自扫杂志
名馬たちのラストラン 第6回
ダイワメジャー 騎手/ミルコ·デムーロ 2007年12月23日有馬記念( GI )中山競馬場
マイルと中距離で無類の強さを発ていたのだ。揮したダイワメジャーは、女傑として名を馳せた半妹のダイワスカーレットと、2度競演した。
1度目は、2006年1月19日、妹が京都の2歳新馬戦でデビューした日だった。妹が安藤勝己を背に初陣を勝つと、兄は同じく安藤の手綱でメインのマイル CS 完勝。GI3勝目をマークした。
そして2度目が、自身のラストランとなった7年の第52回有馬記念。妹も出走し、史上初の「G1優勝兄弟妹妹による GI 対決」が実現することになった。1頭が出走を取り消し、15頭立てとなったこの有馬記念で、ダイワメジャーは単勝15·2倍の6番人気という支持だった。妹のダイワスカーレットは単勝8·1倍の5番人気。ちなみに、1番人気はこの年春秋の天皇賞を連霸したメイショウサムソン、2番人気は前年の2着馬ポップロック、3番人気は妹のライバルだった歴史的名化ウオッカだった。
铮々たるメンバーが揃ったとはいえ、ダイワメジャーは、前年の有馬でディープインパクトの3着(3番人気)になっている。それを考慮すると、もっと高く評価されてもよかったような気もするが、やはり、ベストはマイルと見られていたのだ。
ダイワメジャーは11年4月8日、千歳の社台ファームで生まれた。父サンデーサイレンス、母スカーレットブーケ。2代母スカーレットインクは母国アメリカで1戦し未勝利のまま引退。同馬の3代母ユアホステスの血に魅力を感じていた社台ファームの創設者·吉田善哉が購入した。スカーレットインクを牝祖とする母系からは、ダイワメジャー、スカーレット兄妹に加え、ダート G I を9勝したヴァーミリアンのほか、数々の重賞勝ち馬が出ており、「スカーレット一族」として知られている。
ダイワメジャーの初陣は、03年12月28日の2歳新馬戦。装鞍所で大暴れし、パドックで腹這いになるなど気の悪さを見せながらも、菊沢隆徳を背に首差の2着と格好をつけた。2戦目で初勝利を挙げ、スプリングステークスで3着となって阜月賞の出走権を獲得。皇月賞では短期免許で来日していたミルコ·デムーロを新たな鞍上に迎えて優勝。10番人気の低評価を覆し、重賞初勝利をクラシック制霸で飾った。
その後、ノド鳴りが原因と思われる不振がつづき、秋に手術を受けて休養に入った。95年に復帰し、5歳になった06年、安藤勝己を背に天皇賞·秋とマイル CS を制して最優秀短距離馬となる。翌07年、安田記念とマイル CS を優勝。勝利はすべて、2番手か、3、4番手の絶好位から他馬をねじ伏せる横網相撲だった。かくしてマイル王の座を不動のものとし、ラストランの有馬記念に騎を進めてきた。
マイル CS を勝って有馬というローテーションは前年と同じだった。しかし、前年は毎日王冠、天皇賞·秋、マイル CS と3連勝していたのに対し、この07年は毎日王冠3着、天皇賞·秋9着という成績だったことも、人気を下げる要因になっていた。
安藤は妹に騎乗するため、皇月賞を制したデムーロが手綱をとることになった。ゲートが開いた。妹のスカーレットが好スタートを切り、体半分ほど抜け出した。1周目の4コーナーを回りながらチョウサンがハナに立ち、正面スタンド前へ。スカーレットは3馬身ほど後ろの2番手、直後にマツリダゴッホがいて、ダイワメジャーは5番手の内につけた。向正面でダイワメジャーは中団に待機。3、4コーナーで内から差を諾め、直線入口で馬場の真ん中に出た。先に抜け出したマツリダゴッホを妹と共に追ったが及ばず、3着。妹は2着だった。妹に花を持たせたわけではなかっただろうが、本当なら、妹の取ったポジションが理想だったはずだ。4コーナーで前が壁になって動けない局面があったのも痛かった。それでも、力は示した。
最終レース終了後、ダイワメジャーの引退式が行われた。有馬記念当日に中山競馬場で引退式が行われたのは、0年のイナリワンが初めてだった。0年のグラスワンダー、22年のマンハッタンカフェがつづき、そこまでは昼休みに実施。シンボリクリスエスの03年に初めて最終レース後に行われ、この前年、06年のディープインパクトの引退式も同じくカクテル光線の煌めくなかで行われた。1時間ほど前にダイワメジャーに乗ったデムーロは「皇月賞は思い出に残るレースです」と言い、安藤は「一生忘れられない馬です」と語った。
