稲垣吾郎「演じる楽しさを教えてくれた朝ドラに、絆を感じる」https://t.cn/A67EeWkm
「僕はひとりで抱え込まないタイプ」(稲垣吾郎)
──連続テレビ小説への出演は1989年の『青春家族』に以来、約30年ぶりですね。
『青春家族』は、生まれて初めてお芝居をした忘れられない作品で、お芝居の道に進んでいきたいと思えました。演技をしたときに、共演のいしだあゆみさんと橋爪功さんにすごく褒めていただきました。それまで人に褒められた経験もなかったし、ひとりの俳優として認められた感じがしてうれしかった。いつかまた参加したいなという思いがあったので、今回の『スカーレット』の出演もすごく光栄なことだと思っています。
──医師・大崎茂義は稲垣さんから見て、どんな人物ですか?
大崎は白衣を着たがらないという設定の、ちょっと風変わりなお医者さん。脚本家の水橋文美江さんは、昔からお付き合いがある方なので、稲垣吾郎が演じるから僕のイメージで書いてくださったのかな。でも、白衣を着ていないと医者になった気分になれない。コスプレって大事ですよ(笑)。
──確かに、白衣姿の方が気持ちも引き締まる気がしますね。大崎は喜美子の精神的な支えになる人物ですが、稲垣さんが大変な状況になったときに支えてくれる人はいますか?
僕には、友や家族、一緒に仕事をしている仲間…と支えてくれる人がたくさんいます。意外と思われるかもしれないけれど、僕はすぐ相談して頼ってしまう、ひとりで抱え込まないタイプ。喜美子や武志は、人に迷惑をかけちゃいけないとふんばっているじゃないですか。僕なんか甘ったれなんで、すぐ誰かを頼るので逆ですね。
──喜美子と武志の親子関係をそばでみていると、ご自身のお母さまを思い出したりはしませんか? 稲垣さんは、お母さまととても仲良しでいらっしゃるんですよね。
最近はなかなか行けてないけれど、2人でゴルフに行くくらい母とは仲が良いですね。同じ東京都内に住んでいるので、いつでも会えるという感じがあるけど、会う時間はきちんと作らないといけませんね。うちの母は、喜美子と比べると優しすぎます。父がしっかりしているというのもあるけれど、ふわっとした柔らかい人だから。芯にあるものは強いんだろうけど、人当たりもいいですしね。
これからの『スカーレット』では、母という立場の人にとっては、感じるものが多々あると思います。制作統括の内田さんは、「病気と闘っていく武志と家族。そのなかで、どう生きるかをテーマにしたい」と僕に話してくれました。そのことを自分の心に置いて演じたい。戸田恵梨香さんも女優として素晴らしく、本当に喜美ちゃんそのもの! 母の気持ちを細やかにちゃんと演じられるのはすごいです。
「ひとりで電車に乗って梅田に行ってみました」(稲垣吾郎)
──滋賀県の信楽が舞台の作品ですが、現地を訪れたり、信楽焼に触れたりされたことはありますか?
信楽には、まだ行けていないんです。でも、『スカーレット』を通じて、陶器に興味がわいてきました。もともとワインが好きだし、去年は「BISTRO J_O」というレストランのプロデュースをさせていただくなど、洋食器に触れる機会は多かったけど、信楽焼のような、土の柔らかい風合いの焼き物を自分の目の前に置きたいなと思うようになりましたね。実は昨日、ひとりで梅田のデパートに出かけて、信楽焼を見てきたんですよ。
──稲垣さんが梅田のデパートにいらしたんですか!? ビックリです!
大阪には何度も来ていたけれど、今までは警備が厳戒態勢だったんで、まともに大阪の街を歩いたことがなくて。NHKの楽屋からは大阪城が見えていたので、「近いかな」と思って歩いて行ってみたんです。その後、「梅田という地名は知っているぞ、行ってみよう」とひとりでJR環状線の森ノ宮駅から大阪駅まで出て、デパートを散策。そこで見つけた信楽焼のマグカップを買おうかと思ったけれど、「衝動買いはよくない。家にある食器類を確認してからじゃないと、食器はかさばってしまうから!」と買わなかったんです。でも、実際に大阪の街を歩いてみるのは楽しかったし、いい経験になりました。
──「新しい地図」として活動されるようになって、今までと大きく変わられた点などはありますか? メンバーの草彅剛さん、香取慎吾さんは今回の出演についてはどんな反応をされていましたか?
