仆が死のうと思ったのは 曾经我也想过一了百了
歌手:中岛美嘉 作词 作曲 : 秋田ひろむ
仆(ぼく)が死(し)のうと思(おも)ったのは ウミネコが桟桥(さんばし)で鸣(め)いたから
曾经我也想过一了百了 因为有海猫在码头悲鸣
波(なみ)の随意 (まにま)に 浮(う)かんで 消(き)える 过去(かこ)も 啄(つい)ばんで 飞(と)んで いけ
随着浪花起伏消没 叼啄着往昔飞离不见
仆が死のうと思ったのは 诞生日(たんじょうび)に杏(あんず)の花(はな)が咲(さ)いたから
曾经我也想过一了百了 因为生日那天杏花开放
その 木漏れ日 (こもれび)でうたた寝(ね)したら 虫(むし)の死骸(しがい)と土(つち)になれるかな
若是在那洒下的阳光里打盹 能否与虫之死骸一同化为尘土呢
薄荷(はっか)飴(あめ) 渔港(ぎょこう)の灯台(とうだい) 錆(さ)びた アーチ(あーち)桥(はし) 捨(す)てた 自転车(じてんしゃ)
薄荷糖 渔港的灯塔 生锈的拱桥 丢弃的自行车
木造 (もくぞう)の駅(えき)の ストーブ の前(まえ)で どこにも 旅立(たびだ)てない 心(こころ)
木造车站的暖炉前 无处可去的心灵
今日(きょう)はまるで昨日(きのう)みたいだ 明日(あした)を 変(か)える なら今日(きょう)を変 (か) えなきゃ
今天与昨天如此相像 想改变明天 必须改变今天
分かってる 分かってる けれど
我知道 我知道 但是...
仆が死のうと思ったのは 心が空(から)っぽになったから
曾经我也想过一了百了 因为心中已空无一物
満(み)たされない と泣(な)いているのは きっと 満(み)たされたい と 愿(ねが)う から
感到空虚而哭泣 一定是渴望得到充实
仆が死のうと思ったのは 靴纽(くつひも)が 解(ほど)け たから
曾经我也想过一了百了 因为鞋带松开了
结(むす)び なおすのは 苦手 (にがて)なんだよ 人(ひと)との 繋(つな)がり もまた 然(しか)り
不擅长重新系起 与人的牵绊亦是如此
仆が死のうと思ったのは 少年(しょうねん)が仆を见つめていたから
曾经我也想过一了百了 因为少年深情凝视着我
ベッドの上(うえ)で 土下座 (どげざ)してるよ あの日(ひ)の仆にごめんなさいと
抱膝跪在床上 向那天的我说抱歉
パソコンの 薄明(うすあ)かり 上阶(じょうか い)の 部屋 (へや)の 生活音 (せいかつおと)
屏幕的微光 楼上的噪音
インターフォンのチャイムの音(おと) 耳(みみ)を 塞(ふさ)ぐ 鸟(とり)かごの少年(しょうねん)
电话的铃声 紧塞住双耳 那笼中的少年
见(み)えない敌(てき)と戦(たたか)ってる 六畳一间(ろくじょうひとま)のドンキホーテ
与看不见的敌人战斗着 六畳一间的堂吉诃德
ゴールはどうせ 醜(みにく)い ものさ
反正目的也是一样丑陋
仆が死のうと思ったのは 冷(つめ)たい 人(ひと)と言(い)われたから
曾经我也想过一了百了 因为被人说是冷血
爱(あい)されたいと泣(な)いているのは 人(ひと)の 温(ぬく)もり を知(し)ってしまったから
想要被爱而哭泣 是因为尝到了人的温暖
仆が死のうと思ったのは あなたが綺麗(きれい)に笑(わら)うから
曾经我也想过一了百了 因为你灿烂的笑容
死ぬことばかり 考(かんが)え てしまうのは きっと 生(い)きる 事(こと)に 真面目 (まじめ)すぎるから
尽考虑着死的事 一定是因为太过认真地活
仆が死のうと思ったのは まだあなたに出会(であい)ってなかったから
曾经我也想过一了百了 因为还未与你相遇
あなたのような人(ひと)が生(い)まれた 世界(せかい)を 少(すこ)し 好(すき)きになったよ
因为有像你这样的人出生 我对世界稍微有了好感
あなたのような人(ひと)が生きてる 世界に少し期待(きたい)するよ
因为有像你这样的人活在这个世上 我对世界稍微有了期待
歌手:中岛美嘉 作词 作曲 : 秋田ひろむ
仆(ぼく)が死(し)のうと思(おも)ったのは ウミネコが桟桥(さんばし)で鸣(め)いたから
