堂本剛20周年記念プロデュース企画始動!ファッション、動画、ドキュメンタリーに挑む
シンガーソングライターとしてソロデビュー20周年を迎える堂本剛が、3月25日よりZOZOTOWN、LINE、GYAO!と共同で新プロジェクト「堂本剛プロデュース」を始動させる。
ZOZOTOWNでは剛がプロデュースするユニセックスのオリジナルファッションアイテムを開発。シーズンレスに着用できる7つのアイテムが今夏発売予定となっている。
LINEでは剛が公式アカウントを開設。3月26日から9月にかけては動画プラットフォーム「LINE VOOM」にて彼自ら企画、演出、出演を担当する縦型ショート動画が投稿される。
GYAO!では本企画の裏側に密着したドキュメンタリー番組「つよしP(仮)」を無料配信。プロデュースの過程を追うほか、“P”が付く何かを体験するという企画も予定されている。
本プロジェクトのビジュアル撮影にはお気に入りの衣装で臨んだという剛。「(プロデュースを)任せるのが不安になる写真にしましょう」と冗談めかしつつ、空気椅子の状態など個性あふれるポーズを繰り出した。また、撮影後に行われたファッションアイテムの打ち合わせでは「ファンクミュージックのように、さまざまな方向からのアプローチにより、手に取る1人ひとりがサステナブルなものに関する関心や、何かを感じてもらえるようなアイテム作りに取り組みたい」とコメント。用意されたサンプルを手に取りながら、生地の選択やデザインの方針など、完成にむけたイメージを膨らませた。さらに本企画のスタッフは音楽制作の現場にも潜入。ベースやギターを手に取り音作りをする作業や、マイクに吹き込むところなどを剛が丁寧に紹介する場面もあった。
GYAO!「つよしP(仮)」
配信日時:2022年3月26日(土)21:00~(全26回)
※以降毎週土曜21:00更新
シンガーソングライターとしてソロデビュー20周年を迎える堂本剛が、3月25日よりZOZOTOWN、LINE、GYAO!と共同で新プロジェクト「堂本剛プロデュース」を始動させる。
ZOZOTOWNでは剛がプロデュースするユニセックスのオリジナルファッションアイテムを開発。シーズンレスに着用できる7つのアイテムが今夏発売予定となっている。
LINEでは剛が公式アカウントを開設。3月26日から9月にかけては動画プラットフォーム「LINE VOOM」にて彼自ら企画、演出、出演を担当する縦型ショート動画が投稿される。
GYAO!では本企画の裏側に密着したドキュメンタリー番組「つよしP(仮)」を無料配信。プロデュースの過程を追うほか、“P”が付く何かを体験するという企画も予定されている。
本プロジェクトのビジュアル撮影にはお気に入りの衣装で臨んだという剛。「(プロデュースを)任せるのが不安になる写真にしましょう」と冗談めかしつつ、空気椅子の状態など個性あふれるポーズを繰り出した。また、撮影後に行われたファッションアイテムの打ち合わせでは「ファンクミュージックのように、さまざまな方向からのアプローチにより、手に取る1人ひとりがサステナブルなものに関する関心や、何かを感じてもらえるようなアイテム作りに取り組みたい」とコメント。用意されたサンプルを手に取りながら、生地の選択やデザインの方針など、完成にむけたイメージを膨らませた。さらに本企画のスタッフは音楽制作の現場にも潜入。ベースやギターを手に取り音作りをする作業や、マイクに吹き込むところなどを剛が丁寧に紹介する場面もあった。
GYAO!「つよしP(仮)」
配信日時:2022年3月26日(土)21:00~(全26回)
※以降毎週土曜21:00更新
地震 東北新幹線脱線 3月中の運転再開厳しい見通し
2022年3月17日 18時37分 宮城 福島 震度6強
16日夜の地震で宮城県内を走行中の東北新幹線が脱線した事故で、17日、新たにレールのゆがみが見つかったほか、架線を支える柱が折れるなど広い範囲で設備の被害が確認されました。
JR東日本は復旧作業に時間がかかるため3月中の全線での運転再開は困難だという見通しを明らかにしました。
JR東日本が宮城県白石市の事故現場で撮影した写真では、脱線した新幹線の先頭車両が、車体の幅の半分ほどまで大きくずれているのが確認できます。