環境が変わって失ったものもあれば、得たものも大きい。SNSを始めて、ファンや視聴者の声がリアルに聞くことができるようになったのは、僕らにとっては大きな変化でした。
グループだと絶対こういう質問が来るのはわかっているから聞いておかなきゃいけないのに! すいません…実は、まだ何も言われていないんですよね。僕らは昔からお互いの仕事の内容なんかを、ネットや雑誌、インスタグラムの更新などで知ることが多くて。僕もある意味彼らのファンなので、ファンと同じタイミングで情報を知るのは面白いかなって思ったりしています。草彅くんはワンちゃんと一緒に早起きしているから、『スカーレット』は毎朝見てくれるはず。香取くんはとにかく夜更かしだから、寝る前とかに見てくれるかな。
──楽しみにされているファンの方にメッセージをお願いします。
演じることは、僕にとって一番の軸になっていること。それを教えてくれた〝朝ドラ〟に再び出演できるのは、本当にうれしいです。〝朝ドラ〟は、たくさんの方々の生活のルーティンの一部。そして、『スカーレット』は観ている人にやさしく寄り添うような素敵な作品です。大崎という役をしっかり演じて、喜美子をサポートしていければと思います。
長い間芸能界にいるので、いろんなことを経験してきましたが、僕は今の自分が一番幸せだし、応援してくださる方にもそう思ってもらいたい。30年前のまだ何もわからない少年のときにオーディションで選んでもらい、そして僕の環境が大きく変わり、リセットしたタイミングでまた〝朝ドラ〟に声をかけてもらった。この〝朝ドラ〟との絆みたいなものをこれからもずっと繋げていきたい。そして、僕のなかにある新しい地図をさらに広げていきたいですね。
NHK連続テレビ小説『スカーレット』の放送は2020年3月28日までの全150回。
「僕はひとりで抱え込まないタイプ」(稲垣吾郎)
──連続テレビ小説への出演は1989年の『青春家族』に以来、約30年ぶりですね。
『青春家族』は、生まれて初めてお芝居をした忘れられない作品で、お芝居の道に進んでいきたいと思えました。演技をしたときに、共演のいしだあゆみさんと橋爪功さんにすごく褒めていただきました。それまで人に褒められた経験もなかったし、ひとりの俳優として認められた感じがしてうれしかった。いつかまた参加したいなという思いがあったので、今回の『スカーレット』の出演もすごく光栄なことだと思っています。
──医師・大崎茂義は稲垣さんから見て、どんな人物ですか?
大崎は白衣を着たがらないという設定の、ちょっと風変わりなお医者さん。脚本家の水橋文美江さんは、昔からお付き合いがある方なので、稲垣吾郎が演じるから僕のイメージで書いてくださったのかな。でも、白衣を着ていないと医者になった気分になれない。コスプレって大事ですよ(笑)。
──確かに、白衣姿の方が気持ちも引き締まる気がしますね。大崎は喜美子の精神的な支えになる人物ですが、稲垣さんが大変な状況になったときに支えてくれる人はいますか?