曾经我也想过一了百了 因为有海猫在码头悲鸣
波(なみ)の随意 (まにま)に 浮(う)かんで 消(き)える 过去(かこ)も 啄(つい)ばんで 飞(と)んで いけ
随着浪花起伏消没 叼啄着往昔飞离不见
仆が死のうと思ったのは 诞生日(たんじょうび)に杏(あんず)の花(はな)が咲(さ)いたから
曾经我也想过一了百了 因为生日那天杏花开放
その 木漏れ日 (こもれび)でうたた寝(ね)したら 虫(むし)の死骸(しがい)と土(つち)になれるかな
若是在那洒下的阳光里打盹 能否与虫之死骸一同化为尘土呢
薄荷(はっか)飴(あめ) 渔港(ぎょこう)の灯台(とうだい) 錆(さ)びた アーチ(あーち)桥(はし) 捨(す)てた 自転车(じてんしゃ)
薄荷糖 渔港的灯塔 生锈的拱桥 丢弃的自行车
木造 (もくぞう)の駅(えき)の ストーブ の前(まえ)で どこにも 旅立(たびだ)てない 心(こころ)
木造车站的暖炉前 无处可去的心灵
今日(きょう)はまるで昨日(きのう)みたいだ 明日(あした)を 変(か)える なら今日(きょう)を変 (か) えなきゃ
今天与昨天如此相像 想改变明天 必须改变今天
分かってる 分かってる けれど
我知道 我知道 但是...
仆が死のうと思ったのは 心が空(から)っぽになったから
曾经我也想过一了百了 因为心中已空无一物
満(み)たされない と泣(な)いているのは きっと 満(み)たされたい と 愿(ねが)う から
感到空虚而哭泣 一定是渴望得到充实
仆が死のうと思ったのは 靴纽(くつひも)が 解(ほど)け たから
曾经我也想过一了百了 因为鞋带松开了
结(むす)び なおすのは 苦手 (にがて)なんだよ 人(ひと)との 繋(つな)がり もまた 然(しか)り
不擅长重新系起 与人的牵绊亦是如此
仆が死のうと思ったのは 少年(しょうねん)が仆を见つめていたから
曾经我也想过一了百了 因为少年深情凝视着我
ベッドの上(うえ)で 土下座 (どげざ)してるよ あの日(ひ)の仆にごめんなさいと
抱膝跪在床上 向那天的我说抱歉
パソコンの 薄明(うすあ)かり 上阶(じょうか い)の 部屋 (へや)の 生活音 (せいかつおと)
屏幕的微光 楼上的噪音
インターフォンのチャイムの音(おと) 耳(みみ)を 塞(ふさ)ぐ 鸟(とり)かごの少年(しょうねん)
电话的铃声 紧塞住双耳 那笼中的少年
见(み)えない敌(てき)と戦(たたか)ってる 六畳一间(ろくじょうひとま)のドンキホーテ
与看不见的敌人战斗着 六畳一间的堂吉诃德
ゴールはどうせ 醜(みにく)い ものさ
反正目的也是一样丑陋
仆が死のうと思ったのは 冷(つめ)たい 人(ひと)と言(い)われたから
曾经我也想过一了百了 因为被人说是冷血
爱(あい)されたいと泣(な)いているのは 人(ひと)の 温(ぬく)もり を知(し)ってしまったから
想要被爱而哭泣 是因为尝到了人的温暖
仆が死のうと思ったのは あなたが綺麗(きれい)に笑(わら)うから
曾经我也想过一了百了 因为你灿烂的笑容
死ぬことばかり 考(かんが)え てしまうのは きっと 生(い)きる 事(こと)に 真面目 (まじめ)すぎるから
尽考虑着死的事 一定是因为太过认真地活
仆が死のうと思ったのは まだあなたに出会(であい)ってなかったから
曾经我也想过一了百了 因为还未与你相遇
あなたのような人(ひと)が生(い)まれた 世界(せかい)を 少(すこ)し 好(すき)きになったよ
因为有像你这样的人出生 我对世界稍微有了好感
あなたのような人(ひと)が生きてる 世界に少し期待(きたい)するよ
因为有像你这样的人活在这个世上 我对世界稍微有了期待
糞うぜえ。
おまえになにがわかんねんって感じやな。
なんでも一般化してわかった気になってるアホは死ねや。
こいつは典型的なごきぶりマスコミの手先の丸め込み要員。 あいかわらず糞こざかしいごまかししかできんくせになにがガラッと変わっただよ。笑わせんな。おまえらごきぶりどもの卑怯さは永久もん。
