大迫傑選手がナイキ「アルファフライ 3」をマラソンで選んだ理由。“これまでのアルファフライと違った”と明かす
Dec 22, 2023 / SHOES Dec 22, 2023 Updatedhttps://t.cn/A6l9JJvv
今秋のMGC(マラソングランドチャンピオンシップ)で3位に入りマラソン界の第一線で活躍し続ける大迫傑選手が12月20日(水)、東京都内で会見を実施。ナイキの新作レーシングシューズ『アルファフライ 3』の着用感や今後の目標について語った。
こちらの記事では、大迫選手が明かしたアルファフライ 3についての印象をはじめ、他シューズとの履き分けにおいて意識している点についてもお伝えする。
大迫傑選手が「アルファフライ 3」をレースで着用した理由
12月11日(月)に発表されたばかりの新作・アルファフライ 3はシリーズ歴代モデルのなかでも最軽量を誇るレーシングシューズ。今作はシリーズで初めてソールのかかと部と前足部を連結させ、ランナーのペースや接地パターンに関わらずかかとからつま先へのスムーズな体重移動が可能となり、多くのランナーがよりスピードを追求できる1足へと進化した。
アルファフライ 3の初期バージョンは2023年春から世界のトップ選手たちが着用。本シューズを着用したケルビン・キプタム選手がシカゴマラソン2023で樹立した2時間00分35秒のフルマラソン世界新記録も記憶に新しい。
1月ごろにアルファフライ 3のプロトタイプへ足を通したという大迫選手は「はじめて足を入れたときは、いい意味でこれまでの“アルファフライっぽくない”違う感触を感じた。早くロードのトレーニングで試したいと思った」と湧き上がった想いを振り返る。
MGCでもアルファフライ 3を着用して大一番のレースへ臨んだ大迫選手。そのときに感じた本シューズの魅力について、クッション性の高さを挙げる。「クッショニングがあることで一瞬沈み込みを感じるが、そのあとの反発性が自分のランニングフォームにフィットしている」と語った。
また、2020年の登場以降多くのエリート選手が着用し、数々の記録達成をサポートしてきたアルファフライシリーズ。前作『アルファフライ 2』との違いについても気になるところだが、大迫選手は「前作はアウトソールの前足部とかかと部分が離れていたことで“バランス感”が気になり、ヴェイパーフライをレーシングシューズとして選んだ。しかし、(3月に出場した)東京マラソンでアルファフライ 3を着用した際に非常に良いバランス感だったのでしっくりきた」とコメント。
前作よりも軽量化した点も魅力として挙げながら「今後のマラソンではアルファフライ 3を着用していく」と信頼を置く1足であることを明かした。
加えて、これからアルファフライ 3へ足を通すランナーに向けても「他のランニングシューズとは違った、足入れから驚くような感覚を得られるシューズではないか」と大迫選手は語る。
ジョギングでは路面に応じてペガサスやインヴィンシブルを使い分ける
レース本番ではアルファフライ 3をはじめ厚底レーシングシューズを着用してきた大迫選手もトレーニングでは路面や状況に応じて着用するランニングシューズを選んでいる。
「砂利道や不整地をジョギングするときには『ペガサス』を選ぶ機会が多いが、硬い路面を走る際には柔らかさを重視してクッション性の高い『インヴィンシブル』を選ぶ」とジョギングのなかでも場面によってシューズを変えていると選び方について語った。
また、ロングランや距離走では『ペガサス ターボ』、強度の高いトレーニングではレーシングシューズを履くこともあるという。
“世界で勝負していく”ことが現在のモチベーション
現在は年始のニューイヤー駅伝も控え、「スピードへ対応していくためのトレーニングを積み重ねている」とのこと。
最後に、来夏のパリ五輪への出場意欲について問われた大迫選手は「世界で勝負したいという熱量は大きいが、そのチャンスとしては6メジャー(世界6大マラソン)もある。フラットに見た上で、オリンピックに出られるとなればその舞台で勝負できるように仕上げていきたい」とこれからの目標について語った。
大迫選手も着用するアルファフライ 3(プロトタイプカラー)は2024年1月4日(木)からNIKE.COMなどで発売開始。世界の舞台で走り続けていく大迫選手の足元にも注目が集まる。
(文・写真:木幡真人)
Dec 22, 2023 / SHOES Dec 22, 2023 Updatedhttps://t.cn/A6l9JJvv