その様子を、私は、中山競馬場の厩舎で、有馬記念を勝ったマツリダゴッホの管理調教師である国枝栄と共にモニターで見ていた。
「おれも、管理馬でこういう引退式をしてみたいね」国枝はしみじみと言った。
勝って締めくくることはできなかったが、優勝トレーナーも羨むシーンの主役となったのだから、やはり、ダイワメジャーはスターなのだ。種社馬としてもタフで、メジャーエンブレムやアドマイヤマーズなど、何頭も GI ホースを送り出した。23年限りで種社馬を引退し、今後は功労馬として社台スタリオンステーションで余生を過ごす。
名馬たちのラストラン 第6回
ダイワメジャー 騎手/ミルコ·デムーロ 2007年12月23日有馬記念( GI )中山競馬場
マイルと中距離で無類の強さを発ていたのだ。揮したダイワメジャーは、女傑として名を馳せた半妹のダイワスカーレットと、2度競演した。
1度目は、2006年1月19日、妹が京都の2歳新馬戦でデビューした日だった。妹が安藤勝己を背に初陣を勝つと、兄は同じく安藤の手綱でメインのマイル CS 完勝。GI3勝目をマークした。
そして2度目が、自身のラストランとなった7年の第52回有馬記念。妹も出走し、史上初の「G1優勝兄弟妹妹による GI 対決」が実現することになった。1頭が出走を取り消し、15頭立てとなったこの有馬記念で、ダイワメジャーは単勝15·2倍の6番人気という支持だった。妹のダイワスカーレットは単勝8·1倍の5番人気。ちなみに、1番人気はこの年春秋の天皇賞を連霸したメイショウサムソン、2番人気は前年の2着馬ポップロック、3番人気は妹のライバルだった歴史的名化ウオッカだった。
铮々たるメンバーが揃ったとはいえ、ダイワメジャーは、前年の有馬でディープインパクトの3着(3番人気)になっている。それを考慮すると、もっと高く評価されてもよかったような気もするが、やはり、ベストはマイルと見られていたのだ。
ダイワメジャーは11年4月8日、千歳の社台ファームで生まれた。父サンデーサイレンス、母スカーレットブーケ。2代母スカーレットインクは母国アメリカで1戦し未勝利のまま引退。同馬の3代母ユアホステスの血に魅力を感じていた社台ファームの創設者·吉田善哉が購入した。スカーレットインクを牝祖とする母系からは、ダイワメジャー、スカーレット兄妹に加え、ダート G I を9勝したヴァーミリアンのほか、数々の重賞勝ち馬が出ており、「スカーレット一族」として知られている。
ダイワメジャーの初陣は、03年12月28日の2歳新馬戦。装鞍所で大暴れし、パドックで腹這いになるなど気の悪さを見せながらも、菊沢隆徳を背に首差の2着と格好をつけた。2戦目で初勝利を挙げ、スプリングステークスで3着となって阜月賞の出走権を獲得。皇月賞では短期免許で来日していたミルコ·デムーロを新たな鞍上に迎えて優勝。10番人気の低評価を覆し、重賞初勝利をクラシック制霸で飾った。
その後、ノド鳴りが原因と思われる不振がつづき、秋に手術を受けて休養に入った。95年に復帰し、5歳になった06年、安藤勝己を背に天皇賞·秋とマイル CS を制して最優秀短距離馬となる。翌07年、安田記念とマイル CS を優勝。勝利はすべて、2番手か、3、4番手の絶好位から他馬をねじ伏せる横網相撲だった。かくしてマイル王の座を不動のものとし、ラストランの有馬記念に騎を進めてきた。
マイル CS を勝って有馬というローテーションは前年と同じだった。しかし、前年は毎日王冠、天皇賞·秋、マイル CS と3連勝していたのに対し、この07年は毎日王冠3着、天皇賞·秋9着という成績だったことも、人気を下げる要因になっていた。