僕には、友や家族、一緒に仕事をしている仲間…と支えてくれる人がたくさんいます。意外と思われるかもしれないけれど、僕はすぐ相談して頼ってしまう、ひとりで抱え込まないタイプ。喜美子や武志は、人に迷惑をかけちゃいけないとふんばっているじゃないですか。僕なんか甘ったれなんで、すぐ誰かを頼るので逆ですね。
──喜美子と武志の親子関係をそばでみていると、ご自身のお母さまを思い出したりはしませんか? 稲垣さんは、お母さまととても仲良しでいらっしゃるんですよね。
最近はなかなか行けてないけれど、2人でゴルフに行くくらい母とは仲が良いですね。同じ東京都内に住んでいるので、いつでも会えるという感じがあるけど、会う時間はきちんと作らないといけませんね。うちの母は、喜美子と比べると優しすぎます。父がしっかりしているというのもあるけれど、ふわっとした柔らかい人だから。芯にあるものは強いんだろうけど、人当たりもいいですしね。
これからの『スカーレット』では、母という立場の人にとっては、感じるものが多々あると思います。制作統括の内田さんは、「病気と闘っていく武志と家族。そのなかで、どう生きるかをテーマにしたい」と僕に話してくれました。そのことを自分の心に置いて演じたい。戸田恵梨香さんも女優として素晴らしく、本当に喜美ちゃんそのもの! 母の気持ちを細やかにちゃんと演じられるのはすごいです。
「ひとりで電車に乗って梅田に行ってみました」(稲垣吾郎)
──滋賀県の信楽が舞台の作品ですが、現地を訪れたり、信楽焼に触れたりされたことはありますか?
信楽には、まだ行けていないんです。でも、『スカーレット』を通じて、陶器に興味がわいてきました。もともとワインが好きだし、去年は「BISTRO J_O」というレストランのプロデュースをさせていただくなど、洋食器に触れる機会は多かったけど、信楽焼のような、土の柔らかい風合いの焼き物を自分の目の前に置きたいなと思うようになりましたね。実は昨日、ひとりで梅田のデパートに出かけて、信楽焼を見てきたんですよ。
──稲垣さんが梅田のデパートにいらしたんですか!? ビックリです!
大阪には何度も来ていたけれど、今までは警備が厳戒態勢だったんで、まともに大阪の街を歩いたことがなくて。NHKの楽屋からは大阪城が見えていたので、「近いかな」と思って歩いて行ってみたんです。その後、「梅田という地名は知っているぞ、行ってみよう」とひとりでJR環状線の森ノ宮駅から大阪駅まで出て、デパートを散策。そこで見つけた信楽焼のマグカップを買おうかと思ったけれど、「衝動買いはよくない。家にある食器類を確認してからじゃないと、食器はかさばってしまうから!」と買わなかったんです。でも、実際に大阪の街を歩いてみるのは楽しかったし、いい経験になりました。
──「新しい地図」として活動されるようになって、今までと大きく変わられた点などはありますか? メンバーの草彅剛さん、香取慎吾さんは今回の出演についてはどんな反応をされていましたか?
環境が変わって失ったものもあれば、得たものも大きい。SNSを始めて、ファンや視聴者の声がリアルに聞くことができるようになったのは、僕らにとっては大きな変化でした。
グループだと絶対こういう質問が来るのはわかっているから聞いておかなきゃいけないのに! すいません…実は、まだ何も言われていないんですよね。僕らは昔からお互いの仕事の内容なんかを、ネットや雑誌、インスタグラムの更新などで知ることが多くて。僕もある意味彼らのファンなので、ファンと同じタイミングで情報を知るのは面白いかなって思ったりしています。草彅くんはワンちゃんと一緒に早起きしているから、『スカーレット』は毎朝見てくれるはず。香取くんはとにかく夜更かしだから、寝る前とかに見てくれるかな。