今秋のMGC(マラソングランドチャンピオンシップ)で3位に入りマラソン界の第一線で活躍し続ける大迫傑選手が12月20日(水)、東京都内で会見を実施。ナイキの新作レーシングシューズ『アルファフライ 3』の着用感や今後の目標について語った。
こちらの記事では、大迫選手が明かしたアルファフライ 3についての印象をはじめ、他シューズとの履き分けにおいて意識している点についてもお伝えする。
大迫傑選手が「アルファフライ 3」をレースで着用した理由
12月11日(月)に発表されたばかりの新作・アルファフライ 3はシリーズ歴代モデルのなかでも最軽量を誇るレーシングシューズ。今作はシリーズで初めてソールのかかと部と前足部を連結させ、ランナーのペースや接地パターンに関わらずかかとからつま先へのスムーズな体重移動が可能となり、多くのランナーがよりスピードを追求できる1足へと進化した。
アルファフライ 3の初期バージョンは2023年春から世界のトップ選手たちが着用。本シューズを着用したケルビン・キプタム選手がシカゴマラソン2023で樹立した2時間00分35秒のフルマラソン世界新記録も記憶に新しい。
1月ごろにアルファフライ 3のプロトタイプへ足を通したという大迫選手は「はじめて足を入れたときは、いい意味でこれまでの“アルファフライっぽくない”違う感触を感じた。早くロードのトレーニングで試したいと思った」と湧き上がった想いを振り返る。
MGCでもアルファフライ 3を着用して大一番のレースへ臨んだ大迫選手。そのときに感じた本シューズの魅力について、クッション性の高さを挙げる。「クッショニングがあることで一瞬沈み込みを感じるが、そのあとの反発性が自分のランニングフォームにフィットしている」と語った。
また、2020年の登場以降多くのエリート選手が着用し、数々の記録達成をサポートしてきたアルファフライシリーズ。前作『アルファフライ 2』との違いについても気になるところだが、大迫選手は「前作はアウトソールの前足部とかかと部分が離れていたことで“バランス感”が気になり、ヴェイパーフライをレーシングシューズとして選んだ。しかし、(3月に出場した)東京マラソンでアルファフライ 3を着用した際に非常に良いバランス感だったのでしっくりきた」とコメント。
前作よりも軽量化した点も魅力として挙げながら「今後のマラソンではアルファフライ 3を着用していく」と信頼を置く1足であることを明かした。
加えて、これからアルファフライ 3へ足を通すランナーに向けても「他のランニングシューズとは違った、足入れから驚くような感覚を得られるシューズではないか」と大迫選手は語る。
ジョギングでは路面に応じてペガサスやインヴィンシブルを使い分ける
レース本番ではアルファフライ 3をはじめ厚底レーシングシューズを着用してきた大迫選手もトレーニングでは路面や状況に応じて着用するランニングシューズを選んでいる。
「砂利道や不整地をジョギングするときには『ペガサス』を選ぶ機会が多いが、硬い路面を走る際には柔らかさを重視してクッション性の高い『インヴィンシブル』を選ぶ」とジョギングのなかでも場面によってシューズを変えていると選び方について語った。
また、ロングランや距離走では『ペガサス ターボ』、強度の高いトレーニングではレーシングシューズを履くこともあるという。
“世界で勝負していく”ことが現在のモチベーション
現在は年始のニューイヤー駅伝も控え、「スピードへ対応していくためのトレーニングを積み重ねている」とのこと。
最後に、来夏のパリ五輪への出場意欲について問われた大迫選手は「世界で勝負したいという熱量は大きいが、そのチャンスとしては6メジャー(世界6大マラソン)もある。フラットに見た上で、オリンピックに出られるとなればその舞台で勝負できるように仕上げていきたい」とこれからの目標について語った。
大迫選手も着用するアルファフライ 3(プロトタイプカラー)は2024年1月4日(木)からNIKE.COMなどで発売開始。世界の舞台で走り続けていく大迫選手の足元にも注目が集まる。
(文・写真:木幡真人)
名字长到离谱的なろう系小说6选[哆啦A梦吃惊](均已单行本化/漫画化):
【最強は田舎農家のおっさんでした】配信文化の根付いた世界で田舎農家のおっさんが伝説の竜を駆除した結果、実力が世界にバレました。実力を見抜けず解雇したギルドは絶賛炎上中です。
最弱と呼ばれた少年、実は最難関ダンジョン攻略済み~ダンジョン攻略を楽しんでいただけなのに、エリートクラスの美少女が弟子にしてほしいと言い寄ってくるんですが?
