#井浦新##最愛# 新采访【井浦新:「最愛」加瀬“真犯人”説に「そう簡単にフラグ立たせてたまるか」 「蛇にピアス」から13年、吉高由里子に尊敬の念も】

連続ドラマ「最愛」(TBS系、金曜午後10時)に出演する俳優の井浦新さん。あらゆる手段を使って真田梨央(吉高由里子さん)をフォローし、守っている弁護士・加瀬賢一郎を演じており、SNSでは「加瀬キュン」「加瀬さんかっこよすぎる」などと話題を集めている。一方で、12月3日放送の第8話のラストでは、渡辺昭(酒向芳さん)の遺体と一緒に池から発見された“赤いペン”にまつわるエピソードが描かれ、加瀬が意味深に映し出されたことから“真犯人”説も浮上している。「そう簡単に犯人フラグ立たせてたまるかと思っています」と話す井浦さんに、“加瀬キュン”にまつわるエピソードや、「尊敬への念が突然膨れ上がった」という吉高さんへの思いを聞いた。

 ◇加瀬は「すごくシンプルなマインドの人物」
 「最愛」は、殺人事件の重要参考人となった実業家の真田梨央、その初恋の相手で事件の真相を追う刑事・宮崎大輝(松下洸平さん)、弁護士・加瀬賢一郎を中心にしたラブサスペンス。井浦さん演じる加瀬は、「真田ウェルネス」の法務部に所属する弁護士で、早くに両親を亡くしながらも、東大法学部を首席で卒業した努力の人。頭の回転が速く論理的だが、どこか不器用なところもある……という役どころ。

 加瀬を演じるにあたり、「常に梨央に優しく寄り添う。そこがぶれないように徹底してきた」という井浦さん。橘しおり(田中みな実さん)の取材を受けるな、と伝えていても会ってしまう“おてんば”な梨央社長。梨央が引き起こしてしまうさまざまなスキャンダルに、「大変だな」と思うことはあるものの、第1話から積み重ねてきた加瀬の人間性が、だんだんと明確になってきたことを感じていると話す。

 第6話(11月19日放送)では、加瀬の尽力により、優(高橋文哉さん)は昭の死には関与していないことが証明され、梨央、優、加瀬の3人でハグをする場面が登場。また、第8話では、梨央への思いを「家族だと思っている」と話す加瀬の姿が描かれた。

 井浦さんは、「(加瀬は)大切なものにかける情熱は、数多く持っているわけではなくて、ただひたすら真田ファミリーを支え続けている。支えることで、梨央の夢や、見ようとしている景色を一緒に見たいという思いだけというか……。すごくシンプルなマインドの人物なんだなと、演じてきて確信してきたという感じです」と話す。

 ◇“本人発信”の「加瀬キュン」 「バチフレ」って?
 第6話では、加瀬が梨央とカフェに訪れるシーンも登場。クリームなどがたっぷりとのったパフェを頬張る加瀬に、梨央は「なんでこんな可愛いお店知ってるの?」と質問すると、「言わなきゃダメそれ?」と照れくさそうにする加瀬が描かれた。

 SNSでは「加瀬キュン」と盛り上がりを見せたが、この“加瀬キュン”について、「加瀬キュン、大(大輝)キュンは僕が勝手に作ったやつで(笑い)」と裏側を明かした井浦さん。「僕は普段、(キュンなどは)興味なくて。でも新井Pが『このドラマはジリキュンだよね』って言っていて面白いなと思って。僕がSNSでいじり始めて……」と振り返る。

 自身のツイッターでは、「新井順子プロデューサーへ ジリキュンがいまいち浸透しないので新しいワードお願いします」と投稿するなど、“いじって”いた井浦さん。「だんだん面白くなって、全部にキュンをつけておこうと思って。本当に適当に、『加瀬キュン』、大輝にキュンで『大キュン』と勝手にやってたら、視聴者の方たちもありがたいことにひろってくださって」と明かす。

 最近は飽きてしまい、「加瀬キュン」は使っていないという井浦さんだが、「広がっていくってすごいなとも思いますし、楽しんでくださっていることは本当にありがたいな」と笑顔を見せる。

 ほかにも、「大輝と加瀬はバチフレです」とつぶやいたこともある井浦さん。バチフレとは「バチバチフレッシュ」の略。加瀬と大輝は、何度も“バチバチ”としたやりとりが登場したが、「バチバチの芝居をしていくのも、やっていくと予定調和になっていったり、慣れてしまったりもするので、そうはならないぞ! と、僕の中では目標みたいなものだった」と明かす。