安藤は妹に騎乗するため、皇月賞を制したデムーロが手綱をとることになった。ゲートが開いた。妹のスカーレットが好スタートを切り、体半分ほど抜け出した。1周目の4コーナーを回りながらチョウサンがハナに立ち、正面スタンド前へ。スカーレットは3馬身ほど後ろの2番手、直後にマツリダゴッホがいて、ダイワメジャーは5番手の内につけた。向正面でダイワメジャーは中団に待機。3、4コーナーで内から差を諾め、直線入口で馬場の真ん中に出た。先に抜け出したマツリダゴッホを妹と共に追ったが及ばず、3着。妹は2着だった。妹に花を持たせたわけではなかっただろうが、本当なら、妹の取ったポジションが理想だったはずだ。4コーナーで前が壁になって動けない局面があったのも痛かった。それでも、力は示した。
最終レース終了後、ダイワメジャーの引退式が行われた。有馬記念当日に中山競馬場で引退式が行われたのは、0年のイナリワンが初めてだった。0年のグラスワンダー、22年のマンハッタンカフェがつづき、そこまでは昼休みに実施。シンボリクリスエスの03年に初めて最終レース後に行われ、この前年、06年のディープインパクトの引退式も同じくカクテル光線の煌めくなかで行われた。1時間ほど前にダイワメジャーに乗ったデムーロは「皇月賞は思い出に残るレースです」と言い、安藤は「一生忘れられない馬です」と語った。
その様子を、私は、中山競馬場の厩舎で、有馬記念を勝ったマツリダゴッホの管理調教師である国枝栄と共にモニターで見ていた。
「おれも、管理馬でこういう引退式をしてみたいね」国枝はしみじみと言った。
勝って締めくくることはできなかったが、優勝トレーナーも羨むシーンの主役となったのだから、やはり、ダイワメジャーはスターなのだ。種社馬としてもタフで、メジャーエンブレムやアドマイヤマーズなど、何頭も GI ホースを送り出した。23年限りで種社馬を引退し、今後は功労馬として社台スタリオンステーションで余生を過ごす。
星稜の新2年生・能美誠也に見た「勝てる捕手」の資質 センバツからの新ルールにも堂々
今春の選抜高校野球大会(センバツ)から新たなルールの運用が始まっている。新基準バットの導入と投手の二段モーション解禁ばかりが話題になっているが、タイムにまつわるこんな新規則も盛り込まれている。
<内野手(捕手を含む)が投手のもとへ行ける回数を、1イニングにつき1回1人だけとする>(高校野球特別規則2024年版より)
試合のスムーズな運行を目的として、守備中のタイムに制限が設けられたのだ。捕手にとっては悩ましい新ルールだろう。そう想像して甲子園出場捕手に聞いて回ろうと考えたのだが、ひとり目で「答え」が出てしまった。
【小学3年から捕手一筋】
「相手に流れがいってからタイムをかけるのではなく、相手に流れをいかせないタイミングでタイムをかければいいだけですから」
回答してくれたのは、星稜(石川)の正捕手を務める能美誠也(のみ・せいや)。さすがは昨秋の明治神宮大会を制した捕手らしい回答だが、この能美がまだ新2年生と知れば精神年齢の高さに驚いてもらえるはずだ。
3月18日、星稜対田辺(和歌山)の1回戦は2対2の接戦のまま、8回裏を迎えた。田辺の柳田尚生に送りバントを決められ、二死二塁になった直後。能美は迷わずマウンドへと駆けていった。
「ウチの攻撃は残り(9回表の)1回しかないので、どうしても次の1点を取られたくなかった。間(ま)をとって、ピッチャーを落ち着かせようと思いました」
だが、いざマウンドの戸田慶星(けいた/2年)を前にすると、能美は「最悪1点取られてもいいから」と声をかけている。能力は高いものの、緊張しやすい戸田の性格を考えて、あえて安心するような言葉をかけたのだ。その直後、戸田はファーストゴロでピンチを切り抜ける。星稜は9回表に能美のライト前ヒットを突破口に2点を勝ち越し、4対2で勝利を収めた。
前述のとおり、星稜は昨秋の明治神宮大会で優勝している。飛び抜けた才能の持ち主がいるわけではない。それでも、地区王者が居並ぶトーナメントを勝ち上がった陰の要因は、この能美にあるのかもしれない。
能美は身長176センチ、体重73キロと体格的には平凡で目立つ存在ではない。だが、試合が始まり、展開が深まるにつれ能美の存在感はどんどん際立っていく。
最大の特徴は、捕手にもかかわらず足が速いことだ。田辺戦では先取点につながる盗塁を決めたが、昨秋は公式戦12試合で6盗塁をマークしている。時にはセーフティーバントで相手を撹乱しようと試みるシーンもあった。