予算ゼロ!? 錬金術協会で基礎研究をしていましたが、退職して学生時代の友人(女騎士)の開発環境を手伝うことにしました。下準備を一手に引き受けていた古巣から泣きが入りましたが、今さら戻るとか無理なんで。
雑用付与術視が自分の「最強」に気付くまで~迷惑をかけないよう、出来れば役に立つように生きてきましたが、追放されたので好きに生きることにしました。そちらのパーティーが崩壊しているようですが知らないです~
生産魔法師、休みなし・安月給のブラック騎士団に、生産職のくせに生意気だとクビにさせる~代わりが見つからす、金も武器もなかなったから戻ってこいと言うが知らん。こっちは辺境で楽しく生産ライフを送っているので
無駄だと追放された【宮廷獣医】、獣の国に好待遇で招かれる~森で助けた神獣とケモ耳美少女達にめちゃくちゃ溺愛されながらスローライフを楽しんでる「動物が言うこと聞かなくなったから帰って来い?今更もう遅い
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最弱と呼ばれた少年、実は最難関ダンジョン攻略済み~ダンジョン攻略を楽しんでいただけなのに、エリートクラスの美少女が弟子にしてほしいと言い寄ってくるんですが?
予算ゼロ!? 錬金術協会で基礎研究をしていましたが、退職して学生時代の友人(女騎士)の開発環境を手伝うことにしました。下準備を一手に引き受けていた古巣から泣きが入りましたが、今さら戻るとか無理なんで。
雑用付与術視が自分の「最強」に気付くまで~迷惑をかけないよう、出来れば役に立つように生きてきましたが、追放されたので好きに生きることにしました。そちらのパーティーが崩壊しているようですが知らないです~
生産魔法師、休みなし・安月給のブラック騎士団に、生産職のくせに生意気だとクビにさせる~代わりが見つからす、金も武器もなかなったから戻ってこいと言うが知らん。こっちは辺境で楽しく生産ライフを送っているので
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大沢たかおさん「大人になりきれない人が多い日本で大切なのは、孤独を恐れすぎないこと」/Amazonオーディブル『走ることについて語るときに僕の語ること』インタビュー
プロの声優や俳優が朗読した本や多様なポッドキャストが楽しめる音声エンターテインメントサービスのAmazonオーディブル(以下、Audible)。
村上春樹さんの人気エッセイ『走ることについて語るときに僕の語ること』が、俳優の大沢たかおさんの朗読で配信されます。
収録を終えた大沢さんに初挑戦した朗読の感想や、村上春樹作品の魅力、そして村上さんの著書から感じたご自身との共通点について伺いました。
目次
大沢たかおさん「大人になりきれない人が多い日本で大切なのは、孤独を恐れすぎないこと」/Amazonオーディブル『走ることについて語るときに僕の語ること』インタビュー
村上春樹さんのエッセイだからこそできた、等身大の自分でのチャレンジ
村上春樹さんが教えてくれた“いくつになっても懸命に生きること”
「気を遣ってうまくやる」ことが、大人じゃない。孤独を怖がらずに自分を突き通す大切さ
村上春樹さんのエッセイだからこそできた、等身大の自分でのチャレンジ
仕事柄はもちろん、プライベートで海外に行き来するなど、移動が多い大沢さん。Audibleは初期の頃から会員登録し、利用していたといいます。大沢さん流Audibleの活用法は?
