「線状降水帯」の発生知らせる情報 きょう運用開始 気象庁
2021年6月17日 13時41分
発達した積乱雲が帯状に連なり、大雨による被害をもたらす「線状降水帯」。気象庁は、この「線状降水帯」による大雨が確認された場合、土砂災害や洪水の危険性が急激に高まったことを知らせる「顕著な大雨に関する情報」の運用を17日から始めました。
「線状降水帯」は、去年の7月豪雨や平成30年の西日本豪雨など、これまでの豪雨災害で繰り返し確認され、短い時間で状況が悪化する危険性があります。
しかし、現在の技術では「線状降水帯」の十分な予測はできないため、気象庁は実際に「線状降水帯」による大雨が確認された場合「顕著な大雨に関する情報」を出して、厳重な警戒や安全の確保を呼びかけることになりました。
情報の運用は17日午後から始まり、3時間の解析雨量や雨雲の形などから「線状降水帯」の発生を判断し気象情報として発表します。
予測の情報ではないため、この情報が発表されたときにはすでに屋外への避難が難しい状況になっていることも予想されます。
さらに、過去の災害で検証したところ、この情報が発表される条件でなくても被害が出ていたケースもあるということです。
このため気象庁は、市町村からの避難の情報や、気象庁のホームページで確認できる危険度分布、河川の水位情報などをもとに、早めの避難を心がけてほしいとしています。
災害情報が専門で東京大学大学院の片田敏孝特任教授は「災害が起きる前にこの情報が必ず発表されるとはかぎらないということを理解しておいてほしい。みずから身の回りの状況を確認し、自分や家族の命を守る対応を進めていく努力が求められている」と話しています。
【情報発表の基準は】
「線状降水帯」による大雨は現在の技術では十分な予測ができないことから「顕著な大雨に関する情報」は一定の条件を設定して「線状降水帯」を判断し、土砂災害や洪水の危険度が急激に高まってきた場合に発表されます。
情報が発表される基準は、3時間の解析雨量が100ミリ以上の範囲が500平方キロメートル以上あり一部は150ミリ以上に達していること、そしてその領域の形状が「線状」であることなどとしています。
期待の一方 懸念も
気象庁は、この情報を発表することで災害の危険度が高まっていることを伝え、住民や行政の危機感を高めることができるとしています。
一方、情報について議論された検討会では気象や災害情報の専門家などから繰り返し懸念が示されていました。
【大雨警戒レベルとの関係は?】
ことし改めて変更された「大雨警戒レベル」との関係です。
「顕著な大雨に関する情報」は災害発生の危険度が急激に高まっているときに発表されるため「避難指示」など避難の情報には関連づけられず「レベル4相当以上」という位置づけになっています。
また、専門家からは、この情報が出るまで避難しなくてもよいという誤解を与えかねないという指摘もあります。
【情報 さらに増えることに】
さらに、大雨に関する情報には「警報」や「特別警報」をはじめ「記録的短時間大雨情報」「土砂災害警戒情報」「氾濫危険情報」などすでに多くあり、さらに新しい情報が加わることで住民がわかりにくくなるという指摘もありました。
現状では台風による雨雲も「線状降水帯」として発表されるという課題もあります。
気象庁は「運用後も情報の受け手の意見も踏まえ情報の改善に努める」としています。
【専門家「大切なのはみずから命を守る判断力」】
災害情報が専門で気象庁の検討会で委員を務めた東京大学大学院の片田敏孝特任教授は「平成30年の西日本豪雨で大きな浸水被害が出た岡山県倉敷市の事例では今回の情報の発表基準を満たしていないなど、災害が起きる前にこの情報が必ず発表されるとは限らないということを理解しておく必要がある」と指摘しました。
