「まん延防止」21日で全て解除 約2か月半ぶり適用地域なくなる
「医療関係委員2人は消極的賛成」尾身会長
2022年3月17日 19時17分
東京や大阪、愛知など18都道府県に適用されている新型コロナ対策のまん延防止等重点措置について、政府は、すべての地域で今月21日の期限をもって解除することを決めました。
重点措置は、1月8日以来およそ2か月半ぶりに適用地域がなくなります。
政府は17日夜、新型コロナウイルス対策本部を持ち回りの形式で行いました。
そして、東京や大阪、愛知など18の都道府県に適用されているまん延防止等重点措置について、すべての地域で今月21日の期限をもって解除することを決めました。
また、社会経済活動を維持するため、地域の感染状況や保健所の体制などによっては、感染リスクが低い一般の事業所などでは濃厚接触者の特定を求めず、一律の出勤制限を行わないとすることなども決定しました。
これに先立って、山際担当大臣は国会で「今回、重点措置を終了することになる地域を含め、学校、保育所、高齢者施設などの対策を強化したうえで、引き続きオミクロン株の特徴を踏まえた対策を実施していく。さらに今後、感染が再拡大した場合に備え、保健医療提供体制の強化やワクチン接種の推進など引き続き万全の対策を講じていく」と述べました。
重点措置は、1月8日以来、およそ2か月半ぶりに適用地域がなくなります。
山際大臣「過去の経験など踏まえ対策徹底を」
山際新型コロナ対策担当大臣は、記者会見で「これから年度末や新年度、春休みを迎え、多くの人が集まる行事や外出、旅行の機会が増えていく。昨年はこうした時期に感染が拡大し、3月に緊急事態措置を終了したのち、4月には首都圏や大阪府などに対して重点措置を適用することになってしまった」と指摘しました。
そのうえで「こうした過去の経験などを踏まえれば、引き続き学校や保育所、高齢者施設などにおけるオミクロン株への対策の徹底、強化を行い、第6波の確実な収束につなげ、次の感染の波が到来するのをできるかぎり遅くすることが重要だ」と述べました。
「基本的対処方針分科会」の尾身茂会長は、会合のあと報道陣の取材に応じ、すべての地域でまん延防止等重点措置を解除することについて、全員が賛成したものの、医療関係者の2人の委員は消極的な賛成だったと明らかにしました。
尾身会長は「春休みや歓送迎会、花見などの季節が近づき、オミクロン株の1つで感染力がさらに高いとされる『BA.2』もある中で、重点措置を今、解除すれば、感染者が増えるのは間違いないと心配する声が上がり、賛成したほかの委員からもリバウンドに注意すべきだという意見が異口同音に聞かれた。一方で、行動制限による社会経済への影響が長く続く中で、元に戻していくという意見に異議を唱えた人はいなかった。感染者は増えるかもしれないが効果的で無理のない対策を最低限やってもらいつつ、社会を動かそうという議論になり、みんながある程度納得した」と説明しました。
そのうえで尾身会長は、高齢者、子ども、その中間の世代のそれぞれに応じた対策を取るべきだとして、具体的には、高齢者に対しては、ワクチンの追加接種や、感染者が出た高齢者施設での検査などの早期介入に加えて、新たなポイントとして、持病のある人は感染をきっかけに、急に状態が悪化しやすいため、日常生活の動作のレベルが落ちないよう、入院での対応だけでなく、在宅医療や高齢者施設での支援を強化すべきだとしています。
また子どもについては、周りの大人が体調管理をして追加接種するなど、大人が守ることが大事だとしたほか、
ほかの世代については、花見や歓送迎会など、感染リスクの高い行動の際には楽しみながらもマスクなどの感染対策に注意することや、体調が悪いときには会社を休むことが重要だと指摘しました。
尾身会長は「重点措置を解除すると感染者数が増える可能性はあるが、重症者数をある程度抑え、医療のひっ迫を避けられるようにすることが大事だ。ワクチンの接種率が高いヨーロッパでも、死亡者数が減る方向の国と、増えている国があり、ワクチン以外の対策をしっかりしている国では比較的対応できている。ワクチンは必要だが十分ではなく、感染対策を続けないとヨーロッパの一部の国のように、死亡者が増えることになる。ごく小さな飛まつ、エアロゾルによる感染も多くなっているので、マスクは自分や人を守るために、まだ着けた方がよく、私もやろうと思っている」と話しました。
さらに尾身会長は、感染が落ち着いた段階で、まん延防止等重点措置や医療体制の在り方など、中長期的な課題についても議論していく必要があるとする認識を示しました。