「こういったコンテンツは実は昔からあって、夏目漱石や芥川隆之介の小説を朗読したものをCDで買って聴くという時代がありました。文学の名作が、多かったと思います。それがみんな多忙になり、昔の著名な文学だけでなく、実用書や経済書など、何でもどこでも聴けるようになって。娯楽だけでなく、勉強もできると思って、僕は最初のころすぐ会員になって聴き出したのですが、移動中や日常で車を運転するときも気軽に聴けるので、頻繁に利用させてもらっています。
海外への移動には、本を持って行くことも多いんですけど、例えば9時間とか10時間移動する場合は、文字を追うことに疲れてしまうんですよね。でも、Audibleで聴くと、不思議と長時間でも平気なんですよね。すごく便利な時代になったな、と。今回の作品は、マラソンする方々にもおすすめしたいです。村上春樹さんがマラソンの話をいっぱいしてくれるので、マラソンをしたくなるし、負けちゃいけないという気持ちになるんじゃないかな。励まされる感じもあって」
小説家であると同時にランナーでもある村上春樹さんが走ることについて語り、さらに小説家としての姿勢や思い、村上春樹という一個人を初めて説き明かした画期的なメモワールである『走ることについて語るときに僕の語ること』。今作の朗読には、等身大の自分自身で臨んだという大沢さん。
「何年か前に朗読劇はやったことがあって、ステージの上での朗読に対しては後ろ向きな気持ちはないんですけど、正直、朗読は苦手にしていることの一つだったんです。なるべくやらないように避けてきたところがありましたが、今回思い切って挑戦させてもらいました。作品が小説ではなくエッセイだったことも大きくて、比較的伸び伸び読ませてもらえたという感覚です。村上春樹さんが、ご自身の考えや人生を率直な言葉を紡いで語っているので、僕自身、変にうまくやろうとしないで、飾らない等身大の自分でやらせてもらおうと思いました」
朗読をしながら、改めて村上さんの文章に魅了されたと話します。
「どんな人でもわかる言葉を使ってくれたり、かと思えば難しい例えが出てきたり。何より比喩が素晴らしいと思います。そんな村上さんの文章の連続技を受けて、心の深いところに、彼が本当に言いたいことがストンと落ちる。また、村上さんの人生の一部を自分も追体験しているように読めるようなエッセイなので、朗読という機会をいただいて、彼の文章を体感するという、いい体験ができました。同時に、村上さんの作家になるまでの経歴や走ることへの思いを初めて知って驚いたり。僕にとって村上さんは雲の上の人なので、神宮外苑を走っていたり、ジャズバーを経営していたり、エアコンが壊れたり、日常の中でいろいろ悩んだりしていることを知って、こんなすごい人でもいろいろあるんだなと距離が近くなったというか(笑)。世界的に著名で求められ続けている村上さんが、一人の人間として言葉を紡いでいて、勇気や元気をくれる本だと思います」
村上春樹さんが教えてくれた“いくつになっても懸命に生きること”
今作は村上春樹さんが58歳の時に出版され、50代後半に差し掛かった心境も語っています。
「確かに歳を重ねていくことについての思いも、このエッセイのテーマの一つです。村上さんは後悔しないように懸命に生きていて、命というものに対して突き詰めて考えている人だと思いました。歳を重ねる上で不安になること、懸命に生きる大切さ、時間を無駄にしないこと。当たり前のようでいて通り過ぎてしまうことを、村上さんが素晴らしい文章で語ってくれて、改めて自分も懸命に生きようと思わせてくれます」
書くためには体力をつけないといけない。だから走ると決めて、走り続けている。そんな村上さんの姿も印象に残ります。
「僕はその部分に一番共感しましたね。こと僕の仕事に関しては、体力命で、体力がない人は絶対できないですから。病気したらできないですし、健康でないと演技はできません。演技は、不健康な状態でやると限界があるんですよね。不健康な体で考えても、不健康なアイデアしか出てこないから、不健康な表現になってしまう。演劇は人をハッピーにさせる仕事なので、健康な体でいないといけないし、体力勝負なんです。なので、作品のクランクイン前に体力が持つかを考えます。例えば、『キングダム』シリーズは4年くらいやっていますが、王騎という役の体重をどう維持して、何年間やっていけばいいのか。『沈黙の艦隊』という作品では、2ヶ月間、同じ場所に立ち続けないといけない。どうやったら朝から晩までやって、集中力を保てるかな、と。でも、結論的にはどの作品のどの役も体力がないとできないことなので、その前になるべく体力作りをしたいし、栄養もちゃんと取っておこうと意識する。そういうところは、作家の先生も一緒なんだなって思いました」