そのうえで「降水量が増え集中的に事態が悪化することもある中、その場所に適した情報を適切なタイミングで出すことは難しくなっていると思う。『防災気象情報が充実化しているから、それに任せればいい』という依存心が出てくることは心配で、情報を活用しつつも大切なことはみずから身の回りの状況を確認し自分や家族の命を守るという判断力や対応力だ」と話しています。
2021年6月17日 13時41分
発達した積乱雲が帯状に連なり、大雨による被害をもたらす「線状降水帯」。気象庁は、この「線状降水帯」による大雨が確認された場合、土砂災害や洪水の危険性が急激に高まったことを知らせる「顕著な大雨に関する情報」の運用を17日から始めました。
「線状降水帯」は、去年の7月豪雨や平成30年の西日本豪雨など、これまでの豪雨災害で繰り返し確認され、短い時間で状況が悪化する危険性があります。
しかし、現在の技術では「線状降水帯」の十分な予測はできないため、気象庁は実際に「線状降水帯」による大雨が確認された場合「顕著な大雨に関する情報」を出して、厳重な警戒や安全の確保を呼びかけることになりました。
情報の運用は17日午後から始まり、3時間の解析雨量や雨雲の形などから「線状降水帯」の発生を判断し気象情報として発表します。
予測の情報ではないため、この情報が発表されたときにはすでに屋外への避難が難しい状況になっていることも予想されます。
さらに、過去の災害で検証したところ、この情報が発表される条件でなくても被害が出ていたケースもあるということです。
このため気象庁は、市町村からの避難の情報や、気象庁のホームページで確認できる危険度分布、河川の水位情報などをもとに、早めの避難を心がけてほしいとしています。
災害情報が専門で東京大学大学院の片田敏孝特任教授は「災害が起きる前にこの情報が必ず発表されるとはかぎらないということを理解しておいてほしい。みずから身の回りの状況を確認し、自分や家族の命を守る対応を進めていく努力が求められている」と話しています。
【情報発表の基準は】
「線状降水帯」による大雨は現在の技術では十分な予測ができないことから「顕著な大雨に関する情報」は一定の条件を設定して「線状降水帯」を判断し、土砂災害や洪水の危険度が急激に高まってきた場合に発表されます。
情報が発表される基準は、3時間の解析雨量が100ミリ以上の範囲が500平方キロメートル以上あり一部は150ミリ以上に達していること、そしてその領域の形状が「線状」であることなどとしています。
期待の一方 懸念も
気象庁は、この情報を発表することで災害の危険度が高まっていることを伝え、住民や行政の危機感を高めることができるとしています。
一方、情報について議論された検討会では気象や災害情報の専門家などから繰り返し懸念が示されていました。
【大雨警戒レベルとの関係は?】
ことし改めて変更された「大雨警戒レベル」との関係です。
「顕著な大雨に関する情報」は災害発生の危険度が急激に高まっているときに発表されるため「避難指示」など避難の情報には関連づけられず「レベル4相当以上」という位置づけになっています。
また、専門家からは、この情報が出るまで避難しなくてもよいという誤解を与えかねないという指摘もあります。
【情報 さらに増えることに】
さらに、大雨に関する情報には「警報」や「特別警報」をはじめ「記録的短時間大雨情報」「土砂災害警戒情報」「氾濫危険情報」などすでに多くあり、さらに新しい情報が加わることで住民がわかりにくくなるという指摘もありました。
現状では台風による雨雲も「線状降水帯」として発表されるという課題もあります。
気象庁は「運用後も情報の受け手の意見も踏まえ情報の改善に努める」としています。
【専門家「大切なのはみずから命を守る判断力」】
災害情報が専門で気象庁の検討会で委員を務めた東京大学大学院の片田敏孝特任教授は「平成30年の西日本豪雨で大きな浸水被害が出た岡山県倉敷市の事例では今回の情報の発表基準を満たしていないなど、災害が起きる前にこの情報が必ず発表されるとは限らないということを理解しておく必要がある」と指摘しました。