ごきぶりマスコミのごきぶりどもは現在進行形で俺の人権を蹂躙し現在進行形で俺のプライバシーを侵害し現在進行形で俺にストーカー行為を繰り返し現在進行形でごきぶり糞女どもを押しつけてきてるわけだがそんな逝かれた糞気持ち悪いごきぶりどもを許してやるマヌケなおひとよしなど世界のどこにもおらんわボケ。都合のいいことばっかりほざくな。他人事だと思ってテキトーなこと抜かしてると俺に刺されるぞカスじじい。
何万回でも同じこといってやる。こざかしい真似はおまえらより馬鹿相手にやれっつってんだよ。地べた這いずりまわって世界中を探さんかい。3人ぐらいはいるだろーがおまえらごきぶりより知能の低い馬鹿が。そいつら相手に好きなだけこざかしい真似やっとけやクソバカ知的障害者ども。
おまえになにがわかんねんって感じやな。
なんでも一般化してわかった気になってるアホは死ねや。
こいつは典型的なごきぶりマスコミの手先の丸め込み要員。 あいかわらず糞こざかしいごまかししかできんくせになにがガラッと変わっただよ。笑わせんな。おまえらごきぶりどもの卑怯さは永久もん。
ごきぶりマスコミのごきぶりどもは現在進行形で俺の人権を蹂躙し現在進行形で俺のプライバシーを侵害し現在進行形で俺にストーカー行為を繰り返し現在進行形でごきぶり糞女どもを押しつけてきてるわけだがそんな逝かれた糞気持ち悪いごきぶりどもを許してやるマヌケなおひとよしなど世界のどこにもおらんわボケ。都合のいいことばっかりほざくな。他人事だと思ってテキトーなこと抜かしてると俺に刺されるぞカスじじい。
何万回でも同じこといってやる。こざかしい真似はおまえらより馬鹿相手にやれっつってんだよ。地べた這いずりまわって世界中を探さんかい。3人ぐらいはいるだろーがおまえらごきぶりより知能の低い馬鹿が。そいつら相手に好きなだけこざかしい真似やっとけやクソバカ知的障害者ども。
看完大叔的爱第四集,横川良明 老师又激情写了观后感。也是写得深得我心:《大叔的爱》中的“爱”不仅是恋爱,还有更广阔、更多样、更大的爱。
机翻看看。
気づいたら武川さんがえらいことになっているので、そろそろ武川さんの幸せを願う会とか発足したい
横川良明
2024年1月27日 13:00
数多の不安を吹き飛ばし、2018年と変わらない面白さと温かさを届けてくれる『おっさんずラブ-リターンズ-』。ただ、強いて挙げるならば、ひとつだけ1期から欠けているものがありました。
それが、切なさ。
想いが届かない報われなさ。好きなのに、好きだから、別れを選ぶ苦しさ。1期ではライトなパッケージと相反し、誰かを好きになることで生まれる身のちぎれるような痛みを俳優たちが全身全霊で演じたことで、空前の熱狂を生んだ。
ただ、春田さんと牧が相思相愛になった以上、2期で切なさの部分が薄れるのは仕方のないこと。その分、カップルならではのイチャイチャでカツ丼5杯分くらいの満腹感をいただいているので十分幸せですという気持ちで、これまで見守っておりました。
が、ここに来て、ついにその「切なさ」を担うキャラクターが動き出してきた。他でもない菊様である。
今でこそ中森明菜くらい声の小さい和泉さんですが、かつてはバリバリの鬼教官。つーか、公安時代の井浦新は完全に和泉さんというより中堂さんだった。いつ「クソが…!」と悪態をつくかハラハラした。
事あるごとに血まみれで帰ってくるのも、失った恋人の仇を討つためだった。これまた完全に中堂さん。主題歌がスキマスイッチじゃなくて『Lemon』になっとる。
そして、そんな和泉さんを陰日向で支え続けていたのが、亡き恋人の同期であり、後釜として和泉さんのバディとなった菊様だった。和泉さんにとって菊様は弟のような存在。だけど、菊様は「弟なんかじゃねえよ」と眠っている和泉さんにそっとキスをする。
オッケーオッケー。わかりました。これはあれですね。「死に場所を探す男と、生きる場所を与えたい男の物語」ですね。もちろんめちゃくちゃ大好物です!!!!