──楽しみにされているファンの方にメッセージをお願いします。
演じることは、僕にとって一番の軸になっていること。それを教えてくれた〝朝ドラ〟に再び出演できるのは、本当にうれしいです。〝朝ドラ〟は、たくさんの方々の生活のルーティンの一部。そして、『スカーレット』は観ている人にやさしく寄り添うような素敵な作品です。大崎という役をしっかり演じて、喜美子をサポートしていければと思います。
長い間芸能界にいるので、いろんなことを経験してきましたが、僕は今の自分が一番幸せだし、応援してくださる方にもそう思ってもらいたい。30年前のまだ何もわからない少年のときにオーディションで選んでもらい、そして僕の環境が大きく変わり、リセットしたタイミングでまた〝朝ドラ〟に声をかけてもらった。この〝朝ドラ〟との絆みたいなものをこれからもずっと繋げていきたい。そして、僕のなかにある新しい地図をさらに広げていきたいですね。
NHK連続テレビ小説『スカーレット』の放送は2020年3月28日までの全150回。
【対談企画第一弾】大塚紗英×植田真梨恵、自分の歌の根本にあるもの
2020.2.29 18:00
■共に生きていける人間を増やしたい、そのためのツールが音楽だった──大塚紗英
──曲の作り方についても伺いたいのですが、大塚さんは曲を作るときはピアノを使うことが多いですか。
大塚:ピアノが多いですね。ただ最終的な着地がそういうジャンルじゃないと思ったら、ギターで作ることもあります。楽器にとらわれてしまうとどうしても理論的に見えてメロディに制限が生まれてしまうこともあって。ここは五度上がってここはこうなるはずだ、とか。だから楽器が見えない方がいいなという時は、鼻歌でメロディを考えたりもしますね。歌詞先行とかメロディ先行とかいろいろありますけど、そういうのに当てはめるのもイヤだなっていうのがあるんです。いろいろやってみますね。
植田:紗英ちゃんは、いろんなバランスが広く細かく見えているタイプの人だと思うので、楽器を持っちゃったりすると、そのせいで感覚でこっちのほうがいいっていうものが弱まっちゃうのかもしれないですね。自由な発想でいる方が面白いものができるのかも。面白いものを目指しているのかはわからないですけど。
大塚:面白いものは作りたいなっていうのはありますね。やっぱりエンターテインメントだから、ワクワクとかドキドキとか、高揚するものを作りたいなって。でも計算に頼りすぎないようにっていうのは気をつけていて。私は真梨恵さんのような天才肌ではないと思うから。
植田:私は全然天才肌ではないですよ(笑)。
大塚:多分、持ってるチャンネルがちがうんだろうな。私自身は、自分の中に思考や発想を網の目上に張り巡らせていて、この曲は感情型でいくのか、計算でいくのか、と体系立てて考えていくのが自分のスキルだと思ってて。でも真梨恵さんみたいに感情の器を広げていくことって誰にでもできることではないなって思うんです。
植田:そうなんですかね。私もでもそういう意味では、今と昔どちらが優れていましたかと聞かれると、今がずっと成長できているとは思っていないし。若い時にしかできなかったこともあるだろなと思うんです、日々感覚も死に続けているので(笑)。だからちゃんと尖らせて欲張っていないとすぐに考えるのをやめるし、怠けるし、って最近はすごく感じてる。鍛えたいですよ。……素朴な質問をしてもいいですか? 紗英ちゃんは小さい時、何になりたかったですか?
大塚:小さい時は、歌を歌いたいって言ってましたね。
植田:言ってたんだ! それはどんな歌手になりたいとかって想像できました?
大塚:できなかったです。誰みたいになりたいっていう、“誰”がいなかったから。真梨恵さんはありました?
