富士山噴火想定の避難計画 対象地域の住民は80万人 中間報告
2022年3月30日 19時35分
富士山の噴火を想定した新しい避難計画の中間報告がまとまり、噴石や溶岩流によって避難の対象となる地域に住む人は静岡・山梨・神奈川の合わせて80万人余りに上ると推計されました。自動車でいっせいに移動すると深刻な渋滞が発生するおそれがあることから、市街地では原則、徒歩で避難する必要があるとしています。
新しい避難計画は、富士山の噴火を想定したハザードマップが去年改定されたことを受けて、静岡・山梨・神奈川の3県と国、有識者などでつくる火山防災対策協議会が見直しを進めてきたもので、30日、中間報告が示されました。
それによりますと噴火によって避難が必要となる地域を6段階に分け、対象となる地域に住む人は静岡・山梨・神奈川の3県の27市町村で合わせて80万5600人に上ると推計されています。
このうち火砕流や大きな噴石が及んだり溶岩流が3時間以内に到達したりする地域に住む人は静岡と山梨の10の市町村で11万6000人余りと、これまでの推計の7倍に達すると想定されています。
これらの地域の人は火山性地震や地殻変動が観測されるなどして大規模な噴火の前に警戒レベルが引き上げられた場合や、噴火直後には速やかに危険な区域から避難する必要があると指摘しています。
また、住民の避難にかかる時間をシミュレーションしたところ、市街地では住民が自動車でいっせいに移動すると深刻な渋滞が発生し、避難が間に合わないおそれがあることがわかりました。
溶岩流は壊滅的な被害をもたらすものの、傾斜の緩い場所では流れる速度が比較的遅いことから、渋滞が予想される市街地では障害者や高齢者など車で避難する必要がある人をのぞいて「原則、徒歩で避難する」という新しい方針も示されました。
「広域避難」は段階的に・火山現象ごとの対応を
中間報告では噴火の影響が広範囲に及んだ場合に周辺の自治体へ避難する「広域避難」の考え方についても示されました。
これまでは車での避難を広く呼びかけてきましたが、溶岩流は流れる速度が比較的遅いこともあり、住民の避難について徒歩を原則とする方針を示しました。
シミュレーションをしたところ市街地で深刻な渋滞が発生し、逃げ遅れが起きるおそれが明らかになったことも要因です。
渋滞を防ぐことで、新たな避難計画が重視している高齢者や障害者など徒歩での移動が困難な人の車での優先的な避難につなげるのがねらいです。
さらに、これまでは遠くへの避難が想定されていましたが、今回の中間報告では、噴火後、火口の位置から影響が出そうな地域が分かるため、必ずしも遠くに避難しなくても安全は確保できるとしています。
住民の避難先は、
1 まずはその時にいる市町村の安全な場所
2 近隣の市町村
3 離れた市町村へと、
段階的に拡大することが望ましいとしています。
山梨県などは、今後、広範囲での影響が懸念される火山灰への対応などについて最終的な検討を進めることにしていて、新しい避難計画は2022年度の早い時期に完成する見通しです。
【溶岩流 数十キロ先まで流下】
今回の避難計画のもととなっているのは「富士山火山防災対策協議会」が去年3月に公表した「ハザードマップ」です。特徴的なのは広域に及ぶ溶岩流です。大規模な噴火が起きた場合に流れ出す溶岩の量は従来想定のおよそ2倍の13億立方メートルに達すると推計され、火口周辺の山梨県富士吉田市や静岡県御殿場市だけでなく、北東に40キロ以上離れた山梨県上野原市や相模原市、南東側の神奈川県小田原市、南側の静岡市清水区など、3つの県の7市5町に到達するとしています。
火砕流
また、高温の岩石や火山灰、それに火山ガスなどが一体となって斜面を高速で流れ下る「火砕流」については、富士吉田市の方面と静岡県富士宮市の方面に流れ下り、一部の場所では従来の想定より噴出量が大幅に増えたことで火口からより遠くまで到達するおそれがあるとされました。避難路としても検討されている自動車専用道路の東富士五湖道路にも影響するおそれがあると推計され、人の移動や物流などに影響が及ぶ可能性があります。
融雪型火山泥流
積もった雪が火砕流でとけ、その水が土砂を巻き込みながら流れ下る「融雪型火山泥流」は、沢や河川などを通じて最大で10キロ以上におよぶと推計されています。
人頭大以上 大きな噴石
噴火で飛ばされるおおむね20センチから30センチ以上の大きな噴石については、過去の事例をもとに想定される火口から最大で4キロに達するとしています。協議会ではこれらはいずれも噴火による影響がおよぶ地域を重ねたもので、一度の噴火ですべての範囲に被害が出るわけではないとしています。