単身テロ組織に乗り込みながらも毎回返り討ちに遭う和泉さん。あれはもちろん秋斗の死に対する報復もあるけれど、それ以上に和泉さんは秋斗のいない世界で生きる意味を失ってしまっているんじゃないだろうか。
自分がいながら、目の前で秋斗が死んでしまった。なんなら秋斗は自分を守るために盾となり銃弾を浴びた。悪夢は、罪悪感となって和泉さんを蝕み続けた。もしも復讐を遂げられるのならば、この命など惜しくない。だから、あんな無謀なことを繰り返し続けていた。
だけど、菊様は和泉さんに生きてほしいと願っている。手負いとなって帰ってくる和泉さんを、家に匿い、傷の手当てをする。そして、傷が癒えたらまた和泉さんは危険を顧みず敵地に潜り込む。もうやめろなんて言えない。なぜなら、そんな和泉さんを支えることだけが今の自分たちをつなぎ止める唯一の方法だからーー増え続ける傷の数は、ふたりの歴史。ハードボイルドすぎて、もはや金曜ナイトドラマ枠じゃない。高村薫先生か。
なんなら、今のところネタでしかないおかかしかないおむすびにも隠れた設定とかある気がしてきた。和泉さんがおいしいねと言ってくれたから、以来、おかかのおむすびばっかりつくるようになったみたいなサラダ記念日的エピソードがあったら、菊様にうっかり恋しちゃいそうです。
この菊様の「切なさ」が、ここからのリターンズのいい起爆剤となってくれそうだ。
「切なさ」と言えば、ある意味菊様以上に切ないのが、武川さんである。今、武川さんが背負っているのは、切なさと言っても中年の切なさ。それもあまりに痛々しすぎて、春田さんと牧じゃなくても、そっとテレビの電源を切るレベル。
そもそも1期の頃から『おっさんずラブ』はやたらキャラクター相関図内でカップリングが成立するドラマではあった。春田さんと牧、マロと蝶子さん、そして鉄平兄とマイマイ。主要キャラ9名のうち3組がカップル成立。『ママレード・ボーイ』くらい登場人物同士でくっついてる。
ドラマ自体が「人を愛するとはどういうことか」を主題に掲げていたので、カップルが多くなるのは当然と言えば当然だし、特にそれを難点だとも思わないけれど、一瞬だけ部長と武川さんの間でフラグが立っていたことも含め(そして、今のところその設定は2期ではなかったことになっている)、あらゆる関係性が恋愛に回収されていくのは、ちょっとどうなんだろうという気持ちもなくはなかった。
そこが続編ではどうなるんだろうと少し懸念していた分、3話で「春田と牧が幸せでさえいてくれたら、それでいいんだからさ」と泣きじゃくる部長を見て、なるほど、今回の部長は恋愛を超越した「博愛」の象徴として存在しているのだなと新しい風が吹くような気持ちになった。とてもいいテーマの拡張だと思った。
だからこそ、恋愛迷子の武川さんの扱いをどうするかが今作の成否を握っていると僕は思う。
現時点の武川さんは完全にピエロである。大前提として『おっさんずラブ』はコメディなので、笑いをまじえて描くこと自体は全然オッケー。ただ、武川さんが今ぶち当たっているのは「ミドルエイジクライシス」という普遍的かつ今日的な問題なので、これにどうオチをつけるかは制作陣の手腕が問われるところ。
これまでギャグ的に描いてきた武川さんの迷走を、どこかのタイミングでしっかりとヒューマンドラマに昇華できたら、僕は1期以上にリターンズのことを好きになるかもしれない。それが恋愛なのか、もっと違う愛なのかはわからないけど、ピエロに終わらない武川さんの人生に期待したい(注:次回予告の三点倒立はめちゃくちゃ笑いました)。
長くなるけど、あともう一つだけ。2期ならではの面白さとしてどんどん膨らんでいるのが、牧と部長の関係性である。当初は相変わらず犬猿の仲だったけど、徐々に軟化。今回は、踏み台から転んだ部長を牧がいたわる場面があった。そこで牧が感じたのが、部長の老い。あんなに大きく見えた部長が、少しずつ小さく、体も軽くなってる。そのことに、牧は言いようのない寂しさを覚える。
こういうところでグッとくるのが、『おっさんずラブ』の良さ。ライバルだったはずの牧と部長の間に芽生える奇妙な親近感。ふたりはあれですね、『ときめきトゥナイト』で言う蘭世と曜子。『姫ちゃんのリボン』の姫ちゃんと日比野ひかるです。
すでに春田さんにとっては部長は父親のような存在だと公言されているので、おそらく今後は牧にとっても部長がそれに等しい存在へと変わっていくのだろう。血のつながりも、戸籍も、拠り所としない家族の形を『おっさんずラブ』は描こうとしているのかもしれない。
そう考えると、武川さんにもきっと何かしらの幸せが訪れるはず。『おっさんずラブ』の「ラブ」とは、恋愛だけじゃない、もっと広く、もっと多様で、もっと大きな愛だ。
追伸、牧が父親のことを本人に対しては「お父さん」と呼ぶのに、本人がいないところでは「親父」になるの、日陰気質の文化系男子って感じがして最高でしたありがとうございます!!!!!!