国の運輸安全委員会は鉄道事故調査官を現場に派遣し脱線の経緯や原因を詳しく調べています。
沿線の設備についても徐々に被害が明らかになり、17日になって、レールが上下にゆがんでいるのが複数の箇所で見つかったほか、架線を支える柱が折れたり、高架の下にある橋脚が一部崩れたりするなど、広い範囲で被害が確認されました。
点検ができていない区間もあり、被害はさらに拡大するおそれがあります。
那須塩原~盛岡 不通「全線再開 3月中は厳しい」JR
JR東日本は17日夕方記者会見を開き、市川東太郎 副社長が「ご利用の皆様には大変なご不便とご心配をおかけし、誠に申し訳ありません」と陳謝しました。
東北新幹線は、17日午後6時現在も那須塩原駅と盛岡駅の間で不通になっています。
市川副社長は全線での運転再開について、レールがゆがんだり複数の電柱が傾いたりするなど被害が特に大きい福島駅と仙台駅の間の復旧に時間がかかるため3月中は困難だという見通しを明らかにしました。
また今回の事故で17両編成のうち16両が脱線したことについて「ほとんどが脱線するのは私自身もなかなか経験がなく、これまで進めてきた安全対策が技術的にどうだったのか、しっかり検証したうえで対策を考えていきたい」と述べ、国の運輸安全委員会の調査結果を踏まえながら再発防止に向けた対策を進めていく考えを示しました。
一方、東京駅から那須塩原駅、盛岡駅から新函館北斗駅の間については、大幅に本数を減らしたうえで運転しています。
【低速での走行中に脱線か】
JR東日本によりますと、東北新幹線が脱線した福島駅と白石蔵王駅の間は、最高速度が320キロとなっていますが、地震が起きた際、列車は白石蔵王駅での停車に向けて減速していたということです。
地震を検知して非常ブレーキがかかる過程で脱線したとしています。
当時の速度については、今後詳しい分析をする予定で現在正確には分かっていないものの、低速での走行中に脱線したとみられるということです。
安全装置がどのように機能したか検証へ JR東日本
JR東日本は平成16年に起きた新潟県中越地震で走行中の上越新幹線が脱線したことを受けて、新幹線の脱線を防ぐための対策を進めてきました。
今回、脱線した列車には「逸脱防止ガイド」と呼ばれる、車輪がレールから大きく外れないための装置が取り付けられていたほか、現場付近にも「レール転倒防止装置」が設置されていました。
しかし今回、列車のほとんどの車両が脱線したうえ、一部の車両はレールから大きく外れて傾くなどしていて、JRは今後、安全装置がどのように機能したか検証することにしています。
一方、地震の初期のかすかな揺れを検知すると自動的に非常ブレーキがかかる装置については、今回も正常に作動したと考えられるとしています。
【去年の地震でも多数被害 耐震化には制約も】
東北新幹線は、去年2月にも震度6強を観測した地震で架線を支える柱が傾いたり、高架橋にひびが入ったりするなど、940か所の設備に被害が出ました。
JR東日本は東日本大震災を教訓に設備の耐震補強工事を進めていますが、何百キロにも及ぶ沿線の工事を進める上では制約があります。
工事を行えるのは終電後から始発までの深夜から早朝に限られるため、東北新幹線にある架線を支える柱で耐震化が必要な1万3500本のうち、作業を終えたのは去年の時点で2000本程度で、工事が完了する時期は未定だということです。
【脱線現場 橋脚の一部にひび 鉄骨見える状態に】
脱線現場は宮城県白石市の白石蔵王駅から南西におよそ2キロメートルの場所で、画像はNHKのヘリコプターが午前7時半前に撮影したものです。
赤色の先頭車両が停車している高架の真下にある橋脚の一部が大きくひび割れてはがれ落ち地面に散乱し、中の鉄骨が見える状態になっています。
その近くでは架線を支える柱が折れて、高架上に倒れかかっている様子も見えます。
2022年3月17日 18時37分 宮城 福島 震度6強
16日夜の地震で宮城県内を走行中の東北新幹線が脱線した事故で、17日、新たにレールのゆがみが見つかったほか、架線を支える柱が折れるなど広い範囲で設備の被害が確認されました。