走り続けている村上さんのように、大沢さんがずっとやり続けていること、継続していることも聞いてみると、意外な回答が。
「プライベートでは全くなくて(笑)。20代、30代と40代と今、ステージが変わるごとに興味を持つことも変わってきています。日本人っぽいけど、仕事を一生懸命やったぐらいかな。でも、それは今の時代に合ってないというか、良くないと思うんですけどね。後輩に相談される時はいつも『絶対俺の真似しない方がいいよ』って話しています(笑)。『仕事は仕事だから、ちゃんと自分の時間を持って遊びなさい』と。でも、僕は仕事に一生懸命になりすぎたかもしれないけれど、それはそれでよかったなと思うことはありますね」
「気を遣ってうまくやる」ことが、大人じゃない。孤独を怖がらずに自分を突き通す大切さ
俳優としてのキャリアも30年、近年では映画作品のプロデュースも手がける大沢たかおさん。そんな大沢さんに、本誌の名前にちなんで、「大人」の定義を最後に伺いました。
「村上さんは、まさに大人だと思うんですよ。自分の価値観を持っていて、自分の行動に責任をとっていますよね。大人を定義づけるとしたら、自分で自分の責任をとれる人だと思います。でも、責任をとれる人は実際少ない。同時に、自分の意見や自分の価値観がない人も多い気がしています。大人になりきれない人が多い、この国の特徴だな、と。周りの人を気遣って、人とうまくやることが“大人”の定義じゃないと思うのですが、日本ではそう考えている人が多いのかな。でも、僕自身も含めて、大人になることは大事だと思うんですよね。若い子たちや子どもたちなど、次の世代に何を残せるのか考えることも、大人の役目だと感じています」
大人になるためには、「孤独になることを怖がらないこと」と、力強く語ります。
「孤独になりたくないから、ついつい人に合わせてしまいますが、人は死ぬ時に一人だと考えるとそもそも孤独な生き物なんです。僕は30年この仕事をやっていますが、20代で自分の事務所を立ち上げて、当時は前例なんてないから、まぁ苦労しました(笑)。最初の10年は疎外感を感じることがありましたが、でも、孤独で寂しいと思ったことは1回もなかったです。なぜなら、自分は間違ってないと思ったし、自分が正しいと思うことを突き通すことが大切だと思ったから。誰かに嫌われても自分のことを貫くこと、やったことに責任をとること、誰かのせいにしないことは、怖いことでもあるけど、大人になるためには大事なことなのかもしれないですね」
プロの声優や俳優が朗読した本や多様なポッドキャストが楽しめる音声エンターテインメントサービスのAmazonオーディブル(以下、Audible)。
村上春樹さんの人気エッセイ『走ることについて語るときに僕の語ること』が、俳優の大沢たかおさんの朗読で配信されます。
収録を終えた大沢さんに初挑戦した朗読の感想や、村上春樹作品の魅力、そして村上さんの著書から感じたご自身との共通点について伺いました。
目次
大沢たかおさん「大人になりきれない人が多い日本で大切なのは、孤独を恐れすぎないこと」/Amazonオーディブル『走ることについて語るときに僕の語ること』インタビュー
村上春樹さんのエッセイだからこそできた、等身大の自分でのチャレンジ
村上春樹さんが教えてくれた“いくつになっても懸命に生きること”
「気を遣ってうまくやる」ことが、大人じゃない。孤独を怖がらずに自分を突き通す大切さ
村上春樹さんのエッセイだからこそできた、等身大の自分でのチャレンジ
仕事柄はもちろん、プライベートで海外に行き来するなど、移動が多い大沢さん。Audibleは初期の頃から会員登録し、利用していたといいます。大沢さん流Audibleの活用法は?