追伸の追伸、春田さんと牧のスーツ姿のアクスタが出ました。マジで2期になってからオタクが望むものを全部くれるんですけど、幸せすぎて不幸の予兆としか思えない。絶対に終盤でオタクをどん底に叩き落とす展開があると覚悟しているので、今からメンタルトレーニングの本とか読んでおきます!!
机翻看看。
気づいたら武川さんがえらいことになっているので、そろそろ武川さんの幸せを願う会とか発足したい
横川良明
2024年1月27日 13:00
数多の不安を吹き飛ばし、2018年と変わらない面白さと温かさを届けてくれる『おっさんずラブ-リターンズ-』。ただ、強いて挙げるならば、ひとつだけ1期から欠けているものがありました。
それが、切なさ。
想いが届かない報われなさ。好きなのに、好きだから、別れを選ぶ苦しさ。1期ではライトなパッケージと相反し、誰かを好きになることで生まれる身のちぎれるような痛みを俳優たちが全身全霊で演じたことで、空前の熱狂を生んだ。
ただ、春田さんと牧が相思相愛になった以上、2期で切なさの部分が薄れるのは仕方のないこと。その分、カップルならではのイチャイチャでカツ丼5杯分くらいの満腹感をいただいているので十分幸せですという気持ちで、これまで見守っておりました。
が、ここに来て、ついにその「切なさ」を担うキャラクターが動き出してきた。他でもない菊様である。
今でこそ中森明菜くらい声の小さい和泉さんですが、かつてはバリバリの鬼教官。つーか、公安時代の井浦新は完全に和泉さんというより中堂さんだった。いつ「クソが…!」と悪態をつくかハラハラした。
事あるごとに血まみれで帰ってくるのも、失った恋人の仇を討つためだった。これまた完全に中堂さん。主題歌がスキマスイッチじゃなくて『Lemon』になっとる。
そして、そんな和泉さんを陰日向で支え続けていたのが、亡き恋人の同期であり、後釜として和泉さんのバディとなった菊様だった。和泉さんにとって菊様は弟のような存在。だけど、菊様は「弟なんかじゃねえよ」と眠っている和泉さんにそっとキスをする。
オッケーオッケー。わかりました。これはあれですね。「死に場所を探す男と、生きる場所を与えたい男の物語」ですね。もちろんめちゃくちゃ大好物です!!!!