2022年3月30日 19時35分
富士山の噴火を想定した新しい避難計画の中間報告がまとまり、噴石や溶岩流によって避難の対象となる地域に住む人は静岡・山梨・神奈川の合わせて80万人余りに上ると推計されました。自動車でいっせいに移動すると深刻な渋滞が発生するおそれがあることから、市街地では原則、徒歩で避難する必要があるとしています。
新しい避難計画は、富士山の噴火を想定したハザードマップが去年改定されたことを受けて、静岡・山梨・神奈川の3県と国、有識者などでつくる火山防災対策協議会が見直しを進めてきたもので、30日、中間報告が示されました。
それによりますと噴火によって避難が必要となる地域を6段階に分け、対象となる地域に住む人は静岡・山梨・神奈川の3県の27市町村で合わせて80万5600人に上ると推計されています。
このうち火砕流や大きな噴石が及んだり溶岩流が3時間以内に到達したりする地域に住む人は静岡と山梨の10の市町村で11万6000人余りと、これまでの推計の7倍に達すると想定されています。
これらの地域の人は火山性地震や地殻変動が観測されるなどして大規模な噴火の前に警戒レベルが引き上げられた場合や、噴火直後には速やかに危険な区域から避難する必要があると指摘しています。
また、住民の避難にかかる時間をシミュレーションしたところ、市街地では住民が自動車でいっせいに移動すると深刻な渋滞が発生し、避難が間に合わないおそれがあることがわかりました。
溶岩流は壊滅的な被害をもたらすものの、傾斜の緩い場所では流れる速度が比較的遅いことから、渋滞が予想される市街地では障害者や高齢者など車で避難する必要がある人をのぞいて「原則、徒歩で避難する」という新しい方針も示されました。
「広域避難」は段階的に・火山現象ごとの対応を
中間報告では噴火の影響が広範囲に及んだ場合に周辺の自治体へ避難する「広域避難」の考え方についても示されました。
これまでは車での避難を広く呼びかけてきましたが、溶岩流は流れる速度が比較的遅いこともあり、住民の避難について徒歩を原則とする方針を示しました。
シミュレーションをしたところ市街地で深刻な渋滞が発生し、逃げ遅れが起きるおそれが明らかになったことも要因です。
渋滞を防ぐことで、新たな避難計画が重視している高齢者や障害者など徒歩での移動が困難な人の車での優先的な避難につなげるのがねらいです。
さらに、これまでは遠くへの避難が想定されていましたが、今回の中間報告では、噴火後、火口の位置から影響が出そうな地域が分かるため、必ずしも遠くに避難しなくても安全は確保できるとしています。
住民の避難先は、
1 まずはその時にいる市町村の安全な場所
2 近隣の市町村
3 離れた市町村へと、
段階的に拡大することが望ましいとしています。
山梨県などは、今後、広範囲での影響が懸念される火山灰への対応などについて最終的な検討を進めることにしていて、新しい避難計画は2022年度の早い時期に完成する見通しです。
【溶岩流 数十キロ先まで流下】
今回の避難計画のもととなっているのは「富士山火山防災対策協議会」が去年3月に公表した「ハザードマップ」です。特徴的なのは広域に及ぶ溶岩流です。大規模な噴火が起きた場合に流れ出す溶岩の量は従来想定のおよそ2倍の13億立方メートルに達すると推計され、火口周辺の山梨県富士吉田市や静岡県御殿場市だけでなく、北東に40キロ以上離れた山梨県上野原市や相模原市、南東側の神奈川県小田原市、南側の静岡市清水区など、3つの県の7市5町に到達するとしています。
火砕流
また、高温の岩石や火山灰、それに火山ガスなどが一体となって斜面を高速で流れ下る「火砕流」については、富士吉田市の方面と静岡県富士宮市の方面に流れ下り、一部の場所では従来の想定より噴出量が大幅に増えたことで火口からより遠くまで到達するおそれがあるとされました。避難路としても検討されている自動車専用道路の東富士五湖道路にも影響するおそれがあると推計され、人の移動や物流などに影響が及ぶ可能性があります。
融雪型火山泥流
積もった雪が火砕流でとけ、その水が土砂を巻き込みながら流れ下る「融雪型火山泥流」は、沢や河川などを通じて最大で10キロ以上におよぶと推計されています。
人頭大以上 大きな噴石
噴火で飛ばされるおおむね20センチから30センチ以上の大きな噴石については、過去の事例をもとに想定される火口から最大で4キロに達するとしています。協議会ではこれらはいずれも噴火による影響がおよぶ地域を重ねたもので、一度の噴火ですべての範囲に被害が出るわけではないとしています。