JR東日本は復旧作業に時間がかかるため3月中の全線での運転再開は困難だという見通しを明らかにしました。
JR東日本が宮城県白石市の事故現場で撮影した写真では、脱線した新幹線の先頭車両が、車体の幅の半分ほどまで大きくずれているのが確認できます。
国の運輸安全委員会は鉄道事故調査官を現場に派遣し脱線の経緯や原因を詳しく調べています。
沿線の設備についても徐々に被害が明らかになり、17日になって、レールが上下にゆがんでいるのが複数の箇所で見つかったほか、架線を支える柱が折れたり、高架の下にある橋脚が一部崩れたりするなど、広い範囲で被害が確認されました。
点検ができていない区間もあり、被害はさらに拡大するおそれがあります。
那須塩原~盛岡 不通「全線再開 3月中は厳しい」JR
JR東日本は17日夕方記者会見を開き、市川東太郎 副社長が「ご利用の皆様には大変なご不便とご心配をおかけし、誠に申し訳ありません」と陳謝しました。
東北新幹線は、17日午後6時現在も那須塩原駅と盛岡駅の間で不通になっています。
市川副社長は全線での運転再開について、レールがゆがんだり複数の電柱が傾いたりするなど被害が特に大きい福島駅と仙台駅の間の復旧に時間がかかるため3月中は困難だという見通しを明らかにしました。
また今回の事故で17両編成のうち16両が脱線したことについて「ほとんどが脱線するのは私自身もなかなか経験がなく、これまで進めてきた安全対策が技術的にどうだったのか、しっかり検証したうえで対策を考えていきたい」と述べ、国の運輸安全委員会の調査結果を踏まえながら再発防止に向けた対策を進めていく考えを示しました。
一方、東京駅から那須塩原駅、盛岡駅から新函館北斗駅の間については、大幅に本数を減らしたうえで運転しています。
【低速での走行中に脱線か】
JR東日本によりますと、東北新幹線が脱線した福島駅と白石蔵王駅の間は、最高速度が320キロとなっていますが、地震が起きた際、列車は白石蔵王駅での停車に向けて減速していたということです。
地震を検知して非常ブレーキがかかる過程で脱線したとしています。
当時の速度については、今後詳しい分析をする予定で現在正確には分かっていないものの、低速での走行中に脱線したとみられるということです。
安全装置がどのように機能したか検証へ JR東日本
JR東日本は平成16年に起きた新潟県中越地震で走行中の上越新幹線が脱線したことを受けて、新幹線の脱線を防ぐための対策を進めてきました。
今回、脱線した列車には「逸脱防止ガイド」と呼ばれる、車輪がレールから大きく外れないための装置が取り付けられていたほか、現場付近にも「レール転倒防止装置」が設置されていました。
しかし今回、列車のほとんどの車両が脱線したうえ、一部の車両はレールから大きく外れて傾くなどしていて、JRは今後、安全装置がどのように機能したか検証することにしています。
一方、地震の初期のかすかな揺れを検知すると自動的に非常ブレーキがかかる装置については、今回も正常に作動したと考えられるとしています。
【去年の地震でも多数被害 耐震化には制約も】
東北新幹線は、去年2月にも震度6強を観測した地震で架線を支える柱が傾いたり、高架橋にひびが入ったりするなど、940か所の設備に被害が出ました。
JR東日本は東日本大震災を教訓に設備の耐震補強工事を進めていますが、何百キロにも及ぶ沿線の工事を進める上では制約があります。
工事を行えるのは終電後から始発までの深夜から早朝に限られるため、東北新幹線にある架線を支える柱で耐震化が必要な1万3500本のうち、作業を終えたのは去年の時点で2000本程度で、工事が完了する時期は未定だということです。
【脱線現場 橋脚の一部にひび 鉄骨見える状態に】
脱線現場は宮城県白石市の白石蔵王駅から南西におよそ2キロメートルの場所で、画像はNHKのヘリコプターが午前7時半前に撮影したものです。
赤色の先頭車両が停車している高架の真下にある橋脚の一部が大きくひび割れてはがれ落ち地面に散乱し、中の鉄骨が見える状態になっています。
その近くでは架線を支える柱が折れて、高架上に倒れかかっている様子も見えます。