そのうえで「降水量が増え集中的に事態が悪化することもある中、その場所に適した情報を適切なタイミングで出すことは難しくなっていると思う。『防災気象情報が充実化しているから、それに任せればいい』という依存心が出てくることは心配で、情報を活用しつつも大切なことはみずから身の回りの状況を確認し自分や家族の命を守るという判断力や対応力だ」と話しています。
【台風第10号に関する鹿児島県(奄美地方を除く)気象情報】第 8 号
令和2年9月5日23時12分 鹿児島地方気象台発表
(見出し)
大型で非常に強い台風第10号が特別警報級の勢力で北上しています。薩摩、大隅、種子島・屋久島地方では6日昼過ぎから暴風域に入り始め、6日夜にはかなり接近する見込みです。これまで経験したことのないような暴風や高波、高潮となるおそれがあり、暴風、波浪、高潮特別警報を発表する可能性があります。
(本文)
大型で非常に強い台風第10号は、5日23時には、南大東島の西南西約40キロにあって、1時間におよそ15キロの速さで北北西へ進んでいるものと推定されます。
台風は特別警報級の勢力を維持したまま北上し、6日夜のはじめ頃から6日夜遅くにかけて薩摩、大隅、種子島・屋久島地方に接近または上陸するおそれがあります。台風が予報円の中心付近を進みますと、種子島・屋久島地方は6日昼過ぎに、薩摩、大隅地方は6日夕方に風速25メートル以上の暴風域に入る見込みです。
このため、薩摩、大隅、種子島・屋久島地方では6日夜から7日にかけて、一部の住家が倒壊するおそれがある猛烈な風が吹き、沿岸の海域では6日昼前からうねりを伴った猛烈なしけとなり、海岸や河口付近の低地では記録的な高潮になるおそれがあります。
薩摩、大隅、種子島・屋久島地方では、台風の北上に伴い、暖かく湿った空気が流れ込み、大気の状態が非常に不安定となる見込みです。
薩摩地方では6日夕方から局地的に雷を伴った非常に激しい雨が降り、大隅、種子島・屋久島地方では6日夜のはじめ頃から局地的に雷を伴った猛烈な雨が降り、記録的な大雨となるおそれがあります。
国管理河川のような大河川でも氾濫するおそれが高まる見込みです。
また、落雷や竜巻などの激しい突風のおそれもあります。
<風の予想>
6日の最大風速(最大瞬間風速)
薩摩地方
陸上 30メートル(45メートル)
海上 35メートル(50メートル)
大隅地方
陸上 30メートル(45メートル)
海上 35メートル(50メートル)
種子島・屋久島地方
陸上、海上共に 45メートル(65メートル)
7日の最大風速(最大瞬間風速)
薩摩地方 40から50メートル(55から70メートル)
大隅地方 30から40メートル(40から60メートル)
種子島・屋久島地方 40から50メートル(55から70メートル)
<波の高さの予想>
6日の最大波高
薩摩地方 12メートル
大隅地方 12メートル
種子島・屋久島地方 14メートル
7日の最大波高
薩摩地方 12メートル
大隅地方 12メートル
種子島・屋久島地方 12メートル
<高潮の予想>
台風の接近に伴い、薩摩、大隅、種子島・屋久島地方では6日から7日は潮位が高くなり、海岸や河口付近の低地では浸水や冠水のおそれがあります。
なお、潮位が堤防を越えなくても、潮位が高い中で高波があると波が海岸堤防を越えて浸水するおそれもあります。
<雨の予想>
6日00時から7日00時までの予想降水量(多い所)
1時間降水量
薩摩地方 60ミリ
大隅地方 80ミリ
種子島・屋久島地方 80ミリ
24時間降水量
薩摩地方 250ミリ
大隅地方 400ミリ
種子島・屋久島地方 400ミリ
6日00時から8日00時までの予想降水量(多い所)
48時間降水量
薩摩地方 400から600ミリ
大隅地方 600から800ミリ
種子島・屋久島地方 400から600ミリ
<防災事項>
厳重警戒:うねりを伴った高波、暴風、高潮、土砂災害、河川の増水や氾濫、低い土地の浸水
注意事項:落雷や竜巻などの激しい突風
桜島では、土石流に注意してください。