俊足は守備中にも発揮され、ファウルフライを追えるエリアが広く、一塁へのバックアップも素早く向かえる。プロテクターやレガースを装着していても、身のこなしは常に軽やか。「守備範囲が広い」と評される捕手は珍しいだろう。
本人にそんな印象を伝えると、能美ははにかみながらこう答えた。
「小学3年からキャッチャーをやってきているので、防具は体の一部みたいなものです。重みは感じないですね」
【好捕手の系譜に連なる存在】
能美は金沢市立清泉中時代から好捕手として注目されており、3年夏には全国中学校軟式野球大会(全中)でベスト8に進出している。だが、鳴り物入りで進学した星稜には、1学年上に強肩捕手の河上涼太がいた。
現エースの佐宗翼と河上は星稜中時代からバッテリーを組んでおり、全日本少年軟式野球大会(全日本)で日本一に輝いた実績がある。1学年下の捕手が割って入るのは難しそうな状況に思えるが、能美に気後れはなかった。
「高校に入った時から、とにかく試合に出たかったので。同じ軟式出身ということもあってか、佐宗さんも自分を受け入れてくださったように感じました」
能美は1年秋から正捕手の座をつかんだ。試合になれば、能美がマスクを被ってホームベースへと向かう。だが、能美はいつも河上の献身に助けられてきたと明かす。
「守備が終わるたびに、ベンチで河上さんとバッターの反応や配球について話し合っているんです。河上さんはブルペンでピッチャーのボールを受けて、その状態についてベンチと連携をとってくれているんです」
田辺戦では絶対的エースである佐宗が不調のため、6回2失点で降板した。だが、成長著しい2年生右腕の戸田が好リリーフでつなぎ、星稜は窮地を乗りきった。
2点を勝ち越した9回裏には、3番手右腕の道本想(2年)が一死二、三塁という大きなピンチを招いた。だが、この場面で能美は2ストライクから3球勝負を要求。道本が大胆なリードに応えて空振り三振を奪うと、能美はパンチを放つような仕草で喜びを表現した。
試合後、この場面について聞いた際の能美のコメントが振るっていた。
「腹をくくっていました。この場面で追いつかれても、自分のせいではないので」
そう言いきったあと、少し過激な発言だと思ったのか、能美は「(接戦になったのは)周りが打てなかったのが原因ですから」とつけ足した。
4月で高校2年生になる16歳。それでも、聞かずにはいられなかった。将来、どんな捕手になっていきたいのか、と。
「キャッチャーとして打って目立つ、ランナーを刺して目立つというより、陰でピッチャーを支えたり、ポジションを動かしたりして地味に1個1個を重ねていけるキャッチャーになりたいですね。それが結果的に自分の手柄になると思うので」
近年の星稜は山瀬慎之助(巨人)、内山壮真(ヤクルト)と好捕手が続いたが、能美はその系譜に連なる存在になるだろう。「勝てる捕手」はこの春にどこまで勝ち上がるのか。いくら本人が「地味」を目指しても、その底光りする輝きは隠せそうにない。
今春の選抜高校野球大会(センバツ)から新たなルールの運用が始まっている。新基準バットの導入と投手の二段モーション解禁ばかりが話題になっているが、タイムにまつわるこんな新規則も盛り込まれている。
<内野手(捕手を含む)が投手のもとへ行ける回数を、1イニングにつき1回1人だけとする>(高校野球特別規則2024年版より)
試合のスムーズな運行を目的として、守備中のタイムに制限が設けられたのだ。捕手にとっては悩ましい新ルールだろう。そう想像して甲子園出場捕手に聞いて回ろうと考えたのだが、ひとり目で「答え」が出てしまった。
【小学3年から捕手一筋】
「相手に流れがいってからタイムをかけるのではなく、相手に流れをいかせないタイミングでタイムをかければいいだけですから」
回答してくれたのは、星稜(石川)の正捕手を務める能美誠也(のみ・せいや)。さすがは昨秋の明治神宮大会を制した捕手らしい回答だが、この能美がまだ新2年生と知れば精神年齢の高さに驚いてもらえるはずだ。
3月18日、星稜対田辺(和歌山)の1回戦は2対2の接戦のまま、8回裏を迎えた。田辺の柳田尚生に送りバントを決められ、二死二塁になった直後。能美は迷わずマウンドへと駆けていった。
「ウチの攻撃は残り(9回表の)1回しかないので、どうしても次の1点を取られたくなかった。間(ま)をとって、ピッチャーを落ち着かせようと思いました」