“藤浪vs大谷”伝説の名勝負から10年…大阪桐蔭の元主将が明かす「剛腕撃破」の裏側
西谷監督が指示した“大谷対策”「一番いいボールのストレートを狙って潰していく」
春を告げる第94回選抜高校野球大会は3月18日にいよいよ開幕する。10年前の大会で「紫紺の優勝旗」を手にしたのは大阪桐蔭。初戦で実現した、大谷翔平(現エンゼルス)を擁する花巻東との対戦は今でも伝説の名勝負として語り継がれている。藤浪晋太郎(現阪神)ら、個性豊かな選手をまとめた当時の主将・水本弦さんが“大谷撃破”の真相を語ってくれた。
水本さんは大阪桐蔭-亜細亜大-東邦ガスとアマ球界のエリートコースを歩み、昨年限りで現役を引退したが「大人になって振り返っても凄い試合。間違いなく自分の野球人生の中でターニングポイントになった」と、花巻東戦は今でも脳裏に焼き付いているという。
2012年の春。いきなりのビッグカードに高校野球ファンは熱狂した。3月21日の大会初日・第3試合は150キロ超えの直球が武器でドラフト上位候補“藤浪vs大谷”の対決。抽選会を終えグラウンドに戻ってきた主将にナインたちは「何してるねん」と冗談を言い合っていたが、藤浪だけは冷静を装っていた。
「藤浪は普段、口数が多い方なのですがあの時は表情を変えなかった。『意識してない』と言ってましたが、絶対に意識してましたね(笑)」
大谷対策は至ってシンプルだった。選抜出場を決める前年秋の大会ではほとんどマウンドに上がっていない右腕に対し、西谷監督は「一番いいボールのストレートを狙って潰していく。9回を投げるスタミナはまだない。球数を投げさせて後半勝負だ」。百戦錬磨の名将の言葉を信じ、大一番に備えた。
そして迎えた運命の一戦は、豪快な一発で幕を開ける。2回の先頭・大谷が放った打球は右翼を守る水本さんの頭上を飛び越え、中段席に突き刺さる特大の先制ソロ。藤浪はマウンド上で舌を出し苦笑いし、大谷は白い歯を見せながらダイヤモンドを一周した。大会前から注目を集めたスーパースターの対決に、球場にはどよめきと歓声がこだました。
浜風が吹く中、それをものともしない強烈な打球。チームは当初“投手・大谷”を最も警戒していたが「何じゃこりゃと(笑)。最後は片手一本で拾ったような感じで本物だった」。“打者・大谷”の凄さも身をもって知ることになった。
その後も藤浪は得点を許し5回を終えてスコアは0-2。だが、試合はここから大きく動いた。6回・先頭の水本さんが四球で出塁すると打線が大谷を捉え、一気に3点を奪い逆転。7回にも4番打者のダメ押し2ランが飛び出し試合を決めた。
「ボールが浮き始め、球威も落ちてきた。西谷先生の予定通り、ここからが勝負。序盤は全然打てる気がしなかったけど、粘って塁に出ようと。点が入ってから、本来のチームになった。行ける、行けるってムードに変わった」
大谷は11三振を奪いながら11四死球と制球を乱し、9回途中で降板。一方、藤浪は12安打を許しながらも12奪三振、2四球と安定した投球で最後までマウンドを譲らなかった。終わってみれば9-2の大差だったが、スコア以上に見ごたえのある試合だった。
試合を終え宿舎に戻った大阪桐蔭ナインの興奮は収まらなかった。食事会場でも「大谷、凄かったな」「ストレート速すぎだろ」と各々が試合を振り返っていた。だが、思い描いた試合展開で勝利を手にした西谷監督は「今日は全然アカンかったぞ」と、喝を入れ手綱を緩めることはなかった。本来の力に加え“大谷撃破”で自信を手に入れたチームは、その後も接戦をものにして選抜「初優勝」を成し遂げた。
あの激戦から10年の月日が経ったが水本さんは「優勝できたのは、あの試合が分岐点。これまでは圧倒した試合が多かったのですが、経験したことない感情の中でプレーできた。僕たちも初めての甲子園でしたが、初戦で大きく成長できたのが大きい」と振り返る。
今年の選抜には“王者”として出場する。左腕・前田悠伍(2年)、強打の捕手・松尾汐恩(3年)らタレント揃いのチームは昨秋の神宮大会を制し優勝候補に上がっているが「せっかくなので(神宮、春夏、国体の)4冠を達成してほしい。僕たちの代より絶対強いですよ」。“伝説の学年”をまとめた元主将は後輩たちの活躍を願っている。