風が強まる前に頑丈な建物の中に移動するとともに、屋内では窓から離れるなど、暴風に厳重に警戒してください。
発達した積乱雲の近づく兆しがある場合には、建物内に移動するなど安全確保に努めてください。
お住まいの市町村が発令する避難勧告等に従って早め早めに身の安全を確保してください。
今後、発表する特別警報、警報、注意報、竜巻注意情報、気象情報等に留意し、最新の情報を活用してください。
また、台風の進路や土砂災害、浸水害及び洪水の危険度に関しては「気象庁ホームページ」などを確認してください。
次の府県気象情報は、6日05時頃に発表する予定です。
令和2年9月5日23時12分 鹿児島地方気象台発表
(見出し)
大型で非常に強い台風第10号が特別警報級の勢力で北上しています。薩摩、大隅、種子島・屋久島地方では6日昼過ぎから暴風域に入り始め、6日夜にはかなり接近する見込みです。これまで経験したことのないような暴風や高波、高潮となるおそれがあり、暴風、波浪、高潮特別警報を発表する可能性があります。
(本文)
大型で非常に強い台風第10号は、5日23時には、南大東島の西南西約40キロにあって、1時間におよそ15キロの速さで北北西へ進んでいるものと推定されます。
台風は特別警報級の勢力を維持したまま北上し、6日夜のはじめ頃から6日夜遅くにかけて薩摩、大隅、種子島・屋久島地方に接近または上陸するおそれがあります。台風が予報円の中心付近を進みますと、種子島・屋久島地方は6日昼過ぎに、薩摩、大隅地方は6日夕方に風速25メートル以上の暴風域に入る見込みです。
このため、薩摩、大隅、種子島・屋久島地方では6日夜から7日にかけて、一部の住家が倒壊するおそれがある猛烈な風が吹き、沿岸の海域では6日昼前からうねりを伴った猛烈なしけとなり、海岸や河口付近の低地では記録的な高潮になるおそれがあります。
薩摩、大隅、種子島・屋久島地方では、台風の北上に伴い、暖かく湿った空気が流れ込み、大気の状態が非常に不安定となる見込みです。
薩摩地方では6日夕方から局地的に雷を伴った非常に激しい雨が降り、大隅、種子島・屋久島地方では6日夜のはじめ頃から局地的に雷を伴った猛烈な雨が降り、記録的な大雨となるおそれがあります。
国管理河川のような大河川でも氾濫するおそれが高まる見込みです。
また、落雷や竜巻などの激しい突風のおそれもあります。
<風の予想>
6日の最大風速(最大瞬間風速)
薩摩地方
陸上 30メートル(45メートル)
海上 35メートル(50メートル)
大隅地方
陸上 30メートル(45メートル)
海上 35メートル(50メートル)
種子島・屋久島地方
陸上、海上共に 45メートル(65メートル)
7日の最大風速(最大瞬間風速)
薩摩地方 40から50メートル(55から70メートル)
大隅地方 30から40メートル(40から60メートル)
種子島・屋久島地方 40から50メートル(55から70メートル)
<波の高さの予想>
6日の最大波高
薩摩地方 12メートル
大隅地方 12メートル
種子島・屋久島地方 14メートル
7日の最大波高
薩摩地方 12メートル
大隅地方 12メートル
種子島・屋久島地方 12メートル
<高潮の予想>
台風の接近に伴い、薩摩、大隅、種子島・屋久島地方では6日から7日は潮位が高くなり、海岸や河口付近の低地では浸水や冠水のおそれがあります。
なお、潮位が堤防を越えなくても、潮位が高い中で高波があると波が海岸堤防を越えて浸水するおそれもあります。
<雨の予想>
6日00時から7日00時までの予想降水量(多い所)
1時間降水量
薩摩地方 60ミリ
大隅地方 80ミリ
種子島・屋久島地方 80ミリ
24時間降水量
薩摩地方 250ミリ
大隅地方 400ミリ
種子島・屋久島地方 400ミリ
6日00時から8日00時までの予想降水量(多い所)
48時間降水量
薩摩地方 400から600ミリ
大隅地方 600から800ミリ
種子島・屋久島地方 400から600ミリ
