#王样战队国王者#

【最終回編】

49話いかがだったでしょうか?
バーチャルプロダクションとしても「キングオージャー」の集大成となった49話のお話をして、1年間に渡ったこのプロダクションノートを閉じたいと思います。

まず、49話の“色”を決めたのは、なんといっても最終組用に作ったアセットだったのではないでしょうか? 荒廃したシュゴッダムの街は、シュゴッダムのアセットを元にして作られています。荒野にシュゴッダムのオブジェクトを足しているので、背景には今まで見てきたシュゴッダムの要素が感じられたと思います。驚くべきはそのスピード感。パイロットの撮影の時とは比べ物にならないくらいのスピードで完成し、現場のアセットチームによって各バトルシーンに則したライティングの背景があてがわれました。

方々に散りばめられた炎と煙。夏の劇場版でトウフの国を燃やし、本編の37話でもずっと燃え続ける背景を可能にしたアセットを利用すれば、何も難しいことはありません。カメラの前には1年間で積み上げてきた歯車や石柱などの美術。攻撃を受けた王様や側近、国民たちの衣裳には汚ごしが入れられます。そのどれもが、1年間で衣裳部とデザイナーたちが作り上げてきたものばかり。各シーンのカットによって、美術は配置され、アセットチームが自分たちで作り上げたアセットを演出します。

監督はアクションチームを含めた全てのキャストに芝居を付けます。
これも1年間演じ続けてきたキャラクター。ご覧になっていただいたように、登場したキャラクターのほぼ総出演によって成し遂げられた49話。1年間かけて成長したキャラクター、1年間演じてきたキャラクターだからこそのお芝居と演出だったと思います。

まさに成すべき人たちが、成すべき場所で、成すべきことを、成すべき時間の中で行った。その仕事の集大成が49話でした。この仕事の最後にピースとして加わっていただいたのが、1年間番組を支えてくださったファンの皆さん。東映特撮ファンクラブの一般応募から各国の国民として参加してくださった皆さんのお陰で、テレビとは思えない大スケールの映像が完成できたのです。改めて御礼申し上げます。本当にありがとうございました。

そして実は背景を埋め尽くした群衆は、実はエキストラの皆さんによるものだけではありませんでした。
背景で戦っている人々の一部は、ソニーPCLの「清澄白河BASE」で撮影されました。ここにも、39話でソニーPCLさんのご協力のもとに採用したボリュメトリックキャプチャの技術が生きてきます。国民全員が戦うと言う大群衆シーンを再現するために、我々は再びボリュメトリックキャプチャを使用させていただいたのです。

「清澄白河BASE」内のボリュメトリックキャプチャスタジオで、まずは3人チーム程度の戦いのパターンを10種類程度撮影し、それを3Dデータにして様々な戦いのシーンの背景に配置しているのです。これによって、隙間の無い戦いのシーンを実現することができました。
これもまた、1年間積み重ねてきたソニーPCLさんとのコラボレーションの集大成でした。初めてこの技術を使用した時には不可能なスピード感と演出で、49話の合戦シーンに非常に有効な群衆を再現することができたと自負しています。

パイロットまでのプロダクションノートは1年間かかりました。でも49話のプロダクションノートは、あれだけのことをやって、ココだけの文章で済みます。前回も書きましたが、バーチャルプロダクションは準備がすべて。準備が上手くいけば(1年間積み重ねてきたスタッフ・キャストという財産が一番大きいですが)、49話のようなスケールの撮影も、いつもの撮影と同じカロリーでできてしまいます。

最終3話、凄まじいスケールでお届けできたと思います。しかし、撮影日数も予算規模もいつもと変わりません。それでも、問題は起きませんでした。「キングオージャー」は成し遂げました。ついに1年間、架空の世界のビジュアルを届け続けることに成功しました。もちろん、まだ足りないことがあるのは分かっています。でも、このスケールで、この日数で、この規模で、1年間を走り抜けることに成功したスタッフを心の底から誇りに思います。

すべての撮影が終わって「やりましたね!」と声を掛け合ったときの、あのスタッフ・キャストの満足感に充ちた顔を一生忘れることはないと思います。この「キングオージャー」が残したバーチャルプロダクションという足跡が、今後の日本のドラマ業界に、どのような形でも良いので、つながってくれることを望んで止みません。

おわり

(文責:大森 敬仁)