単身テロ組織に乗り込みながらも毎回返り討ちに遭う和泉さん。あれはもちろん秋斗の死に対する報復もあるけれど、それ以上に和泉さんは秋斗のいない世界で生きる意味を失ってしまっているんじゃないだろうか。
自分がいながら、目の前で秋斗が死んでしまった。なんなら秋斗は自分を守るために盾となり銃弾を浴びた。悪夢は、罪悪感となって和泉さんを蝕み続けた。もしも復讐を遂げられるのならば、この命など惜しくない。だから、あんな無謀なことを繰り返し続けていた。
だけど、菊様は和泉さんに生きてほしいと願っている。手負いとなって帰ってくる和泉さんを、家に匿い、傷の手当てをする。そして、傷が癒えたらまた和泉さんは危険を顧みず敵地に潜り込む。もうやめろなんて言えない。なぜなら、そんな和泉さんを支えることだけが今の自分たちをつなぎ止める唯一の方法だからーー増え続ける傷の数は、ふたりの歴史。ハードボイルドすぎて、もはや金曜ナイトドラマ枠じゃない。高村薫先生か。
なんなら、今のところネタでしかないおかかしかないおむすびにも隠れた設定とかある気がしてきた。和泉さんがおいしいねと言ってくれたから、以来、おかかのおむすびばっかりつくるようになったみたいなサラダ記念日的エピソードがあったら、菊様にうっかり恋しちゃいそうです。
この菊様の「切なさ」が、ここからのリターンズのいい起爆剤となってくれそうだ。
「切なさ」と言えば、ある意味菊様以上に切ないのが、武川さんである。今、武川さんが背負っているのは、切なさと言っても中年の切なさ。それもあまりに痛々しすぎて、春田さんと牧じゃなくても、そっとテレビの電源を切るレベル。
そもそも1期の頃から『おっさんずラブ』はやたらキャラクター相関図内でカップリングが成立するドラマではあった。春田さんと牧、マロと蝶子さん、そして鉄平兄とマイマイ。主要キャラ9名のうち3組がカップル成立。『ママレード・ボーイ』くらい登場人物同士でくっついてる。
ドラマ自体が「人を愛するとはどういうことか」を主題に掲げていたので、カップルが多くなるのは当然と言えば当然だし、特にそれを難点だとも思わないけれど、一瞬だけ部長と武川さんの間でフラグが立っていたことも含め(そして、今のところその設定は2期ではなかったことになっている)、あらゆる関係性が恋愛に回収されていくのは、ちょっとどうなんだろうという気持ちもなくはなかった。
そこが続編ではどうなるんだろうと少し懸念していた分、3話で「春田と牧が幸せでさえいてくれたら、それでいいんだからさ」と泣きじゃくる部長を見て、なるほど、今回の部長は恋愛を超越した「博愛」の象徴として存在しているのだなと新しい風が吹くような気持ちになった。とてもいいテーマの拡張だと思った。
だからこそ、恋愛迷子の武川さんの扱いをどうするかが今作の成否を握っていると僕は思う。
現時点の武川さんは完全にピエロである。大前提として『おっさんずラブ』はコメディなので、笑いをまじえて描くこと自体は全然オッケー。ただ、武川さんが今ぶち当たっているのは「ミドルエイジクライシス」という普遍的かつ今日的な問題なので、これにどうオチをつけるかは制作陣の手腕が問われるところ。
これまでギャグ的に描いてきた武川さんの迷走を、どこかのタイミングでしっかりとヒューマンドラマに昇華できたら、僕は1期以上にリターンズのことを好きになるかもしれない。それが恋愛なのか、もっと違う愛なのかはわからないけど、ピエロに終わらない武川さんの人生に期待したい(注:次回予告の三点倒立はめちゃくちゃ笑いました)。
長くなるけど、あともう一つだけ。2期ならではの面白さとしてどんどん膨らんでいるのが、牧と部長の関係性である。当初は相変わらず犬猿の仲だったけど、徐々に軟化。今回は、踏み台から転んだ部長を牧がいたわる場面があった。そこで牧が感じたのが、部長の老い。あんなに大きく見えた部長が、少しずつ小さく、体も軽くなってる。そのことに、牧は言いようのない寂しさを覚える。
こういうところでグッとくるのが、『おっさんずラブ』の良さ。ライバルだったはずの牧と部長の間に芽生える奇妙な親近感。ふたりはあれですね、『ときめきトゥナイト』で言う蘭世と曜子。『姫ちゃんのリボン』の姫ちゃんと日比野ひかるです。
すでに春田さんにとっては部長は父親のような存在だと公言されているので、おそらく今後は牧にとっても部長がそれに等しい存在へと変わっていくのだろう。血のつながりも、戸籍も、拠り所としない家族の形を『おっさんずラブ』は描こうとしているのかもしれない。
そう考えると、武川さんにもきっと何かしらの幸せが訪れるはず。『おっさんずラブ』の「ラブ」とは、恋愛だけじゃない、もっと広く、もっと多様で、もっと大きな愛だ。
追伸、牧が父親のことを本人に対しては「お父さん」と呼ぶのに、本人がいないところでは「親父」になるの、日陰気質の文化系男子って感じがして最高でしたありがとうございます!!!!!!
追伸の追伸、春田さんと牧のスーツ姿のアクスタが出ました。マジで2期になってからオタクが望むものを全部くれるんですけど、幸せすぎて不幸の予兆としか思えない。絶対に終盤でオタクをどん底に叩き落とす展開があると覚悟しているので、今からメンタルトレーニングの本とか読んでおきます!!
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