【対談企画第一弾】大塚紗英×植田真梨恵、自分の歌の根本にあるもの
2020.2.29 18:00
■共に生きていける人間を増やしたい、そのためのツールが音楽だった──大塚紗英
──曲の作り方についても伺いたいのですが、大塚さんは曲を作るときはピアノを使うことが多いですか。
大塚:ピアノが多いですね。ただ最終的な着地がそういうジャンルじゃないと思ったら、ギターで作ることもあります。楽器にとらわれてしまうとどうしても理論的に見えてメロディに制限が生まれてしまうこともあって。ここは五度上がってここはこうなるはずだ、とか。だから楽器が見えない方がいいなという時は、鼻歌でメロディを考えたりもしますね。歌詞先行とかメロディ先行とかいろいろありますけど、そういうのに当てはめるのもイヤだなっていうのがあるんです。いろいろやってみますね。
植田:紗英ちゃんは、いろんなバランスが広く細かく見えているタイプの人だと思うので、楽器を持っちゃったりすると、そのせいで感覚でこっちのほうがいいっていうものが弱まっちゃうのかもしれないですね。自由な発想でいる方が面白いものができるのかも。面白いものを目指しているのかはわからないですけど。
大塚:面白いものは作りたいなっていうのはありますね。やっぱりエンターテインメントだから、ワクワクとかドキドキとか、高揚するものを作りたいなって。でも計算に頼りすぎないようにっていうのは気をつけていて。私は真梨恵さんのような天才肌ではないと思うから。
植田:私は全然天才肌ではないですよ(笑)。
大塚:多分、持ってるチャンネルがちがうんだろうな。私自身は、自分の中に思考や発想を網の目上に張り巡らせていて、この曲は感情型でいくのか、計算でいくのか、と体系立てて考えていくのが自分のスキルだと思ってて。でも真梨恵さんみたいに感情の器を広げていくことって誰にでもできることではないなって思うんです。
植田:そうなんですかね。私もでもそういう意味では、今と昔どちらが優れていましたかと聞かれると、今がずっと成長できているとは思っていないし。若い時にしかできなかったこともあるだろなと思うんです、日々感覚も死に続けているので(笑)。だからちゃんと尖らせて欲張っていないとすぐに考えるのをやめるし、怠けるし、って最近はすごく感じてる。鍛えたいですよ。……素朴な質問をしてもいいですか? 紗英ちゃんは小さい時、何になりたかったですか?
大塚:小さい時は、歌を歌いたいって言ってましたね。
植田:言ってたんだ! それはどんな歌手になりたいとかって想像できました?
大塚:できなかったです。誰みたいになりたいっていう、“誰”がいなかったから。真梨恵さんはありました?
植田:私もなかったんです。漠然と歌手になりたくて。歌が好きだし、多分歌ちょっとうまいから、歌を歌ったほうがいいな。そういう人の職業って多分、歌手だなって思っていて。
大塚:なるほど(笑)。
植田:それでオーディションを受けたりして、それこそこのエイベックスのビルにも20年くらい前にきたことがあるんです。ただオーディションを受けているさなか、自分がどんな歌手になるのかとか、どうして写真撮影の衣装にこれを選んだのかとか、そういうひとつひとつの細かい要素を含めて、道筋を立てて、自分がどんな歌手になるのかっていうところは全然想像できてなかったんです。そうやって当時のことを振り返ると、今私がやってることって、すごく腑に落ちていて(笑)。オーディションに落ちたことも、納得するっていうか。当時は何もわからないまま、夢として歌手になりたいって思っていたんですよね。今、紗英ちゃんが理想としている自分とか、やりたいこととか、今どんなことに心が動いたり感動していて、どんなことをしてる時が楽しいのかなって思ったので、それで小さい時に何になりたかったんですかって聞いたんです。
大塚:心が動く時か……多分私は、人間がすごい好きで、人と触れ合ってる時間が好きなんです。心と心が通う瞬間っていいですよね。だけど本当にきれいに生きるのってすごく難しいし、いろんな人間がいるし……。
植田:うん、いますね。
大塚:それぞれいろんな差異があるから、普通に生きていたら仲良くなれる人って選ばざるを得ないけど。音楽を使えば、きっとたくさんの人の心に触れることができる。それが幸せだなって感じるんだと思います。やっぱり私は最終的に、人を幸せにしたいっていう気持ちが強くて。でもその幸せっていうのは別に、楽しいだけじゃないと思っていて。苦楽とかを共にして、人生を共に歩む時間を慈しむことが幸せだから。共に生きていける人間を増やしたい、そのためのツールが自分の音楽だったという感じで思ってるのかな。