だが、いざマウンドの戸田慶星(けいた/2年)を前にすると、能美は「最悪1点取られてもいいから」と声をかけている。能力は高いものの、緊張しやすい戸田の性格を考えて、あえて安心するような言葉をかけたのだ。その直後、戸田はファーストゴロでピンチを切り抜ける。星稜は9回表に能美のライト前ヒットを突破口に2点を勝ち越し、4対2で勝利を収めた。
前述のとおり、星稜は昨秋の明治神宮大会で優勝している。飛び抜けた才能の持ち主がいるわけではない。それでも、地区王者が居並ぶトーナメントを勝ち上がった陰の要因は、この能美にあるのかもしれない。
能美は身長176センチ、体重73キロと体格的には平凡で目立つ存在ではない。だが、試合が始まり、展開が深まるにつれ能美の存在感はどんどん際立っていく。
最大の特徴は、捕手にもかかわらず足が速いことだ。田辺戦では先取点につながる盗塁を決めたが、昨秋は公式戦12試合で6盗塁をマークしている。時にはセーフティーバントで相手を撹乱しようと試みるシーンもあった。
俊足は守備中にも発揮され、ファウルフライを追えるエリアが広く、一塁へのバックアップも素早く向かえる。プロテクターやレガースを装着していても、身のこなしは常に軽やか。「守備範囲が広い」と評される捕手は珍しいだろう。
本人にそんな印象を伝えると、能美ははにかみながらこう答えた。
「小学3年からキャッチャーをやってきているので、防具は体の一部みたいなものです。重みは感じないですね」
【好捕手の系譜に連なる存在】
能美は金沢市立清泉中時代から好捕手として注目されており、3年夏には全国中学校軟式野球大会(全中)でベスト8に進出している。だが、鳴り物入りで進学した星稜には、1学年上に強肩捕手の河上涼太がいた。
現エースの佐宗翼と河上は星稜中時代からバッテリーを組んでおり、全日本少年軟式野球大会(全日本)で日本一に輝いた実績がある。1学年下の捕手が割って入るのは難しそうな状況に思えるが、能美に気後れはなかった。
「高校に入った時から、とにかく試合に出たかったので。同じ軟式出身ということもあってか、佐宗さんも自分を受け入れてくださったように感じました」
能美は1年秋から正捕手の座をつかんだ。試合になれば、能美がマスクを被ってホームベースへと向かう。だが、能美はいつも河上の献身に助けられてきたと明かす。
「守備が終わるたびに、ベンチで河上さんとバッターの反応や配球について話し合っているんです。河上さんはブルペンでピッチャーのボールを受けて、その状態についてベンチと連携をとってくれているんです」
田辺戦では絶対的エースである佐宗が不調のため、6回2失点で降板した。だが、成長著しい2年生右腕の戸田が好リリーフでつなぎ、星稜は窮地を乗りきった。
2点を勝ち越した9回裏には、3番手右腕の道本想(2年)が一死二、三塁という大きなピンチを招いた。だが、この場面で能美は2ストライクから3球勝負を要求。道本が大胆なリードに応えて空振り三振を奪うと、能美はパンチを放つような仕草で喜びを表現した。
試合後、この場面について聞いた際の能美のコメントが振るっていた。
「腹をくくっていました。この場面で追いつかれても、自分のせいではないので」
そう言いきったあと、少し過激な発言だと思ったのか、能美は「(接戦になったのは)周りが打てなかったのが原因ですから」とつけ足した。
4月で高校2年生になる16歳。それでも、聞かずにはいられなかった。将来、どんな捕手になっていきたいのか、と。
「キャッチャーとして打って目立つ、ランナーを刺して目立つというより、陰でピッチャーを支えたり、ポジションを動かしたりして地味に1個1個を重ねていけるキャッチャーになりたいですね。それが結果的に自分の手柄になると思うので」
近年の星稜は山瀬慎之助(巨人)、内山壮真(ヤクルト)と好捕手が続いたが、能美はその系譜に連なる存在になるだろう。「勝てる捕手」はこの春にどこまで勝ち上がるのか。いくら本人が「地味」を目指しても、その底光りする輝きは隠せそうにない。
【壁姐姐的资讯箱】
《头文字D》续作、电视动画《MF GHOST 第二季》公开先导视觉图,该作将在 2024 年播出!