 井浦さんによると、松下さんは「体の中に流れているリズムが個性的」という。「こんなところで止めてきて、最後の言葉はこんなふうに吐き出してくるんだって。それを受ける加瀬がまたリズムが狂わされて、加瀬のリズムにもってくるためにも、自分の中でもエンジンがどんどん回転する」と明かしながら、「自分が予測したものじゃないものが毎回くるので、ホント楽しいなと思います」と話す。「大輝と加瀬のお芝居の間合い、空気感がいまだにフレッシュでいられているのは、洸平くんのおかげだと感謝しています」と続ける。

 ◇「蛇にピアス」から13年 吉高由里子に「ありがたい」
 映画「蛇にピアス」(2008年公開、蜷川幸雄監督)でも共演した吉高さんについての思いを聞いてみると、「これは人様には言いたくないんですけど……」としつつも、語り始めた井浦さん。

 撮影現場では、新井さんらスタッフから「天才」と言われているという吉高さんだが、「僕はそんな天才と思っていなくて。そんな簡単に天才というひと言でくくれるタイプじゃない」と話す。

 「不器用だと思っていますし、不器用だからこそ努力を惜しまない。彼女は力で芝居しないので、そこに流れている空気感や、彼女自身の体に流れているリズムを最大限に自然にいかすことにたけた人なんだなと思う」と表現。吉高さんの芝居が自然に見えることについては、「どんなときでも肩の力を抜いて、役と本人を同化させることができるタイプの女優さんだからだと思う。それって誰でもできることでない」と話す。

 「(『蛇にピアス」撮影当時は)彼女は19歳、僕も34歳とかで、今でもそうですけど、お互いにとてもとても未熟な時期に会っていますから。そんな未熟者同士だった二人が、また十数年たって、『まだまだ未熟者だね』と感じ取れてしまうのが気恥ずかしい」とも続ける。

 梨央と加瀬の関係性を“芝居場”だけで作るのは「正直簡単」という井浦さんだが、「お互いの関係性や、気恥ずかしさを織り交ぜながら、梨央と加瀬を作れるのはなかなかできないことでもある」と話す。「吉高さんにありがたいな、って思ったことなんかなかったのに、今回、自分の中でもびっくりするぐらい、彼女に対して尊敬の念というものが、突然大きく膨れ上がりました」と明かしていた。

 最後に、視聴者に向けて、「8話までに積み重ねてきたそれぞれの最愛の大きさが、9話、10話とそれがぶつかりあったり、混ざりあったり、どんどん開いていったり、閉じていく人もいるかも……」と予告しつつ、「2話にかけて、人間ドラマがさらに加速していくと思うので、犯人捜し以上に、登場人物たちの最愛の物語を楽しんでいただけるのではないのか」と呼びかけていた。

9月9日(水)、テアトル梅田にて、『モロッコ、彼女たちの朝』を鑑賞。
モロッコは名作『カサブランカ』(42年)で有名だが、日本に初上陸したモロッコ映画が本作。1980年にモロッコで生まれた女性監督は、“彼女たちの朝”をどんな問題意識でスクリーン上に?
今の日本ではシングルマザーに何の抵抗もないが、アラブ社会では父なし子(=ふしだら女)は以ての外。臨月の腹を抱えて、美容師の職を失った若い女性は?他方、夫を失ったことで笑顔も失ってしまったパン屋の女主人は?
どこまで親切に?どこまでお節介?本作中盤ではそんな“彼女たち”の葛藤と本音のぶつかり合いを見ながら、ラストでは彼女たちの“再生”をしっかり考えたい。

田中哲司×松田龍平が挑む伝説の舞台。ふた組の恋が今に何を響かせるか 『近松心中物語』キャストインタビュー【前編:忠兵衛&与兵衛】

初演は、42年前の1979年。戦後を代表する劇作家・秋元松代が、近松門左衛門の『冥途の飛脚』をベースに創作し、蜷川幸雄の演出で千回を超える上演が重ねられて、演劇界の金字塔と評された。その『近松心中物語』が、長塚圭史の演出で新たに立ち上がる。描かれるのは、境遇の違うふた組の男女の、心中へと追い詰められていく恋物語だ。今回はまず、その男側のふたりが登場。遊女・梅川を愛する忠兵衛役の田中哲司と、心中に憧れる妻・お亀に寄り添う与平衛役の松田龍平が、男の胸の内や、名作に挑む思いを語った。
哲司さんとの共演は「逆に警戒しています(笑)」(松田)
──舞台では、長塚圭史さん演出の『冒した者』(2013年)で共演経験のあるおふたりですが、お互いにどんな印象をお持ちですか。