西谷監督が指示した“大谷対策”「一番いいボールのストレートを狙って潰していく」
春を告げる第94回選抜高校野球大会は3月18日にいよいよ開幕する。10年前の大会で「紫紺の優勝旗」を手にしたのは大阪桐蔭。初戦で実現した、大谷翔平(現エンゼルス)を擁する花巻東との対戦は今でも伝説の名勝負として語り継がれている。藤浪晋太郎(現阪神)ら、個性豊かな選手をまとめた当時の主将・水本弦さんが“大谷撃破”の真相を語ってくれた。
水本さんは大阪桐蔭-亜細亜大-東邦ガスとアマ球界のエリートコースを歩み、昨年限りで現役を引退したが「大人になって振り返っても凄い試合。間違いなく自分の野球人生の中でターニングポイントになった」と、花巻東戦は今でも脳裏に焼き付いているという。
2012年の春。いきなりのビッグカードに高校野球ファンは熱狂した。3月21日の大会初日・第3試合は150キロ超えの直球が武器でドラフト上位候補“藤浪vs大谷”の対決。抽選会を終えグラウンドに戻ってきた主将にナインたちは「何してるねん」と冗談を言い合っていたが、藤浪だけは冷静を装っていた。
「藤浪は普段、口数が多い方なのですがあの時は表情を変えなかった。『意識してない』と言ってましたが、絶対に意識してましたね(笑)」
大谷対策は至ってシンプルだった。選抜出場を決める前年秋の大会ではほとんどマウンドに上がっていない右腕に対し、西谷監督は「一番いいボールのストレートを狙って潰していく。9回を投げるスタミナはまだない。球数を投げさせて後半勝負だ」。百戦錬磨の名将の言葉を信じ、大一番に備えた。
そして迎えた運命の一戦は、豪快な一発で幕を開ける。2回の先頭・大谷が放った打球は右翼を守る水本さんの頭上を飛び越え、中段席に突き刺さる特大の先制ソロ。藤浪はマウンド上で舌を出し苦笑いし、大谷は白い歯を見せながらダイヤモンドを一周した。大会前から注目を集めたスーパースターの対決に、球場にはどよめきと歓声がこだました。
浜風が吹く中、それをものともしない強烈な打球。チームは当初“投手・大谷”を最も警戒していたが「何じゃこりゃと(笑)。最後は片手一本で拾ったような感じで本物だった」。“打者・大谷”の凄さも身をもって知ることになった。
その後も藤浪は得点を許し5回を終えてスコアは0-2。だが、試合はここから大きく動いた。6回・先頭の水本さんが四球で出塁すると打線が大谷を捉え、一気に3点を奪い逆転。7回にも4番打者のダメ押し2ランが飛び出し試合を決めた。
「ボールが浮き始め、球威も落ちてきた。西谷先生の予定通り、ここからが勝負。序盤は全然打てる気がしなかったけど、粘って塁に出ようと。点が入ってから、本来のチームになった。行ける、行けるってムードに変わった」
大谷は11三振を奪いながら11四死球と制球を乱し、9回途中で降板。一方、藤浪は12安打を許しながらも12奪三振、2四球と安定した投球で最後までマウンドを譲らなかった。終わってみれば9-2の大差だったが、スコア以上に見ごたえのある試合だった。
試合を終え宿舎に戻った大阪桐蔭ナインの興奮は収まらなかった。食事会場でも「大谷、凄かったな」「ストレート速すぎだろ」と各々が試合を振り返っていた。だが、思い描いた試合展開で勝利を手にした西谷監督は「今日は全然アカンかったぞ」と、喝を入れ手綱を緩めることはなかった。本来の力に加え“大谷撃破”で自信を手に入れたチームは、その後も接戦をものにして選抜「初優勝」を成し遂げた。
あの激戦から10年の月日が経ったが水本さんは「優勝できたのは、あの試合が分岐点。これまでは圧倒した試合が多かったのですが、経験したことない感情の中でプレーできた。僕たちも初めての甲子園でしたが、初戦で大きく成長できたのが大きい」と振り返る。
今年の選抜には“王者”として出場する。左腕・前田悠伍(2年)、強打の捕手・松尾汐恩(3年)らタレント揃いのチームは昨秋の神宮大会を制し優勝候補に上がっているが「せっかくなので(神宮、春夏、国体の)4冠を達成してほしい。僕たちの代より絶対強いですよ」。“伝説の学年”をまとめた元主将は後輩たちの活躍を願っている。
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