「医療関係委員2人は消極的賛成」尾身会長
2022年3月17日 19時17分
東京や大阪、愛知など18都道府県に適用されている新型コロナ対策のまん延防止等重点措置について、政府は、すべての地域で今月21日の期限をもって解除することを決めました。
重点措置は、1月8日以来およそ2か月半ぶりに適用地域がなくなります。
政府は17日夜、新型コロナウイルス対策本部を持ち回りの形式で行いました。
そして、東京や大阪、愛知など18の都道府県に適用されているまん延防止等重点措置について、すべての地域で今月21日の期限をもって解除することを決めました。
また、社会経済活動を維持するため、地域の感染状況や保健所の体制などによっては、感染リスクが低い一般の事業所などでは濃厚接触者の特定を求めず、一律の出勤制限を行わないとすることなども決定しました。
これに先立って、山際担当大臣は国会で「今回、重点措置を終了することになる地域を含め、学校、保育所、高齢者施設などの対策を強化したうえで、引き続きオミクロン株の特徴を踏まえた対策を実施していく。さらに今後、感染が再拡大した場合に備え、保健医療提供体制の強化やワクチン接種の推進など引き続き万全の対策を講じていく」と述べました。
重点措置は、1月8日以来、およそ2か月半ぶりに適用地域がなくなります。
山際大臣「過去の経験など踏まえ対策徹底を」
山際新型コロナ対策担当大臣は、記者会見で「これから年度末や新年度、春休みを迎え、多くの人が集まる行事や外出、旅行の機会が増えていく。昨年はこうした時期に感染が拡大し、3月に緊急事態措置を終了したのち、4月には首都圏や大阪府などに対して重点措置を適用することになってしまった」と指摘しました。
そのうえで「こうした過去の経験などを踏まえれば、引き続き学校や保育所、高齢者施設などにおけるオミクロン株への対策の徹底、強化を行い、第6波の確実な収束につなげ、次の感染の波が到来するのをできるかぎり遅くすることが重要だ」と述べました。
「基本的対処方針分科会」の尾身茂会長は、会合のあと報道陣の取材に応じ、すべての地域でまん延防止等重点措置を解除することについて、全員が賛成したものの、医療関係者の2人の委員は消極的な賛成だったと明らかにしました。
尾身会長は「春休みや歓送迎会、花見などの季節が近づき、オミクロン株の1つで感染力がさらに高いとされる『BA.2』もある中で、重点措置を今、解除すれば、感染者が増えるのは間違いないと心配する声が上がり、賛成したほかの委員からもリバウンドに注意すべきだという意見が異口同音に聞かれた。一方で、行動制限による社会経済への影響が長く続く中で、元に戻していくという意見に異議を唱えた人はいなかった。感染者は増えるかもしれないが効果的で無理のない対策を最低限やってもらいつつ、社会を動かそうという議論になり、みんながある程度納得した」と説明しました。
そのうえで尾身会長は、高齢者、子ども、その中間の世代のそれぞれに応じた対策を取るべきだとして、具体的には、高齢者に対しては、ワクチンの追加接種や、感染者が出た高齢者施設での検査などの早期介入に加えて、新たなポイントとして、持病のある人は感染をきっかけに、急に状態が悪化しやすいため、日常生活の動作のレベルが落ちないよう、入院での対応だけでなく、在宅医療や高齢者施設での支援を強化すべきだとしています。
また子どもについては、周りの大人が体調管理をして追加接種するなど、大人が守ることが大事だとしたほか、
ほかの世代については、花見や歓送迎会など、感染リスクの高い行動の際には楽しみながらもマスクなどの感染対策に注意することや、体調が悪いときには会社を休むことが重要だと指摘しました。
尾身会長は「重点措置を解除すると感染者数が増える可能性はあるが、重症者数をある程度抑え、医療のひっ迫を避けられるようにすることが大事だ。ワクチンの接種率が高いヨーロッパでも、死亡者数が減る方向の国と、増えている国があり、ワクチン以外の対策をしっかりしている国では比較的対応できている。ワクチンは必要だが十分ではなく、感染対策を続けないとヨーロッパの一部の国のように、死亡者が増えることになる。ごく小さな飛まつ、エアロゾルによる感染も多くなっているので、マスクは自分や人を守るために、まだ着けた方がよく、私もやろうと思っている」と話しました。
さらに尾身会長は、感染が落ち着いた段階で、まん延防止等重点措置や医療体制の在り方など、中長期的な課題についても議論していく必要があるとする認識を示しました。
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