【STAFF(第一季)】
原作:しげの秀一(講談社「ヤングマガジン」連載)
导演:中智仁
系列构成:山下憲一
剧本:山下憲一、稲荷明比古
角色设计:恩田尚之
总作画监督:恩田尚之、坂本千代子、油井徹太郎
3D 导演:内田博基
美术监督·设定:明石聖子(STUDIO uni)
色彩设计:田中千春
摄影监督 :林幸司(Color&Smile)
剪辑:廣瀬清志(editz)
音乐:土橋安騎夫
音响监督:三間雅文
音响效果:小山健二(SOUND BOX)
音响制作:テクノサウンド
动画制作:Felix Film
CG 动画制作:FelixFilm、directrain
出品:MFゴースト製作委員会
【CAST】
片桐夏向(カナタ・リヴィントン):内田雄馬
西園寺 恋:佐倉綾音
相葉 瞬:小野大輔
ミハイル・ベッケンバウアー:神谷浩史
大石代吾:浪川大輔
赤羽海人:諏訪部順一
石神風神:安元洋貴
沢渡光輝:逢坂良太
八潮 翔:田邊幸輔
北原 望:芹澤 優
坂本雄大:櫻井トオル
大谷洋介:石川界人
ジャクソン・テイラー:中村悠一
前園和宏:宮園拓夢
柳田拓也:坂田将吾
E.ハンニネン:三宅健太
緒方:畠中 祐
諸星瀬名:八代 拓
リョウ・タカハシ:子安武人
高橋啓介:関 智一
上有史浩:細井 治
秋山 渉:松本保典
武内 樹:岩田光央
池谷浩一郎:矢尾一樹
健二:高木渉
奥山広也:阪口周平
小柏カイ:神奈延年
田中洋二(実況):光部 樹
京子:飯田友子
真美:林 鼓子
ナレーション:三木眞一郎
《头文字D》续作、电视动画《MF GHOST 第二季》公开先导视觉图,该作将在 2024 年播出!
【STAFF(第一季)】
原作:しげの秀一(講談社「ヤングマガジン」連載)
导演:中智仁
系列构成:山下憲一
剧本:山下憲一、稲荷明比古
角色设计:恩田尚之
总作画监督:恩田尚之、坂本千代子、油井徹太郎
3D 导演:内田博基
美术监督·设定:明石聖子(STUDIO uni)
色彩设计:田中千春
摄影监督 :林幸司(Color&Smile)
剪辑:廣瀬清志(editz)
音乐:土橋安騎夫
音响监督:三間雅文
音响效果:小山健二(SOUND BOX)
音响制作:テクノサウンド
动画制作:Felix Film
CG 动画制作:FelixFilm、directrain
出品:MFゴースト製作委員会
【CAST】
片桐夏向(カナタ・リヴィントン):内田雄馬
西園寺 恋:佐倉綾音
相葉 瞬:小野大輔
ミハイル・ベッケンバウアー:神谷浩史
大石代吾:浪川大輔
赤羽海人:諏訪部順一
石神風神:安元洋貴
沢渡光輝:逢坂良太
八潮 翔:田邊幸輔
北原 望:芹澤 優
坂本雄大:櫻井トオル
大谷洋介:石川界人
ジャクソン・テイラー:中村悠一
前園和宏:宮園拓夢
柳田拓也:坂田将吾
E.ハンニネン:三宅健太
緒方:畠中 祐
諸星瀬名:八代 拓
リョウ・タカハシ:子安武人
高橋啓介:関 智一
上有史浩:細井 治
秋山 渉:松本保典
武内 樹:岩田光央
池谷浩一郎:矢尾一樹
健二:高木渉
奥山広也:阪口周平
小柏カイ:神奈延年
田中洋二(実況):光部 樹
京子:飯田友子
真美:林 鼓子
ナレーション:三木眞一郎
✋热门推荐