人間椅子(二)
江戸川乱歩
最初は、ただただ、私の丹誠たんせいを籠こめた美しい椅子を、手離し度くない、出来ることなら、その椅子と一緒に、どこまでもついて行きたい、そんな単純な願いでした。それが、うつらうつらと妄想の翼を拡げて居ります内に、いつの間にやら、その日頃私の頭に醗酵はっこうして居りました、ある恐ろしい考えと、結びついて了ったのでございます。そして、私はまあ、何という気違いでございましょう。その奇怪極まる妄想を、実際に行おこなって見ようと思い立ったのでありました。
 私は大急ぎで、四つの内で一番よく出来たと思う肘掛椅子を、バラバラに毀こわしてしまいました。そして、改めて、それを、私の妙な計画を実行するに、都合のよい様に造り直しました。
 それは、極く大型のアームチェーアですから、掛ける部分は、床にすれすれまで皮で張りつめてありますし、其外、凭もたれも肘掛けも、非常に部厚に出来ていて、その内部には、人間一人が隠れていても、決して外から分らない程の、共通した、大きな空洞うつろがあるのです。無論、そこには、巌丈がんじょうな木の枠と、沢山なスプリングが取りつけてありますけれど、私はそれらに、適当な細工を施して、人間が掛ける部分に膝を入れ、凭れの中へ首と胴とを入れ、丁度椅子の形に坐れば、その中にしのんでいられる程の、余裕を作ったのでございます。
そうした細工は、お手のものですから、十分手際よく、便利に仕上げました。例えば、呼吸いきをしたり外部の物音を聞く為に皮の一部に、外からは少しも分らぬ様な隙間を拵こしらえたり、凭れの内部の、丁度頭のわきの所へ、小さな棚をつけて、何かを貯蔵出来る様にしたり、ここへ水筒と、軍隊用の堅かたパンとを詰め込みました。ある用途の為めに大きなゴムの袋を備えつけたり、その外ほか様々の考案を廻めぐらして、食料さえあれば、その中に、二日三日這入はいりつづけていても、決して不便を感じない様にしつらえました。謂いわば、その椅子が、人間一人の部屋になった訳でございます。
 私はシャツ一枚になると、底に仕掛けた出入口の蓋ふたを開けて、椅子の中へ、すっぽりと、もぐりこみました。それは、実に変てこな気持でございました。まっ暗な、息苦しい、まるで墓場の中へ這入った様な、不思議な感じが致します。考えて見れば、墓場に相違ありません。私は、椅子の中へ這入ると同時に、丁度、隠れ簑でも着た様に、この人間世界から、消滅して了う訳ですから。
 間もなく、商会から使つかいのものが、四脚の肘掛椅子を受取る為に、大きな荷車を持って、やって参りました。私の内弟子うちでしが(私はその男と、たった二人暮しだったのです)何も知らないで、使のものと応待して居ります。車に積み込む時、一人の人夫が「こいつは馬鹿に重いぞ」と怒鳴どなりましたので、椅子の中の私は、思わずハッとしましたが、一体、肘掛椅子そのものが、非常に重いのですから、別段あやしまれることもなく、やがて、ガタガタという、荷車の振動が、私の身体からだにまで、一種異様の感触を伝えて参りました。
非常に心配しましたけれど、結局、何事もなく、その日の午後には、もう私の這入った肘掛椅子は、ホテルの一室に、どっかりと、据えられて居りました。後で分ったのですが、それは、私室ではなくて、人を待合せたり、新聞を読んだり、煙草たばこをふかしたり、色々の人が頻繁ひんぱんに出入りする、ローンジとでもいう様な部屋でございました。
 もうとっくに、御気づきでございましょうが、私の、この奇妙な行いの第一の目的は、人のいない時を見すまして、椅子の中から抜け出し、ホテルの中をうろつき廻って、盗みを働くことでありました。椅子の中に人間が隠れていようなどと、そんな馬鹿馬鹿しいことを、誰が想像致しましょう。私は、影の様に、自由自在に、部屋から部屋を、荒し廻ることが出来ます。そして、人々が、騒ぎ始める時分には、椅子の中の隠家かくれがへ逃げ帰って、息を潜ひそめて、彼等の間抜けな捜索を、見物していればよいのです。あなたは、海岸の波打際なみうちぎわなどに、「やどかり」という一種の蟹かにのいるのを御存じでございましょう。大きな蜘蛛くもの様な恰好をしていて、人がいないと、その辺を我物顔に、のさばり歩いていますが、一寸でも人の跫音あしおとがしますと、恐ろしい速さで、貝殻かいがらの中へ逃げ込みます。そして、気味の悪い、毛むくじゃらの前足を、少しばかり貝殻から覗かせて、敵の動静を伺って居ります。私は丁度あの「やどかり」でございました。貝殻の代りに、椅子という隠家を持ち、海岸ではなくて、ホテルの中を、我物顔に、のさばり歩くのでございます。