田中 これはあくまでも僕の感覚なんですけど、役とか芝居へのアプローチの仕方が、僕とは全然違うところからくるなと思ったんです。芝居で絡んでみて気づいたのですが、独特のものがあってとても刺激になります。なので当時、ふたりで向かい合って座って長いセリフのやりとりをしたのが、すごく楽しかったんですよ。僕はあまりしゃべってなかったです(笑)。ほぼ龍平くんがしゃべってました。だから今回は、忠兵衛が与平衛に、梅川の身請けの手付金を借りに行くシーンでふたりでしゃべるので、そこが楽しみですね。

松田 『冒した者』ほんと楽しかったなぁ。あの舞台は今も自分の中に大きく残ってますね。哲司さんの佇まいとか、雰囲気に救われていました。実は、最後の通し稽古の途中、ふたりで向かいあってるシーンで、セリフが飛んじゃったんですけど、その時もめちゃくちゃスムーズに助けてもらって。

田中 そんなことあった? ちゃんと助けられた?

松田 はい(笑)。サラッと助けてもらったのを覚えてます。だから今回もまた助けてもらえるという安心感で、逆に、またセリフが出てこないみたいなことが起きるんじゃないかと思って、警戒してます(笑)。

「与平衛が龍平くんなので安心」(田中)
──前回共演されたのが三好十郎さんの戯曲で日本の名作でしたが、今回も伝説の舞台と言われているような名作ですね。

田中 この『近松心中物語』は、ニナガワカンパニーにいた僕にとっては、本当に敷居が高い作品です。本番の舞台を観たことはないのですが、やっぱり大きな存在なんですよね。しかも、その忠兵衛役をやるので、心して挑まねばならないなと思っています。ただ、与平衛が龍平くんなので安心であったりもします。ちょっと気弱な遊び人で、人に流される与平衛っていうのがすでに見えてくるので。今は、「よし、そっちは大丈夫だ、あとはこっちが頑張ればいい」という感じになれています。

松田 たくさんの人に愛されてる作品ですから、プレッシャーはありますが、面白くなるに違いないという期待を胸に、これから皆さんと作っていけたらと思っています。ただ、哲司さんが演じる忠兵衛の年齢が20代だって聞いて、大丈夫かなって、さっき話していたんですけど(笑)。

田中 (笑)。それを圭史くんに聞いて、そうか、若いから心中できるんだよな、若い命が散っていくから悲しいんだよなと思えるんです。当初それが頭になかったから、このまま稽古に入ってたら危ないところでした。だから、若さゆえっていうところを、動きとか感情の揺れで、ちゃんと出さなきゃいけないなと思いますね。それこそ歌舞伎でも有名な“封印切”のシーンなんかは、はっちゃけてウワーッと。

松田 オジサンが無理しちゃってる感じに見えないようにしないと(笑)。

田中 心中へ追い詰められる悲壮感にちゃんとつながるように演じなければと思っています。片や龍平くんの与平衛とお亀には、本当に笑える面白いシーンもあるよね。

松田 与平衛とお亀では温度差が面白いですよね。お亀は、与兵衛のことが好きで仕方ないと言う感じで、与兵衛は色々うんざりしちゃって、乞食にでもなって、自由に暮らすのも良いかもと思っていて。ふたりが心中に向かっていくところも、お亀のロマンチックモードに、なんとかついていってる感じで(笑)。 与平衛は心優しい真っ直ぐな男なんですけど、後先考えず「わかった」と言ってしまうんです。与兵衛は間違ったことはしていないように思うんだけど、なんか、ずれちゃってて。その感じがすごく魅力的なんですよ。

──ちなみに、それぞれのお相手となる、梅川役の笹本玲奈さん、お亀役の石橋静河さんの印象は?