<防災事項>
厳重警戒:うねりを伴った高波、暴風、高潮、土砂災害、河川の増水や氾濫、低い土地の浸水
注意事項:落雷や竜巻などの激しい突風
桜島では、土石流に注意してください。
風が強まる前に頑丈な建物の中に移動するとともに、屋内では窓から離れるなど、暴風に厳重に警戒してください。
発達した積乱雲の近づく兆しがある場合には、建物内に移動するなど安全確保に努めてください。
お住まいの市町村が発令する避難勧告等に従って早め早めに身の安全を確保してください。
今後、発表する特別警報、警報、注意報、竜巻注意情報、気象情報等に留意し、最新の情報を活用してください。
また、台風の進路や土砂災害、浸水害及び洪水の危険度に関しては「気象庁ホームページ」などを確認してください。
次の府県気象情報は、6日05時頃に発表する予定です。
ウェブ面接「自宅の音ダダ漏れ」相次ぐ就活ハプニング
新型コロナウイルスの感染拡大の影響で、企業の新卒採用活動は当初の予定から大幅な変更となっています。就職活動中の学生はどのような問題に直面しているのでしょうか。明治大2年生の4人が、首都圏の複数の大学の就活生に学生の視点で取材しました。明治大商学部の藤田結子教授がリポートします。【毎日新聞経済プレミア】
就活中の学生たちによると、2月下旬ごろから3月にかけて、多くの企業で説明会や座談会がキャンセルとなり、オンラインへ切り替わっていきました。
ウェブ説明会は、録画した映像を流す場合と、「Zoom」などのアプリを使って双方向・リアルタイムで説明会をする場合があります。女子大学生の中村さん(仮名)はある企業の説明会で、気まずい体験をしたそうです。
◇ウェブ説明会で家族の声
「その説明会は、参加者はウェブで参加しても直接行ってもよかったので、私は直接行った。説明会の最中、ウェブで自宅から参加している人のマイクがオンになっていて、親の声とか生活音が会場にダダ漏れだった(笑い)。会社側はどうしようもできないらしく、20 分くらいそのままだった。本当に怖い」
同様に、企業のウェブ説明会中に「慣れていない参加者がマイクをオンにしていて、家のテレビのワイドショーがずっと流れていた」「『このチューハイ、桃味おいしーっ』ていう女の子の声が聞こえてきた」など、マイク関連のハプニングが多発しているようです。
女子大学生の渡辺さん(仮名)は、ある企業が開催した少人数の座談会に参加しました。「濃厚接触しないようにするためか、すごく広い部屋に 12 人だけ入れられた。4 人ずつグループになって話すんだけど、グループ同士の距離がかなり遠かった。でも、同じグループの人同士は接近して話していて、変な感じだった」といいます。
企業も学生も戸惑いながら、説明会や面接を進めている様子がうかがえます。
◇ウェブ面接の背景は敷布団2枚
ウェブ面接に進んだ学生たちからは「カメラ写りの良い場所がない」という悩みが聞かれました。
男子大学生の鈴木さん(仮名)は、ウェブ面接に良さそうな部屋が自宅にありませんでした。余計なものが画面に映り込んでしまいます。そこで、敷布団2枚を合わせて背景が白く映るように工夫し、ウェブ面接に挑みました。ついでに、そのアイデアもウェブ面接でアピールしたそうです。
自宅に適切な部屋がなく、ネットカフェを利用している学生もいます。女子大学生の田中さん(仮名)はネットカフェでウェブ面接する理由をこう説明します。「個室でネットもあるし、家が汚くても大丈夫だし。それにコロナで家族が自宅にいる人も多いから、ネカフェは便利でしょ」
また、大学の共有スペースで他の学生がいる中、突然「御社を志望した理由は……」とウェブ面接を始める声が聞こえてきた、という話も聞かれました。
◇学生間の格差がオンライン就活に影響
このように個人の経済的状況や家庭環境 、つまり学生間の「格差」――パソコン(PC)やタブレットを持っているか、頻繁に使う動画のデータ通信料を支払えるか、ウェブ会議アプリに慣れているか、カメラ写りの良い部屋が準備できるか、同居家族の協力が得られるか――などが採用に影響するのではないか、という就活生の不安が聞こえてきました。