「こういったコンテンツは実は昔からあって、夏目漱石や芥川隆之介の小説を朗読したものをCDで買って聴くという時代がありました。文学の名作が、多かったと思います。それがみんな多忙になり、昔の著名な文学だけでなく、実用書や経済書など、何でもどこでも聴けるようになって。娯楽だけでなく、勉強もできると思って、僕は最初のころすぐ会員になって聴き出したのですが、移動中や日常で車を運転するときも気軽に聴けるので、頻繁に利用させてもらっています。
海外への移動には、本を持って行くことも多いんですけど、例えば9時間とか10時間移動する場合は、文字を追うことに疲れてしまうんですよね。でも、Audibleで聴くと、不思議と長時間でも平気なんですよね。すごく便利な時代になったな、と。今回の作品は、マラソンする方々にもおすすめしたいです。村上春樹さんがマラソンの話をいっぱいしてくれるので、マラソンをしたくなるし、負けちゃいけないという気持ちになるんじゃないかな。励まされる感じもあって」
小説家であると同時にランナーでもある村上春樹さんが走ることについて語り、さらに小説家としての姿勢や思い、村上春樹という一個人を初めて説き明かした画期的なメモワールである『走ることについて語るときに僕の語ること』。今作の朗読には、等身大の自分自身で臨んだという大沢さん。
「何年か前に朗読劇はやったことがあって、ステージの上での朗読に対しては後ろ向きな気持ちはないんですけど、正直、朗読は苦手にしていることの一つだったんです。なるべくやらないように避けてきたところがありましたが、今回思い切って挑戦させてもらいました。作品が小説ではなくエッセイだったことも大きくて、比較的伸び伸び読ませてもらえたという感覚です。村上春樹さんが、ご自身の考えや人生を率直な言葉を紡いで語っているので、僕自身、変にうまくやろうとしないで、飾らない等身大の自分でやらせてもらおうと思いました」
朗読をしながら、改めて村上さんの文章に魅了されたと話します。
「どんな人でもわかる言葉を使ってくれたり、かと思えば難しい例えが出てきたり。何より比喩が素晴らしいと思います。そんな村上さんの文章の連続技を受けて、心の深いところに、彼が本当に言いたいことがストンと落ちる。また、村上さんの人生の一部を自分も追体験しているように読めるようなエッセイなので、朗読という機会をいただいて、彼の文章を体感するという、いい体験ができました。同時に、村上さんの作家になるまでの経歴や走ることへの思いを初めて知って驚いたり。僕にとって村上さんは雲の上の人なので、神宮外苑を走っていたり、ジャズバーを経営していたり、エアコンが壊れたり、日常の中でいろいろ悩んだりしていることを知って、こんなすごい人でもいろいろあるんだなと距離が近くなったというか(笑)。世界的に著名で求められ続けている村上さんが、一人の人間として言葉を紡いでいて、勇気や元気をくれる本だと思います」
村上春樹さんが教えてくれた“いくつになっても懸命に生きること”
今作は村上春樹さんが58歳の時に出版され、50代後半に差し掛かった心境も語っています。
「確かに歳を重ねていくことについての思いも、このエッセイのテーマの一つです。村上さんは後悔しないように懸命に生きていて、命というものに対して突き詰めて考えている人だと思いました。歳を重ねる上で不安になること、懸命に生きる大切さ、時間を無駄にしないこと。当たり前のようでいて通り過ぎてしまうことを、村上さんが素晴らしい文章で語ってくれて、改めて自分も懸命に生きようと思わせてくれます」
書くためには体力をつけないといけない。だから走ると決めて、走り続けている。そんな村上さんの姿も印象に残ります。