田中 笹本さんは『ピーターパン』の主演でデビューされていて芸歴が長いですし。ミュージカル畑の方だから、どういう感じの芝居でこられるのか、ワクワクしてます。やっぱり思わぬものがきたほうが、予定調和よりも全然楽しいですからね。ふたりでどんなものが作れるか、本当に楽しみにしています。

松田 僕は石橋さんのことは、親の繋がりもあって小さい頃から知ってるんです。お亀と与兵衛も幼なじみなので、繋がるところがあるのは面白いですし、お芝居するのが楽しみです。

描かれていることは、今の時代とまったく変わらない(田中)
──身請けのお金が工面できない忠兵衛と、忠兵衛にお金を貸せる与平衛。この物語にはそうした境遇の違いが様々にあって、それを今の格差や貧富の問題につながるものとして描きたいと長塚さんはおっしゃっています。おふたりは、今にどんなものが届く芝居になると思われますか。

田中 ここに描かれていることは、今の時代とまったく変わらないですよね。忠兵衛は、何百両何千両のお金を扱う仕事をしていながら給料は少なくて、女のために使い込みを働いてしまう。だから、若さもそうですけど、遊女になるしかなかった梅川も含め、貧しいっていうことは強調して出していかないといけないなと思いますね。

松田 でも、現代で「心中」っていう言葉を聞くと、家族で無理心中。みたいなイメージがありますけど、この時代に、自由に恋愛をすることが出来なかった男女にとって「心中」は最後のチャンスだったのかもしれないですね。心中にポジティブ、みたいな(笑)。哲司さんは「心中」どうですか?

田中 絶対できない。だから、与平衛の感じはすごくわかります。お客さんも与平衛に共感する人が多いんじゃないかな。でも、龍平くんは、お亀の心臓を突かないといけない。そんなの一発で上手くいかないよね。

松田 なかなか死ねないみたいな(笑)。それ、芝居でやってみますか?

田中 稽古でやってみる価値はあるかも。笑いにならない程度に。

松田 圭史さんにすぐ「それいらないな」って言われそう(笑)。

──その長塚さんの演出は、いかがですか。

田中 厳しくもありやさしくもあり。

松田 圭史さんは鋭いんですよね、芝居してる時の気持ちが全部バレちゃう感じで。そうなると油断できないし、遅刻も出来ないし、話を聞いてないと怒られるからなー。

田中 そりゃそうでしょ(笑)。

松田 でも、今回嬉しいですね。これまで圭史さんとやった2作は、セットが椅子ばかりだったから(笑)。『冒した者』は音楽もなくて、すごい緊張感の中で芝居してたし。『イーハトーボの劇列車』は汽車の音を役者が奏でたり。今回はみんなで楽器で盛り上がったり、色々装置もあって。

田中 音楽もあるよ。それもスチャダラパーさんが作ってくれる音楽が。

松田 もうね、本当にありがたいです(笑)。

圭史さんの舞台をやると、また一歩踏み出すきっかけをもらえる(松田)
──松田さんにとって舞台出演は今回が5作目で、そのうちの3作が長塚さん演出の作品になりますが、舞台に出るときは何か決め手となるポイントがあるんでしょうか。

松田 舞台は大変ですよね。稽古を重ねて、本番が始まったら何があっても最後まで止まらないし。ちゃんとやり切れるのか、ビビっちゃいますね(笑)。でも、なんだかんだ、これはやらないと勿体ないぞっていう、そういう絶妙なタイミングで、いつも長塚さんに声をかけてもらってる気がしてます。

田中 しかも龍平くん、圭史くんの中でも大変な作品ばかりやってるよね。

松田 そうなんですね(笑)。でも、ほんと、稽古から本番にかけて、夢中になって。舞台を終えると、なんだか一歩踏み出せるような感じがあって。

──一方田中さんは、数え切れないほど舞台に出ておられます。その中でも、この作品はどんな存在になりそうでしょうか。

田中 僕も龍平くんと似たような、「これキツイなぁ。でもやるしかないよな」みたいなところはあります。

松田 ありますね。

田中 特に圭史くんは、大変な作品をやるときに声をかけてくれるので、ちょっと追い込まれる感じになるんですよね。『浮標』(2011年、12年、16年)も『冒した者』もそうでしたけど、その都度、この年齢になってもこういうことをクリアしなきゃいけないのかっていう気持ちになる。でも、これでまた大きくなれたらいいな、自信になればいいなと思ってやっています。だから今回も、あの忠兵衛をやれたんだ、55歳で20代の忠兵衛をやれたんだって(笑)、また自信になったらいいなと思っています。


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