また、昨年のうちから青田買いを進めていた企業や、採用に関係ないはずのインターンに参加していた学生の方が、有利になってしまう不公平な状況が生まれていないか、という意見も聞かれました。
さらに「企業の雰囲気がよく伝わらない」「他の就活生が見れない」「自分から質問やアピールがしにくい」などの意見が問題点としてあがりました。
その一方で、オンライン就活にはメリットもあるそうです。たとえば、わざわざ出かけなくても自宅で説明会や面接に参加できるため、お金と時間が節約できるという利点です。
また、「カメラに映るのは上半身だけだから、上はスーツ、下はパジャマや普段着で面接受けた。リラックスしてできた」といった話もよく聞かれました。さらに「カンニングペーパーが使えるので楽」という意見もありました。
とはいえ大半の学生は、「企業の人と直接会ってやり取りしたい」と強く希望しており、一刻も早い事態の収束を願っています。
今回の調査担当者 小熊結子・松島祐也・山本啓太・吉川璃子(明治大商学部2年)
写真:企業が学生と対面する「ウェブ面接」のイメージ=東京都港区で2020年2月20日、成田有佳撮影
最終更新:4/5(日) 9:30毎日新聞
注:
ウェブ[1]【web】
World Wide Web(ワールド・ワイド・ウェブ、略名:WWW)とは、インターネット上で提供されているハイパーテキストシステムである。
出典:フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』
だだ漏れ 読み方:だだもれ
別表記:ダダ漏れ、だだ洩れ
(1)液体などが大量に漏れ出ること。容器からこぼれ、とめどなく外に流れ出るさま、あるいは、本来封じ込めておくべきものが大量に外部に放出されるさまなどを表す。
(2)情報が大量に外部に漏出すること。私事や個人情報が漏洩しているさま、あるいは、情報を隠さずに筒抜けになっているさまなどを表す。
出典:『実用日本語表現辞典』
就職活動
就職活動(しゅうしょくかつどう)は、職業に就くための活動の総称。略して、就活(しゅうかつ)とも呼ばれる。
出典:フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』
新型コロナウイルスの感染拡大の影響で、企業の新卒採用活動は当初の予定から大幅な変更となっています。就職活動中の学生はどのような問題に直面しているのでしょうか。明治大2年生の4人が、首都圏の複数の大学の就活生に学生の視点で取材しました。明治大商学部の藤田結子教授がリポートします。【毎日新聞経済プレミア】
就活中の学生たちによると、2月下旬ごろから3月にかけて、多くの企業で説明会や座談会がキャンセルとなり、オンラインへ切り替わっていきました。
ウェブ説明会は、録画した映像を流す場合と、「Zoom」などのアプリを使って双方向・リアルタイムで説明会をする場合があります。女子大学生の中村さん(仮名)はある企業の説明会で、気まずい体験をしたそうです。
◇ウェブ説明会で家族の声
「その説明会は、参加者はウェブで参加しても直接行ってもよかったので、私は直接行った。説明会の最中、ウェブで自宅から参加している人のマイクがオンになっていて、親の声とか生活音が会場にダダ漏れだった(笑い)。会社側はどうしようもできないらしく、20 分くらいそのままだった。本当に怖い」
同様に、企業のウェブ説明会中に「慣れていない参加者がマイクをオンにしていて、家のテレビのワイドショーがずっと流れていた」「『このチューハイ、桃味おいしーっ』ていう女の子の声が聞こえてきた」など、マイク関連のハプニングが多発しているようです。
女子大学生の渡辺さん(仮名)は、ある企業が開催した少人数の座談会に参加しました。「濃厚接触しないようにするためか、すごく広い部屋に 12 人だけ入れられた。4 人ずつグループになって話すんだけど、グループ同士の距離がかなり遠かった。でも、同じグループの人同士は接近して話していて、変な感じだった」といいます。