さて、この私の突飛とっぴな計画は、それが突飛であった丈け、人々の意表外に出いでて、見事に成功致しました。ホテルに着いて三日目には、もう、たんまりと一仕事済ませて居た程でございます。いざ盗みをするという時の、恐ろしくも、楽しい心持、うまく成功した時の、何とも形容し難がたい嬉しさ、それから、人々が私のすぐ鼻の先で、あっちへ逃げた、こっちへ逃げたと大騒ぎをやっているのを、じっと見ているおかしさ。それがまあ、どの様な不思議な魅力を持って、私を楽しませたことでございましょう。
 でも、私は今、残念ながら、それを詳しくお話している暇はありません。私はそこで、そんな盗みなどよりは、十倍も二十倍も、私を喜ばせた所の、奇怪極まる快楽を発見したのでございます。そして、それについて、告白することが、実は、この手紙の本当の目的なのでございます。
 お話を、前に戻して、私の椅子が、ホテルのローンジに置かれた時のことから、始めなければなりません。
 椅子が着くと、一ひとしきり、ホテルの主人達が、その坐り工合を見廻って行きましたが、あとは、ひっそりとして、物音一つ致しません。多分部屋には、誰もいないのでしょう。でも、到着匆々そうそう、椅子から出ることなど、迚とても恐ろしくて出来るものではありません。私は、非常に長い間(ただそんなに感じたのかも知れませんが)少しの物音も聞き洩もらすまいと、全神経を耳に集めて、じっとあたりの様子を伺って居りました。
 そうして、暫しばらくしますと、多分廊下の方からでしょう、コツコツと重苦しい跫音が響いて来ました。それが、二三間向うまで近付くと、部屋に敷かれた絨氈の為に、殆ほとんど聞きとれぬ程の低い音に代りましたが、間もなく、荒々しい男の鼻息が聞え、ハッと思う間に、西洋人らしい大きな身体が、私の膝の上に、ドサリと落ちてフカフカと二三度はずみました。私の太腿ふとももと、その男のガッシリした偉大な臀部でんぶとは、薄い鞣皮一枚を隔てて、暖味あたたかみを感じる程も密接しています。幅の広い彼の肩は、丁度私の胸の所へ凭れかかり、重い両手は、革を隔てて、私の手と重なり合っています。そして、男がシガーをくゆらしているのでしょう。男性的な、豊な薫かおりが、革の隙間を通して漾ただよって参ります。
奥様、仮にあなたが、私の位置にあるものとして、其場の様子を想像してごらんなさいませ。それは、まあ何という、不思議千万な情景でございましょう。私はもう、余りの恐ろしさに、椅子の中の暗闇で、堅く堅く身を縮めて、わきの下からは、冷い汗をタラタラ流しながら、思考力もなにも失って了って、ただもう、ボンヤリしていたことでございます。
 その男を手始めに、その日一日、私の膝の上には、色々な人が入り替り立替り、腰を下しました。そして、誰も、私がそこにいることを――彼等が柔いクッションだと信じ切っているものが、実は私という人間の、血の通った太腿であるということを――少しも悟らなかったのでございます。
まっ暗で、身動きも出来ない革張りの中の天地。それがまあどれ程、怪しくも魅力ある世界でございましょう。そこでは、人間というものが、日頃目で見ている、あの人間とは、全然別な不思議な生きものとして感ぜられます。彼等は声と、鼻息と、跫音と、衣きぬずれの音と、そして、幾つかの丸々とした弾力に富む肉塊にくかいに過ぎないのでございます。私は、彼等の一人一人を、その容貌の代りに、肌触りによって識別することが出来ます。あるものは、デブデブと肥こえ太って、腐った肴さかなの様な感触を与えます。それとは正反対に、あるものは、コチコチに痩せひからびて、骸骨がいこつのような感じが致します。その外、背骨せぼねの曲り方、肩胛骨けんこうこつの開き工合、腕の長さ、太腿の太さ、或は尾※(「骨+低のつくり」、第3水準1-94-21)骨びていこつの長短など、それらの凡ての点を綜合して見ますと、どんな似寄った背恰好の人でも、どこか違った所があります。人間というものは、容貌や指紋の外に、こうしたからだ全体の感触によっても、完全に識別することが出来るに相違ありません。