──それは大塚さん自身が、音楽にそれだけのものをもらっていたからというのもあるんですか。
大塚:思い返せばそうですね、ずっと音楽にいろんな実感をもらっていて。受験勉強をしてる時とか音楽がなかったら勉強を頑張れなかったな、とか。それこそ真梨恵さんが私にとってそういう対象なんですけど、何かがあった時に音楽を聴くことで幸せな気持ちになったり一緒に涙を流せたりする、そういうものに心が動くっていうか。
──せっかくの対談ですから、大塚さんから植田さんに聞いてみたかったことというのはありますか。
大塚:真梨恵さんはよく綴られる文章やインタビューなどでも、歌手になりたいんだって言っていて。歌はもちろん素晴らしくて、曲も独創性があって、真梨恵さんにしか作れない唯一無二のもので。そこが好きというお客さんも多いと思うんです。でも、真梨恵さんは歌が根幹にある。その感覚って面白いなって思うんです。歌を歌いたいっていう人って、もっとなんというか歌が好きな人の曲を作りやすいというか……。曲を聴いてほしくて曲を作る人間と、歌が歌いたくて曲を作る人間の曲って、明らかにちがう線があるように思うんです。それを感じないのが面白いなって思っていて。
植田:なるほど。私は文化系の芸術全般がどうやら好きみたいで(笑)。自分の好きを自覚することって難しいから、時間はかかりましたけど。映画を観るとかもそうだし、本を読むとか、そういうものが好きなんですね。ただ私の歌を歌いたい思いの根本にあるのは“認められたい”というもの……それは誰になのかって言ったら、母親だと思うんです……今、いろんなことを思い出して、ちょっと泣きそうになってますけど。
2020.2.29 18:00
■共に生きていける人間を増やしたい、そのためのツールが音楽だった──大塚紗英
──曲の作り方についても伺いたいのですが、大塚さんは曲を作るときはピアノを使うことが多いですか。
大塚:ピアノが多いですね。ただ最終的な着地がそういうジャンルじゃないと思ったら、ギターで作ることもあります。楽器にとらわれてしまうとどうしても理論的に見えてメロディに制限が生まれてしまうこともあって。ここは五度上がってここはこうなるはずだ、とか。だから楽器が見えない方がいいなという時は、鼻歌でメロディを考えたりもしますね。歌詞先行とかメロディ先行とかいろいろありますけど、そういうのに当てはめるのもイヤだなっていうのがあるんです。いろいろやってみますね。
植田:紗英ちゃんは、いろんなバランスが広く細かく見えているタイプの人だと思うので、楽器を持っちゃったりすると、そのせいで感覚でこっちのほうがいいっていうものが弱まっちゃうのかもしれないですね。自由な発想でいる方が面白いものができるのかも。面白いものを目指しているのかはわからないですけど。
大塚:面白いものは作りたいなっていうのはありますね。やっぱりエンターテインメントだから、ワクワクとかドキドキとか、高揚するものを作りたいなって。でも計算に頼りすぎないようにっていうのは気をつけていて。私は真梨恵さんのような天才肌ではないと思うから。
植田:私は全然天才肌ではないですよ(笑)。
大塚:多分、持ってるチャンネルがちがうんだろうな。私自身は、自分の中に思考や発想を網の目上に張り巡らせていて、この曲は感情型でいくのか、計算でいくのか、と体系立てて考えていくのが自分のスキルだと思ってて。でも真梨恵さんみたいに感情の器を広げていくことって誰にでもできることではないなって思うんです。
植田:そうなんですかね。私もでもそういう意味では、今と昔どちらが優れていましたかと聞かれると、今がずっと成長できているとは思っていないし。若い時にしかできなかったこともあるだろなと思うんです、日々感覚も死に続けているので(笑)。だからちゃんと尖らせて欲張っていないとすぐに考えるのをやめるし、怠けるし、って最近はすごく感じてる。鍛えたいですよ。……素朴な質問をしてもいいですか? 紗英ちゃんは小さい時、何になりたかったですか?
大塚:小さい時は、歌を歌いたいって言ってましたね。
植田:言ってたんだ! それはどんな歌手になりたいとかって想像できました?
大塚:できなかったです。誰みたいになりたいっていう、“誰”がいなかったから。真梨恵さんはありました?