「僕はその部分に一番共感しましたね。こと僕の仕事に関しては、体力命で、体力がない人は絶対できないですから。病気したらできないですし、健康でないと演技はできません。演技は、不健康な状態でやると限界があるんですよね。不健康な体で考えても、不健康なアイデアしか出てこないから、不健康な表現になってしまう。演劇は人をハッピーにさせる仕事なので、健康な体でいないといけないし、体力勝負なんです。なので、作品のクランクイン前に体力が持つかを考えます。例えば、『キングダム』シリーズは4年くらいやっていますが、王騎という役の体重をどう維持して、何年間やっていけばいいのか。『沈黙の艦隊』という作品では、2ヶ月間、同じ場所に立ち続けないといけない。どうやったら朝から晩までやって、集中力を保てるかな、と。でも、結論的にはどの作品のどの役も体力がないとできないことなので、その前になるべく体力作りをしたいし、栄養もちゃんと取っておこうと意識する。そういうところは、作家の先生も一緒なんだなって思いました」
走り続けている村上さんのように、大沢さんがずっとやり続けていること、継続していることも聞いてみると、意外な回答が。
「プライベートでは全くなくて(笑)。20代、30代と40代と今、ステージが変わるごとに興味を持つことも変わってきています。日本人っぽいけど、仕事を一生懸命やったぐらいかな。でも、それは今の時代に合ってないというか、良くないと思うんですけどね。後輩に相談される時はいつも『絶対俺の真似しない方がいいよ』って話しています(笑)。『仕事は仕事だから、ちゃんと自分の時間を持って遊びなさい』と。でも、僕は仕事に一生懸命になりすぎたかもしれないけれど、それはそれでよかったなと思うことはありますね」
「気を遣ってうまくやる」ことが、大人じゃない。孤独を怖がらずに自分を突き通す大切さ
俳優としてのキャリアも30年、近年では映画作品のプロデュースも手がける大沢たかおさん。そんな大沢さんに、本誌の名前にちなんで、「大人」の定義を最後に伺いました。
「村上さんは、まさに大人だと思うんですよ。自分の価値観を持っていて、自分の行動に責任をとっていますよね。大人を定義づけるとしたら、自分で自分の責任をとれる人だと思います。でも、責任をとれる人は実際少ない。同時に、自分の意見や自分の価値観がない人も多い気がしています。大人になりきれない人が多い、この国の特徴だな、と。周りの人を気遣って、人とうまくやることが“大人”の定義じゃないと思うのですが、日本ではそう考えている人が多いのかな。でも、僕自身も含めて、大人になることは大事だと思うんですよね。若い子たちや子どもたちなど、次の世代に何を残せるのか考えることも、大人の役目だと感じています」
大人になるためには、「孤独になることを怖がらないこと」と、力強く語ります。
「孤独になりたくないから、ついつい人に合わせてしまいますが、人は死ぬ時に一人だと考えるとそもそも孤独な生き物なんです。僕は30年この仕事をやっていますが、20代で自分の事務所を立ち上げて、当時は前例なんてないから、まぁ苦労しました(笑)。最初の10年は疎外感を感じることがありましたが、でも、孤独で寂しいと思ったことは1回もなかったです。なぜなら、自分は間違ってないと思ったし、自分が正しいと思うことを突き通すことが大切だと思ったから。誰かに嫌われても自分のことを貫くこと、やったことに責任をとること、誰かのせいにしないことは、怖いことでもあるけど、大人になるためには大事なことなのかもしれないですね」
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