企業も学生も戸惑いながら、説明会や面接を進めている様子がうかがえます。
◇ウェブ面接の背景は敷布団2枚
ウェブ面接に進んだ学生たちからは「カメラ写りの良い場所がない」という悩みが聞かれました。
男子大学生の鈴木さん(仮名)は、ウェブ面接に良さそうな部屋が自宅にありませんでした。余計なものが画面に映り込んでしまいます。そこで、敷布団2枚を合わせて背景が白く映るように工夫し、ウェブ面接に挑みました。ついでに、そのアイデアもウェブ面接でアピールしたそうです。
自宅に適切な部屋がなく、ネットカフェを利用している学生もいます。女子大学生の田中さん(仮名)はネットカフェでウェブ面接する理由をこう説明します。「個室でネットもあるし、家が汚くても大丈夫だし。それにコロナで家族が自宅にいる人も多いから、ネカフェは便利でしょ」
また、大学の共有スペースで他の学生がいる中、突然「御社を志望した理由は……」とウェブ面接を始める声が聞こえてきた、という話も聞かれました。
◇学生間の格差がオンライン就活に影響
このように個人の経済的状況や家庭環境 、つまり学生間の「格差」――パソコン(PC)やタブレットを持っているか、頻繁に使う動画のデータ通信料を支払えるか、ウェブ会議アプリに慣れているか、カメラ写りの良い部屋が準備できるか、同居家族の協力が得られるか――などが採用に影響するのではないか、という就活生の不安が聞こえてきました。
また、昨年のうちから青田買いを進めていた企業や、採用に関係ないはずのインターンに参加していた学生の方が、有利になってしまう不公平な状況が生まれていないか、という意見も聞かれました。
さらに「企業の雰囲気がよく伝わらない」「他の就活生が見れない」「自分から質問やアピールがしにくい」などの意見が問題点としてあがりました。
その一方で、オンライン就活にはメリットもあるそうです。たとえば、わざわざ出かけなくても自宅で説明会や面接に参加できるため、お金と時間が節約できるという利点です。
また、「カメラに映るのは上半身だけだから、上はスーツ、下はパジャマや普段着で面接受けた。リラックスしてできた」といった話もよく聞かれました。さらに「カンニングペーパーが使えるので楽」という意見もありました。
とはいえ大半の学生は、「企業の人と直接会ってやり取りしたい」と強く希望しており、一刻も早い事態の収束を願っています。
今回の調査担当者 小熊結子・松島祐也・山本啓太・吉川璃子(明治大商学部2年)
写真:企業が学生と対面する「ウェブ面接」のイメージ=東京都港区で2020年2月20日、成田有佳撮影
最終更新:4/5(日) 9:30毎日新聞
注:
ウェブ[1]【web】
World Wide Web(ワールド・ワイド・ウェブ、略名:WWW)とは、インターネット上で提供されているハイパーテキストシステムである。
出典:フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』
だだ漏れ 読み方:だだもれ
別表記:ダダ漏れ、だだ洩れ
(1)液体などが大量に漏れ出ること。容器からこぼれ、とめどなく外に流れ出るさま、あるいは、本来封じ込めておくべきものが大量に外部に放出されるさまなどを表す。
(2)情報が大量に外部に漏出すること。私事や個人情報が漏洩しているさま、あるいは、情報を隠さずに筒抜けになっているさまなどを表す。
出典:『実用日本語表現辞典』
就職活動
就職活動(しゅうしょくかつどう)は、職業に就くための活動の総称。略して、就活(しゅうかつ)とも呼ばれる。
出典:フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』
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