 異性についても、同じことが申されます。普通の場合は、主として容貌の美醜によって、それを批判するのでありましょうが、この椅子の中の世界では、そんなものは、まるで問題外なのでございます。そこには、まる裸の肉体と、声音こわねと、匂においとがあるばかりでございます。
 奥様、余りにあからさまな私の記述に、どうか気を悪くしないで下さいまし、私はそこで、一人の女性の肉体に、(それは私の椅子に腰かけた最初の女性でありました。)烈しい愛着を覚えたのでございます。
 声によって想像すれば、それは、まだうら若い異国の乙女おとめでございました。丁度その時、部屋の中には誰もいなかったのですが、彼女は、何か嬉しいことでもあった様子で、小声で、不思議な歌を歌いながら、躍おどる様な足どりで、そこへ這入って参りました。そして、私のひそんでいる肘掛椅子の前まで来たかと思うと、いきなり、豊満な、それでいて、非常にしなやかな肉体を、私の上へ投げつけました。しかも、彼女は何がおかしいのか、突然アハアハ笑い出し、手足をバタバタさせて、網の中の魚の様に、ピチピチとはね廻るのでございます。
それから、殆ど半時間ばかりも、彼女は私の膝の上で、時々歌を歌いながら、その歌に調子を合せでもする様に、クネクネと、重い身体を動かして居りました。
 これは実に、私に取っては、まるで予期しなかった驚天動地きょうてんどうちの大事件でございました。女は神聖なもの、いや寧むしろ怖こわいものとして、顔を見ることさえ遠慮していた私でございます。其その私が、今、身も知らぬ異国の乙女と、同じ部屋に、同じ椅子に、それどころではありません、薄い鞣皮なめしがわ一重を隔てて肌のぬくみを感じる程も、密接しているのでございます。それにも拘かかわらず、彼女は何の不安もなく、全身の重みを私の上に委ゆだねて、見る人のない気安さに、勝手気儘きままな姿体を致して居ります。私は椅子の中で、彼女を抱きしめる真似をすることも出来ます。皮のうしろから、その豊な首筋に接吻せっぷんすることも出来ます。その外、どんなことをしようと、自由自在なのでございます。
この驚くべき発見をしてからというものは、私は最初の目的であった盗みなどは第二として、ただもう、その不思議な感触の世界に、惑溺わくできして了ったのでございます。私は考えました。これこそ、この椅子の中の世界こそ、私に与えられた、本当のすみかではないかと。私の様な醜い、そして気の弱い男は、明るい、光明の世界では、いつもひけ目を感じながら、恥かしい、みじめな生活を続けて行く外に、能のない身体でございます。それが、一度ひとたび、住む世界を換えて、こうして椅子の中で、窮屈な辛抱しんぼうをしていさえすれば、明るい世界では、口を利くことは勿論、側へよることさえ許されなかった、美しい人に接近して、その声を聞き肌に触れることも出来るのでございます。

#仓木麻衣[超话]#1811


ビー・マイ・ベリーのロゴのデザインをさせていただいている”Bee my Berry” 観光農園で、人生初のいちご狩りを体験をさせていただきました..

この農園は、現在、楽曲を担当させていただいているウィザースガーデン、新昭和グループさんのいちご農園で、かわいい蜂たちと、農園の皆さんに大切に育てられた6種類のイチゴたちが今美味しい季節ということで、よろしければ、皆さんも、ゆっくりとビタミンたっぷり癒し時間を過ごしてみてください



初..doki doki…

※温室なので薄着でも快適にいちご狩りを楽しめます。

大人しくてお利口さんな蜂と中にはハート型もかくれんぼ..

みーっけ♡



photo by 達川範一 ♡、nan chan♡
hair & make by 胡桃沢和久さん♡
Stylist♡ Mai.K and Mai.K net Staff.




∞♡unconditional LVE
Mai Kuraki


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