火山名 噴火浅根 火山の状況に関する解説情報 第1号
令和4年3月28日00時43分 気象庁
**(見出し)**
<噴火警報(周辺海域)が継続>
噴火浅根で海底噴火が発生したもようです。周辺海域では、噴火に伴う弾道を描いて飛散する大きな噴石やベースサージ(横なぐりの噴煙)に警戒してください。
**(本 文)**
1.火山活動の状況
気象衛星ひまわりの観測によると、噴火浅根(母島の南西約160kmにある海底火山)で、27日18時頃から噴煙の可能性がある雲が見え、21時頃から火山灰の可能性が明瞭になってきたことから、噴火が発生したと判断し、27日23時14分に噴火警報(周辺海域)及び23時18分に火山現象に関する海上警報を発表しました。その後、23時30分頃に噴煙が海面上約7000mの高さまで上がっていることを確認しました。
噴火浅根で海底噴火が発生したもようですので、周辺海域では警戒が必要です。
2.防災上の警戒事項等
周辺海域では、噴火に伴う弾道を描いて飛散する大きな噴石やベースサージ(横なぐりの噴煙)に警戒してください。また、噴火による浮遊物(軽石等)に注意が必要です。
火山活動の状況に変化があった場合には、随時お知らせします。
令和4年3月28日00時43分 気象庁
**(見出し)**
<噴火警報(周辺海域)が継続>
噴火浅根で海底噴火が発生したもようです。周辺海域では、噴火に伴う弾道を描いて飛散する大きな噴石やベースサージ(横なぐりの噴煙)に警戒してください。
**(本 文)**
1.火山活動の状況
気象衛星ひまわりの観測によると、噴火浅根(母島の南西約160kmにある海底火山)で、27日18時頃から噴煙の可能性がある雲が見え、21時頃から火山灰の可能性が明瞭になってきたことから、噴火が発生したと判断し、27日23時14分に噴火警報(周辺海域)及び23時18分に火山現象に関する海上警報を発表しました。その後、23時30分頃に噴煙が海面上約7000mの高さまで上がっていることを確認しました。
噴火浅根で海底噴火が発生したもようですので、周辺海域では警戒が必要です。
2.防災上の警戒事項等
周辺海域では、噴火に伴う弾道を描いて飛散する大きな噴石やベースサージ(横なぐりの噴煙)に警戒してください。また、噴火による浮遊物(軽石等)に注意が必要です。
火山活動の状況に変化があった場合には、随時お知らせします。
火山名 噴火浅根 噴火警報(周辺海域)
令和4年3月27日23時14分 気象庁
**(見出し)**
<噴火浅根に噴火警報(周辺海域)を発表>
噴火浅根の周辺海域では、噴火に伴う弾道を描いて飛散する大きな噴石やベースサージ(横なぐりの噴煙)に警戒してください。
<噴火予報(活火山であることに留意)から噴火警報(周辺海域)に引上げ>
**(本 文)**
1.火山活動の状況及び予報警報事項
気象衛星ひまわりの観測によると、本日(27日)18時頃、噴火浅根で噴火が発生したもようです。
噴火浅根の周辺海域では今後も噴火活動が継続する可能性がありますので、噴火に伴う弾道を描いて飛散する大きな噴石やベースサージ(横なぐりの
噴煙)に警戒してください。
2.対象市町村等
以下の市町村では、周辺海域で警戒をしてください。
東京都:小笠原村
3.防災上の警戒事項等
周辺海域では、噴火に伴う弾道を描いて飛散する大きな噴石やベースサージ(横なぐりの噴煙)に警戒してください。また、噴火による浮遊物(軽石等)に注意が必要です。
令和4年3月27日23時14分 気象庁
**(見出し)**
<噴火浅根に噴火警報(周辺海域)を発表>
噴火浅根の周辺海域では、噴火に伴う弾道を描いて飛散する大きな噴石やベースサージ(横なぐりの噴煙)に警戒してください。
<噴火予報(活火山であることに留意)から噴火警報(周辺海域)に引上げ>
**(本 文)**
1.火山活動の状況及び予報警報事項
気象衛星ひまわりの観測によると、本日(27日)18時頃、噴火浅根で噴火が発生したもようです。
噴火浅根の周辺海域では今後も噴火活動が継続する可能性がありますので、噴火に伴う弾道を描いて飛散する大きな噴石やベースサージ(横なぐりの
噴煙)に警戒してください。
2.対象市町村等
以下の市町村では、周辺海域で警戒をしてください。
東京都:小笠原村
3.防災上の警戒事項等
周辺海域では、噴火に伴う弾道を描いて飛散する大きな噴石やベースサージ(横なぐりの噴煙)に警戒してください。また、噴火による浮遊物(軽石等)に注意が必要です。
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