【対談企画第一弾】大塚紗英×植田真梨恵、自分の歌の根本にあるもの
2020.2.29 18:00
■共に生きていける人間を増やしたい、そのためのツールが音楽だった──大塚紗英
──曲の作り方についても伺いたいのですが、大塚さんは曲を作るときはピアノを使うことが多いですか。
大塚:ピアノが多いですね。ただ最終的な着地がそういうジャンルじゃないと思ったら、ギターで作ることもあります。楽器にとらわれてしまうとどうしても理論的に見えてメロディに制限が生まれてしまうこともあって。ここは五度上がってここはこうなるはずだ、とか。だから楽器が見えない方がいいなという時は、鼻歌でメロディを考えたりもしますね。歌詞先行とかメロディ先行とかいろいろありますけど、そういうのに当てはめるのもイヤだなっていうのがあるんです。いろいろやってみますね。
植田:紗英ちゃんは、いろんなバランスが広く細かく見えているタイプの人だと思うので、楽器を持っちゃったりすると、そのせいで感覚でこっちのほうがいいっていうものが弱まっちゃうのかもしれないですね。自由な発想でいる方が面白いものができるのかも。面白いものを目指しているのかはわからないですけど。
大塚:面白いものは作りたいなっていうのはありますね。やっぱりエンターテインメントだから、ワクワクとかドキドキとか、高揚するものを作りたいなって。でも計算に頼りすぎないようにっていうのは気をつけていて。私は真梨恵さんのような天才肌ではないと思うから。
植田:私は全然天才肌ではないですよ(笑)。
大塚:多分、持ってるチャンネルがちがうんだろうな。私自身は、自分の中に思考や発想を網の目上に張り巡らせていて、この曲は感情型でいくのか、計算でいくのか、と体系立てて考えていくのが自分のスキルだと思ってて。でも真梨恵さんみたいに感情の器を広げていくことって誰にでもできることではないなって思うんです。
植田:そうなんですかね。私もでもそういう意味では、今と昔どちらが優れていましたかと聞かれると、今がずっと成長できているとは思っていないし。若い時にしかできなかったこともあるだろなと思うんです、日々感覚も死に続けているので(笑)。だからちゃんと尖らせて欲張っていないとすぐに考えるのをやめるし、怠けるし、って最近はすごく感じてる。鍛えたいですよ。……素朴な質問をしてもいいですか? 紗英ちゃんは小さい時、何になりたかったですか?
大塚:小さい時は、歌を歌いたいって言ってましたね。
植田:言ってたんだ! それはどんな歌手になりたいとかって想像できました?
大塚:できなかったです。誰みたいになりたいっていう、“誰”がいなかったから。真梨恵さんはありました?
植田:私もなかったんです。漠然と歌手になりたくて。歌が好きだし、多分歌ちょっとうまいから、歌を歌ったほうがいいな。そういう人の職業って多分、歌手だなって思っていて。
大塚:なるほど(笑)。
植田:それでオーディションを受けたりして、それこそこのエイベックスのビルにも20年くらい前にきたことがあるんです。ただオーディションを受けているさなか、自分がどんな歌手になるのかとか、どうして写真撮影の衣装にこれを選んだのかとか、そういうひとつひとつの細かい要素を含めて、道筋を立てて、自分がどんな歌手になるのかっていうところは全然想像できてなかったんです。そうやって当時のことを振り返ると、今私がやってることって、すごく腑に落ちていて(笑)。オーディションに落ちたことも、納得するっていうか。当時は何もわからないまま、夢として歌手になりたいって思っていたんですよね。今、紗英ちゃんが理想としている自分とか、やりたいこととか、今どんなことに心が動いたり感動していて、どんなことをしてる時が楽しいのかなって思ったので、それで小さい時に何になりたかったんですかって聞いたんです。
大塚:心が動く時か……多分私は、人間がすごい好きで、人と触れ合ってる時間が好きなんです。心と心が通う瞬間っていいですよね。だけど本当にきれいに生きるのってすごく難しいし、いろんな人間がいるし……。
植田:うん、いますね。
