なると自然と距離感も考えるようになって、自分の思っていることをどう伝えればこの人に届くだろうっていうことを考えるようになる。それはもう日々、毎日、毎秒考えています。

— 疲れることはないですか？ずっと考え続けていたら。

藤原：でもそうじゃないと。果てしない問題です、それが。

— 白磯さんも人との距離感で気を使うところはありますか？
白磯：僕は自分の気持ちをストレートに言うことが苦手なんです。「好き」って思った時にパッと感情のまま言葉にして、自分の100％を全部ぶつけても相手には2％とか3％しか伝わらないこともあるなと思って。そこでどういう伝え方をしたら相手が聞いてくれるか、理解してもらえるのか。それにはまず自分がどう見られているか…別に体面を気にするっていうわけではなく、自分自身をどれぐらい深掘りできるかということが、結局他人とのコミュニケーションに繋がっていくのかなと。毎分毎秒考えているわけじゃないですけど、自分はどういう人間なんだろうと考えるのは大事だなと思っています。

— 面白いですね。人がどう見ているかじゃなくて自分が自分をどう見るかっていうことを深く考えるっていうのが。

白磯：まさにそうですね。

— では最後に、これから映画をご覧になる方へのメッセージをお願いします。
藤原：ラジオドラマは音で聴いて想像で楽しむもので、映画は視覚でも感じるもの。いろんな面から中村屋酒店っていう場所のことを45分間考え続ける時間っていうのは、言葉にするのは難しいけど意味があるし、価値があるものなんじゃないかなと僕は信じたいですね。

白磯：僕はこの映画を見終わった後に、自分の家族に連絡してみようかなとか、久々に思い出すようなきっかけになればいいなっていうのはすごく感じていて。それは家族なのか、兄弟なのか、友人なのか。その人と酒飲みたいなって思えるのが一番いいいなと。あとはやっぱり普通の酒屋さん、町の小さい酒屋さんにふらっとそこにお酒を買いに行ってもらえたら嬉しいかな。

藤原：買うものはコンビニと同じでも。

白磯：ちょっと覗いてみようかなっていうきっかけになればいいかなとは思います。

藤原：さっき大知君が100％伝えたいと思ったことが2％しか届かないみたいな話をしてたけど、この映画を観て0％よりは2％でも伝わってくれるといいよね。

白磯：それはそうだね。