大塚:それぞれいろんな差異があるから、普通に生きていたら仲良くなれる人って選ばざるを得ないけど。音楽を使えば、きっとたくさんの人の心に触れることができる。それが幸せだなって感じるんだと思います。やっぱり私は最終的に、人を幸せにしたいっていう気持ちが強くて。でもその幸せっていうのは別に、楽しいだけじゃないと思っていて。苦楽とかを共にして、人生を共に歩む時間を慈しむことが幸せだから。共に生きていける人間を増やしたい、そのためのツールが自分の音楽だったという感じで思ってるのかな。
──それは大塚さん自身が、音楽にそれだけのものをもらっていたからというのもあるんですか。
大塚:思い返せばそうですね、ずっと音楽にいろんな実感をもらっていて。受験勉強をしてる時とか音楽がなかったら勉強を頑張れなかったな、とか。それこそ真梨恵さんが私にとってそういう対象なんですけど、何かがあった時に音楽を聴くことで幸せな気持ちになったり一緒に涙を流せたりする、そういうものに心が動くっていうか。
──せっかくの対談ですから、大塚さんから植田さんに聞いてみたかったことというのはありますか。
大塚:真梨恵さんはよく綴られる文章やインタビューなどでも、歌手になりたいんだって言っていて。歌はもちろん素晴らしくて、曲も独創性があって、真梨恵さんにしか作れない唯一無二のもので。そこが好きというお客さんも多いと思うんです。でも、真梨恵さんは歌が根幹にある。その感覚って面白いなって思うんです。歌を歌いたいっていう人って、もっとなんというか歌が好きな人の曲を作りやすいというか……。曲を聴いてほしくて曲を作る人間と、歌が歌いたくて曲を作る人間の曲って、明らかにちがう線があるように思うんです。それを感じないのが面白いなって思っていて。
植田:なるほど。私は文化系の芸術全般がどうやら好きみたいで(笑)。自分の好きを自覚することって難しいから、時間はかかりましたけど。映画を観るとかもそうだし、本を読むとか、そういうものが好きなんですね。ただ私の歌を歌いたい思いの根本にあるのは“認められたい”というもの……それは誰になのかって言ったら、母親だと思うんです……今、いろんなことを思い出して、ちょっと泣きそうになってますけど。
2/22
娘っちと待ち合わせの時間の前に
伊勢丹新宿
スポーツゲート
#MARK & LONA
ディスプレイ
ダイナミックな木村くん
#GINZASIX でランチ
#Ironbark Grill & Bar
アイアンバーク グリルアンドバー
モダン・オーストラリア料理店
本日のパスタ
サラダのドレッシングがほんのりバルサミコが入っていてとても美味しかった
カブのスープは口当たりよく滑らかで満足
キノコのカルボナーラ
細平打ち麺にクリームが絡んでガーリックがフワッと鼻に抜ける
キノコとベーコンの食感が良かった
鶏胸肉のグリルと季節野菜のサラダ
アンチョビマヨネーズが程よい塩加減と酸味でレタスやベビーリーフと合っていて美味しかった
アイスティ
コレド室町の近く
福徳神社
当選祈願
ピンクの梅がほころび可愛い花を咲かせてた
これから
#シェークスピアシリーズ第35弾
#彩の国さいたま芸術劇場
#ヘンリー八世
3時間20分
#阿部寛
#吉田鋼太郎
#河内大和
も出られる
楽しみ〜
娘っちと待ち合わせの時間の前に
伊勢丹新宿
スポーツゲート
#MARK & LONA
ディスプレイ
ダイナミックな木村くん
#GINZASIX でランチ
#Ironbark Grill & Bar
アイアンバーク グリルアンドバー
モダン・オーストラリア料理店
本日のパスタ
サラダのドレッシングがほんのりバルサミコが入っていてとても美味しかった
カブのスープは口当たりよく滑らかで満足
キノコのカルボナーラ
細平打ち麺にクリームが絡んでガーリックがフワッと鼻に抜ける
キノコとベーコンの食感が良かった
鶏胸肉のグリルと季節野菜のサラダ
アンチョビマヨネーズが程よい塩加減と酸味でレタスやベビーリーフと合っていて美味しかった
アイスティ
コレド室町の近く
福徳神社
当選祈願
ピンクの梅がほころび可愛い花を咲かせてた
これから
#シェークスピアシリーズ第35弾
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#ヘンリー八世
3時間20分
#阿部寛
#吉田鋼太郎
#河内大和
も出られる
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